昨今では老後2,000万円問題が話題になるなど、安心した老後生活を送るための資産形成に関心が高まっています。
老後に向けた資産形成を行うためには「老後の生活費がいくらかかるのかを把握すること」が重要です。
この記事では、公的機関が調査した統計結果をもとに、老後の生活費として必要な金額の目安や、その金額を効率良く貯蓄するための方法についてご紹介します。
老後の生活費と年金受給額の把握
老後に向けた資産を貯蓄する際、老後に必要な生活費と年金受給額を把握することで、どれくらいの貯蓄を残せば不足分を補えるのか明確にできます。
日本では「国民皆年金制度」が導入されているので、全日本国民が「国民年金」または「厚生年金」に加入しています。
厚生労働省が発表するデータによると、ひと月あたりの受給金額は国民年金で約55,000円、厚生年金で約144,000円となっています。
年度 | 国民年金 | 厚生年金 |
---|---|---|
平成26年 | 54,414円 | 144,886円 |
平成27年 | 55,157円 | 145,305円 |
平成28年 | 55,373円 | 145,638円 |
平成29年 | 55,518円 | 144,903円 |
平成30年 | 55,708円 | 143,761円 |
参照:平成30年度厚生年金保険・国民年金事業の概況(PDF)|厚生労働省
現在の日本の公的年金だけでは老後の生活費を賄うことができず、安定した老後生活を送るための資金としては不足しています。
そのため、公的年金に頼らない方法で老後に向けた資産を貯蓄する必要があります。
目標となる金額が明確になれば老後資金の貯蓄に対するモチベーションが上がりますし、老後の生活費に対する不安の解消にもつながります。
そのため、老後資金を効率良く貯蓄するための方法を知る前に、老後の生活費について把握しておく必要があります。
夫婦の場合:老後の生活費は最低27万円/月
高齢夫婦世帯における老後の生活費は、ひと月あたり最低27万円が必要です。
総務省が発表した調査結果の最新版(2018年)によると、夫65歳以上・妻60歳以上の高齢夫婦無職世帯における実収入は「222,834円(公的年金・社会保障給付込み)」であることがわかっています。
さらに、実収入に対して支出額の合計金額は「264,707円」となっており、差額分41,872円を貯蓄から補填して生活をしているという結果が出ています。
項目 | 金額 | 割合 |
---|---|---|
食料 | 65,319円 | 27.7% |
住居 | 13,625円 | 5.8% |
光熱・水道 | 19,905円 | 8.4% |
家具・家事用品 | 9,385円 | 4.0% |
被服および履物 | 6,171円 | 2.6% |
保健医療 | 15,181円 | 6.4% |
交通・通信 | 28,071円 | 11.9% |
教育 | 2円 | 0% |
教養娯楽 | 24,239円 | 10.3% |
その他の消費支出 | 53,717円 (うち交際費25,596円) |
22.8% (うち交際費10.9%) |
上記合計(消費支出) | 235,615円 | 100% |
非消費支出(税金や保険料など) | 29,092円 | - |
総合計 | 264,707円 | - |
※高齢者夫婦無職世帯は、夫65歳以上・妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯を指します参照:家計調査年報(家計収支編)2018年(平成30年)|総務省
さらに、生命保険文化センターが発表する「令和元年度 生活保障に関する調査」によれば、ゆとりある老後生活(旅行やレジャー、趣味や教養、生活費の充実など)を送るための平均費用は月額36.1万円となっています。
つまり、高齢夫婦世帯における老後の生活費は最低でもひと月あたり27万円、旅行やレジャーを楽しめるようなゆとりをもった生活を送るためには約36万円の資金が必要です。
なお、上記はあくまで老後の生活費のみの金額で、実際には介護費用や葬儀費用などの資金も準備する必要があります。
介護費用や葬儀費用まで含めると、65歳から85歳までの20年間でおよそ2,200万円の老後資金が必要となる計算となります。
高齢夫婦無職世帯に必要な老後資金
- 生活費の赤字分:41,872円×240か月(20年)=10,049,280円
- 介護費用:500万円×二人分
- 葬儀費用:100万円×二人分
- 合計金額:22,049,280円
※介護費用は「平成30年度生命保険に関する全国実態調査(速報版)」より、月額介護費用平均7.8万円×平均介護期間54.5か月+一時介護費用69万円=494.1万円≒500万円で計算しています
単身の場合:老後の生活費は最低17万円/月
高齢単身世帯における老後の生活費は、ひと月あたり最低17万円が必要です。
総務省が発表した調査結果の最新版(2018年)によると、60歳以上の高齢単身無職世帯における実収入は「123,325円(社会保障給付込み)」であることがわかっています。
実収入に対する支出額の合計金額は「161,995円」で、38,670円の差額分を貯蓄から取り崩して生活しているという結果が出ています。
項目 | 金額 | 割合 |
---|---|---|
食料 | 36,378円 | 24.3% |
住居 | 18,268円 | 12.2% |
光熱・水道 | 13,109円 | 8.8% |
家具・家事用品 | 4,780円 | 3.2% |
被服および履物 | 3,766円 | 2.5% |
保健医療 | 8,286円 | 5.5% |
交通・通信 | 14,405円 | 9.6% |
教育 | 0円 | 0% |
教養娯楽 | 24,239円 | 11.4% |
その他の消費支出 | 33,528円 (うち交際費18,281円) |
22.4% うち交際費12.2% |
上記合計(消費支出) | 149,603円 | 100% |
非消費支出(税金や保険料など) | 12,392円 | - |
合計 | 161,995円 | - |
参照:家計調査年報(家計収支編)2018年(平成30年)|総務省
上述の高齢夫婦世帯にと同様に、これらはすべて老後の生活費だけの金額なので、実際には介護費用や葬儀費用も準備する必要があります。
65歳から85歳まで生きることを想定した場合、およそ1,500万円の老後資金が不足する計算となります。
高齢単身無職世帯に必要な老後資金
- 生活費の赤字分:38,670円×240か月(20年)=9,280,800円
- 介護費用:500万円
- 葬儀費用:100万円
- 合計金額:15,280,800円
※介護費用は「平成30年度生命保険に関する全国実態調査(速報版)」より、月額介護費用平均7.8万円×平均介護期間54.5か月+一時介護費用69万円=494.1万円≒500万円で計算しています
老後の生活費の計算方法
老後の生活費として最低限必要な金額として、高齢夫婦世帯ではひと月27万円、高齢単身世帯ではひと月17万円が生活費として必要なことがわかりました。
しかし、これらの数字はあくまで目安なので、すべての世帯に当てはまる訳ではありません。
自分にとって本当に必要な老後の生活費の計算方法は以下の通りです。
手順 | 計算方法 | 例:夫65歳、妻60歳以上の高齢夫婦の場合 |
---|---|---|
1 | 65歳からの収入額(公的年金や社会保障給付など)を計算する | 高齢夫婦世帯における平成30年度の年金額:22.3万円※1 |
2 | 1か月あたりの支出額を計算する (水道光熱費や通信費などの固定費、生活費や医療費などの流動費) |
高齢夫婦世帯における平成30年度の支出額:26.5万円※1 |
3 | 平均余命年齢を計算する(直近の平均寿命年齢-65歳) | 平成30年度平均寿命:男性81.25歳、女性87.32歳 この計算では65歳から85歳までの20年として計算 |
4 | (65歳からの収入額-1か月あたりの支出額)×12か月×平均余命年齢を計算する | (22.3万円-26.5万円)×12か月×20歳=-1,008万円 |
5 | 退職金や個人年金保険、その他不動産収入や保有株式などを計算する | 退職金1,500万円+(個人年金保険50万円×10年)=2,000万円と仮定 |
6 | その他支出(旅行代、住宅のリフォーム代、介護費用、葬儀費用など)を計算する | 介護費用:500万円×2人=1,000万円※3 葬儀費用:100万円×2人=200万円 旅行代:50万円×10年=500万円 リフォーム代:300万円 合計:2,000万円 |
7 | 手順4、5、6を計算して、算出された金額がもしマイナスの場合は | -1,008万円+2,000万円-2,000万円=-1,008万円 |
※1:家計調査年報(家計収支編)2018年(平成30年)|総務省参照※2:平成30年簡易生命表の概況|厚生労働省参照※3:※介護費用は「平成30年度生命保険に関する全国実態調査(速報版)」より、月額介護費用平均7.8万円×平均介護期間54.5か月+一時介護費用69万円=494.1万円≒500万円で計算
上記の手順で計算をすれば、自分の老後に必要な生活費を計算できます。
計算例では、公的機関が発表する老後の家計調査年報や統計結果を参考にして、夫65歳・妻60歳以上の高齢夫婦が85歳まで生きる場合に必要な老後の生活費を算出しました。
今回の例の場合、約1,000万円が老後資金として不足している状態なので、65歳までに1,000万円以上の貯蓄を作ることができれば安心した老後生活を送ることができるでしょう。
仮に現在の年齢が40歳で65歳まで働くと仮定すると残りの期間は25年となるので、1,000万円÷25年=年間40万円の貯蓄額が目標となります。
このように、収入額と支出額を算出して本当に必要な貯蓄額を計算することで、老後の生活の不安を解消できます。
大雑把な金額で計算しても貯蓄額のある程度の目安がわかるので、老後の生活費が不安に感じる人は一度計算を行うことをおすすめします。
年金受給額がいくらになるかの想定は以下の記事で解説していますので参考にしてください。
また、共働き夫婦の年金受給額のおおまかな想定額については、以下の記事で解説しています。該当する方は参考にしてください。
生活費以外にかかるお金も想定しよう
老後に必要な貯蓄額を計算する際には、必ず生活費以外にかかるお金のことも想定して計算しましょう。
人生100年時代と呼ばれる昨今では、長生きすることで以下のような支出面でのリスクがつきものです。
老後に必要とされる主な支出項目
- 生活費
- 入院費・手術費
- 介護費用
- 葬祭費用・身辺整理代
- 旅行・レジャー・趣味
- 住宅費(リフォームなど)
老後の生活では、突然のケガや病気などのリスクが高まるため、入院費や手術費が高額になることが予想されます。
公的保険に加入することで1〜3割の自己負担で病院にかかることができますが、それでも家計の大きな負担となることは間違いありません。
自分自身や家族が要介護状態となれば介護費用が発生しますし、死亡した場合に葬祭費用なども発生します。
このように安心できる老後生活を送るためには、生活費以外に様々な支出項目についても想定して貯蓄をしておく必要があります。
積極的な老後資金の準備・投資の前に、まずは現状の家計の見直しを
老後資金を準備するとなると、積極的な貯蓄や投資を思い浮かべる人もいるでしょう。
しかしまず一番にすべきことは、現状の家計、特に住居費や保険料、通信費などの「固定費」を見直すことです。
固定費は毎月変動しない費用のため、一度しっかりと見直すことで長期で見た際には大きな節約効果が期待できます。
固定費の各項目にて見直すポイントは以下の通りです。
チェックポイント | |
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住宅費 |
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保険料 |
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通信費 |
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自動車費 |
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また、現状の生活背景別の家計の見直しポイントは、以下の通りとなります。
ポイント | |
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一人暮らし |
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共働き |
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子供がいる家庭 |
|
現状の収入を数万円すぐに増やすことは難しくても、ポイントを押さえながら家計の見直しに取り組むことで、月々の余剰金額は大きく変わってきます。
家計の見直し方法は以下の記事でも詳しく説明しているので、ぜひ参考にしてください。
実際に家計を見直すときは、家計簿を活用したりファイナンシャルプランナーに相談するのがおすすめです。
老後資金の貯蓄方法
老後資金を貯蓄するために効率の良い方法は以下の4つです。
老後資金の準備方法
この項目では、それぞれの制度の特徴についてご紹介していきます。
準備方法の中にあるように、老後資金を貯蓄するための方法として生命保険を活用することもひとつの方法です。
保険契約によって老後資金を貯蓄すると「毎月の保険料支払いという強制力がある」「節税効果が見込める」などの恩恵が受けられます。
老後資金を貯蓄する方法がわからない人は、ぜひこの項目を参考にしてください。
個人年金保険
個人年金保険とは、ある一定の年齢まで保険料を払い込み、その後の決められた期間または一生涯に渡って年金が受け取れる保険です。
一般的に保険料の払込期間は60歳や65歳であることが多く、公的年金だけでは不十分な老後資金を補填する目的で加入されます。
また、定年退職の年齢が60歳であるのに対し、公的年金が受け取れるようになる年齢が65歳に引き上げられたため、公的年金が受け取れるようになるまでのつなぎとして加入する人も少なくありません。
条件を満たせば払い込んだ保険料が「個人年金保険料控除」として申告できるほか、指定の銀行口座から自動引落で保険料を払い込むため、半強制的に老後に向けた貯蓄ができる点がメリットです。
一方、固定金利の定額保険だと将来的にインフレが発生した場合に対応できない、途中解約をすると元本割れを起こすなどの注意点もあります。
財形貯蓄制度(会社員のみ)
財形貯蓄制度とは、勤務先の給与から毎月一定金額を天引きで貯蓄していく制度のことです。
給与から天引きで積み立てていくため、自分自身で手続きを行うことなく半自動的に貯蓄できる点が大きなメリットです。
積み立てたお金は財形貯蓄取扱金融機関にて運用され、将来のライフイベントに合わせて自由に引き出して使うことができます。
種類 | 内容 |
---|---|
一般財形貯蓄 | 使用目的を限定せず自由に使える財形貯蓄。 車や旅行などの短期計画から結婚、出産、教育などの大きなライフイベント、ケガや病気、引っ越しなどの不意な出費など、幅広い目的に使える。 貯蓄開始から1年経てばいつでも自由に払い出すことができる。 |
財形住宅貯蓄 | マイホームの建設・購入・リフォームなど、住まいの資金作りに向いている財形貯蓄。 財形年金貯蓄と合わせて、貯蓄残高550万円までが利子等非課税となる。 ただし、住宅の建設・購入・リフォーム以外の払い出しには課税されるので要注意。 |
財形年金貯蓄 | 60歳以降に年金として受け取るための資金作りを目的とした財形貯蓄。 財形住宅貯蓄と合わせて貯蓄残高550万円までが利子等非課税となる。 ただし、保険などの商品の場合は払込額385万円までが非課税で、年金以外の払い出しには課税されるので注意が必要。 |
ただし、勤務先の企業が財形貯蓄制度を実施していなければ本制度を利用することはできません。
また、積み立てたお金は所得控除には含まれないので、税制上の負担軽減効果はありません。
財形貯蓄制度を利用する場合は、注意点をしっかりと理解した上でご検討ください。
定期預金
定期預金は、口座に預け入れをしてから一定期間引き出せないことを条件に、普通預金よりも金利が高く設定されている預金のことです。
預け入れの期間は最短1か月から最長10年までと好きな期間を選択でき、元本割れの心配がなく手数料も不要であることからローリスクで資産を運用することができます。
ただし、普通預金よりも金利が高いとはいえ運用効率が高い訳ではなく、仮に銀行が破綻した場合の「預金保険制度」が適用されるのは銀行窓口ひとつに対して1,000万円までなどの注意点もあるので覚えておきましょう。
小規模企業共済
小規模企業共済は自営業やフリーランスとして働く人たち向けの制度です。
毎月1,000円から7万円までの範囲内で、500円単位で自由に掛金を決めることができ、退職・廃業時はそれまでに積立ててきた金額を「共済金」として一括・分割で受け取ることができます。
掛金は全額が所得控除として認められるので、老後資金を作る目的以外にも大きな節税効果が期待できます。
共済金を受け取る際は課税されますが、個人事業主であれば「退職所得」として扱われるので税負担が軽くなり、結果として老後においても節税の効果が見込めます。
一方、掛金納付月数が240ヶ月を下回る場合は元本割れとなってしまう点には注意が必要です。
老後資金の投資運用方法
昨今では金融商品が低金利であることから、そこまで大きなリターンは期待できません。
また、老後から受け取れるようになる公的年金だけでは、安定した老後生活を送るための資金としては人によっては不十分である可能性があります。
そのため、老後資金を貯蓄するためには、投資運用も選択肢のひとつとなります。
投資は長期で運用することでそのリスクを抑え、長い目で見た時に結果としてリターンを得られる可能性が高くなります。
老後資金を貯蓄するためのおすすめの投資方法は以下のとおりです。
老後資金でおすすめの投資方法
これらは他の金融商品や保険に比べてリスクが低めなので、老後資金の貯蓄を目的とした投資運用に向いているといえます。
以下、1つずつ詳しく解説していきます。
iDeCo(個人型確定拠出年金)
iDeCo(個人型確定拠出年金)とは、掛金を毎月積み立てて資産運用を行い、積立金や運用益を60歳以降に受け取ることができる制度です。
20歳以上60歳未満の全日本国民が任意で加入することができ、老後の資産形成を目的としながらも税制上の負担軽減効果が大きいことから非常に人気を集めています。
iDeCoの税制上の負担軽減効果
- 積立金は全額所得控除の対象
- 運用益は全額非課税
- 積立金や運用益を引き出した際にも大きな所得控除が受けられる
また、最低5,000円と少額から積み立てていくことができるので、将来に向けた貯蓄を考えているが手持ちの資金が少ないという人でも検討しやすいことが特徴です。
非常に大きなメリットがあるiDeCoですが、原則として60歳になるまで引き出すことができず、積み立てられる金額には上限額が設けられているなどの注意点もあるので覚えておきましょう。
つみたてNISA(少額投資非課税制度)
つみたてNISA(少額非課税制度)とは、年間40万円までの資産運用による利益が非課税で再運用できる積み立てに特化した制度です。
積立期間は最長で20年と決められており、年間40万円×20年間で最大800万円までが非課税で運用できます。
積み立てに特化した制度であることから売買のタイミングを判断する必要がなく、口座を開設した金融機関によっては最低100円からの少額積立が可能です。
これらの特徴から、投資初心者に勧められることが多い人気のある制度となっています。
iDeCoとは異なり、いつでも換金できる点や年齢上限がない点は大きなメリットですが、投資できる商品が少なかったり非課税期間が20年と決められていたりなどデメリットも存在します。
そういったデメリットを理解した上で、ご検討ください。
これらは他の金融商品や保険に比べてリスクが低めなので、老後資金の貯蓄を目的とした投資運用に向いているといえます。
低解約返戻金型終身保険
低解約返戻金型終身保険は、保険契約中の解約返戻金が少なく設定されている終身保険のことです。
保険料の払込期間が終了した後は通常の終身保険と同金額の解約返戻金となり、加入期間が長くなるほど解約返戻金が高額となります。
終身保険の中には、保険料の払込期間満了後は解約返戻金が払い込み保険料の110%や120%になる保険商品もあるので、満期を迎えた後に解約することで老後資金として使うことができるようになります。
毎月の保険料が安めに設定されているものの、払込期間が満了する前に解約すると元本割れを起こしてしまうので注意しましょう。
外貨建て保険
外貨建て保険は、積み立てた掛金を外貨で運用する生命保険のひとつです。
利回りが高い・保険料が割安・万一の際の保障が得られるなどのメリットがあることに加え、現在の日本は金利がかなり低い状態にあることから、効率よく資産運用をするための方法として人気を博しています。
その一方、為替リスク(異なる通貨の交換比率の変動による差)が伴う点や保険料の支払い時や受取時、契約時や解約時などの至る部分で手数料が発生する点にはご注意ください。
老後の生活設計に迷ったらFPに相談
ここまで、老後の生活費に関する統計結果や生活費の計算方法、老後資金を貯蓄する方法についてご紹介してきました。
老後に対する漠然とした不安を抱えている人は多いですが、この記事でお伝えした通りに老後の生活費を計算していけば、想像しているよりも少ない金額で、安心した老後生活を送れることに気付けるかと思います。
とはいえ、旅行や趣味を楽しんだり、より充実した生活を送ったりなど、ゆとりのある老後生活を送るためには様々な制度を活用して老後資金を貯蓄する必要があります。
しかし、政府や市区町村が実施する制度は内容が非常に複雑で、
- 老後資金を貯蓄したいが自分はどの制度を利用できるのか
-
その制度を利用するためには何をすれば良いのか
- 自分の経済状況や家庭環境にあった貯蓄方法はどれか
などがわからず、老後の生活設計が立てられずにお困りの人も多いかと思います。
そんな時は、お金の専門家である「FP(ファイナンシャル・プランナー)」に相談されてはいかがでしょうか。
FPは、経済状況や家庭環境、想定しているライフプランをヒアリングした上で、あなたに最適な保険や資産運用方法をご紹介します。
相談自体は無料でできることが多く、自宅はもちろん、近場のレストランやカフェなど、指定した場所にFPが来てくれるので、自分で相談窓口に行ったり長い時間待たされたりすることもありません。
昨今ではインターネットの普及である程度のことは検索すれば調べられますが、保険や各種制度については誤った情報が掲載されていることも多々あります。
的確なアドバイスをしてくれるFPに相談をした方が、インターネットで何時間も調べるよりもトータルでみて時間と費用を節約できるのでおすすめです。
老後の生活設計に迷っている人は、この機会にぜひFPまでご相談ください。
まとめ
老後の生活費は、高齢夫婦世帯で最低27万円、高齢単身世帯で最低17万円が必要です。
65歳になれば公的年金が受け取れるようになりますが、平成30年度に支給された年金額を見てみると生活費を賄うのには不十分であることがわかります。
年度 | 国民年金 | 厚生年金 |
---|---|---|
平成26年 | 54,414円 | 144,886円 |
平成27年 | 55,157円 | 145,305円 |
平成28年 | 55,373円 | 145,638円 |
平成29年 | 55,518円 | 144,903円 |
平成30年 | 55,708円 | 143,761円 |
参照:平成30年度厚生年金保険・国民年金事業の概況(PDF)|厚生労働省
そのため、安心した老後生活を送るためには、公的年金だけに頼らず、今からできる方法で老後資金を貯蓄しておく必要があります。
老後資金を貯蓄するには、以下の7つの制度を併用するのがおすすめです。
これらは、いずれも老後資金を効率的に貯蓄することを目的とした制度です。
様々なメリットがある一方で注意すべきデメリットもあるので、しっかりと特徴と注意点を理解した上でお申し込みをご検討ください。
なお、「漠然と貯金をした方が良いことは分かるけど何をすれば良いかわからない」とお困りなら、お金の専門家である「FP(ファイナンシャル・プランナー)」までご相談ください。
あなたの経済状況や家庭環境、将来のライフプランをしっかりとヒアリングして、あなたに最適な保険や各種制度をご紹介いたします。