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更新 更新:2024.06.18

【プロ解説】がん保険の選び方とは?5つのポイントと必要性をわかりやすく解説

【プロ解説】がん保険の選び方とは?5つのポイントと必要性をわかりやすく解説
専門分野・得意分野
保険・医療・介護・相続・離婚・マネー(節約)など
所有資格
CFP®(公認ファイナンシャルプランナー) 、TLC(生命保険協会認定FP)、損害保険プランナー、証券外務員一種、日商簿記検定簿記2級
専門分野・得意分野
損害保険、生命保険、投資、税金
所有資格
ファイナンシャル・プランニング技能士3級
専門分野・得意分野
保険全般・金融全般・通信全般

厚生労働省の「令和4年(2022)人口動態統計月報年計(概数)の概況」によると、死因順位の第1位は悪性新生物(がん)となっています。 

令和4年の死亡者数のうち、全体の約24.6%が悪性新生物(がん)で亡くなっており、およそ4人に1人の割合でがんが原因で死亡しています。 

参照:第6表 死亡数・死亡率(人口10万対),死因簡単分類別|令和4年(2022)人口動態統計月報年計(概数)の概況|厚生労働省

がんの治療は長期化しやすく、それに伴い医療費も高額化しやすいことが特徴です。

そうした経済的なリスクに備えるための保険が「がん保険」です。

この記事では、加入目的から分かる適切ながん保険の選び方、選ぶ際の注意点についてわかりやすく解説します。

がん保険を選ぶ際の5つのポイント

  1. 保障内容
  2. 保障金額
  3. 保障範囲
  4. 保障期間
  5. 先進医療特約の有無

がん保険の加入率

生命保険文化センターの調査によると、2022年(令和4年)のがん保険・がん特約の加入率は全生保(民間の生命保険や県民共済、生協など)が38.0%、民保(民間の生命保険)が35.3%でした参照:2022(令和4)年度 生活保障に関する調査|生命保険文化センター

加入率は年々高くなっており、調査が行われた2001年(平成13年)と比較すると、約2倍の加入率となっています。

がん保険・がん特約 加入率(全生保)の推移

また、年齢別に見ると男性は40〜60歳代、女性は30〜50歳代の加入率が高いことがわかります。

年代別・性別のがん保険・がん特約 加入率(全生保)

年齢が上がるにつれてがんに罹るリスクは高まるので、保険に加入して万が一の事態に備えることが大切です。

がん保険に加入する3つの目的

がん保険は、がんに罹患した場合の経済的な負担を保障するために加入する保険です。

その目的を大別すると、次の3つの目的に分けられます。

「がん」といっても、どのようなリスクに備えたいのかによって、加入すべきがん保険は異なります。

まずは、がん保険に加入する目的を理解した上で、自分に合ったがん保険への加入を検討しましょう。

1. がんの手術費や入院費

がん保険の主な加入目的として「がんの手術費や入院費への備え」が挙げられます。

がんの手術費や入院費に備えることを主な目的とする場合、一般的ながん治療の平均費用を把握しておくことが大切です。

厚生労働省が公開する「医療給付実態調査」の結果を参照すると、令和3年度の部位別がん治療の平均費用は、次のとおりとなっています。

【部位別】がん治療の平均費用(1入院・通院あたり)
傷病名 入院 入院外
胃がん

66,762円

4,377円

結腸がん

67,379円

4,543円

直腸がん

78,429円

6,173円

肝がん

65,769円

10,085円

肺がん

73,062円

11,102円

乳がん

60,285円

5,886円

子宮がん

64,619円

3,334円

悪性リンパ腫

107,234円

7,634円

白血病

176,568円

9,630円

その他の悪性新生物

67,646円

6,989円

※点数÷件数で計算された結果の小数点第一位を四捨五入した数値をまとめています
※公的医療保険制度が適用された後のがん患者の自己負担分の平均額です
参照:令和3年度医療給付実態調査(表番号5 統計表第3表)|厚生労働省

上記のデータは、公的医療保険が適用された後の自己負担分の平均です。

日本では公的医療保険が整備されており、誰もが1〜3割の医療費負担で高度な医療を受けられますが、それでもがん治療の平均費用はかなり高額なことがわかります。

がん保険に加入すれば、診断一時金や通院給付金など、さまざまな保障が受けられるので、がん治療における経済的なリスクをカバーするのに役立ちます。

2. 長引くがんの治療費

がんの治療は他の病気と比べて長引く傾向があります。

がんの治療方法は、「手術療法」「化学療法」「放射線療法」の3種で行われることが多く、過去は手術療法を中心に治療が行われていました。

しかし、近年では「化学療法」や「放射線療法」が進歩しており、通院でのがん治療を選択する人が増えてきています。

たとえば、厚生労働省の「令和2年(2020)患者調査の概況」によると、がん患者の平均入院日数は約18.2日です。

また、がんは再発のリスクが高いため、トータルでの入院日数が長引いてしまう可能性が考えられます。

通院治療が長期化しやすいがんに対しては、がん保険で手厚く保障を備えておきましょう

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3. がんによって働けなくなった時の収入減少

がん保険に加入する目的として、「がんが原因で働けなくなった時の収入減少に備える」ことも忘れてはなりません。

会社員や公務員の人が加入する健康保険には、病気やケガなどの理由で働けない期間を保障するために「傷病手当金」が支給されます。

傷病手当金とは、下記の条件を満たした場合に「標準報酬日額の3分の2」が支給される健康保険の制度です。

傷病手当金の支給条件

  • 業務外の事由による病気やケガで療養中であること
  • 労務不能と医師に判断されていること
  • 連続する3日を含む4日以上就労できないこと
  • 休業期間中の給与支払いがないこと

標準報酬日額とは、傷病手当金の支給開始日以前の継続した12ヶ月の平均標準報酬月額を30日で等分した場合の金額です。

たとえば、標準報酬月額が20万円の場合、20万円÷30日×2/3という計算式から、1日あたり4,447円の傷病手当金が支給される計算となります。

よって、会社員や公務員の方は、傷病手当金でカバーしきれない不足分をがん保険で補いましょう

しかし、自営業やフリーランス、学生、専業主婦などの国民健康保険の加入者は、傷病手当金のような制度はありません

国民健康保険に加入している場合は、会社員や公務員より手厚い保障を備えたがん保険を検討しましょう。

がん保険の選び方とは?5つのポイント

がん保険を選ぶ際は、次の5つのポイントを重視して比較検討するのが良いでしょう。

がん保険を選ぶ際の5つのポイント

  1. 保障内容
  2. 保障金額
  3. 保障範囲
  4. 保障期間
  5. 先進医療特約の有無

1. 保障内容

がん保険には、がんと診断された場合の「診断給付金」や入院日数に応じて支給される「入院給付金」、所定の手術を受けた際の「手術給付金」など、さまざまな種類の給付金があります。

がん保険の保障内容

※1 公的医療保険制度の給付対象のみが適応となるタイプと、自由診療治療のものでも適応されるタイプなど商品により異なります※商品により、付帯できる特約や、内容が異なる場合がございます

がん保険は様々な保障が選べるので、がんに罹患した場合を想定して、自分がどのようなリスクに備えたいのかを検討しましょう。

たとえば、がん保険の種類によっては、がんと診断された場合の診断給付金が1回しか支給されない場合もあれば、「無制限」や「回数制限あり」で給付される場合もあります。

2. 保障金額

がん保険の保障額は、保険加入時に自身で決められるケースが一般的です。

保障金額を手厚くしておけば、万一がんと診断された場合でも安心ですが、その分毎月の保険料は割高になります。

生命保険文化センターの調査によると、がん保険・がん特約の入院給付日額の平均額は、以下のとおりです。

がん保険・がん特約の入院給付日額の平均

  • 世帯主:11.5千円
  • 配偶者:9.7千円

参照:〈図表Ⅰ−39〉ガン保険・ガン特約の入院給付金日額|2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査〈速報版〉41ページ|生命保険文化センター

がん治療には、「公的医療保険」や「高額療養費制度」「傷病手当金(健康保険のみ)」などが利用できます。

がん保険の給付金額を決める際は、貯蓄額や不労所得の有無、配偶者の収入の有無などを考慮しながら、公的医療保険制度で補填できない分の金額をカバーすることを心がけましょう。

3. 保障範囲

がんには大きく分けて「悪性新生物」と「上皮内新生物」の2種類があります

がんの種類

  • 悪性新生物:粘膜筋板を超えて浸潤しているがんのこと。他の臓器へ転移するリスクがある
  • 上皮内新生物:上皮に留まっているがん細胞のこと。転移の可能性が低い

上皮内新生物と悪性新生物の違い

がん保険の中には、上皮内新生物と診断された場合に給付金の支払対象外または保障額が低くなるケースがあります。

がん保険を選ぶ際は、上皮内新生物と診断された場合にも保障が適用されるかどうかは事前にしっかりと確認しておくようにしましょう。

4. 保障期間

がん保険の保障期間には「終身型」と「定期型」の2種類があります。

それぞれのメリットとデメリットは、次のとおりです。

終身型メリット・デメリット 定期型メリット・デメリット

一般的に、終身型のがん保険に加入していれば、毎月固定の保険料で一生涯の保障を受けられるようになります。

ただし、終身型の保険料負担は定期型よりも重くなりがちなので、加入時の保険料を安く抑えたい場合には定期型を選ぶのが良いでしょう。

一方、定期型には保険期間満了後に保障がなくなってしまうという大きなデメリットや、保険契約を更新できたとしても保険料が高くなってしまうという特徴もあります。

これらのメリットとデメリットを見比べて、自身の希望に合致するがん保険を選ぶようにしましょう。

5. 先進医療特約の有無

先進医療とは、公的医療保険制度の保険給付対象外である高度な医療技術のうち、厚生労働省が認めた医療技術のことです。

先進医療を受けるには、一般的な保険診療と比べて多くの費用を負担する必要があります。

例えば、がん治療の1つである重粒子線治療を受ける場合、治療費の平均は3,162,781円です。参照:令和4年6月30日時点で実施されていた先進医療の実績報告について|厚生労働省

先進医療が必要になるケースは多くないですが、もし必要になった場合は莫大な費用がかかります。

また先進医療特約だけでなく、患者申出療養特約もあり、万が一の事態に備えるためにも、特約付帯の検討をおすすめします。

「患者申出療養(かんじゃもうしでりょうよう)」とは?
国の未承認薬や対象外となっている治療を受けたいといった患者からの申出をもとに、主治医と中核病院が連携して対応を検討、そして国の会議で審査され、保険外併用療養として治療を受けることができるようになる制度のこと。

がん保険の選び方で気をつけたい3つの注意点

がん保険を選ぶ際は、次の3つの注意点に気をつけましょう。

1. 既に加入している医療保険との重複を確認する

がん保険を選ぶ際は、すでに加入している医療保険との重複を確認してから加入することを心がけましょう。

特に、入院給付金や手術給付金は、医療保険でカバーできるケースが多いため、保障が過剰となる場合があります。

また、がんの治療に使用される陽子線治療や重粒子線治療などの先進医療も、医療保険でカバーできる場合があります。

がん保険に付帯する「先進医療特約」はがんの治療でしか適用されませんが、医療保険の「先進医療特約」は、がん以外の病気やケガの治療で先進医療を選択する場合にも適用されます。

がん保険に特約を付帯する場合も、加入中の医療保険と保障内容が重複しないように気をつけましょう。

2. 免責期間を確認しておく

がん保険には、加入してから一定期間は保障が受けられない「免責期間」があります。

免責期間として90日間(3ヶ月間)としているのが一般的です。

免責期間中にがんに罹患しても保障は受けられず、がん保険自体も無効となる場合があります。

そのため、がん保険を乗り換える際には、免責期間も考慮しながら検討しましょう

3. 保険商品によって、診断給付金の支払い回数が違う

がん保険の商品によっては、がんと診断された場合に支払われる「診断給付金」の支払い回数が異なります

たとえば、がんと診断された初回のみ給付金が支払われるタイプや、無制限または回数制限があるタイプなど、がん保険の商品によってさまざまです。

また、無制限や回数制限があるタイプの商品でも、給付間隔の制限が設けられているケースも多々あります。

がん保険を比較検討する際は、診断給付金の支払い回数や支払い条件についてもしっかり確認しておくことを心がけましょう。

がん保険の選び方に関してよくある質問 FAQ

Q. がん保険はいつまでかけるべきですか?

A. がん保険にいつまで入っておくべきかという明確な基準はありません

年齢を重ねるにつれてがんの罹患率は高くなる傾向があります。

年齢階級別がん罹患率(2019年)

参照:がんの統計 2022 年齢階級別がん死亡率推移|国立がん研究センターがん情報サービス

近年、医療技術が高度化し治療方法も様々で、治療費が高額になることもあります。

一生涯にわたり充実した保障を得て、ご自身が納得できる治療を選択できるように備えたい方は終身型を選ぶのがおすすめです。

ただし、定期型に比べて終身型は保障期間が長いため保険料の負担が大きくなります。

保険料を抑えたい場合には、現役世代は保障を手厚くするため定期型のがん保険を検討するなど期間を決めて加入するのもよいでしょう。

Q. がんになった人でも入れる保険はありますか?

A. 一定の条件を満たせば、がんを患った経験のある方でも保険に入れます

たとえば、告知項目の少ない「引受基準緩和型保険」があります。

Q. 医療保険とがん保険どちらに入ったほうがいいですか?

A. 医療保険とがん保険のどちらに加入すべきかは、人によって異なります

医療保険は幅広い病気やケガに備えられ、がん保険はがんのみに備えられる保険です。

さまざまな病気に備えたい方は医療保険、がん(悪性新生物)による治療費に備えたい方はがん保険を選ぶと良いでしょう。

Q. がんになったら保険でいくらもらえますか?

A. がんになったら保険でいくらもらえるかは、加入している商品によって異なります

例えば、がん診断給付金は100万円、200万円など自分で受取額を設定できる商品が多い傾向にあります。

まとめ

さまざまな保険会社が、がん保険を販売しているなかで、自分に合ったがん保険を選ぶためには、次の5つの項目を比較検討する必要があります。

がん保険を選ぶ際の5つのポイント

  1. 保障内容
  2. 保障金額
  3. 保障範囲
  4. 保障期間
  5. 先進医療特約の有無

がん保険の保障内容には、診断給付金や入院給付金、手術給付金など、がんの治療に対してさまざまな形で保障が適用されます。

がん保険の種類によっては保障範囲や給付条件が異なっており、保障内容をしっかりと確認してから選ばないと、万一の場合に十分な保障が受けられない可能性があるので気をつけましょう。

監修者からひとこと
鬼塚 眞子
  • 鬼塚 眞子
  • 保険ジャーナリスト/一般社団法人介護相続コンシェルジュ協会代表
がんは外科手術・放射線・薬物治療が三大治療が主流です。通院治療も増えたことから、がん保険も入院保障だけでなく通院保障が充実するようになり、バリエーションも豊富になってきました。医学は日進月歩で、ほんの20年ほど前はがん=死のイメージがありましたが、今や早期発見をすれば寛解(一時的あるいは永続的に、腫瘍が縮小または消失している状態)するといわれています。
しかしながら、病名や症状によっては、健康保険外の治療(=自由診療)を医師から提案されることもあります。実際、総額7,000万円の費用がかかったという方もいらっしゃいます。保険のプロはこうした事例を知っているので、3大治療を対象とするタイプの保険以外に、高額の治療費もすべて保険で支払われるタイプの2本に加入していることも多いです。がん保険の2本立て、 積極的に治療を受けたい方、お子さまがまだ小さい方などは、FPに相談してみることをおすすめします。

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鬼塚 眞子
鬼塚 眞子
保険ジャーナリスト/一般社団法人介護相続コンシェルジュ協会代表
出版社勤務後、出産を機に専業主婦に。10年間のブランク後、保険会社のカスタマーサービス職員になるも両足のケガを機に退職。保険業界紙の記者に転職後、ジャーナリスト・ファイナンシャルプランナーとして独立。相談業務やセミナー、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌などでも活躍。
専門分野・得意分野
保険・医療・介護・相続・離婚・マネー(節約)など
小宮 崇之
小宮 崇之
(株)コミヤ保険サービス代表取締役/損害保険プランナー
大学卒業後、信用金庫に入社。金融機関から独立して、中立的な立場でお客様目線の営業をしたいという思いから、保険代理店として独立を決意。保険会社の代理店営業職を経て、損保ジャパンの研修生を5年間経験し、2020年9月に㈱コミヤ保険サービスという保険代理店を設立致しました。現在は、損害保険、生命保険の代理店を経営しております。また、保険代理店の実務経験を生かして、FPとして執筆業や講師業にも取り組んでおります。
所有資格
CFP®(公認ファイナンシャルプランナー) 、TLC(生命保険協会認定FP)、損害保険プランナー、証券外務員一種、日商簿記検定簿記2級
専門分野・得意分野
損害保険、生命保険、投資、税金
中村 翔也
中村 翔也
Webライター/ファイナンシャルプランナー
携帯代理店法人部門にて営業職として2年半勤務後、2017年12月よりwebライターとして独立。通信ジャンルをメインに金融系、保険記事を毎月30本以上執筆。
所有資格
ファイナンシャル・プランニング技能士3級
専門分野・得意分野
保険全般・金融全般・通信全般
ナビナビ保険編集部
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ナビナビ保険編集部は「どこよりも分かりやすい保険情報を届けること」をコンセプトにコンテンツの配信を行っています。

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