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更新 更新:2024.02.08

がん保険の見直しは必要?最適なタイミングやデメリット、必要性を解説

がん保険の見直しは必要?最適なタイミングやデメリット、必要性を解説
所有資格
博士(商学)、Master of Business Administration (Hons.)、Master of Science
専門分野・得意分野
保険、リスクマネジメント、社会保障
所有資格
ファイナンシャル・プランニング技能士3級
専門分野・得意分野
保険全般・金融全般・通信全般

医療技術は、日進月歩で進展しており、それにあわせてがん保険の保障内容も見直されています。

数年前に加入したがん保険をそのままにしている方は、現代の時代の治療方法に合った保障内容になっていないかもしれません。

がん保険に加入してから一定の期間が経過しているのであれば一度見直しをしてみることをおすすめします。

とはいえ、がん保険の見直しをするタイミングや、どこをどのように見直せば良いかわからないという方も多いことでしょう。

そこで本記事では、がん保険の見直しをするタイミングと注意点、メリットとデメリットについてご紹介していきます。

がん保険の見直しが必要な理由

がん保険の見直しが必要な理由は、医療技術の進歩によって、がんの治療方法が変化しているためです。

現代のがん治療は「入院治療」よりも「通院治療」が主流となってきています。

厚生労働省の「患者調査の概況」を参照すると、令和2年時点における悪性新生物(がん)の外来受療率と入院受療率の推移は以下の通りです。

悪性新生物の外来受療率と入院受療率の推移(人口10万対)参照:令和2年(2020年)患者調査の概況|厚生労働省

悪性新生物の外来受療率と入院受療率の推移(人口10万対)
総数 入院 外来
平成8年 208 107 101
平成11年 203 108 95
平成14年 203 109 94
平成17年 223 113 110
平成20年 233 111 123
平成23年 238 107 130
平成26年 237 102 135
平成29年 244 100 145
令和2年 233 89 144

参照:令和2年(2020年)患者調査の概況|厚生労働省

上記の表を見ると、平成17年(2005年)を境として、入院受療率が減少傾向にあり、外来受療率は増加傾向にあることがわかります。

ひと昔前のがん保険は、入院を伴うがん治療を保障する一方で、通院治療は保障の対象外となっているケースがあります。

通院治療が主流となっているがんに備えるためには、通院によるがん治療も保障の対象であるがん保険に見直しをすると良いでしょう。

監修者からひとこと
諏澤 吉彦
  • 諏澤 吉彦
  • 京都産業大学教授
がん治療が通院を主軸に行われるようになっている背景には、検査精度の向上により早期発見が可能となっていることとともに、薬物治療や放射線治療などの治療技術の進歩により、早期がんでなくとも外来での治療が可能なケースが増えていることがあります。しかし、がんの進行程度によっては、治療期間が非常に長期となったり、生涯継続しなければならなくなったりすることがあります。しかも、先進医療など治療内容によっては公的医療保険の保障対象とならないものもあります。

現在のがん保険は、外来治療を受けた場合でも治療給付金が支払われるものが一般的ですが、かつては通院に関して十分な保障を提供しないものも少なくありませんでした。このため、過去にがん保険に加入した場合には、保障内容を詳細に確認することが求められます。

がん保険を見直すタイミング

がん保険を見直すタイミングは、主に次の3パターンが挙げられます。

がん保険を見直すタイミング

  • 数年以上も保険の見直しをしたことがない場合
  • 結婚、出産、子供の自立などのライフステージに変化が出た場合
  • これから新しく保険に加入しようと思い立った場合

ここまでにお伝えしたように、現代のがん保険の治療方法は、入院治療から通院治療へシフトしてきています。

症状によっては入院治療となる可能性もありますが、過去に加入したがん保険では通院治療が保障対象外となっていることもあるので、見直しの必要があります。

また、結婚や出産、子供が成長して自立したときなど、それぞれで必要な保障額は異なります。

そのため、ライフステージに変化が出たタイミングも、がん保険の見直しをする機会といえるでしょう。

がん保険と医療保険の違い

医療保険は広範な医療費用を保障する一方で、がん保険はがんという特定の病気に対する費用を保障するという違いがあります。

医療保険でもがんの保障を受けることができますが、特にがんに対して不安があるという方は、がん保険に加入する方が、がん治療に対してより広範囲で専門的な保障を受けることができます

医療保険は、様々な病気や怪我に対しての診療費用を補償するものです。これには、入院費用、手術費用、診察費用などが含まれます。

また、通常、医療保険は治療が必要となる病気や怪我全般を保障します。これは、生活を維持するために必要な医療費をカバーするためのものです。

一方、がん保険は名前の通り、がんに関連する医療費を補償する特化型の保険です。

がんの診断が確定した時点で、一定の金額が給付されることが多く、その金額はがんの種類や進行度によります。

さらに、がん治療に関連する費用、例えば化学療法や放射線治療などに対する費用にも対応することがあります。がん保険は、特にがん治療に必要な高額な医療費を補填する目的で設計されています。

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がん保険の見直しをするメリット

がん保険の見直しをするメリットとしては、次の2つが挙げられます。

現代の医療環境に合わせた保障を選択できる

昨今では、通院をしながら抗がん剤治療をはじめとした薬物療法や、放射線治療を受ける人もいます。

そのため、2022年9月現在のがん保険は、入院の日数に関係なく抗がん剤治療や放射線治療を受けた月ごとに定額の給付金が支払われる「治療給付金型」が主流です。

また「診断給付金」については、生まれて初めてがんと診断されたときだけでなく、所定の条件を満たすと給付金を複数回受け取れるタイプも増えてきました。

がん保険の見直しをすることで、入院を伴わないがん治療や再発したがんに手厚く備えられるでしょう。

年齢に合わせた保障を選択できる

がん保険の見直しをすることで、現在の年齢に合わせた保障内容を選ぶことが可能です。

「人口統計資料集(2022)」の「性,年齢(5歳階級)別死因順位:2020年」を参照すると、40代以降の死因として最も多いのは悪性新生物であることがわかります。年齢別死因順位2020年

参照:人口統計資料集(2022)表5-23(1)総数|国立社会保障・人口問題研究所

年齢を重ねると健康上のリスクも高まり、がんに罹患する可能性も高くなっていきます。

特に40代以降の人は、がんに対する保障を手厚く備える必要性が高まります。

若いころにがん保険に加入し保障内容を最低限にしていた人は、より手厚くがんに備えられるように、見直しを検討してはいかがでしょうか。

がん保険の見直しをする際のポイント

がん保険の見直しをする際は、次の5つのポイントを確認しておきましょう。

1. 必要な保障額を考えて検討する

がん保険の見直しをする際、保険料を安くすることを意識しすぎて、保障が手薄になってしまっては本末転倒でしょう。

そのため、まずは必要な保障を考えることが大切です。

公益社団法人全日本病院協会が公表する「医療費(2019年版)」によると、がんを入院治療する際にかかる医療費の相場は、1入院で約26〜30万円とされています。

個人によって備えておきたい保障額は異なりますが、一般的には加入時の貯金額と公的保険制度を利用して、入院中の収入源に備えられるかどうかがポイントです。

保険が適用されるがん治療を選択したときは、医療費の自己負担が最大3割となります。また、医療費が高額になったときの「高額療養費制度」や、病気またはケガで働けなくなったときの「傷病手当金(健康保険のみ)」なども利用できることがあります。

高額療養費制度と傷病手当金
高額療養費制度 医療費の自己負担額が収入や年齢で決まる上限額を超えたとき、超過分を払い戻してもらえる制度
傷病手当金 病気やケガで働けなくなったとき、平均月収の約3分の2に相当する手当てを、最長1年6か月にわたって支給してもらえる制度

これらを考慮して、自身の家族状況や貯蓄額と照らし合わせながら必要な保障額を決めるのがおすすめです。

なお、自分自身だけでは必要な保障額を決められないという場合には、様々な保険の知識を有しているファイナンシャルプランナーに相談するのも方法です。

2. 給付金の種類・受け取り方を確認する

がん保険を見直す際は、給付金の種類や受け取り方についても確認しておきましょう。

がん保険の給付金は、入院治療の際に支給される「入院給付金」と、通院治療を行う際の「通院給付金」の2種類をはじめ、以下のような給付金が挙げられます。

がん保険の給付金

  • 入院給付金
  • 通院給付金
  • 手術給付金
  • がん診断給付金
  • 治療給付金

さらに、入院前後の通院を保障するタイプがあれば、退院後の通院だけを保障するタイプもあるため、一言でがん保険といっても種類は様々です。

ひと口にがん保険といっても、保障内容は保険会社によって異なります。診断給付金を主契約にする保険会社もあれば、治療給付金を主契約とする保険会社もあるため、保障内容をよく確認したうえで加入先を選ぶことが大切です。

また、給付金の名称が似ていても保障内容が異なる場合があります。例えば、診断給付金の場合、がんに罹患した初回のみ給付金を支払うタイプや、無制限・回数制限で給付金を支払うタイプがあります。

がん保険を見直す際は、これらを考慮した上で給付金の種類や受け取り方についてもよく確認しておきましょう。

3. 給付金の受取条件を確認する

がん保険を見直す際は、給付金の受け取り条件についてもご確認ください。

というのも、がん保険の中には「悪性新生物」のみが保障の対象であり、「上皮内新生物」が保障対象外になっていることがあるためです。

また、上述のようにがんと診断された初回だけが保障対象となっている場合や、2回目以降も保障されるタイプのがん保険があるなど様々です。

同じ保障額でも保険会社によって給付金の受け取り条件は大きく異なるので、見直しの際にしっかりと確認しておくようにしましょう。

4. 適した保障期間を選択する

がん保険には、保障期間が定められている定期型と、保障が一生涯続く終身型の2種類があります。

それぞれの特徴は以下の通りです。

定期型 終身型
  • 加入時の保険料が終身型より安い
  • 定期的に保険を見直せる
  • 同額更新すると保険料が高くなる
  • 保険料が変わらない
  • 一生涯同じ保障を受けられる
  • 加入時の保険料が定期型より高い

定期的に保険を見直して最新のがん治療に備えたい場合は定期型、一生涯に渡って保障を受けたい場合は終身型がおすすめです。

5. 先進医療や自由診療に対応しているか確認する

先進医療とは、公的医療保険制度の保険給付対象外である高度な医療技術のうち、厚生労働省が認めた医療技術のことです。

一方自由診療は、健康保険を利用しないで自費で受ける治療方法で治療の中に保険適用のものがあっても保険適用外となります。

どちらとも全額自己負担となり、負担は大きくなります。

例えば、先進治療である重粒子線治療を受けると、300万円ほどの費用がかかります参照:令和4年6月30日時点で実施されていた先進医療の実績報告について|厚生労働省

しかし、民間の保険に加入することで先進医療にかかった技術料や自由診療の費用を負担してくれる商品もあります。

必要性を感じた場合は、これらに対応している保険を選ぶことをおすすめします。

がん保険の見直しをするデメリット

がん保険を見直す際は、次の注意点に気をつけましょう。

免責期間(待機期間)がある

がん保険に加入する際には、免責期間(待機期間)があることを念頭に置いておきましょう。

免責期間とは、がん保険への加入が成立してから約3ヵ月間(90日間)、保障が受けられない期間のことを指します。

がん保険の見直しをして、別のがん保険に入り直す場合、免責期間中にがんであることが発覚しても一切の保障が受けられない点には注意が必要です。

こうしたリスクを回避するためには、一時的に2つのがん保険に加入しておき、新しく契約したがん保険の免責期間が終わってから、古いほうを解約する方法があります。

ただし、一時的とはいえ、がん保険の保険料を2箇所に支払わなければならない点にはご注意ください。

健康状態によって新たに加入できない場合がある

がん保険に加入する際は、現在の健康状態や過去のがんに関する既往歴などを告知する義務があります。

保険会社は告知された内容をもとに診査を行い、その結果で加入者の引受可否を判断します。

そのため、健康状態によっては新たながん保険に加入できないケースがあるのです。

がん保険を早々に解約してしまうと必要な保障を備えられないばかりか、今まであった保障もなくなってしまいます。

がん保険を乗り換える場合は、まずは新たながん保険へ加入できるかどうかが分かる前に、契約中のがん保険を解約しないように注意しましょう。

保険の見直しで保険料が上がる可能性も

がん保険を見直すことで、保険料が上がってしまう可能性もあります。

一般的に、年齢を重ねることで健康上のリスクが高まりやすいため、若い人より年齢が高い人のほうが保険料は高めに設定されています。

また、がんに対して保障を手厚くすることでも保険料が高く可能性があります。

がん保険の見直しでよくある質問 Q&A

Q.  がん保険見直し時の解約返戻金とは?

A. 解約返戻金とは、お金が貯まるタイプの保険に加入している場合、保険を途中で解約した時に受け取れるお金のことです

がん保険を見直しすると、古い保険を解約して新しい保険を契約することになるため、古い保険が貯蓄性のある保険であった場合、解約返戻金として戻ってくることがあります。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

Q. 古いがん保険を見直しせずに放置するとどうなる?

A. がん保険は契約期間内であれば、見直しを行わなくても問題はありません

しかし保険は基本的に、現在のライフステージに合わせて定期的に保障内容を見直すことをおすすめします。

古い保険に加入したままにしていると、今の自分に合わない契約内容になっている可能性があるため、一度プロの意見を聞いてみるのがおすすめです。

詳しくは、がん保険の見直しが必要な理由の章をご覧ください。

Q. がん保険の見直しは何年目くらいがベストですか?

A. 医療技術は日進月歩で進んでおり、それに合わせがん保険も各社見直しています

1、2年で新商品を発売している会社も多いので、1、2年ごとに見直すとよいでしょう。

がん保険見直しの最もよくあるタイミングが、ライフステージに変化があったときです。

しかし、このスパンが大体10年なので、ライフステージの変化に合わせず定期的に見直しを行ってください。

Q. がん保険の乗り換え時の注意点はありますか?

A. がん保険の見直しをすると、保険料が上がることがあります

基本的にがんは年齢が上がるとリスクが高まるため、年齢の高い人が新規申込する際の保険料は高くなりがちです。

また、現在の健康状況や過去の罹患履歴から申込できない場合があります。

がん保険に乗り換える際には、新しい保険に加入できてから今の保険を解約するようにしましょう。

詳しくは、「がん保険を見直す際のデメリット」の章をご覧ください。

まとめ

昨今のがん治療は、従来の入院治療よりも通院治療の方が増加傾向にあります。

医療事情にあっていない保険を継続していると、せっかく保険料を支払っているのに十分な保障が受け取れない場合があります。

がん保険の切り替えには、デメリットもあります。

しかし、がん保険を見直しだけであれば大きなデメリットはありません。

無料で資料を取り寄せて今の保険と見比べた結果、今のご加入の保険が良いと分かれば、より安心して保険を継続することができます。

なんとなく不安なままにしておくより、定期的ながん保険の見直しを行い、安心できるようにしておきましょう。

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諏澤 吉彦
諏澤 吉彦
京都産業大学教授
米国St. John’s University College of Insurance(現 Peter J. Tobin College of Business)において経営学修士(優等学位)および理学修士、そして一橋大学大学院商学研究科において博士(商学)を取得。損害保険料率算出機構に勤務した後、京都産業大学経営学部専任講師、准教授を経て現在は教授。Asia-Pacific Risk and Insurance Association理事などを歴任し、現在は生活経済学会理事、日本保険学会評議委員。
所有資格
博士(商学)、Master of Business Administration (Hons.)、Master of Science
専門分野・得意分野
保険、リスクマネジメント、社会保障
中村 翔也
中村 翔也
Webライター/ファイナンシャルプランナー
携帯代理店法人部門にて営業職として2年半勤務後、2017年12月よりwebライターとして独立。通信ジャンルをメインに金融系、保険記事を毎月30本以上執筆。
所有資格
ファイナンシャル・プランニング技能士3級
専門分野・得意分野
保険全般・金融全般・通信全般
ナビナビ保険編集部
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ナビナビ保険編集部は「どこよりも分かりやすい保険情報を届けること」をコンセプトにコンテンツの配信を行っています。

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