この記事の目次
がん保険とは?がん保険と医療保険の違い
がん保険はがん(悪性新生物)を対象とした保険です。
通常の医療保険でもがんは保障されるものの、入院・手術に備えることが主目的の医療保険だけでは、がんに罹患した際に十分な保障を受けられない場合があります。
その理由は、がん治療に以下の特徴があるためです。
がん治療の特徴
- 高額治療になりやすい(保険適用外の治療方法が多い、退院後の通院も含め治療が長期化しやすいなど)
- 再発リスクが高く、入退院を繰り返すケースが多い
- (入院の場合)長期入院になることが多い
- (入院とならない場合)通院治療のみのケースも徐々に増加している
厚生労働省による平成29年の調査では、がん患者の平均入院日数は「17.1日」と、平均でも2週間以上の入院が必要、場合によってはさらに長期入院が必要となります。
また同調査によると、がん患者の総数は、入院患者が「12万6千人」に対し、通院患者が「18万3千人」と公表しており、近年は通院治療が主流となってきています。
以上のようながん治療の特徴に対応するため、がん保険と医療保険では保障内容に違いがあります。
がん保険 | 医療保険 | ||
---|---|---|---|
保障対象 | ー |
|
|
診断給付金(一時金) | がんと診断された際に給付される一時金 | 〇 | × |
入院給付金 | 入院した時に支払われる給付金 | 〇 | 〇 |
通算入院支払限度日数 | 入院給付金が支払われる上限日数 | 無制限 | 制限あり |
手術給付金 | 手術した時に支払われる給付金 | 〇 | 〇 |
通院給付金 | 通院治療した際に支払われる給付金 | 〇 | × |
免責期間 | 契約後、保障が受けられない期間設定 | 基本90日間 | なし |
特約 | 通常の主契約に付帯するオプション | 〇 | 〇 |
※商品により多少保障内容は異なります
あらゆるケガ・病気の入院や手術に備えたい場合は「医療保険」を、保障対象はがんに特化しているものの罹患した際は手厚い保障を受けたい人は「がん保険」がおすすめです。
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医療保険についてはこちらの記事を参考にしてください。
がん保険のメリット・デメリット
がん保険のメリット・デメリットは以下の通りです。
がん保険のデメリット
メリット1.診断給付金(一時金)や通院給付金が受け取れる
- 「診断給付金(一時金)」とは?
- がんと診断された際に給付される使用用途に制限がない一時金のこと
- 「通院給付金」とは?
- 通院治療した際に支払われる給付金
診断給付金と通院給付金は、医療保険では付帯されていないことが一般的で、がん保険の特徴といえます。
診断給付金の金額や給付回数(初回のみ・無制限・回数制限あり、など)は、商品により異なります。
ただし、複数回や無制限に給付される商品でも、二回目以降は給付間隔や入院の有無の制限がある商品もあるため、加入前に給付条件も確認しておきましょう。
メリット2.入院日数に制限がない
医療保険では通算入院支払限度日数が上限があることが一般的ですが、がん保険では無制限であることが一般的です。
- 「通算入院支払限度日数」とは?
- 入院給付金が支払われる上限日数
先ほども解説した通り、「厚生労働省による平成29年の調査」では、がん患者の平均入院日数は「17.1日」と、平均でも2週間以上の入院が必要とのデータが公表されています。また、がんは再発のリスクが高く、入院日数がさらにかさむ可能性も高いです。
それらのがん治療の特性をカバーするため、がん保険では入院日数の制限が設けられていないことが一般的です。
メリット3.高額な治療に特化した特約が豊富にある
がん治療は、先進医療や化学療法(抗がん剤など)、放射線治療など公的医療保険制度の適用外の治療も多く、医療費の自己負担額が高額になることも少なくありません。
がん保険にはそのような治療に備えた特約が豊富に用意されています。主ながん保険の特約種類と内容は以下の通りです。
特約の種類 | 内容詳細 | 一般的な自己負担額※ |
---|---|---|
先進医療特約 | 公的医療保険が適用されない先進治療を受けた際に一時金がもらえる特約 | 約2万円〜約300万円 |
女性疾病保障特約 | 女性特有のがん(乳がん・子宮がんなど)にかかった時にもらえる一時金や給付金 | 約25万円〜約40万円 |
退院給付金特約 | がんの治療による入院が終了した時(退院時)にもらえる一時金 | ー |
放射線治療特約 | 化学療法・放射線治療を受けた際にもらえる一時金や給付金 | 約6万円〜20万円 |
抗がん剤治療特約 | がんで抗がん剤治療を受ける時にもらえる給付金 | 一回の支払い 約1万円〜約3.5万円 |
※自己負担額は高額療養費制度の適応前の負担額
がん保険の加入検討時に、特約も一緒に検討しましょう。
デメリット1.がん以外の病気やケガに対応できない
がん保険とは?がん保険と医療保険の違いでも説明した通り、がん保険はがん(悪性新生物)を対象とした保険です。
一方、医療保険は、がんを含め幅広い病気やケガに保険適応されます。しかし、通算入院支払限度日数の上限がある・通院給付金のない医療保険だけでは、がんに罹患した際に十分な保障を受けられない場合があります。
もしがん保険には加入せず、医療保険のみでがん治療に対してもカバーしたい人は、医療保険にがん特約の付帯も検討することをおすすめします。
デメリット2.保障されない免責期間がある
- 「免責期間」とは?
- 契約後、保障が受けられない期間設定
がん保険には、90日の免責期間が設けられていることが一般的です。
免責期間が設けられている理由は、保険の公平さを保つためです。
本人が体の異状に気付きながらもがん保険に加入し、加入後すぐに受診してがんが発覚した場合、免責期間がなければ加入後すぐであっても給付金を受け取れることになります。
しかし免責期間が設定されていることで、その期間中にがんが発覚した場合、がん保険に加入後であっても給付金を受けとれません。
がん保険の乗り換えを考えている場合は、免責期間を考慮して乗り換えすることで保険期間に空白を作らないことに注意しましょう。
【統計データ】がんにかかる確率
そもそも、がんにかかるリスクはどの程度あるのか、統計データを基に解説します。
まずは国立がん研究センターが公表している、年齢階級別のがん罹患率のグラフは以下の通りです。
参考:国立がん研究センターがん対策情報センター「がん登録・統計」
がんの罹患率は、40代から上がり始め、50代から急激に上がります。
次に、性別・現在の年齢別にがんに罹患するリスクについてです。現在の年齢から10年後、20年後、・・・生涯を通してがんと診断される確率を表されています。(例:現在40歳の男性が20年後にがんと診断される確率は6.8%)
現在の年齢 | 10年後 | 20年後 | 30年後 | 40年後 | 50年後 | 生涯 |
---|---|---|---|---|---|---|
20歳 | 0.2% | 0.8% | 2.3% | 7.5% | 20.7% | 63.5% |
30歳 | 0.6% | 2.1% | 7.3% | 20.6% | 41.6% | 63.8% |
40歳 | 1.5% | 6.8% | 20.3% | 41.5% | ー | 63.9% |
50歳 | 5.4% | 19.3% | 41.1% | ー | ー | 64.2% |
60歳 | 15.1% | 38.8% | ー | ー | ー | 63.9% |
70歳 | 29.7% | ー | ー | ー | ー | 61.2% |
現在の年齢 | 10年後 | 20年後 | 30年後 | 40年後 | 50年後 | 生涯 |
---|---|---|---|---|---|---|
20歳 | 0.4% | 1.8% | 5.6% | 11.5% | 19.8% | 48.5% |
30歳 | 1.4% | 5.2% | 11.2% | 19.5% | 30.6% | 48.4% |
40歳 | 3.9% | 10.0% | 18.4% | 29.7% | ー | 47.8% |
50歳 | 6.3% | 15.2% | 27.0% | ー | ー | 45.9% |
60歳 | 9.5% | 22.3% | ー | ー | ー | 42.6% |
70歳 | 14.4% | ー | ー | ー | ー | 37.4% |
参考:国立がん研究センターがん対策情報センター「がん登録・統計」
これらの統計データをみると、生涯においては男性の方ががんに罹患するリスクは高いといえます。
また全体をみても、男性の生涯がん罹患率が全年代で60%以上、女性の生涯がん罹患率が60代までで40%以上と、2人に1人に近い割合でがんに罹患するといえます。
早めにがん保険への加入検討すべき理由は「加入条件」
一般的にがん保険への加入は早い方が良いと言われています。
なぜなら、がんのリスクが高くなる年代の前に加入しておくことが望ましいからです。
一般的に生命保険は、加入条件として加入時に過去の罹患歴や健康診断書の提出など、自分の健康を告知する必要があります。
告知時点で過去にがんを罹患していた場合、例え以前罹患したがんが治っていても、新たにがん保険に加入できない可能性が高いです。また、もし加入できても、多くの場合は月額保険料が高くなります。
がんの罹患率は40代から上がり始めるため、がんへの備えは遅くとも40代になる前には考えておくことをおすすめします。
女性が30代までにがん保険への加入を検討すべき理由
30代〜50代前半までは、男性の罹患率より女性の罹患率が高くなります。
年齢別のがん罹患リスクを確認しても、30歳男性の10年後がん罹患率は0.6%であるのに対して、30歳女性の10年後がん罹患率は1.4%となっています。
女性が男性に比べ、若年層のがんの罹患率が高い理由は、女性特有のがんである乳がんや子宮がんが若年層の罹患率が高いからです。
国立がん研究センター「がんの統計'19」によると、女性のがん罹患率が高い部位は以下の通りです。
女性のがんの罹患率が高い部位(2016年)
- 乳房
- 大腸
- 胃
- 肺
- 子宮(全体)
これらの部位の年齢階級別のがん罹患率推移を確認すると、乳がんや子宮がんが若年層でも罹患リスクが高いがんであることが分かります。
女性特有のがんが若年層でもリスクが高い分、女性は男性よりも早い30代になる前までにはがんに対する備えを検討した方がいいでしょう。
がん保険の加入率(性別・年代別)
生命保険文化センターによる平成27年度の調査では、がん保険の世帯加入率は「60.7%」です。
各性別・年代別の加入率は以下の通りです。
参照:公益財団法人生命保険文化センター|令和元年度「生活保障に関する調査」
20代~30代は女性のがん保険加入率が高いのは、女性特有のがん(乳がん・子宮がんなど)の罹患率が若年層で高いことが影響しています。
一方、40代以降は男性の加入率が高くなっています。
特に40代男性の加入率が最も高く、家庭において主な収入源が男性であることが影響しているといえます。
また、以下のグラフからも読み取れるように、50代半ば過ぎから男性の罹患人数が女性よりも男性が圧倒的に増えていくことも加入率に影響を与えているといえそうです。
データ引用:国立がん研究センターがん対策情報センター「がん登録・統計」
がん保険の選び方のポイント
がん保険を選ぶときのポイントです。
がん保険の選び方のポイント
細かい保障内容は商品ごとに異なるので、自分が必要な保障内容や付帯できる特約があるかもあわせて確認しましょう。
1.保障対象
保障対象において確認すべきポイントは、以下の3点です。
保障対象で確認すべきポイント
診断給付金(一時金)・通院給付金の有無
がん保険は、診断給付金(一時金)や通院給付金があることが一般的です。
しかし、すべてのがん保険に必ず付帯しているものではなく、商品によって通院給付金がない場合もあります。
がんになった際に、診断給付金として一時的に大きな金額を得たいのか、それとも長引く通院に備えた額に備えたいのかを考え、保険商品を選ぶ必要があります。
また、診断給付金(一時金)は、商品によりがんに罹患した初回のみ・無制限・回数制限ありなど給付条件が異なります。
複数回や無制限に給付される商品でも、二回目以降は給付間隔や入院の有無の制限がある商品もあります。診断給付金の有無を確認する際は、あわせて給付条件も確認しておきましょう。
実際にがん保険に加入している人が診断給付金をいくらの設定にしているのかナビナビ保険が独自でアンケート調査を行った結果、「100万円以上150万円未満」が最多の18.6%、次いで「50万円以上100万円未満」が14.6%という結果になりました。※「分からない」と回答した人は除く
また、同調査にてがん通院保障をいくらに設定しているも調査したところ「5,000以上円以上8,000円未満」が最多で14.2%、次いで「3,000以上円以上5,000円未満」が12.5%という結果になりました。※「分からない」と回答した人は除く
保障対象の範囲(がん(悪性新生物)と癌(上皮内新生物)の違い)
がんには2種類あり、悪性新生物を指す「がん」と、上皮内新生物を指す「癌」があります。
癌(上皮内新生物)は、臓器の表面に止まっているがん細胞で、手術により取り除けば転移の可能性が低く、治療負担が比較的軽めになることが一般的です。
がん保険に適応されるのはがん(悪性新生物)であり、癌(上皮内新生物)の場合は、保障対象外もしくは保険金が安くなる場合があります。
検討しているがん保険の保障対象を事前に確認しておきましょう。
上皮内新生物に関しては以下の記事も参考にしてください。
2.保険期間の違い(終身型・定期型)
保障期間には、「終身型」と「定期型」があります。それぞれの特徴は以下の通りです。
メリット | デメリット | おすすめな人 | |
---|---|---|---|
終身型 |
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定期型 |
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がんの治療法は最新化が進んでおり、それにともないがん保険の内容や特約もリニューアルされています。
数十年後にはがん保険の内容が、今とは異なっている可能性が高いです。
常に最新の保障内容で備えたい人や、がん保険を定期的に見直したい人、また子供が幼く教育費がかかる・家のローンの支払いが残っているなど出費が多い一時期だけ保障を手厚くしたい人は、定期型を選ぶことをおすすめします。
一方、終身型は、ライフステージに関わらず一生涯変わらないベースとなる保障を持っておきたい人向けです。終身型は保険料が変わらないので、家計の収支も想定しやすいメリットもあります。
実際にがん保険に加入している人の保険期間の設定についてナビナビ保険が独自でアンケート調査を行った結果、終身型に加入している人が約4割、定期型に加入している人が約6割という結果になりました。
3.貯蓄性の有無(掛け捨て型・貯蓄型)
医療保険は大きく分類すると、貯蓄性のない「掛け捨て型」と貯蓄性のある「貯蓄型」の2種類があります。
それぞれの特徴と、おすすめな人は下記の通りです。
メリット | デメリット | おすすめな人 | |
---|---|---|---|
掛け捨て型 |
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貯蓄型 |
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保険料負担を軽くしながらも万が一の場合に備えたい場合や、定期的かつ柔軟に保険の見直しをしたい人は、掛け捨て型を検討しましょう。
ある程度の期間同じ保険に入り、その後は貯蓄などで医療費や収入減を賄うという人には貯蓄型をおすすめします。
ただし、解約返戻金があるからといって、お金の積立目的として貯蓄型がん保険に加入することはおすすめしません。
なぜなら、解約した際にがんに備える保障がなくなってしまうからです。
保険を解約し別の保険に入るには、審査診査が必要です。もし再加入までにがんや病気の既往歴があった場合は新しいがん保険に加入できない、もしくは保険料が高くなるリスクがあることも覚えておきましょう。
4.保険料の支払い方法(終身払いタイプ・短期払いタイプ)
保険料の支払い方法は生涯保険料を支払い続ける「終身払いタイプ」と、一定期間あるいはある年齢までで支払いを終える「短期払いタイプ」があります。
短期払いタイプでも、保険料の支払いを終えたあとも保障は一生涯続きます。
特徴 | おすすめの人 | |
---|---|---|
終身払いタイプ |
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短期払いタイプ |
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がん保険の月額保険料の相場
実際にがん保険に加入している人が月額保険料をいくらで契約しているのかナビナビ保険が独自でアンケート調査を行った結果、「5,000円以上10,000円未満」が最多の21.8%、次いで「10,000円以上15,000円未満」と「20,000円以上30,000円未満」が同率の16.3%という結果になりました。
がん保険の必要性が高い人
がん保険の必要性が高い人とは「がんに罹患した際に手厚い保障が必要な人」であり、具体的には以下に当てはまる人を指します。
がん保険の必要性が高い人
1.がんになりやすい人
一般的にがんになりやすい人は、以下の通りです。
がんになりやすい人
- がん家系の人
- 喫煙者
がんは遺伝子が大きく影響するといわれています。以下に当てはまる場合は、遺伝的要素でご自身もがんになるリスクが高いといえます。
がん家系の人の特徴
- 家系内に若くしてがんを罹患した人がいる
- 家系内の複数人が特定のがんに罹患している
また、国立がん研究センター「がん情報サービス」によると、タバコががんの原因になることは科学的にも明らかにされており、男性でがんになった人のうち約3割は喫煙が原因とされています。
2.経済的な不安が大きい人
がん治療は長期化することが多く、治療期間中の収入減や貯金額が不安な人はがん保険で備えておくべきです。
以下に当てはまる場合は、がんに罹患した際に経済的に困る可能性が高いといえます。
がんになったときに経済的な不安が大きい人の特徴
- 治療費を貯金だけで賄えない人
- 仕事を休職・退職したときに収入が極端に落ちる人
がんへの備えとして保険が必要かの判断基準は、以下の費用を貯金で賄えるかどうかです。
がんのリスクに備えるために考えておくべき費用
治療費の相場や、利用できる公的な制度も合わせて確認していきましょう。
治療費の自己負担額の目安
がん治療の相場金額は以下の通りです。
がんに罹患した際の一人あたりの平均治療費
- 一入院あたりの診療費平均:738,750円
- 一日あたりの診療費平均 : 65,550円
厚生労働省 医療給付実態調査(平成29年)より
ただし上記全額が自費負担なわけではなく、公的医療保険制度の高額療養費制度を利用すれば医療費の自己負担額が軽減することができます。
- 「高額療養費制度」とは?
- 一ヶ月の間に保険診療で支払った治療費が一定額を超えた場合に、超過分を公的医療保険が負担してくれる制度
高額療養費制度は健康保険・国民健康保険、どちらに加入していても利用可能です。
一ヶ月の自己負担限度額(上限額)は年収ごとに区分されています。
所得区分 | 自己負担限度額(世帯ごと) |
---|---|
区分ア(年収約1,160万円~) 健保:標準報酬月額83万円以上 国保::旧ただし書き所得901万円超 |
252,600円+(総医療費-842,000円)×1% |
区分イ(年収約770~約1,160万円) 健保:標報53万~79万円 国保:旧ただし書き所得600万~901万円 |
167,400円+(総医療費-558,000円)×1% |
区分ウ(年収約370~約770万円) 健保:標報28万~50万円 国保:旧ただし書き所得210万~600万円 |
80,100円+(総医療費-267,000円)×1% |
区分エ(~年収約370万円) 健保:標報26万円以下 国保:旧ただし書き所得210万円以下 |
57,600円 |
区分オ 住民税非課税者 | 35,400円 |
※総医療費とは保険適用される診察費用の総額(10割)です。※「区分ア」または「区分イ」に該当する場合、市区町村民税が非課税であっても、標準報酬月額での「区分ア」または「区分イ」の該当となります。※後期高齢者など例外もあり※総医療費は自己負担軽減前の金額※旧ただし書き所得とは、所得から住民税基礎控除額33万円を差し引いた金額
この自己負担限度額を貯蓄で賄えるかをひとつの目安に考えるといいでしょう。
例えば月収35万円の人だと自己負担額は約8万円〜9万円のため、約10万円を問題なく捻出できるなら治療費への備えは一旦は大丈夫といえます。
ただし上記の上限額は一ヶ月単位の金額のため、長期治療となればさらに金額がかさみます。また、高額療養費制度には以下のように対象外の費用があるので注意しましょう。
高額療養費制度の対象外の医療費
- 美容整形などの審美目的の治療費
- 先進医療技術料や自由診療
- 入院中の差額ベット代・食事代
- 通院や入院時の交通費 など
特にがん保険の治療法として利用される先進医療技術は数万円〜数百万円と非常に高額ですが、高額療養費制度の対象外です。
このような対象外の費用も含め経済的に不安な人は、給付診断金(一時金)のあるがん保険に加入する、もしくは先進医療特約を付帯する必要性が高いといえます。
先進医療については以下の記事も参考にしてください。
実際にがん保険に加入している人が入院給付金日額をいくらの設定にしているのかナビナビ保険が独自でアンケート調査を行った結果、「5,000円以上8,000円未満」が最多の25.2%、次いで「10,000円以上15,000円未満」が同率の19.4%という結果になりました。
入院時に個室を希望する人は、差額ベット代が発生します。差額ベット代の相場としては1日当たり「6,188円」と公表されています。(参照:中央社会保険医療協議会総会(第401回)議事次第 資料「総-8-2」|厚生労働省)
これを賄う金額と考え、入院給付金日額の設定が「5,000円以上8,000円未満」が最多になっていると言えそうです。
療養中の収入減に備えるには
がんは長期入院、もしくは再発し入退院を繰り返すリスクが高いため、治療費の他に働けない場合の収入減に備える必要があります。
収入減に備えるために利用できる制度や方法は、以下の通りです。
収入減に備え、利用できる制度や方法
- 傷病手当金
- 会社や組合独自の福利厚生・保障制度(入院見舞金など)
- 貯蓄や保険
- 「傷病手当金」とは?
- 健康保険の被保険者が病気やケガの療養のため、生活保障として報酬月額に応じて保険者から手当金がもらえる制度
傷病手当金を利用することで、月収の2/3程度の手当金が最長1年6ヶ月支給されるため、家計を圧迫するリスクを軽減できます。
傷病手当金の給付条件は下記の通りです。
傷病手当金の給付条件
- 健康保険の被保険者であること
- 業務外での病気やケガによる療養のための休業
- 仕事に就くことができない
- 連続する3日間を含み4日間以上仕事に就けない
- 休業した期間給与の支払いがない、または減額される
また、会社の福利厚生として入院見舞金が出る場合もあります。
これらの公的な支援制度や会社からの支援制度の有無や内容を確認し、収入減のリスクには貯金だけで賄えるのか判断しましょう。
3.がんへの不安が大きい人
保険は治療費や療養中の収入減など経済的なリスクを保障できるだけでなく「心理的な不安・負担を軽減する」側面もあります。
「子供がまだ小さくこれから教育費が多額にかかる」「住宅ローンなど多額の支払いが残っている」などご自身の状況に不安を抱えている人もいるでしょう。ましてやがんは日本人の2人に1人がなるといわれる程、身近な病気です。
がん保険に加入することは、そのような心理的負担を軽減するためにも有効といえます。
がん保険に関するよくあるQ&A
最後に、がん保険を検討する際によくある疑問点をQ&A方式でご紹介します。
がん保険を検討するときによくある質問
Q.がんと診断後に加入することは可能?
A.がんと診断後にがん保険に加入するのはかなり難しいです。
がんが一度完治した後でも加入できないケースは多くあります。
しかし、近年各社「引受基準緩和型」や「無選択型」といった加入条件が緩いもしくは審査なしで加入できる保険が販売されており、無選択型であれば無審査で加入可能です。
ただし、保険料が高い、保険金給付金が安い、保険金給付金の給付条件が厳しくなっているなどの場合があるので注意しましょう。
Q.がん保険は年末調整の生命保険料控除の対象になる?
A.がん保険も年末調整の生命保険料控除の対象です。
生命保険料控除は保険を3種類に分けてそれぞれ控除されますが、がん保険の区分は「介護医療保険料控除」です。
Q.給付金は非課税対象?
A.がん保険に関わらず、個人が生命保険会社から受け取った給付金は、基本的には非課税です。
Q.がんの治療方法はどんなものがありますか?
A.がんの治療方法は、主に切除手術、薬物療法、放射線治療の3パターンが挙げられます。
それぞれの内容は以下の通りです。
治療方法 | 内容 |
---|---|
手術(外科的切除) |
|
薬物療法 |
|
放射線治療 |
|
※標準治療…現時点で得られている科学的根拠に基づいた最も良い治療方法のこと参照:知っておきたいがんの基礎知識|国立がん研究センターがん情報サービス
がんの種類によって治療方法は異なりますが、上記のいずれかの方法を単独で行う場合と、複数を組み合わせた方法で治療を行う場合があります。
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まとめ
今回はがん保険について下記の内容をご紹介してきました。最後に大切なポイントを振り返りましょう。
入院・手術のリスクに備えることが主目的の医療保険だけでは、がんへの備えは不十分です。
がん保険はがん以外の病気・ケガには対応はできません。しかし、長期療養や再発の可能性が高く、治療費が高額になりやすいがん治療の特徴をカバーできる保険となっています。
がん保険の特徴
- 診断給付金(一時金)や通院給付金が受け取れる
- 入院日数に制限がない
- 高額な治療に特化した特約が豊富にある
- 保障されない免責期間がある
がん保険の必要性が高い人とは、主にがん家系の人や喫煙者、がんに罹患した際に治療費と収入減のリスクを貯金だけで賄うことに不安が大きい人です。
もしご自身ががん保険の必要性が高いと感じられている人は、以下のポイントを比較しながら自分に合ったがん保険を検討しましょう。
がん保険の選び方のポイント
これまで解説してきた内容を読んでも、自分自身で適切な保険を選ぶのが難しく感じる人もいるかもしれません。そのような人は、ぜひお金・保険のプロであるファイナンシャルプランナーへの無料相談を検討してみてください。
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