生命保険は、定期的に契約内容の見直しを行い、保障内容と生活背景を合わせることが大切です。
契約内容の見直しは、余分な保険料の支払いや、万が一の際の給付金が想定より少なかったといったことを防げるだけでなく、現在の生活環境・家族構成に合わせた過不足のない保障を設定でき、家計の節約にもつながります。
どんな保険も、一度加入してしまえば後は放置していてもずっと安心というわけではありません。結婚・出産・住宅の購入といったライフステージの変化に合わせて、保険の契約内容も更新していくのがベストです。
生命保険の見直しをする際に確認したい内容、注意点を中心に分かりやすく解説します。
生命保険見直しで確認したいポイント
生命保険の見直しで確認したい項目は以下の4つです。
1. 保障内容
実際、生命保険の加入者にナビナビ保険が独自でアンケート調査を行った結果、「把握できていない」が9.5%、「一部は把握できていない」が43.5%、「把握できているか分からない」が2.1%という結果になり、保障内容についてしっかり把握できていない人が約55%いることが分かりました。
保障内容がしっかり把握できていないということは、本当に必要なタイミングで思ったような保障が受けられない可能性があります。
そのため、現在加入している生命保険が今の自分に適切な保障になっているのか見直しを行うことをおすすめします。
また、同調査にて保険に加入している目的についてもアンケート調査を行ったところ、「医療保障(病気・ケガなど医療費に備えたい)」と回答した人が最多の85.0%という結果になりました。
求める保障内容に対して、現在加入している生命保険の商品や種類が適切か、見直しの際には必ず確認しましょう。
ニーズ別に対応する主な保険種類は以下の通りです。
こちらを参考に、まずはご自身の求めるニーズと保険種類がマッチしているか照らし合わせてください。
2. 保障額
生命保険の主な加入目的には以下の3つが挙げられます。
生命保険の主な加入目的
- 万が一の際に、遺された家族の生活費保障
- 子どもの教育資金、老後資金などの積み立て
- 病気やケガによる経済的リスクに備える
何のために生命保険に加入するのか加入目的を明確にし、それに対して必要な保障金額はいくらになるのかを確認しましょう。
結婚をした、子供が産まれたなどのライフステージに変化がある際は、加入目的が今までと異なり、必要保障金額が違ってくる可能性が高いため、契約内容を見直すいい機会となります。
死亡保障金額の場合、「遺された家族の今後の支出」-「支出を補う手段」で算出された不足分を死亡保障で補うことになります。
具体的な支出や支出を補う手段は以下の通りです。
また、病気やケガによる経済的リスクに備えた場合であれば、「医療費などの支出」-「国や会社からの手当金」で算出された不足分を医療保険などで補うことになります。
具体的な項目は以下の通りです。
実際、死亡保険金のある生命保険(終身保険・定期保険・収入保障保険)の加入者に、死亡保険金の設定金額をナビナビ保険が独自でアンケート調査を行った結果、以下の結果となりました。
生活を支えていく家族がおり経済的リスクに備えたい人は、死亡保険加入の優先順位はおのずと高くなります。
一般的には、家計の主な収入源となっている男性の方が死亡保険金額は高く設定している場合が多いようです。
また、入院給付金日額のある生命保険(医療保険・がん保険・女性保険)の加入者に、入院給付金日額の金額設定をナビナビ保険が独自でアンケート調査を行った結果、以下の結果となりました。
こちらも男性の加入者の方が、入院給付金日額の設定金額は高くなっている結果となりました。
3. 保障期間
生命保険は大別して「終身型」と「定期型」の2つに分けることができます。
終身型保険と定期型保険の違い
- 終身型 … 一生涯の保障を受けられる代わりに毎月の保険料は定期型より高め
- 定期型 … 契約時に決めた期日まで保障されるが、毎月の保険料は安め
実際、生命保険の加入者にナビナビ保険が独自でアンケート調査を行った結果、「終身型」の生命保険に加入している人は36.7%、「定期型」の生命保険に加入している人は57.6%という結果になりました。
自分や家族にとって適切な契約内容が分からない人は、ファイナンシャルプランナーに相談しながら行うのがよいでしょう。
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4. 保険料払込期間
保険料払込期間を見直すことによって、月々の保険料を安く抑えることができる可能性があります。
例えば、月々5,000円で保険料払込期間が60歳までの保険に入っていて、保障内容はそのままに月々の保険料支払い額を減らしたいとします。
その場合、保険料払込期間を70歳までや終身にすれば、月々の保険料負担を抑えることができます。
しかし、払込保険料の総額は変わらない、または増えている場合もあるのでご注意ください。
反対に、月々で払っている保険料を「年払い」や「半年払い」に変更することで、1回の負担は大きいですが、総支払保険料を安くすることができます。
また、保険の継続がどうしても難しい場合は、終身保険や養老保険を「延長(定期)保険」や「払済保険」に移行するのもひとつの選択肢です。
- 「延長(定期)保険」とは?
- 保険料の払込を中止し、保障額はそのままで定期保険に移行する仕組み
- 「払済保険」とは?
- 保険料の払込を中止し、保障額を減額し保障期間はそのままで保険を継続する仕組み
自身の貯蓄額やライフプランに合わせて、保険料払込期間をぜひ一度見直してみましょう。
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保険の見直しをするベストタイミングは?
保険を見直すのに適したタイミングについて説明します。
基本的には、ライフステージに変化があるときに見直すことで、新しい環境に合わせて保障を最適化できると思っていただければ問題ないでしょう。
ライフステージ | 候補となる保険 | 見直しのポイント |
---|---|---|
就職 | 働けなくなったとき保障や入院・手術時の保障、万一の場合の葬儀費用をメインに考える | |
結婚 | 万が一、亡くなったり動けなくなった時に、遺された家族が生活に困らない保障を準備する | |
出産 | 子供の独立までの教育費と、万が一の際の手厚い死亡保障を準備する | |
住宅購入 | 住宅ローンを組み、団体信用生命保険に加入した場合は死亡保障額から住居費用を差し引いて見直しを | |
子供の独立 | 大きな死亡保障が必要なくなる代わりに、医療保障や介護保障を必要に応じて検討する |
上記の表を見ていただければ分かるとおり、ライフステージによって必要な保障は異なります。
特に、住宅を購入して団体信用生命保険に加入した際と、子供が独立した後に関しては影響金額が大きくなるため保険の見直しは忘れず行うようにしましょう。
ご紹介したのは、あくまで最低限の見直しをするタイミングです。
上記以外にも、生活環境に変化があったときは必要に応じて保険を見直すようにしましょう。
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生命保険見直しの手順
実際に、具体的なイメージが湧くように以下の例を参考に生命保険見直しの流れをシミュレーションしてみます。
生命保険見直しのシミュレーション例
- 契約者:夫(35歳)
- 家族構成:妻(共働き)、子供2人(4歳・2歳)
現在加入している保険の保障内容は、以下のとおりです。
保障内容 | 保証額 | 月払い保険料 |
---|---|---|
死亡保障(定期保険) | 3,000万円 | 16,456円(10年更新) |
死亡時の収入保障 | 20万円/月 | |
入院給付金 | 1万円/日 | |
手術給付金 | 10万円~40万円 |
子供が小さいうちは高額な死亡保障が必要ですので、一見すると十分な保障に加入しているように見えますが、毎月の保険料負担が高額なため、10年後に同額更新すると保険料負担がさらに上昇することもあり、この家族は保険の見直しを考えています。
見直しにあたり、ご家庭が必要としている保障は以下の通りです。
万が一の際に必要になる保障
- 万が一、夫が死亡した際、子供が独立するまでの家族の生活費用
- 万が一、夫が死亡した際の葬儀費用・身辺整理代
- 夫が入院や手術をする場合の医療費
また、夫に万が一のことがあった場合の遺族年金や、病気・ケガによる入院・手術の際に活用できる健康保険制度を考慮すると、さらに以下のことが分かりました。
遺族年金や健康保険制度を鑑みた上で、あると安心な保障
- 遺族年金額と妻の収入を考慮すると、夫が亡くなった場合に子供が独立するまで必要な生活費・教育費は毎月15万円
- 夫の会社の健康保険に「付加給付」があり、ひと月の医療費の自己負担額が25,000円で済むため、手厚い医療保障は不要
このような点に留意した上で保険を見直すと、適切な契約内容は以下のようになります。
必要な保障 | 加入する保険 | 保証額 | 月払い保険料 | 保険料合計 |
---|---|---|---|---|
遺族の生活費 | 収入保障保険 | 15万円/月 | 2,800円(55歳満了) | 11,556円 |
葬儀代・身辺整理代 | 終身保険 | 300万円 | 6,954円(65歳払済) | |
入院費用・手術代 | 医療保険 |
|
1,812円(終身払い) |
夫に万が一のことがあった場合の生活費・教育費は、保険期間満了まで保険金を毎月受け取れる収入保障保険でカバーします。
保険期間は、下の子供が独立する(22歳)20年後まで保障することにするため、夫が35歳から20年後の55歳で保険期間が満了するように設定します。
夫の葬儀費用・身辺整理代は一生涯の死亡保障がある終身保険でカバーし、医療保険も最低限の保障にして老後も継続できるように終身払いとしました。
今回の保険の見直しで毎月の保険料が4,890円安くなり、年間で58,680円が節約できたことなります。
また、見直し後の保険には更新型のものがないため、将来同額更新した場合に保険料が上がる心配もありません。
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生命保険を見直す際の注意点
生命保険を見直す際の4つの注意点について解説します。
生命保険を見直す際の注意点
1. 現在の保険を解約する際に、元本割れを起こすリスクがある
生命保険の見直しは、一般的に必要な保障を洗い出して過剰な部分を削りつつ、足りない部分を付け足していきます。
保険を見直すからといって、現在加入している保険をすべて解約する必要はないのですが、解約を伴う場合は、元本割れの可能性を考慮しておきましょう。
保険解約時に戻ってくる解約返戻金は、保険会社が保険金を支払うために積み立てているお金(責任準備金)のうち、解約控除が差し引かれた金額です。
そのため、保険の契約期間によっては支払った保険料の総額よりも解約返戻金が少なくなってしまう、いわゆる元本割れが起こりやすくなります。
2. 利率の良い貯蓄型保険は、無理に解約しない方がよい場合も
ひと昔前に契約したり、親からもらった終身保険や養老保険といった貯蓄型保険の中には、現在に比べて契約時の予定利率が非常によい場合があります。
これらの保険は「お宝保険」と呼ばれたりもします。
利率のよい貯蓄型保険は無理に解約せず、できるだけ継続するのがおすすめです。
必要ないからといってよく検討せずに解約してしまうと、利率の面ではこのような有利な保険には二度と加入できない可能性があるため、注意が必要です。
3. 保険商品によって、保険金が支払われない免責期間がある
免責期間とは、ケガや病気をしても保険金が支払われない期間のことを指し、「待機期間」や「待ち期間」と呼ばれることもあります。
特にがん保険や医療保険に多くみられ、がん保険の場合は「申込書の提出、健康状態の告知、1回目の保険料払込み」のいずれか最後に行われた日から数えて、約90日間と定められている所が多いです。
医療保険の場合は、入院日数4日目までが免責期間などとされている商品が多く見られます。
保険に加入しているのにも関わらず、保険が適用されないという事態を避けるためにも免責期間は確認しておきましょう。
4. 焦って解約をすると無保険状態になることも
新しい保険にすぐ加入するからといって、現在加入している保険を解約してしまうと無保険状態の期間が生まれてしまう可能性があります。
自分に合った保険を見つけたとしても、健康状態や年齢などによって加入審査に通らない可能性があります。
もし、加入審査に通らなければ、また新しい保険を探すまでの期間は無保険状態となり、その際に起きたケガや病気については全額自己負担になってしまいます。
保険を解約する際は、次の保険に加入してから解約するようにしましょう。
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保険の見直しはどこでできる?
これまでの内容で、保険の見直しの必要性は理解できても、今の自分に最適な保険をご自身で選びなおすのは難しいことです。
保険商品は世の中に多くあり、種類や保障内容もさまざまです。ですので、いざ保険の見直しを検討する際は、中立の立場で相談に乗ってくれる保険ショップ、もしくは訪問型の保険代理店(訪問相談・FP相談)がおすすめです。
相談先 | 特徴 | 向いている人 |
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保険会社の営業社員 |
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銀行窓口 |
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通信販売・ネット完結商品 |
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来店型の保険ショップ |
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訪問型の保険代理店(訪問相談・FP相談) |
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中でも、訪問型代理店は、顧客の都合がよい時間帯・場所まで説明に来てくれるため、移動の手間や時間を省くことができ「仕事が忙しくて都合がつけにくいが、保険はしっかり見直したい」という人におすすめです。
まとめ
保険見直しの必要性と、具体的なタイミングから確認したいポイントまで分かりやすく解説しました。最後に振り返りをしていきましょう。
まず、保険は定期的に契約内容を見直すことで、保障内容と生活背景を合わせることが大切です。
具体的な流れは、生命保険見直しの手順を参考にして下さい。また、見直しの前に以下の2つの注意点にも目を通しておきましょう。
生命保険を見直す際の注意点
保険の見直しをするベストタイミングは、ライフステージに変化のあるときです。
特に、住宅を購入して団体信用生命保険に加入した際と、子供が独立した後に関しては影響金額が大きくなるため保険の見直しは忘れず行うようにしましょう。
保険の見直しはさまざまな場所で行うことができますが、中立の立場で相談に乗ってくれる保険ショップ、もしくは訪問型の保険代理店(訪問相談・FP相談)がおすすめです。
自分や家族にとって適切な契約内容が分からない人は、ファイナンシャルプランナーに相談しながら行うのがよいでしょう。