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更新 更新:2022.05.24

60歳からの保険は必要?考え方や見直しのポイントをわかりやすく解説

60歳からの保険は必要?考え方や見直しのポイントをわかりやすく解説
監修者

諏澤 吉彦

京都産業大学教授
所有資格
博士(商学)、Master of Business Administration (Hons.)、Master of Science
専門分野・得意分野
保険、リスクマネジメント、社会保障
監修者

藤田 匡紀

ファイナンシャルプランナー(CFP)
所有資格
CFP資格、証券外務員Ⅱ種
専門分野・得意分野
生命保険全般、資産運用
執筆者

品木 彰

ファイナンシャルプランナー
所有資格
ファイナンシャル・プランニング技能士2級, 日商簿記検定3級
専門分野・得意分野
保険全般・不動産関連・税金・投資

60代は多くの方が定年退職を迎え、老後生活が始まる年代です。

一方で、身体機能の低下により、健康状態に不安を抱える方も少なくありません。

退職後は、主な収入源が年金となります

再就職をしたとしても、定年退職前と比較すると収入が低下するケースがほとんどです。

貴重な貯蓄を減らさないためにも、保険で備えたいと考える方は多いのではないでしょうか。

60代の方がどのように保険に加入すべきなのかを解説します。

保険の見直しを検討されている方や、加入を検討すべき保険を知りたい方は、ぜひご一読ください。

60代で想定されるリスク

一般的に年齢を重ねると身体機能の低下によって、病気やケガで入院したり手術を受けたりするリスクが高まります

厚生労働省の調査によると、60代の方が入院したり外来に通ったりする割合である受療率(人口10万対)は、以下の通りです。

60代の受療率(人口10万対)
60~64歳 65~69歳 全年齢
入院 男性 1,188 1,560 1,036
女性 811 1,067 972
総数 997 1,305  1,096
外来 男性 5,710 7,297 5,675
女性 6,832 8,317 4,953
総数 6,279 7,824 6,360

※出典:厚生労働省「平成29年 患者調査

例えば、60代前半の男性の人口が10万人いると仮定する場合、そのうちの1,188人が入院し、5,710人が外来に通院していることを意味します

60代の場合、入院の受療率は男性の方が高いですが、反対に外来の受療率は女性の方が高い傾向です。

また、50代では受療率が男性・女性ともに全年齢平均を下回るケースがほとんどであったのに対して、60代になると全年齢平均を上回るケースがほとんどです。

病気やケガで入院したり、通院したりするリスクは、50代よりも高まっていると考えられます。

主な入院・死亡リスク

次に、60代の方がどのような理由で入院したり亡くなったりしているのかを解説します。厚生労働省の調査によると、60代の男女が入院した理由の上位5つは、以下の通りです。

60代の入院理由
男性 女性
60~64歳 65~69歳 60~64歳 65~69歳
第1位 精神及び行動の障害 精神及び行動の障害 精神及び行動の障害 精神及び行動の障害
第2位 循環器系の疾患 新生物<腫瘍> 新生物<腫瘍> 新生物<腫瘍>
第3位 新生物<腫瘍> 循環器系の疾患 循環器系の疾患 循環器系の疾患
第4位  損傷,中毒及びその他の外因の影響 損傷,中毒及びその他の外因の影響 損傷,中毒及びその他の外因の影響 損傷,中毒及びその他の外因の影響
第5位 神経系の疾患 神経系の疾患 筋骨格系及び結合組織の疾患 筋骨格系及び結合組織の疾患

※出典:厚生労働省「平成29年 患者調査

上記のデータでは60代の男女ともに、統合失調症やうつ病などの「精神及び行動の障害」で入院した人がもっとも多いです。

また、入院した理由の第2位は60代前半の男性を除いて、がんや白血病などの「新生物<腫瘍>」でした。

次いで、急性心筋梗塞や脳内出血などの「循環器系の疾患」、大腿骨の骨折や頭蓋骨の損傷などの「損傷,中毒及びその他の外因の影響」で入院する人が多い傾向です。

一方で、60代は男性と女性で入院する原因に違いもあります。

男性はパーキンソン病やてんかんなどの「神経系の疾患」で入院している人が多いのに対して、女性は関節リウマチのような「筋骨格系及び結合組織の疾患」で入院する方が多い傾向です。

次に、60代の主な死因を確認しましょう

60代の主な死因
男性 女性
60~64歳 65~69歳 60~64歳 65~69歳
第1位 悪性新生物
<腫瘍>
悪性新生物
<腫瘍>
悪性新生物
<腫瘍>
悪性新生物
<腫瘍>
第2位 心疾患 心疾患 心疾患 心疾患
第3位 脳血管疾患 脳血管疾患 脳血管疾患 脳血管疾患
第4位 肝疾患 肺炎 自殺 不慮の事故
第5位 自殺 不慮の事故 不慮の事故 肺炎

※出典:厚生労働省「令和元年 人口動態調査

60代の死因は、1位から3位まで男性と女性で同じ結果となりました。

死因で最も多いのが「悪性新生物<腫瘍>」です。

次いで多いのが、急性心筋梗塞などの「心疾患」、その次がくも膜下出血に代表される「脳血管疾患」です。

また、60代後半では男女ともに「肺炎」や「不慮の事故」で亡くなる方が増えている一方で「自殺」で亡くなる方の割合は減っているのも特徴的と言えます。

諏澤 吉彦
ナビナビ保険監修
京都産業大学教授
諏澤 吉彦

悪性新生物(腫瘍)、心疾患、脳血管疾患は三大疾病と呼ばれるものですが、これらは死亡リスクを高めるものであると同時に、治療のための医療費が高額となるおそれがある重大な疾病リスクであるとも言えます。このため、既存の医療保険の保障が十分でなければ、後ほど「60代の方におすすめの保険」でも取り上げられるがん保険や、三大疾病を対象とした医療保険などへの加入を検討することができます。一方で、これらの疾病は健康診断により問題を早期に発見することで、軽度に抑えることが可能な場合があります。また特に、心疾患や脳血管疾患は、生活習慣からもある程度影響を受けるものです。健康診断の定期的受診や生活習慣の改善などは、事前にリスクの深刻化を防ぐリスクコントロールであると言え、リスクファイナンスの保険と合わせて、積極的に行うことがすすめられます。

60代の生命保険加入率

高まる病気やケガのリスクに備えるために、60代の方はどれくらいの割合で生命保険に加入しているのでしょうか。

以下は、60代の生命保険世帯加入率です。

  • 60〜64歳:92.4%
  • 65〜69歳:93.8%

※生命保険文化センター 2021(令和3)年度「生命保険に関する全国実態調査」

同調査によると、生命保険の世帯加入率は全平均で89.8%でした。

60代の方は平均を超える割合で、生命保険や医療保険などに加入しています。

次に、60代の夫婦世帯における生命保険の加入形態を確認しましょう。

60代の生命保険の加入形態
60~64歳 65~69歳
夫婦ともに加入 84.3% 85.1%
夫のみ加入 7.0% 6.6%
妻のみ加入 2.0% 0.5%
夫婦共に未加入 6.7% 7.7%

※生命保険文化センター 2021(令和3)年度「生命保険に関する全国実態調査」

夫婦ともに保険加入している世帯の割合が約8割を占める結果となりました。

一方で、夫婦ともに未加入である世帯も約1割存在します。

50代の場合、夫婦ともに加入している世帯の割合は82.2%〜86.7%、 夫婦ともに未加入である世帯の割合が約5%前後でした。

60代になると、保険を解約したり満期を迎えたりして、生命保険に加入しない選択をする世帯が増えると考えられます。

生命保険加入金額・入院給付金額・払込保険料

次に、60代の方が加入している生命保険の保障内容や、支払っている保険料の額を解説します。

以下は、生命保険文化センターの調査をもとに、60代の生命保険加入金額(死亡保障額)や入院給付金額、払い込み保険料の平均を男女別に表したものです。

60代の生命保険加入金額・入院給付金額・払込保険料
全体 男性 女性
生命保険加入金額 869万円 1,192万円 655万円
入院給付金額 9,765円 10,570円 9,263円
払込保険料 年間:約18.8万円
月額:約15,998円
年間:約21.0万円
月額:約17,533円
年間:約17.4万円
月額:約14,523円

※出典:生命保険文化センター「令和元年度 生活保障に関する調査※払込保険料は個人年金保険の保険料を含む結果

60代の方の生命保険加入金額は、男性が1,192万円、女性が655万円と、約2倍の差があります。

しかし、同調査によると50代の生命保険加入金額が、男性1,992万円、女性824万円であるため、男女の差は縮まりました。

また、入院給付金額も男性の方が女性よりも高いですが、大きな差はありません。男女ともに入院1日につき1万円前後の医療保障に加入しています。

払込保険料の全年齢平均は、男性が年間約23.4万円(月額約19,530円)、女性が年間約16.8万円(月額約14,032円)、男女を合わせると年間約19.6万円(月額約16,362円)です。

60代の払込保険料は、女性を除いて全年齢平均を下回っています。

60代の保険の見直し方

60代の方が保険を見直す際は、以下の点に着目しましょう。

現在加入している保険を整理する

保険の見直しをする前に、現在加入している保険の種類と保障内容を必ず確認しましょう

加入中の保険内容を確認しなければ、現在の保障がご自身の状況に適しているか判断できないためです。

保険の加入内容は、保険の契約時に受け取った保険証券や設計書で確認できます。

また、年に1度のような決まったタイミングで、加入先の保険会社から送付されてくる契約内容が記載された書類で確認することも可能です。

保険の仕組みは複雑なため、加入内容を見ても分からない部分がでてくるかもしれません。

しかし、保険を適切に見直すには、加入中の保障内容の理解が不可欠なのです。もし、不明点がある場合は、加入先の保険会社に確認するようにしましょう。

死亡保障を見直す

既婚者で子供が独立している場合、高額な死亡保障に加入したままになっていないか確認しましょう

生命保険の保険金の金額は、遺された家族の生活費や、子供の教育費をもとに計算します。

子供がすでに独立している場合、子供の生活費と教育費を生命保険で備える必要がなくなるため、死亡保障を減額して見直しできるケースがほとんどです。

万が一の場合に、まとまった金額の保険金が受け取れる「定期保険」に加入したままになっていないか確認しましょう。

また、死亡保障だけでなく、医療保障やがん保障などもセットになった総合保障保険に加入した覚えがある方も、高額な死亡保障が付帯されているかどうか確認が必要です。

この際、定期保険の代わりに検討したいのが、一生涯の死亡保障を得られる「終身保険」です。

終身保険に加入することで、葬儀代やお墓代などの支払いに備えられるだけでなく、相続税対策としても活用が期待できます

生命保険での相続税対策については、以下のコンテンツに詳しく記載しておりますので、ぜひご一読ください。

諏澤 吉彦
ナビナビ保険監修
京都産業大学教授
諏澤 吉彦

60歳を過ぎると、記事にもあるように死亡や疾病のリスクが大きくなっていきます。両者のリスクが顕在化したときに予想される費用(期待損失)の不確実性(変動性)に注目すると、死亡については被扶養者がいなければ、葬儀費用や遺品整理の費用などの金額は予想しやすく、ある程度コントロールも可能であると言えます。一方で疾病については、その種類や重度、治療期間、治療内容などにより、医療費などの費用が高額となるおそれがあるとともに、それが必要となるタイミングも予想困難です。しかも、公的医療保険では、最先端医療のなかには対象とならないものがあるなど、常に十分な保障が得られるとは言えず、これに貯蓄を中心にして備えることは適切とは言えません。このため、老齢期に向けては、保険のなかでも医療保障の重要性が、より増していくと言えます。

医療保障を見直す

加入中の医療保険やがん保険の保障内容を確認し、見直しを検討しましょう。

病気やケガのリスクが高まる60代は、保険や貯蓄でリスク適切に備えられているかを入念に確認する必要があります

特に、医療保険やがん保険に加入したまま長い年月が経過している方は、保障内容が現代の医療環境に適さない恐れがあります。

例えば、医療保険に免責日数がある場合、入院から5日程度経過しなければ入院給付金を受け取れない場合があるのです。

以下のように、時代の変化とともに入院日数は短期化しているため、古いタイプの医療保険では、病気やケガの備えとして充分でない可能性があります。

施設の種類別にみた退院患者の平均在院日数の年次推移

参照:厚生労働省/退院患者の平均在院日数等

また、ひと昔前のがん保険は、放射線治療や抗がん剤治療、所定の先進医療などを受けても給付金を受け取れない場合がある点にも注意が必要です。

60代の方の多くは、がんを含む新生物が原因で入院しています。

加えて、亡くなる原因として最も高い割合を占めているのが悪性新生物です。現在がん保険に加入している場合、十分な保障が確保されているかチェックしてみましょう。

一方で、医療保険やがん保険に新規で加入すると、保険料が高額になる場合があります。

また、ご自身の健康状態によっては、医療保険やがん保険に新規加入できない場合もあるので、見直しを検討される場合は専門家に相談されることをおすすめします。

病気やケガに対しては、貯蓄で備えることも可能です。貯蓄で医療費の支払いに備えられる可能性がある場合は、無理に医療保険やがん保険に加入する必要はありません。

ご自身にとっての医療保障の必要性や、保険料負担などを確認し、高まる病気やケガのリスクに、どの方法で対処するか検討しましょう。

諏澤 吉彦
ナビナビ保険監修
京都産業大学教授
諏澤 吉彦

記事にもあるとおり、医療保険には入院に関して免責日数が設けられている場合があり、一定日数未満の入院の場合には保険金が支払われないことがあります。この仕組みには、少額の保険金支払いを避けることで保険会社の経費を節約し、その結果として保険料(付加保険料)を低廉化するという合理的な理由があり、保険契約者にとってもメリットとなるものです。損害保険に分類される火災保険や、車両保険にも免責金額が設けられる場合がありますが、これらも同様の趣旨と言えます。この免責日数や免責金額を別の視点から見れば、その範囲の必要費用は保険契約者がリスク保有をしていることになり、貯蓄などによって備えることとなります。医療保険を検討する際には入院免責日数を確認し、その期間の入院費用がリスク保有の範囲で十分対応できるかどうかを検討する必要があります。

介護・認知症への備え

60代の方は、介護や認知症に対する備えを考える必要があります

介護期間が長引くと、介護費用が高額になる可能性があるためです。

生命保険文化センターの調査によると、介護を始めてからの期間は、平均54.5ヵ月(4年7ヵ月)です。

一方で、介護に要した費用は、住宅の改造や介護用ベッドなどの一時費用で平均69万円、 月々の費用は7.8万円となっています。

単純計算でも、介護にかかる費用は69万円 + ( 7.8万円 × 54.5ヵ月 ) = 494.1万円 と考えられます

日本では、40歳以上の方に公的介護保険への加入が義務付けられています。

65歳以降に所定の要介護認定を受けると、公的介護保険を利用して所定の介護サービスを1〜3割負担で利用が可能です。

ただし、公的介護保険には利用上限額が定められており、超過した費用は全額自己負担となります。

上記の生命保険文化センターが調査した介護の一時費用や月額費用は、公的介護保険からの給付を考慮した後の金額です。

上記から、一般的に介護費用は、ご自身の貯蓄や年金収入から支払うのが望ましいと言われています。

現在の貯蓄や将来の年金収入だけでは介護に対する備えが不十分であると感じたのであれば、民間保険会社が取り扱う介護保険や認知症保険に加入検討しましょう

60代の方におすすめの保険

60代の方に加入検討をおすすめする保険は、以下の通りです。

医療保険・がん保険

病気やケガに対するリスクに備えるには、医療保険やがん保険に加入がおすすめです。

民間保険会社の医療保険は、病気やケガによる入院・手術・通院などに備えられる保険です。

入院した場合の「入院給付金」や、所定の手術を受けた場合の「手術給付金」が主な保障であり、特約を付帯して保障をさらに手厚くできます

がん保険は、がん治療に特化した保険です。がん保険の保障には、がんと診断された場合の「診断給付金」や、 放射線治療のような所定のがん治療を受けた場合の「治療給付金」などがあります。

医療保険とがん保険には、終身型と定期型の2種類があります。

終身型と定期型
内容・特徴
終身型
  • 加入から一生涯にわたって保障を受けられる
  • 保険料は加入してから一生涯または保険料の払い込みが終わるまで変わらない
  • 一生涯にわたって保険料を支払う「終身払い」と一定期間または所定の年齢までに保険料の払い込みを終える「有期払い」の2種類がある
定期型
  • 保障を受けられるのは加入から10年や20年などの一定期間のみ
  • 保険期間が終了したあとも所定の年齢まで更新できるが保険料は上昇していく

2021年1月現在、医療保険とがん保険は、どちらも終身型が主流であり、定期型は選択肢が少ない状態です。

加入できる保険の種類や保障内容、保険料の設定などは、保険会社によって異なります。

医療保険やがん保険の必要性を考え、保険料負担を確認した上で、ご自身に合った選択をしましょう。

なお、医療保険やがん保険については、以下のコンテンツで詳しく解説していますので、併せてご一読ください。

持病がある場合は、引受基準緩和型(限定告知型)無選択型保険の検討を

医療保険やがん保険に加入する際は、健康状態の告知が必要です。

特に、医療保険は生命保険やがん保険よりも告知の項目が多く、保険会社による引受審査が厳しい傾向にあるため、健康状態に不安がある人は加入できない可能性があります。

過去に大病を患った方や、すでに持病を抱えており服薬している方などは「引受基準緩和型保険(限定告知型)」や「無選択型保険」に申し込む方法があります。

引受基準緩和型(限定告知型)・無選択型保険

  • 引受基準緩和型(限定告知型):告知項目が少なく健康状態に不安がある方でも申し込みやすい保険
  •  無選択型保険:加入時に告知が不要である保険

ただし、引受基準緩和型保険や無選択型保険は、通常の医療保険・生命保険よりも保険料が割高です。

また、加入から一定期間は保険金・給付金額が削減される場合や保障の対象とならない場合もあるため、加入時に内容を入念に確認しましょう。

終身保険

葬儀費用やお墓代のような、最低限の死亡保障を準備しながら老後資金を準備していきたいのであれば、終身保険が選択肢となります。

これまでの終身保険は、契約者が保険料を円で支払い、保険会社が円のまま運用する円建てが主流でした。

しかし、低金利が進む2021年では円建て終身保険に加入しても、あまり高い利回りは期待できません。

そこで「外貨建て終身保険」や「変額保険(終身型)」といった商品も増え、選択肢が豊富になっています。

ただし、終身保険への加入を検討する場合は以下の点に注意が必要です。

終身保険へ加入する際の注意点

  • 60代から終身保険に加入すると保険料負担が家計を圧迫する恐れがある
  • 一時払終身保険に加入できる保険会社が減っている
  • 「外貨建て終身保険」や「変額保険(終身型)」は円建てよりも高い利回りが期待できる一方でリスクがある

20代や30代など、死亡するリスクが低い年代で終身保険に加入すると、保険料の払い込み期間が長くなることもあり、毎月の保険料も低額となりますが、60代など死亡リスクが高い年代で終身保険に加入すると、毎月の保険料は高額になりやすい傾向にあり、加えて、保険料を払い終わる年齢が75歳や80歳などになる場合もあります。

また、外貨建ての終身保険には為替リスク変額保険には投資リスクがあり、必ず利回りが高くなるわけではありません

終身保険を選ぶ際は、下記コンテンツもご確認いただき、内容を理解した上でご自身に合ったものを選びましょう。

介護保険・認知症保険

民間保険会社が取り扱う介護保険は、所定の介護状態に該当すると「介護一時金」や「介護年金」を受け取れる保険です。

保険金が支払われる要件は、公的介護保険制度の要介護認定と連動しているものや保険会社独自で定めるもの、あるいは両方が採用されている場合があります。

ただし、公的介護保険制度と支払い要件が連動されている介護保険は、要介護2以上に認定されなければ保険金や年金は支払われないのが一般的です。

要介護状態よりも介護が必要な度合いが低い要支援では、保険金や年金が受け取れない点に注意が必要です。

介護保険については以下で詳しく解説していますので、参考にしてください。

また、認知症に手厚く備えたい方は「認知症保険」を検討してみましょう。

認知症保険であれば、要介護認定を受けなくても認知症と診断された場合や、軽度認知障害(MCI)と診断された場合に保険金が支払われる場合があります。

個人年金保険

個人年金保険とは、老後の年金を自分自身で積み立てるための貯蓄型保険です。

年金の受取方法は、一生涯にわたって年金を受け取れる「終身年金」と、10年や15年など受取期間が決まっている「確定年金」の2種類があります。

個人年金保険に加入し所定の年齢から年金を受け取ることで、国から支給される老齢年金を補填して、老後生活に経済的な余裕が生まれやすくなります

ただし、60代から個人年金保険に加入できる保険会社は、多くありません。毎月保険料を支払う「平準払定額個人年金保険」だけでなく、保険料を加入時にまとめて支払う「一時払定額個人年金保険」も検討すると良いでしょう。

また、個人年金保険も、終身保険と同様に外貨建てや変額保険を選択できます。

それぞれの特徴やメリット、デメリットを把握し、保険料負担を確認した上で、ご自身にとって個人年金保険が必要なのか検討しましょう。

まとめ

最後に、60代の保険に関する要点を、今一度確認しましょう。

60代のリスクと加入している保険

  • 60代が病気やケガで入院したり外来に通院したりする割合(受療率)は、全年齢の平均を上回る
  • 60代は、男女ともに統合失調症やうつ病などの「精神障害及び行動の障害」で入院する人がもっとも多い
  • 60代の死因は「悪性新生物<腫瘍>」が最も多い
  • 60代の約9割が、生命保険や医療保険に加入している
  • 60代の生命保険加入金額や入院給付金額は、50代よりも低い

60代が保険を見直す際のポイント

  • 保険を見直す際は、現在加入している保険の保障内容を確認する
  • 死亡保障を減額できないか検討する
  • 医療保険やがん保険の必要性や、保障内容を確認する
  • 介護や認知症に備える必要があるか確認し、介護保険や認知症保険を検討する
  • 終身保険に加入すると、万が一の場合の葬儀費用やお墓代に備えられるだけでなく相続対策としても活用ができる
  • 60代から個人年金保険に加入する場合、加入時に保険料をまとめて支払う一時払いタイプも含めて検討する

60代は、現役時代よりも減少した収入のなかで、必要な保障に加入しなければなりません。

どのリスクを保険で備えるべきなのかは、個人の資産状況や生活背景などによって異なります。

判断に迷うのであれば、ファイナンシャルプランナーに相談しましょう。

お金と保険の専門家の力も借りつつご自身に最適な保障を選ぶことで、安心した老後生活が送りやすくなるはずです。

諏澤 吉彦

諏澤 吉彦

米国St. John’s University College of Insurance(現 Peter J. Tobin College of Business)において経営学修士(優等学位)および理学修士、そして一橋大学大学院商学研究科において博士(商学)を取得。損害保険料率算出機構に勤務した後、京都産業大学経営学部専任講師、准教授を経て現在は教授。Asia-Pacific Risk and Insurance Association理事などを歴任し、現在は生活経済学会理事、日本保険学会評議委員。
所有資格
博士(商学)、Master of Business Administration (Hons.)、Master of Science
専門分野・得意分野
保険、リスクマネジメント、社会保障
藤田 匡紀

藤田 匡紀

新卒で日本生命保険相互会社に入社し、販売企画・代理店営業など多様な業務に従事。13年間勤務した後「もっと多くの人に、保険の必要性を正しく理解してもらいたい」という思いを胸にエイチームフィナジーに入社、ナビナビ保険の運営に参画。金融機関における顧客向け相続セミナー・研修会の実績も多数あり。
所有資格
CFP資格、証券外務員Ⅱ種
専門分野・得意分野
生命保険全般、資産運用
品木 彰

品木 彰

大手生命保険会社にて7年半勤務し、チームリーダーや管理職候補として個人営業、法人営業の両方を経験。その後、人材会社で転職コンサルタントとしての勤務を経て、2019年1月よりwebライター/監修者として独立。
所有資格
ファイナンシャル・プランニング技能士2級, 日商簿記検定3級
専門分野・得意分野
保険全般・不動産関連・税金・投資
ナビナビ保険編集部

ナビナビ保険編集部

ナビナビ保険編集部は「どこよりも分かりやすい保険情報を届けること」をコンセプトにコンテンツの配信を行っています。

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