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  4. 私は年金いくらもらえる?平均年金受給額や種類別の計算方法、今からできる老後資金の積み立て方法
更新 更新:2022.06.30

私は年金いくらもらえる?平均年金受給額や種類別の計算方法、今からできる老後資金の積み立て方法

私は年金いくらもらえる?平均年金受給額や種類別の計算方法、今からできる老後資金の積み立て方法
監修者

山中 伸枝

(株)アセット・アドバンテージ代表取締役/FP相談ねっと 代表
所有資格
ファイナンシャルプランナー(CFP)
監修者

藤田 匡紀

ファイナンシャルプランナー(CFP)
所有資格
CFP資格、証券外務員Ⅱ種
専門分野・得意分野
生命保険全般、資産運用
執筆者

中村 翔也

ファイナンシャルプランナー
所有資格
ファイナンシャル・プランニング技能士3級
専門分野・得意分野
保険全般・金融全般・通信全般

近年の日本では平均寿命の延伸化が進んでおり、100歳まで生きることを前提にした人生設計を考える必要があります。

そこで、重要な問題となるのが「はたして私はいくらの年金がもらえるの?」という点です。

退職後は収入が減るのが一般的で、老後の生活資金として年金をあてにしている人も多いと思います。

しかしながら、昨今では老後資金2,000万円問題が話題になったことでもわかるように、公的年金制度だけでは安定した老後生活を送るための資金としては十分とは言えません

また、公的年金に頼らない貯蓄を作るために資産運用をする場合でも、実際にもらえる年金額が分かっていた方が安心ですよね。

この記事では、「年金のリアルな受給額」と「今から実践できる老後資金を貯蓄するための方法」をご紹介します。
年金以外の方法で老後資金を貯蓄したいと考えている方へ向けて、老後に備えられる保険もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

もらえる年金受給額と種類は、職業や働き方で異なる

年金制度の仕組み

まず、将来的に受け取れる年金の金額と種類は、職業によって異なります

年金の受給額を確認する前に、日本の年金制度についておさらいしましょう。

公的年金と私的年金の違いや特徴 まとめ
公的年金 私的年金
国民年金 厚生年金 企業が実施する年金
(企業年金など)
個人が加入できる年金
iDeCoつみたてNISAなど)
20歳以上60歳未満の国民全員が加入する年金 民間企業や公務員など、どこかに所属して働く人が加入する年金 企業が制度の一環として実施する年金 個人が任意で加入できる年金
年金の種類によって様々な条件がある
加入対象者 加入対象者 加入対象者 加入対象者
  • 第1号被保険者(自営業、フリーランスなど)
  • 第3号被保険者(第2号被保険者に扶養されている人)
  • 第2号被保険者(会社員・公務員など)
  • 会社員・公務員など
  • 各年金の条件を満たす人

※公的年金における「共済年金」は平成27年10月から厚生年金に統一されました

日本の年金制度は3階建ての構造になっており、1階部分の「国民年金」・2階部分の「厚生年金」・3階部分の「私的年金」から成り立っています

1階・2階部分は国が管理・運営を行う「公的年金」で、国民皆年金制度のもと全日本国民が国民年金に加入しており、会社員や公務員の人はさらに厚生年金にも加入しています。

3階部分の「私的年金」は金融機関を介して利用できる税制優遇のある国の仕組みや民間の保険会社が販売する年金保険を指し、加入は任意で公的年金の保障を上乗せしたい人が個別に申し込みをして加入します。

つまり、職業ごとに分けるともらえる年金の受給額と種類は以下の通りになります。

職業別、受給できる年金の種類一覧
国民保険 厚生年金 私的年金(任意加入)

第1号被保険者
自営業者、フリーランス、学生、フリーター、無職など

×

第2号被保険者
会社員や公務員など

第3号被保険者
第2号被保険者に扶養されている配偶者

× 
第1号被保険者に扶養されている配偶者
第1合被保険者と同様
× 

まずは上記の表をみて、自分がどの区分に該当するのかを確認してから年金額をみていきましょう。

山中 伸枝
ナビナビ保険監修
(株)アセット・アドバンテージ代表取締役/FP相談ねっと 代表
山中 伸枝

年金を考える上でもっとも重要なことは「私の場合は、いくらなのか?」です。なぜならば、年金はもらうものではなく創るものなので、自分が創った分しか受け取れないのが原則だからです。

また、よくいわれる年金のモデルケースは、昭和の古いタイプの夫婦をモデルとしています。すなわち、夫が厚生年金加入で妻はずっと専業主婦です。つまり、今どきそんな人がどこにいるの?という、いわばデータの継続性のために存在するモデルということを理解しておきましょう。

年金の受給資格

年金の受給開始年齢は、原則として65歳からで、保険料納付済期間(国民年金保険料の納付済期間または厚生年金保険の加入期間など)と国民年金の保険料免除期間を合算した「資格期間」が10年以上である必要があります。

かつての年金制度の名残で、老齢厚生年金が65歳より前に受給できる人もいますが、(男性:昭和36年4月1日生まれまで、女性:昭和41年4月1日生まれまで)老齢年金は基礎年金と厚生年金ともに65歳が支給開始年齢です。

2013年以前は、国民年金が65歳・厚生年金が60歳から受給可能でしたが、現在では厚生年金の受給可能年齢も65歳となっているのでご注意ください。

国民年金と厚生年金ともに65歳からの受給が基本ですが、60歳〜64歳の間から年金を受け取れる「繰り上げ受給」、66歳〜70歳(2022年4月以降は66歳~75歳)の間まで年金の受給を遅らせる「繰り下げ受給」も選択可能です。

「繰り上げ受給」とは?
年金の受給開始時期を60歳〜64歳の期間に早められるが、本来の年金受給額から0.5%が減額される
※2022年4月以降は減額率0.4%
「繰り下げ受給」とは?
年金の受給開始時期を66歳〜70歳の期間に送らせることで、本来の年金受給額に0.7%が加算される

ただし、老齢厚生年金の受給額は多くても年間で220万円程度、国民年金の加入者に支給される老齢基礎年金にいたっては年間で80万円程度しか支給されません。

そのため、老後の生活資金を公的年金だけで賄うのは難しく、安定した老後生活を送るためには現役時代から資金を貯蓄しておく必要があります。

山中 伸枝
ナビナビ保険監修
(株)アセット・アドバンテージ代表取締役/FP相談ねっと 代表
山中 伸枝

学生の時に、学生納付特例をしていた方は、そのことが将来の年金にどう反映されるのか知っておきましょう。学生納付特例は、年金加入期間にはカウントされますが、将来の年金額には反映されません。

老齢基礎年金は、ざっくりと1年加入することで2万円の年金額となりますので、仮に学生時代に3年間学生納付特例を利用すると、将来の年金が約6万円満額より少なくなります。老齢年金は亡くなるまで受給しますから、仮に90歳まで生きると150万円の差になります。できるだけ早くに後納することも検討しましょう。

年金の平均受給額

厚生労働省が発表する「令和2年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、年金の平均受給額は、国民年金がおよそ5.6万円、厚生年金がおよそ14.4万円です。

年金受給額の平均月額
年度 国民年金 厚生年金(国民年金を含む)
令和2年 56,252円 146,145円
令和元年 55,946円 146,162円
平成30年 55,708円 145,865円
平成29年 55,518円 147,051円
平成28年 55,373円 147,927円

参照:令和2年度厚生年金保険・国民年金事業の概況(PDF)|厚生労働省 P22,P8

国民年金の受給額は、「保険料の納付月数」で決まります。20歳〜60歳までの40年間のうちに毎月欠かさず保険料を納めていれば、令和2年4月分からの年金受給額は最大で65,000円(年間で781,700円)となります。

参照:令和2年4月分からの年金額等について|日本年金機構

一方、厚生年金の受給額は「保険料の納付月数」と「収入額」によって決まるので、給与所得が多ければ多いほど年金の受給額も増えていきます

年代別の年金受給額の目安

国民年金や厚生年金は年齢が若いほど、年金受給額が少なくなっていきます。以下、厚生労働省が公表するデータをもとに、年齢別の平均年金受給額です。

年齢別の平均年金受給額
年齢 国民年金 厚生年金
60歳〜64歳 42,306円 75,922円
65歳〜69歳 57,502円 143,069円
70歳〜74歳 57,010円 145,705円
75歳〜79歳 55,880円 150,569円
80歳〜84歳 56,916円 159,529円
85歳〜89歳 55,633円 162,705円
90歳以上 50,554円 161,506円

参照:令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況|厚生労働省

65歳未満の厚生年金保険の受給権者は、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢引き上げによって、主に定額部分のない報酬比例部分のみの人で構成されているので、少なく見えています。

日本の年金制度では「賦課方式」を採用しており、20歳〜60歳の現役世代が納めた保険料をもとにして、その時点の年金受給者へ支給されます。

簡単にいえば「現役世代が日本全体の年金受給者の生活を支えている」イメージですが、昨今の日本では少子高齢化が進んでおり、現役世代が少なくなる一方で年金受給者は増加の一途を辿っています

これらの理由から年齢が若いほど年金受給額が少なくなるよう調整されており、今後の人口統計によってはさらに受給額が少なくなっていくことも考えられます

年金定期便(ねんきん定期便)を活用する

自分の年金受給額を把握するには「年金定期便(ねんきん定期便)」を活用することをおすすめします

年金定期便とは、国民年金や厚生年金の加入者全員に送付される書簡のことで、これまでの年金制度の加入状況や将来的に受け取れる年金受給額の見込みが記載されています

毎年の誕生日の月(1月生まれの場合は誕生月の前月)に日本年金機構から送付され、年齢に応じてハガキ形式や封書形式で届きます。

50歳以上の人に送られる年金定期便は、これまでの加入実績などを基に計算された正確な年金受給額が記載されています。

50歳未満の人に送られる年金定期便は、発行時時点の加入実績をもとに計算した暫定的な年金額なので、これからの年金加入に応じて金額が増えます

また、50歳以上の人に送られる年金定期便は、今の年金加入条件が60歳まで継続することを織り込んだうえでの見込み額が記載されています。

年金制度の加入実績や収入状況によって実際に受け取れる年金額は大きく変動するため、これまでの年金制度の加入実績を確認することに重きをおいて活用してください。

年金受給額の計算方法

年金受給額の計算方法についてご紹介します。

国民年金と厚生年金とで計算方法が異なるため、それぞれの計算方法について分かりやすく解説していきます。

なお、日本年金機構の「ねんきんネット」に登録すると、将来の年金受給額の試算ができるツールを利用できるので、そちらもあわせてご活用ください。

国民年金の場合

令和2年4月分からの国民年金における年金受給額は、以下の計算式で算出されます。

国民年金の計算方法

  • 年金受給額(年間)=781,700円×保険料納付済み月数÷480月(40年)

毎月欠かさずに保険料を納めていれば、令和2年4月分以降の年金受給額は最大で781,700円(1か月あたり約65,000円)です。

保険料免除期間がある場合は、以下の計算式にならって計算を行います。

国民年金の計算方法と免責期間
計算方法
  • 781,700円×(保険料納付済み月数+免除期間)÷480月(40年)
免除期間
  • 全額免除の場合
免除月数×4/8
4分の1納付の場合 納付月数×5/8
  • 半額納付の場合
納付月数×6/8
  • 4分の3納付の場合
納付月数×7/8

なお、国民年金(老齢基礎年金)の受給要件は、20歳〜60歳までの間の「保険料納付済期間+保険料免除期間+合算対象期間(年金額には反映されない期間)」が合計で10年以上ある65歳以降の人です。

何らかの理由で上記の要件を満たさなかった場合は老齢基礎年金を受給できないことになるので覚えておきましょう

厚生年金の場合

厚生年金は、保険料の納付月数に加えて収入金額によっても年金受給額が変わります。

計算式は非常に複雑なので、基本的には「年金定期便」や「ねんきんネット」を活用して確認するようにしましょう

厚生年金の基本的な計算式

  • A:平均標準報酬額×0.005481×平成15年(2003年)4月以降の加入月数
  • B:平均標準報酬月額×0.007125×平成15年3月までの加入月数
  • A+B=老齢厚生年金の受給額(報酬比例部分)

※標準報酬額:平成15年4月以後の被保険者期間の各月の標準報酬月額と標準賞与額の総額を、平成15年4月以後の被保険者期間の月数で除して得た額※標準報酬月額:平成15年3月までの被保険者期間の各月の標準報酬月額の総額を、平成15年3月までの被保険者期間の月数で除して得た額参照:年金額の計算に用いる数値|日本年金機構

加入期間と収入金額ごとのおおよその年金受給額は以下のとおりですが、実際の年金受給額はさまざまな要件によって大きく変動するので、あくまで目安程度に捉えてください。

老齢厚生年金の受給額(目安)
年収 保険料納付期間(加入年数)
10年 15年 20年 25年 30年 35年 40年
300万円 16万円 25万円 33万円 41万円 49万円 58万円 66万円
500万円 27万円 41万円 55万円 69万円 82万円 96万円 110万円
700万円 38万円 58万円 77万円 96万円 115万円 134万円 153万円
1,000万円 55万円 82万円 110万円 137万円 164万円 192万円 219万円

※年収×0.005481×平成15年(2003年)4月以降の加入期間で計算しています

夫婦の場合

夫婦の場合における年金受給額のシミュレーションは以下のとおりです。

老齢厚生年金の受給額については「厚生年金の場合」でご紹介した目安の金額を参照しています。

夫婦の場合における年金受給額シミュレーション
年金受給額
国民年金 厚生年金 合計受給額
夫婦共働き(会社員同士)の場合
夫:年収700万円
妻:年収300万円
夫:約78万円
妻:約78万円
夫:約153万円
妻:約66万円
夫:約231万円
妻:約144万円
合計:375万円/年(31.25万円/月)
会社員と専業主婦の場合
夫:年収700万円
妻:年収なし
夫:約153万円
妻:0円
夫:約231万円
妻:約78万円
合計:約309万円/年(約25.75万円/月)
夫婦共働き(自営業者同士)の場合
夫:年収700万円
妻:年収300万円
夫:0円
妻:0円
夫:約78万円
妻:約78万円
合計:約156万円/年(約13万円/月)
自営業者と専業主婦の場合
夫:年収700万円
妻:年収なし

以上の表から、2人分の老齢厚生年金が受け取れる「夫婦共働き(会社員)」がもっとも年金受給額が多いことがわかります。

老後資金は、実際にいくらかかる?

日本では100歳まで生活するための老後資金として、定年退職をして働き手がいなくなった世帯においては平均1,300万〜2,000万円の老後資金が必要だと言われています

この金額には、介護費用などの「老後に必要とされる支出」が一切含まれていないので、実際にはこの金額以上の老後資金を貯蓄しておく必要がある可能性もあります。

以下の記事では、総務省が発表した統計データを用いながら、高齢夫婦世帯・高齢単身世帯における細かな家計収支をシミュレーションしてご紹介しています。

よりリアルな金額がイメージできるかと思うので、老後資金として貯蓄しておきたい金額を知りたい人は、合わせてご参照ください。

老後資金を積み立てる方法

調査結果を基にしたシミュレーションにより、介護費用まで含めた老後資金は、およそ2,300万〜3,000万円程度必要と言われています。

この金額には「年金」や「社会保障給付」などを含めて計算をしているため、2,300万〜3,000万円の老後資金は自力で作り出さなければなりません

各世帯において必ずしもこの金額が必要な訳ではありませんが、年金や社会保障以外の方法で老後資金の準備をしておく必要があります。

老後資金を作る手段として「毎月の固定費を見直す」「定年後も働く」なども大事ですが、以下の5つの制度を上手に活用することも重要です。

山中 伸枝
ナビナビ保険監修
(株)アセット・アドバンテージ代表取締役/FP相談ねっと 代表
山中 伸枝

老後資金準備は、なによりも早くから始めることに意義があります。最初は少ない金額でも良いので、早めに貯め癖をつけましょう。定期的に資金を積立てるためには、収入はあった方がいいですし、将来の年金額は収入が高ければ高いほど多くなるので、収入を増やす努力は必須です。

すると、普段から「自分への投資」をしてスキルアップを心掛けるようになるでしょう。学べばその分よりよい選択ができるようになるので、お金の積立も効率のよい投資にも振り向けられるようになります。

iDeCo(個人型確定拠出年金)

イデコの仕組み

iDeCo(イデコ)は、毎月の掛金を積み立てて運用を行い、積み立てた金額や運用益を60歳以降に受け取れる制度です。

20歳以上60歳未満であれば誰もが任意で加入することができ、以下の3つのメリットから効率良く老後資金を積み立てていけるのが特徴です。

iDeCo(個人型確定拠出年金)の3つのメリット

  • 毎月の掛金は全額が所得控除となる
  • iDeCoで得た運用益は非課税
  • 受け取り方法は「年金」と「一時金」から選べてどちらも控除の対象となる

また、iDeCoの掛金は最低5,000円から上限となる金額まで1,000円単位で自由に決められるので、家計状況と相談しながら無理のない資産運用ができます

掛金の上限額(拠出限度額)は、加入資格ごとで異なりますので、以下表を参考にして自分の拠出限度額を把握しましょう。

iDeCoの拠出限度額について
加入資格 加入対象者 拠出限度額
第1号被保険者 日本国内に居住している20歳以上60歳未満の自営業者、フリーランス、学生など 月額6.8万円(年額81.6万円) ※国民年金基金または国民年金付加保険料との合算枠
第2号被保険者 60歳未満の厚生年金の被保険者(サラリーマン、公務員など) 会社に企業年金がない場合 月額2.3万円(年額27.6万円)
企業型DCに加入している場合 月額2.0万円(年額24.0万円)
DBと企業型DCに加入している場合 月額1.2万円(年額14.4万円)
DBのみに加入している場合
公務員等
第3号被保険者 20歳以上60歳未満の厚生年金に加入している方の非扶養配偶者 月額2.3万円(年額27.6万円)

※DC:確定拠出年金、DB:確定給付企業年金、厚生年金基金参照:iDeCo公式サイト(2022年4月現在)

なお、iDeCoを始めるには金融機関を選ぶ必要がありますが、ネット証券の中でも国内株取引シェアが最も多い「SBI証券」がおすすめです。

手数料の安さや取引の際にTポイントが貯まることもおすすめ理由の1つですが、注意点等も存在しますので、以下ページをしっかりと読んで理解してから申し込むようにしましょう。

つみたてNISA

つみたてNISAの運用益は20年間非課税になる

つみたてNISAは、年間40万円までの売買による利益が非課税で運用できる積立に特化した制度です。

投資可能期間が最長で20年と決まっているため、年間40万円×20年間で最大800万円までは非課税で運用できます

運用可能な金融商品は「積立型投資信託」のみで、ひと月あたり100円から最大3.3万円までの少額投資が可能です。

以下の要件を全て満たす「長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託」だけを厳選しているため、投資や資産運用が初めての方でも安心して取り組めることが特徴です。

つみたてNISAの投資対象商品要件

  • 販売手数料はゼロ(ノーロード)
  • 信託報酬は一定水準以下(例:国内株のインデックス投信の場合0.5%以下)に限定
  • 顧客一人ひとりに対して、その顧客が過去1年間に負担した信託報酬の概算金額を通知すること
  • 信託契約期間が無期限または20年以上であること
  • 分配頻度が毎月でないこと
  • ヘッジ目的の場合等を除き、デリバティブ取引による運用を行っていないこと

参照:つみたてNISAの概要|金融庁

ただし、「投資可能額が年間40万円までと少額」「NISA口座と通常の口座で損益通算ができないために損失が出るとマイナス効果がある」などの注意点もあります。

財形貯蓄

財形貯蓄制度の種類

財形貯蓄は、勤務先の給与から毎月一定金額を天引きで行う貯蓄制度のことです。

天引きされた金額は、勤務先が提携する「財形貯蓄取扱金融機関」に払い込まれ、会社が制度の導入・運用を行うため、加入者が自分で何かをする必要はありません

財形貯蓄には目的別の3種類が存在し、ライフイベントに合わせた資金作りができるのが特徴です。

財形貯蓄の種類
種類 内容

一般財形貯蓄

  • 使用目的を限定せず自由に使える財形貯蓄。
  • 車や旅行などの短期計画から結婚、出産、教育などの大きなライフイベント、ケガや病気、引っ越しなどの不意な出費など、幅広い目的に使える。
  • 貯蓄開始から1年経てばいつでも自由に払い出すことができる。

財形住宅貯蓄

  • マイホームの建設・購入・リフォームなど、住まいの資金作りに向いている財形貯蓄。
  • 財形年金貯蓄と合わせて、貯蓄残高550万円までが利子等非課税となる。
  • ただし、住宅の建設・購入・リフォーム以外の払い出しには課税されるので要注意。

財形年金貯蓄

  • 60歳以降に年金として受け取るための資金作りを目的とした財形貯蓄。
  • 財形住宅貯蓄と合わせて貯蓄残高550万円までが利子等非課税となる。
  • ただし、保険などの商品の場合は払込額385万円までが非課税で、年金以外の払い出しには課税されるので注意が必要。

参照:財形貯蓄制度|勤労者財産形成事業本部

給与から天引きで積立ができるので、大きな強制力があることがメリットと言える制度ですが、いくつか覚えておくべき注意点もあります。

財形貯蓄の注意点

  • 勤務先が財形貯蓄制度を実施していなければ使えない
  • iDeCoのような所得控除の対象にはならない
  • 一般財形と通常の定期預金の違いがほとんどない

これらの注意点をしっかりと理解した上で利用するようにしましょう。

定期預金

定期預金は、口座に預け入れをしてから一定期間引き出せないことを条件に、普通預金よりも金利が高く設定されている預金のことです。

預け入れの期間は最短1か月から最長10年までと好きな期間を選択でき、元本割れの心配がなく手数料も不要であることからローリスクで資産を運用することができます

ただし、普通預金よりも金利が高いとはいえ運用効率が高い訳ではなく、仮に銀行が破綻した場合の「預金保険制度」が適用されるのは銀行窓口ひとつに対して1,000万円までなどの注意点もあるので覚えておきましょう

また、定期預金をするのであれば、新生銀行の「円定期預金」がおすすめです

最低預入金額以上であれば期間中、何度でもいくらでも預金することができ、またdポイントやTポイントも貯まるので、お得に資金運用ができます。

金利やポイント還元率等は以下ページを参考にしてください。

小規模企業共済

小規模企業共済は自営業やフリーランスとして働く人たち向けの制度です。

毎月1,000円から7万円までの範囲内で、500円単位で自由に掛金を決めることができ、退職・廃業時はそれまでに積立ててきた金額を「共済金」として一括・分割で受け取ることができます。

掛金は全額が所得控除として認められるので、老後資金を作る目的以外にも大きな節税効果が期待できます

共済金を受け取る際は課税されますが、個人事業主であれば「退職所得」として扱われるので税負担が軽くなり、結果として老後においても節税の効果が見込めます。

一方、掛金納付月数が240ヶ月を下回る場合は元本割れとなってしまう点には注意が必要です。

老後に備えられる保険

老後資金を貯蓄するための方法として「保険」を活用することもひとつの方法です。

保険契約によって老後資金を貯蓄すると「毎月の保険料支払いという強制力がある」「節税効果が見込める」などの恩恵が受けられます

以下で挙げる3つの保険制度を活用して、上手に老後資金を貯蓄していきましょう。

低解約返戻金型終身保険

低解約返戻金型終身保険の仕組み

低解約返戻金型終身保険は、保険契約中の解約返戻金が少なく設定されている終身保険のことです。

保険料の払込期間が終了した後は通常の終身保険と同金額の解約返戻金となり、加入期間が長くなるほど解約返戻金が高額となります

終身保険の中には、保険料の払込期間満了後は解約返戻金が払い込み保険料の110%や120%になる保険商品もあるので、満期を迎えた後に解約することで老後資金として使うことができるようになります。

毎月の保険料が安めに設定されているものの、払込期間が満了する前に解約すると元本割れを起こしてしまうので注意しましょう

個人年金保険

個人年金保険の仕組み

個人年金保険は、国民年金や厚生年金では足りない分を補填するための保険です。

所定期間までの保険料を支払うことで、60歳や65歳などの年齢に達してから5年・10年・15年・一生涯の期間は年金が受け取れるようになります。

万が一、年金を受け取る前に死亡した場合はすでに払い込んだ保険料と同額が死亡保険金として支払われます。

個人年金保険に加入することで所得控除の対象となったり、保険料という形で確実に積み立てができたりなど、様々なメリットがあります。

その一方で、元本割れをするリスクが高い点やインフレに弱い点には注意が必要です。

外貨建て保険

外貨建て終身保険の仕組み

外貨建て保険は、積み立てた掛金を外貨で運用する生命保険のひとつです。

利回りが高い・保険料が割安・万一の際の保障が得られるなどのメリットがあることに加え、現在の日本は金利がかなり低い状態にあることから、効率よく資産運用をするための方法として人気を博しています。

その一方、為替リスク(異なる通貨の交換比率の変動による差)が伴う点や保険料の支払い時や受取時、契約時や解約時などの至る部分で手数料が発生する点にはご注意ください

年金受給額に関する「よくある質問Q&A」

年金受給額に関する「よくある質問」にお答えします。

Q. 国民年金保険料を滞納するとどうなりますか?

A.国民年金保険料を滞納すると、1か月につき1,629円が年金受給額から引かれる計算となります

国民年金の計算方法(※令和2年時点)

  • 国民年金受給額:781,700円 × (保険料納付済み月数+免除期間) ÷ 480月(40年)
  • 1ヵ月滞納した場合:781,700円 × (479月 ÷ 480月)= 780,071円 = 差額1,629円
  • 2ヵ月滞納した場合:781,700円 × (478月 ÷ 480月)= 778,442円 = 差額3,258円

なお、納付期限までに国民年金保険料の納付が確認できない場合、日本年金機構から督促状が送付されます。

督促状の指定期日を過ぎても納付されない場合は経過した日数に応じた延滞金が発生し、最悪の場合は財産調査から差し押さえが執行される事態にまで発展してしまいます。

そのため、国民年金保険料の払い忘れがないように気をつけましょう。

Q. 年金額が加算されるケースがあると聞きましたがどのような場合ですか?

A.年金額が加算されるケースは以下のとおりです

年金額が加算されるケース
内容
繰り下げ受給 年金の受給開始時期を66歳〜70歳の間に遅らせることで、年金受給額が1か月あたり0.7%増額される。※2022年4月からは66歳~75歳の間が対象になります
加給年金 厚生年金保険の被保険者期間が20年以上ある人が65歳に到達した時点で、その人に生計を維持されている配偶者または子供がいる場合に上乗せして支払われる年金制度。
加給年金額の対象となっている配偶者が65歳に到達すると加給年金の支給が打ち切りとなる。(配偶者が老齢基礎年金を受給できるようになるため)
振替加算 加給年金が打ち切られたとき、65歳に達した配偶者が一定の要件を満たしていれば打ち切られた分の加給年金額が65歳に到達した配偶者の老齢基礎年金に加算される制度。
特別支給の老齢厚生年金 厚生年金保険の受給開始年齢を段階的にスムーズに引き上げるために設けられた特別な年金制度。
男性の場合は昭和36年4月1日以前、女性の場合は昭和41年4月1日以前に生まれていて、老齢基礎年金の受給資格期間10年を満たしており、厚生年金保険等に1年以上加入している60歳以上の人が受給できる。

Q. 今からできる老後資金準備はどんなものがありますか?

A.今からできる老後資金を準備するための方法としては、以下が挙げられます

今からできる老後資金を準備するための方法
内容
個人年金保険 契約時に定めた年齢まで保険料を払い込むことで、老後の一定期間または一生涯に渡って公的年金にプラスして年金が受け取れる保険。支払保険料の一部について、個人年金保険料控除を受けることができ、所得税・住民税を軽減することができる。
付加年金 毎月の保険料に400円をプラスして払い込むことで、年金額に「払い込んだ月数×200円」が上乗せされるようになる年金制度。
国民年金の第1号被保険者のみが利用できる。
国民年金基金 国民年金の第1号被保険者が任意加入できる2階から3階にあたる年金制度。
2019年4月以降からは「全国国民年金基金」となった。
厚生年金基金 国が行う「厚生年金」の一部の支給を厚生年金基金が代行し、上乗せした年金額が受け取れるようになる制度。
厚生年金基金を導入している企業に勤めている人のみ利用できる。
確定給付企業年金 企業が掛け金を積み立てて年金運用・管理・給付を行い、高齢期において従業員がその内容に基づいた給付を受けられる年金制度。
確定給付企業年金制度を採用している企業に勤めている人のみ利用できる。
企業型確定拠出年金(企業型DC) 企業が拠出する掛金で個人が運用を行い、運用収益との合計額が給付額となる企業年金制度。
企業型DCを採用している企業に勤めている人のみ利用できる。
個人型確定拠出年金(iDeCo) 毎月一定の掛け金を積み立てて自分自身で年金資産の運用を行う制度。
積み立てた試算が引き出せるのは60歳以降からだが、大きな税制上の優遇措置が受けられる。

なお、働き方によっては利用できない制度があるので気をつけましょう

また、上記でまとめた制度を利用することに加え、現在の家計状況を見直すことも大切です。

今の収支状況を把握して極力無駄な支出を控えて節約に努めることで、将来に向けた老後資金の貯蓄に役立ちます。

貯蓄した分の資金を資産運用に回して、より効率よく老後資金を準備することもできるので、ぜひとも家計の見直しを行ってみることをおすすめします

まとめ

人生100年時代を生きる私たちにとって、将来的に受け取れる年金の受給額は気になるところです。

厚生労働省が発表するデータによると、平成30年度においては下記でまとめた金額が受け取れることがわかりました。

年金受給額の平均月額
年度 国民年金 厚生年金(国民年金を含む)
令和2年 56,252円 146,145円
令和元年 55,946円 146,162円
平成30年 55,708円 145,865円
平成29年 55,518円 147,051円
平成28年 55,373円 147,927円

参照:令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況(PDF)

上記より、ひと月あたりの受給金額は国民年金で約56,000円、厚生年金で約144,000円となっています。

安定した老後生活を送るための資金としては不十分なので、公的年金だけに頼らない別の方法で資産を貯蓄しておく必要があります。

この記事でご紹介した方法を試せば、効率的に老後資金を貯蓄していくことができるので、働き世代の今のうちから老後に備えた準備を進めておくことをおすすめします。

山中 伸枝

山中 伸枝

1993年米国オハイオ州立大学ビジネス学部卒業後メーカーに勤務。これからはひとりひとりが、自らの知識と信念で自分の人生を切り開いていく時代と痛感し、お金のアドバイザーであるファイナンシャルプランナー(FP)として2002年に独立。年金と資産運用、特に確定拠出年金やNISAの講演、ライフプラン相談を多数手掛ける。株式会社アセット・アドバンテージ 代表取締役。FP相談ネット 代表。一般社団法人公的保険アドバイザー協会 理事。
所有資格
ファイナンシャルプランナー(CFP)
藤田 匡紀

藤田 匡紀

新卒で日本生命保険相互会社に入社し、販売企画・代理店営業など多様な業務に従事。13年間勤務した後「もっと多くの人に、保険の必要性を正しく理解してもらいたい」という思いを胸にエイチームフィナジーに入社、ナビナビ保険の運営に参画。金融機関における顧客向け相続セミナー・研修会の実績も多数あり。
所有資格
CFP資格、証券外務員Ⅱ種
専門分野・得意分野
生命保険全般、資産運用
中村 翔也

中村 翔也

携帯代理店法人部門にて営業職として2年半勤務後、2017年12月よりwebライターとして独立。通信ジャンルをメインに金融系、保険記事を毎月30本以上執筆。
所有資格
ファイナンシャル・プランニング技能士3級
専門分野・得意分野
保険全般・金融全般・通信全般
ナビナビ保険編集部

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ナビナビ保険編集部は「どこよりも分かりやすい保険情報を届けること」をコンセプトにコンテンツの配信を行っています。

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