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更新 更新:2021.06.14

第3号被保険者とは?仕組みと注意点を分かりやすく解説します

第3号被保険者とは?仕組みと注意点を分かりやすく解説します

国民年金の第3号被保険者制度とは?

国民年金の第3号被保険者は、厚生年金に加入している第2号被保険者に扶養されている人で、且つ年収が130万円未満の人のことを指します

20歳から60歳までの全日本国民は国民皆年金のもと、もれなく「国民年金」に加入しています。

国民年金は全部で3種類の被保険者資格に分けられ、それぞれで以下のような違いがあります。

国民年金の被保険者ごとの違い
第1号被保険者 第2号被保険者 第3号被保険者
加入する年金 国民年金 国民年金+厚生年金 国民年金
対象者 自営業者、農業者、漁業者、学生、フリーター、およびその配偶者。また、第2・第3に該当しない配偶者など サラリーマン・OL・公務員など 厚生年金に加入している第2号被保険者に扶養されている配偶者で、年収130万円未満の主婦(主夫)
年齢 20歳以上60歳未満 70歳未満 20歳以上60歳未満
保険料 被保険者自身が全額を納付 毎月の給与と賞与に共通の保険料率を乗じた金額を事業主と被保険者とで半分ずつ負担 配偶者が加入する年金制度が負担するため、自己負担なし
金額 16,540円/月
(令和2年度)
標準報酬月額×18.3%
(平成29年10月以降)
-

第3号被保険者の保険料は、配偶者が加入する年金制度が負担しているため、納税額の自己負担分はありません。

また、第3号被保険者は保険料を支払っていなくとも、配偶者が厚生年金に加入している間は「保険料納付済期間」として扱われ、将来的に受け取れる年金額に反映されるといったメリットがあります

その一方で、第3号被保険者の人は第2号被保険者よりも受け取れる年金額が少なく、付加年金や国民年金基金といった他の年金制度を併用できない点がデメリットです。

さらに、配偶者が退職や独立などの理由から第2号被保険者ではなくなった場合、第3号被保険者の扶養されていた配偶者は第1号被保険者への切り替え手続きを行わなければなりません。

万が一、切り替え手続きを行わずに放置してしまうと、将来的に受け取れる年金額が少なくなってしまうので気をつけましょう。

第3号被保険者の条件

第3号被保険者は、以下の3つの条件を満たした人だけがなることができます。

第3号被保険者の条件

  1. 第2号被保険者に扶養されている配偶者
  2. 20歳以上60歳未満
  3. 配偶者の年収が130万円未満(障害者の場合は、障害年金を含めて年収180万円未満)、かつ以下の条件を満たすこと(ア) 同居の場合、第2号被保険者の年収の半分未満の収入であること(イ) 別居の場合、仕送り金額未満の収入であること

上記の条件を満たして第3号被保険者となっている期間中は保険料納付済期間として数えられるので、保険料を納付することなく年金を受給することができます

対象年齢ではなかったり年収条件を満たしていなかったりすると第1号被保険者となってしまい、保険料の全額を自己負担で納めなければなりません。

ちなみに、20歳から60歳までの全期間で保険料を納付したとみなされた場合、65歳から受け取れるようになる老齢基礎年金は満額の781,700円(令和2年4月分から)となります。

第3号被保険者の手続き

第3号被保険者に関する手続きのケース

第3号被保険者になったときや、反対に第3号被保険者でなくなった時はそれぞれで保険者資格の切り替え手続きを行う必要があります

保険者資格の切り替え手続きを行わないと保険料を余計に払い込むことになったり、将来的に受け取れる年金額が少なくなったりなどの問題が発生してしまうので、必ず手続きを行うようにしてください。

第3号被保険者になったとき

結婚をして会社員や公務員の配偶者または扶養に入った場合、今までの第1号被保険者・第2号被保険者から第3号被保険者への切り替え手続きを行います。

第3号被保険者への加入手続きに必要なものは以下のとおりです。

第3号被保険者への加入手続きに必要なもの

  • 被扶養者(異動)届
  • 国民年金第3号被保険者該当(種別変更)届
  • 補助書類(収入要件を確認する書類、内縁関係を証明する書類)

切り替え手続きは配偶者の勤務先に第3号被保険者に該当する旨の届出を行い、勤務先を通じて年金事務所へと提出されます。

直接の婚姻関係がなくとも、内縁関係を証明できる書類を提出することで第3号被保険者になることができます。

なお、勤務先の業種などによって上記とは必要な書類や手続き内容が異なる場合があるので、配偶者の勤務先の担当部署まで詳細をご確認ください。

第3号被保険者でなくなったとき

以下の要件に当てはまる場合は第3号被保険者でなくなるため、所定の手続きで被保険者資格の切り替え手続きを行う必要があります。

第3号被保険者でなくなったときの切り替え手続き

  • 自身が会社員になった場合:「第2号被保険者」として自分の勤務先と配偶者の勤務先に届け出を行う
  • 第2号被保険者が自営業になる、65歳を迎える、死亡・離婚した場合:「第1号被保険者」として住んでいる市区町村役場と配偶者の勤務先に届け出を行う
  • 配偶者の年収が条件を満たさなくなった場合:「第1号被保険者」住んでいる市区町村役場と配偶者の勤務先に届け出を行う

第3号被保険者から他の被保険者資格へと切り変え手続きを行う場合、必ず配偶者の勤務先に届け出を行うことになります。

その上で、自身の勤務先またはお住まいの市区町村役場に届け出を行う必要があるので、忘れずに手続きを行うようにしてください。

第3号被保険者が知っておきたい注意点

第3号被保険者になると保険料の負担が免除されることに加え、その期間中は保険料納付済期間として数えられ、将来的に受け取れる年金額が少なくなるようなことがありません。

その一方で、他の被保険者資格と比べた場合にデメリットともいえる注意点があるので確認しておきましょう。

老齢に受け取れる年金の給付額が少ない

第3号被保険者として受け取れる老齢基礎年金の給付額は、令和2年4月分以降で781,700円となっており、月額に直すとひと月あたり約65,142円を受け取れる計算です

会社員の場合は第2号被保険者として厚生年金に加入することができ、国民年金に厚生年金を上乗せした分の年金が受け取れます。

結果として、第2号被保険者の配偶者に比べて将来的に受け取れる年金の給付額が少ないといった問題が発生することになってしまいます。

そこで第3号被保険者も利用できる「iDeCo(個人型確定拠出年金)」を活用すると、毎月最大で2.3万円を老後資金として積み立てることができ、さらに積み立てた金額はその年の所得控除の対象となります。

iDeCoの積立金額は原則として60歳になるまで引き出すことができませんが、うまく活用すれば老後に受け取れる年金額を補うことができます。

受け取れる年金額が少ないと聞いて老後が不安に感じられた人は、現在の家計状況に合わせて無理のない範囲でiDeCoを始めてみてはいかがでしょうか

年金の上乗せ給付の対象外

第1号被保険者には保険料を上乗せして納めることで将来的に受け取れる年金額が増える「付加年金」や「国民年金基金」といった上乗せ給付があります。

ですが、第3号被保険者には上記のような上乗せ給付がないため、減額はあっても将来的に受け取れる年金額が増えることはありません。

一定の年齢制限がある

第3号被保険者になれるのは20歳から60歳までで、所定の年収条件を満たした第2号被保険者に扶養されている人です。

ただし、扶養者が65歳未満から老齢基礎年金の受給要件を満たしてしまうと、扶養されていた人は第3号被保険者としての資格を失うことになります。

その場合は第1号被保険者への切り替え手続きを行うこととなり、保険料の払込義務が発生することになってしまいます。

このように、第3号被保険者には一定の年齢制限が設けられているので気をつけましょう。

第3号被保険者についてよくある質問Q&A

最後に、第3号被保険者について聞かれることが多い「よくある質問」にお答えします。

Q. 離婚した場合の被保険者資格はどうなる?

A. 第3号被保険者の資格所有者が離婚をした場合、第1号被保険者への切り替え手続きを行う必要があります。

また、元配偶者も勤務先に被扶養配偶者がいなくなったことを届け出なければなりません。

なお、離婚をした場合に限り「3号分割制度」という制度が利用できます。

3号分割制度とは、平成20年5月1日以後に離婚をした人が以下の条件に該当する場合、平成20年4月1日以後の婚姻期間中における第3号被保険者期間の相手方の厚生年金記録を2分の1ずつ分割できるという制度です。

3号分割制度の条件

  • 婚姻期間中に平成20年4月1日以後の国民年金の第3号被保険者期間中の厚生年金記録(標準報酬月額・標準賞与額)があること
  • 請求期限(原則、離婚等をした日の翌日から起算して2年以内)を経過していないこと

参照:離婚時の厚生年金の分割(3号分割制度)|日本年金機構

簡単に説明すると、3号分割制度を利用して婚姻期間中の厚生年金記録を分割した場合、老齢厚生年金の標準報酬額の2分の1を受け取れるという制度です。

また、3号分割制度の他に、お互いが分割割合を話し合って合意の上で厚生年金の標準報酬を分割できる「合意分割」という制度もあります。

これらの制度を利用することで、万が一離婚をした場合であっても将来的に受け取れる年金額を確保することが可能です。

Q. 第3号被保険者の資格を喪失し、放置しているとどうなる?

A. 不整合期間が発生し、将来的に受け取れる年金額が減ってしまうかもしれません。

不整合期間とは、第3号被保険者としての資格を喪失してから他の被保険者資格への切り替え手続きを行わなかった期間のことを指します。

資格を喪失した日の翌日から起算して2年を過ぎてしまうと、その期間中の保険料は後から納めることができなくなり未納期間として扱われます

保険料の未納期間があると将来的に受け取れる年金額が減額となったり、年金を受給できる期間(受給資格期間)に影響が出たりとさまざまな問題が発生してしまいます。

また、障害年金や遺族年金などの受給要件から外れてしまう可能性もあるので、第3号被保険者の資格を喪失した場合は忘れずに手続きを行うようにしましょう。

特に、第2号被保険者だった人が会社を退職して独立をした場合や、自身がアルバイトやパートとして働いて年収130万円を超えてしまった場合などは第3号被保険者から外れてしまうのでご注意ください。

Q. 第3号被保険者の年収が130万円を超えてしまった場合はどうすればいい?

A. 第2号被保険者の扶養から外れてしまっているので、第1号被保険者または第2号被保険者への切り替え手続きが必要です。

切り替え手続きを行う場合は、お住まいの市区町村役場や自身の勤務先へ届け出を行うことになります。

また、それに合わせて配偶者の勤務先にも被保険者資格喪失の届け出を行うことになるので覚えておきましょう。

まとめ

国民年金の第3号被保険者は、厚生年金に加入している第2号被保険者に扶養されている人で、且つ年収が130万円未満の人のことをいいます。

第3号被保険者になると保険料を払い込む必要がなくなりますが、その期間中は保険料を納付した期間として数えられるので将来的に受け取れる年金額に変動はありません。

ただし、第2号被保険者である配偶者は国民年金にプラスして厚生年金も受け取れますが、第3号被保険者には上乗せ給付が一切ないので老後に受け取れる年金額は配偶者よりも少なくなってしまう点に気をつけましょう。

老後に受け取れる年金額が少ないと聞いて不安に感じた人は、第3号被保険者でも毎月最大で2.3万円を積み立てることができ、しかも積立金が非課税になる「iDeCo(個人型確定拠出年金)」の活用をご検討ください。

中村 翔也
この記事の執筆者

中村 翔也

携帯代理店法人部門にて営業職として2年半勤務後、2017年12月よりwebライターとして独立。通信ジャンルをメインに金融系、保険記事を毎月30本以上執筆。
所有資格
ファイナンシャル・プランニング技能士3級
藤田 匡紀
この記事の監修者

藤田 匡紀

新卒で日本生命保険相互会社に入社し、販売企画・代理店営業など多様な業務に従事。13年間勤務した後「もっと多くの人に、保険の必要性を正しく理解してもらいたい」という思いを胸にエイチームフィナジーに入社、ナビナビ保険の運営に参画。金融機関における顧客向け相続セミナー・研修会の実績も多数あり。
所有資格
AFP資格、証券外務員Ⅱ種
ナビナビ保険編集部
この記事の編集者

ナビナビ保険編集部

ナビナビ保険編集部は「どこよりも分かりやすい保険情報を届けること」をコンセプトにコンテンツの配信を行っています。

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