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更新 更新:2021.05.31

老後資金はいくら必要? 独身・夫婦の平均生活費と今からできる貯蓄方法

老後資金はいくら必要? 独身・夫婦の平均生活費と今からできる貯蓄方法

老後資金にはいくら必要なのだろうか?

2000万円?いやいや安心したいなら5000万円必要だという方もいます。

結論、老後資金に必要な金額は、自身がどんな老後生活をおくりたいのかで全然違ってきます。

自分の思い描く老後をおくれるかどうかは現役時代の過ごし方次第です。

老後の平均生活費を知って、自分にはどれくらいの貯蓄が必要なのか、現役時代にいくら貯蓄しておくべきなのかを確認して老後の不安を少しでも解消しましょう。

年金はいくら?生活費はどれくらい?

老後の収入と支出

ではさっそく、年金の受給額と老後の生活費にはいくら必要なのか確認していきましょう。

国民年金と厚生年金の平均受給額(収入)

平成26年~平成30年までの国民年金と厚生年金の平均受給月額を確認してみましょう。これが老後の大事な収入額となります。

年金受給額の平均月額
年度 国民年金 厚生年金
平成26年 54,414円 144,886円
平成27年 55,157円 145,305円
平成28年 55,373円 145,638円
平成29年 55,518円 144,903円
平成30年 55,708円 143,761円

参照:平成30年度厚生年金保険・国民年金事業の概況(PDF)|厚生労働省

国民年金の平均受給月額は55,000円で、厚生年金の平均受給月額は144,000円です。

もちろん老後も働くことや投資などでこれ以外に収入を増やすことはできますが、何もしない場合は月額収入はこの金額となることを目安として知っておきましょう。

更に詳しく私はいくら年金がもらえるのかについて知りたい方は、下記記事をご参考ください。

老後の生活費(支出)

では次に老後の支出について確認していきましょう。

独身編:老後の生活費

総務省の調査結果によると、独身の高齢者の支出額の合計金額は「161,995円/月」です。

同調査によると実収入は「123,325円」となり、毎月38,670円の赤字で貯蓄から取り崩して生活しているという結果が出ています。

高齢単身無職世帯の家計収支(2018年)
項目 金額
食料 36,378円
住居 18,268円
光熱・水道 13,109円
家具・家事用品 4,780円
被服および履物 3,766円
保健医療 8,286円
交通・通信 14,405円
教育 0円
教養娯楽 24,239円
その他の消費支出 33,528円
(うち交際費18,281円)
上記合計(消費支出) 149,603円
非消費支出(税金や保険料など) 12,392円
合計 161,995円

高齢単身無職世帯の家計収支(2018年)
参照:家計調査年報(家計収支編)2018年(平成30年)|総務省

夫婦編:老後の生活費

総務省の調査結果によると、夫婦世帯の支出額の合計金額は「264,707円」です。

同調査の高齢夫婦世帯の実収入は「222,834円」で、毎月41,872円の赤字で独身世帯と同じ貯蓄から取り崩して生活しているという結果が出ています。

高齢夫婦無職世帯の家計収支(2018年)
項目 金額
食料 65,319円
住居 13,625円
光熱・水道 19,905円
家具・家事用品 9,385円
被服および履物 6,171円
保健医療 15,181円
交通・通信 28,071円
教育 2円
教養娯楽 24,239円
その他の消費支出 53,717円
(うち交際費25,596円)
上記合計(消費支出) 235,615円
非消費支出(税金や保険料など) 29,092円
総合計 264,707円

高齢夫婦無職世帯の家計収支(2018年)

※高齢者夫婦無職世帯は、夫65歳以上・妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯を指します参照:家計調査年報(家計収支編)2018年(平成30年)|総務省

毎月4万円ほどの赤字となると、年間で約48万円となり、夫婦世帯も独身世帯も人生100年時代を生き抜くには年金だけでは生活不安がありますね。

生活費以外にかかるお金も想定しよう

老後に必要な貯蓄額を計算する際には、必ず生活費以外にかかるお金のことも想定して計算しましょう。

人生100年時代と呼ばれる昨今では、長生きすることで以下のような支出面でのリスクがつきものです。

生活費以外に老後に必要とされる主な支出項目

  • 入院費・手術費
  • 介護費用
  • 葬祭費用・身辺整理代
  • 旅行・レジャー・趣味
  • 住宅費(リフォームなど)

老後の生活では、突然のケガや病気などのリスクが高まるため、入院費や手術費が高額になることが予想されます。

公的保険に加入することで1〜3割の自己負担で病院にかかることができますが、それでも家計の大きな負担となることは間違いありません。

自分自身や家族が要介護状態となれば介護費用が発生しますし、死亡した場合に葬祭費用なども発生します。

このように安心できる老後生活を送るためには、生活費以外に様々な支出項目についても想定して貯蓄をしておく必要があります。

自分にとって必要な老後生活費のシュミレーション

平均の老後生活費については分かりましたが、実際自身にとっていくら老後の貯金が必要なのかをシュミレーションしてみましょう。

この数字があなたにとって老後に必要な貯蓄額と予想できます。

step1
65歳からの年金や社会保障給付を計算する
step2
1か月あたりの支出額を計算する
step3
平均余命年齢を計算する:平均寿命-65歳
(参考例:平成30年度平均寿命 男性81.25歳 女性87.32歳
step4
(step1 - step2)× 12か月 × step3
step5
65歳以降に入ってくるお金を計算する
  • 退職金
  • 個人年金保険
  • その他不動産収入
  • 保有株式などを計算する
step6
その他支出を計算する
  • 旅行代
  • 住宅のリフォーム代
  • 介護費用
  • 葬儀費用など
step7
step4 + step5 - step6 = 老後の必要貯蓄額

※1:家計調査年報(家計収支編)2018年(平成30年)|総務省参照※2:平成30年簡易生命表の概況|厚生労働省参照※3:※介護費用は「平成30年度生命保険に関する全国実態調査(速報版)」より、月額介護費用平均7.8万円×平均介護期間54.5か月+一時介護費用69万円=494.1万円≒500万円で計算

上記の計算方法を参考に夫婦世帯Aさんの場合でシュミレーションしてみましょう。

Aさんの場合

  • 夫婦世帯
  • 退職金あり(1500万円予定)
  • 個人年金に加入(50万円×10年)
  • 75歳くらいまで年間50万円ほどの旅行がしたい
例:Aさんの場合の必要な老後貯蓄額
step1
65歳から年金や社会保障給付を計算する
年金額:22.3万円
step2
1か月あたりの支出額を計算する
生活費:26.5万円
step3
平均余命年齢を計算する
平均余命年齢:23年
※平均寿命が長い方の数値を算出
step4
(step1 - step2)× 12か月 × step3
1159.2万円
step5
65歳以降に入ってくるお金を計算する
  • 退職金:1500万円
  • 個人年金保険:500万円(50万円×10年)
  • その他不動産収入:なし
  • 保有株式など:なし
step6
その他支出を計算する
  • 旅行代:400万円(40万円×10年)
  • 住宅のメンテナンス代:500万円
  • 介護費用:1,000万円(500万円×2人分)
  • 葬儀費用:200万円(家族葬予定×2人分)
step7
step4 + step5 - step6
老後の過不足額:- 1259.2万円

Aさんの場合、1259.2万円が不足する計算になりました

注目する点は、退職金があるか無いかで大きく必要貯蓄額が違ってくることです。

Aさんがもし退職金3000万円あれば、不足金はない計算となります。

ただし退職金には所得税がかかってきますので、全額そのままもらえるわけではないことも知っておきましょう。

さらに、老後は趣味に没頭したいのでもっと娯楽費が必要な場合や、孫にお小遣いをあげたいし遊びにも連れて行ってあげたい!

リッチな老後を送りたいと思っている人、普通の生活を楽しみたいと考えている人、さまざまな未来予想図があると思います。

自分がどんな老後をおくりたいか考えながらシュミレーションしてみることで、現役時代に蓄える必要額が見えてきますね。

では次に老後資金を貯めるにはどんな方法があるのかを確認していきましょう。

老後資金の貯蓄方法

老後資金を貯蓄するために効率の良い方法は以下の4つです。

個人年金保険

個人年金保険の仕組み

個人年金保険とは、ある一定の年齢まで保険料を払い込み、その後の決められた期間または一生涯に渡って年金が受け取れる保険です。

定年退職の年齢が60歳であるのに対し、公的年金が受け取れるようになる年齢が65歳に引き上げられたため、公的年金が受け取れるようになるまでのつなぎとして加入する人も少なくありません。

条件を満たせば払い込んだ保険料が「個人年金保険料控除」として申告できるほか、指定の銀行口座から自動引落で保険料を払い込むため、半強制的に老後に向けた貯蓄ができる点がメリットです。

一方、固定金利の定額保険だと将来的にインフレが発生した場合に対応できない、途中解約をすると元本割れを起こすなどの注意点もあります

財形貯蓄制度(会社員のみ)

財形貯蓄制度の種類

財形貯蓄制度とは、勤務先の給与から毎月一定金額を天引きで貯蓄していく制度のことです。

給与から天引きで積み立てていくため、自分自身で手続きを行うことなく半自動的に貯蓄できる点が大きなメリットです。

積み立てたお金は財形貯蓄取扱金融機関にて運用され、将来のライフイベントに合わせて自由に引き出して使うことができます。

財形貯蓄の種類
種類 内容
一般財形貯蓄 使用目的を限定せず自由に使える財形貯蓄。車や旅行などの短期計画から結婚、出産、教育などの大きなライフイベント、ケガや病気、引っ越しなどの不意な出費など、幅広い目的に使える。貯蓄開始から1年経てばいつでも自由に払い出すことができる。
財形住宅貯蓄 マイホームの建設・購入・リフォームなど、住まいの資金作りに向いている財形貯蓄。財形年金貯蓄と合わせて、貯蓄残高550万円までが利子等非課税となる。ただし、住宅の建設・購入・リフォーム以外の払い出しには課税されるので要注意。
財形年金貯蓄 60歳以降に年金として受け取るための資金作りを目的とした財形貯蓄。財形住宅貯蓄と合わせて貯蓄残高550万円までが利子等非課税となる。ただし、保険などの商品の場合は払込額385万円までが非課税で、年金以外の払い出しには課税されるので注意が必要。

参照:財形貯蓄制度|勤労者財産形成事業本部

ただし、勤務先の企業が財形貯蓄制度を実施していなければ本制度を利用することはできません

また、積み立てたお金は所得控除には含まれないので、税制上の負担軽減効果はありません

財形貯蓄制度を利用する場合は、注意点をしっかりと理解した上でご検討ください。

定期預金

定期預金は、口座に預け入れをしてから一定期間引き出せないことを条件に、普通預金よりも金利が高く設定されている預金のことです。

預け入れの期間は最短1か月から最長10年までと好きな期間を選択でき、元本割れの心配がなく手数料も不要であることからローリスクで資産を運用することができます。

ただし、普通預金よりも金利が高いとはいえ運用効率が高い訳ではなく、仮に銀行が破綻した場合の「預金保険制度」が適用されるのは銀行窓口ひとつに対して1,000万円までなどの注意点もあるので覚えておきましょう。

小規模企業共済

小規模企業共済は自営業やフリーランスとして働く人たち向けの制度です。

毎月1,000円から7万円までの範囲内で、500円単位で自由に掛金を決めることができ、退職・廃業時はそれまでに積立ててきた金額を「共済金」として一括・分割で受け取ることができます。

掛金は全額が所得控除として認められるので、老後資金を作る目的以外にも大きな節税効果が期待できます

共済金を受け取る際は課税されますが、個人事業主であれば「退職所得」として扱われるので税負担が軽くなり、結果として老後においても節税の効果が見込めます。

一方、掛金納付月数が240ヶ月を下回る場合は元本割れとなってしまう点には注意が必要です。

老後資金の投資運用方法

昨今では金融商品が低金利であることから、そこまで大きなリターンは期待できません。

また、老後から受け取れるようになる公的年金だけでは、安定した老後生活を送るための資金としては人によっては不十分である可能性があります。

そのため、老後資金を貯蓄するためには、投資運用も選択肢のひとつとなります。

投資は長期で運用することでそのリスクを抑え、長い目で見た時に結果としてリターンを得られる可能性が高くなります

老後資金を貯蓄するためのおすすめの投資方法は以下のとおりです。

老後資金でおすすめの投資方法

これらは他の金融商品や保険に比べてリスクが低めなので、老後資金の貯蓄を目的とした投資運用に向いているといえます。

以下、1つずつ詳しく解説していきます。

iDeCo(個人型確定拠出年金)

イデコの仕組み
iDeCo(個人型確定拠出年金)とは、掛金を毎月積み立てて資産運用を行い、積立金や運用益を60歳以降に受け取ることができる制度です。

20歳以上60歳未満の全日本国民が任意で加入することができ、老後の資産形成を目的としながらも税制上の負担軽減効果が大きいことから非常に人気を集めています。

iDeCoの税制上の負担軽減効果

  • 積立金は全額所得控除の対象
  • 運用益は全額非課税
  • 積立金や運用益を引き出した際にも大きな所得控除が受けられる

また、最低5,000円と少額から積み立てていくことができるので、将来に向けた貯蓄を考えているが手持ちの資金が少ないという人でも検討しやすいことが特徴です。

非常に大きなメリットがあるiDeCoですが、原則として60歳になるまで引き出すことができず、積み立てられる金額には上限額が設けられているなどの注意点もあるので覚えておきましょう。

つみたてNISA(少額投資非課税制度)

つみたてNISAの運用益は20年間非課税になるつみたてNISA(少額非課税制度)とは、年間40万円までの資産運用による利益が非課税で再運用できる積み立てに特化した制度です。

積立期間は最長で20年と決められており、年間40万円×20年間で最大800万円までが非課税で運用できます

積み立てに特化した制度であることから売買のタイミングを判断する必要がなく、口座を開設した金融機関によっては最低100円からの少額積立が可能です。

これらの特徴から、投資初心者に勧められることが多い人気のある制度となっています。

iDeCoとは異なり、いつでも換金できる点や年齢上限がない点は大きなメリットですが、投資できる商品が少なかったり非課税期間が20年と決められていたりなどデメリットも存在します。

これらは他の金融商品や保険に比べてリスクが低めなので、老後資金の貯蓄を目的とした投資運用に向いているといえます。

低解約返戻金型終身保険

低解約返戻金型終身保険

低解約返戻金型終身保険は、保険契約中の解約返戻金が少なく設定されている終身保険のことです。

保険料の払込期間が終了した後は通常の終身保険と同金額の解約返戻金となり、加入期間が長くなるほど解約返戻金が高額となります

終身保険の中には、保険料の払込期間満了後は解約返戻金が払い込み保険料の110%や120%になる保険商品もあるので、満期を迎えた後に解約することで老後資金として使うことができるようになります。

毎月の保険料が安めに設定されているものの、払込期間が満了する前に解約すると元本割れを起こしてしまうので注意しましょう

外貨建て保険

外貨建て終身保険の仕組み

外貨建て保険は、積み立てた掛金を外貨で運用する生命保険のひとつです。

利回りが高い・保険料が割安・万一の際の保障が得られるなどのメリットがあることに加え、現在の日本は金利がかなり低い状態にあることから、効率よく資産運用をするための方法として人気を博しています。

その一方、為替リスク(異なる通貨の交換比率の変動による差)が伴う点や保険料の支払い時や受取時、契約時や解約時などの至る部分で手数料が発生する点にはご注意ください。

老後の生活設計に迷ったらFPに相談

ここまで、老後の生活費に関する統計結果や生活費の計算方法、老後資金を貯蓄する方法についてご紹介してきました。

老後に対する漠然とした不安を抱えている人は多いですが、この記事でお伝えした通りに老後の生活費を計算していけば、想像しているよりも少ない金額で、安心した老後生活を送れることに気付けるかと思います。

とはいえ、旅行や趣味を楽しんだり、より充実した生活を送ったりなど、ゆとりのある老後生活を送るためには様々な制度を活用して老後資金を貯蓄する必要があります

しかし、政府や市区町村が実施する制度は内容が非常に複雑で、老後の生活設計が立てられずにお困りの人も多いかと思います。

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まとめ

この記事では平均生活費から老後資金の貯蓄方法まで解説していきました。

現役時代にどう過ごすかで老後の生活も変わってきます。

ライフスタイルを見直すことで、少しでも老後の生活不安を解消できたら幸いです。

この記事を読んで、もっと自分に沿ったライフプランをしっかり見直したいと感じた方は、お金のプロであるFP(ファイナンシャル・プランナー)に相談してみませんか。

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藤田 匡紀

藤田 匡紀

新卒で日本生命保険相互会社に入社し、販売企画・代理店営業など多様な業務に従事。13年間勤務した後「もっと多くの人に、保険の必要性を正しく理解してもらいたい」という思いを胸にエイチームフィナジーに入社、ナビナビ保険の運営に参画。金融機関における顧客向け相続セミナー・研修会の実績も多数あり。
所有資格
AFP資格、証券外務員Ⅱ種
専門分野・得意分野
生命保険全般、資産運用
中村 翔也

中村 翔也

携帯代理店法人部門にて営業職として2年半勤務後、2017年12月よりwebライターとして独立。通信ジャンルをメインに金融系、保険記事を毎月30本以上執筆。
所有資格
ファイナンシャル・プランニング技能士3級
ナビナビ保険編集部

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ナビナビ保険編集部は「どこよりも分かりやすい保険情報を届けること」をコンセプトにコンテンツの配信を行っています。

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