この記事の目次
収入保障保険とは
収入保障保険とは、被保険者が死亡または高度障害状態になったときに、家族が年金方式(毎月一定額を受け取れる)で保険金を受け取れる掛け捨て型の保険です。
毎月一定額の保険金が支払われるので、万が一の時の給与の保障になるような保険です。
また、将来必要になるお金が徐々に減少していくという考え方に基づいているので、同じ掛け捨て型保険の定期保険よりも総額保険料が安く設定されています。
ですので、定期保険よりも保険料を抑えながらも、ライフステージに合った最低限の保障が欲しいという人に向いている保険です。
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収入保障保険の特徴
収入保障保険の最大の特徴は、総受取り保険金額が将来に向かって減少していくので、保険料が安く抑えられているという点です。
例えば、子供が0歳で契約者が30歳のときに子供が独立する年齢の22歳まで収入保障保険に加入するとします。
子供が0歳の時に収入が途絶えた場合、22年間分の生活費が必要ですが、子供が10歳になった時に収入が途絶えたとしても、12年間分の生活費だけで済みます。
このように、年数の経過とともに適切な保険金額を受け取れるので、全体的な保険料が安く抑えられているのが収入保障保険です。
収入保障保険とよく比較される他保険との違い
収入保障保険は下記のような保険と混同されやすく、どのような違いがあるのか明確に答えられる人は多くないでしょう。
この章では、収入保障保険と上記保険との違いを解説していきます。
定期保険と収入保障保険との違い
定期保険も収入保障保険と同様、死亡または高度障害状態になった時に保険金を受け取れる掛け捨て型の保険です。
しかし、定期保険と収入保障保険の受け取り方には大きな違いがあります。
保険商品 | イメージ | 保険金の受取方法 | 支払保険料 |
---|---|---|---|
定期保険 | ![]() | 一括 | 収入保障保険より割高 |
収入保障保険 | ![]() | 年金形式 (一括または、一括+年金形式) | 定期保険より割安 |
収入保障保険は万が一のことがあった時の「収入減」に備える保険なので、基本的には年金形式で受け取ることが多いです。
しかし、今すぐまとまったお金が欲しいという時には、収入保障保険でも一括で受け取ることができるので覚えておきましょう。
支払保険料が定期保険よりも割安な理由は、定期保険は保険金額が一定なのに対して、収入保障保険は総受取保険金額が減少していくからです。
以下の記事を参考にしながら、自分に合った方の保険を検討しましょう。
所得補償保険と収入保障保険との違い
収入保障保険同様、所得補償保険も毎月一定額の保険金を受け取るタイプの保険です。
しかし、決定的な違いは、給付の対象となる状態と給付金を受け取る対象が以下のように異なる点です。
イメージ | どんなとき? | どんな目的で? | 誰が受け取る? | |
---|---|---|---|---|
所得補償保険 | ![]() | 被保険者がケガ・病気で働けないとき | 本人の生活を保障するための保険 | 被保険者本人 |
収入保障保険 | ![]() | 被保険者が死亡したとき | 遺された家族の生活を保障するための保険 | 被保険者の家族 |
収入保障保険は家族にお金を残すための保険で、所得補償保険は給料がなくなったときに自分が困らないようにするための保険です。
加入目的によって自分にはどちらの保険が適切か検討しましょう。
就業不能保険と収入保障保険との違い
就業不能保険はケガ・病気により働けないときの収入減に備えるための保険に対し、収入保障保険は死亡保険です。
就業不能保険は被保険者本人が保険金を受け取るのに対して、収入保障保険は被保険者の家族が保険金を受け取ります。
イメージ | どんなとき? | どんな目的で? | 誰が受け取る? | |
---|---|---|---|---|
就業不能保険 | ![]() | 被保険者がケガ・病気で働けないとき | 本人の収入減に備えるため | 被保険者本人 |
収入保障保険 | ![]() | 被保険者が死亡したとき | 遺された家族の生活を保障するため | 被保険者の家族 |
一般的には、自営業で万が一のリスクに備えたい方は「就業不能保険」、自分に万が一のことがあった場合の家族の生活費を備えたい方は「収入保障保険」を選ぶのが良いでしょう。
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収入保障保険のメリット、デメリット
収入保障保険のメリット・デメリットは以下のとおりです。
収入保障保険のメリット
収入保障保険のデメリット
メリット1.保険料の負担を軽減できる
収入保障保険はだんだんと総受取保険金額が安くなっていく保険です。
収入保障保険は総受取保険金額がだんだんと減っていく分、保険料を抑えて加入することができます。
もし、最も高い保険金額と同等の保険金額を受け取れる定期保険に加入すると、一般的には月々の保険料負担はもっと高くなってしまいます。
家計の収入を主に担っている人の必要保障額はかなり大きい金額になり、保険料が高額になることで諦める人もいます。
しかし、収入保障保険であれば必要保障額の保険に保険料を節約しながら加入できるのは大きなメリットです。
メリット2.家計の計画を立てやすい
収入保障保険は保険金額を毎月一定額、給料のように受け取れます。
通常の定期保険だと、毎月どれだけ保険金を使えるか自分で考えなければいけません。
しかし、収入保障保険は月々の家計を考える上で計画的に一定額を組み込むことができるので、保険金の使い過ぎを防ぐことができます。
メリット3.保険の見直しがあまり必要ない
定期保険だとライフステージの変化や年代の経過で必要保障額が減った際に、保険を見直す必要があります。
更新をするたびに必要保障額は減らしているのに、年齢を重ねているので毎月の保険料が低くならないという場合もあります。
しかし、収入保障保険は、一般的な必要保障額の変化とともに保険金額が変化するので、生活の大きな変化がない限り見直す必要性は低いです。
更新することがあまりないという点からも、保険料を抑えることができる要因になるので、メリットと言えるでしょう。
デメリット1.途中解約しても解約返戻金がなく、保険料が戻ってこない
収入保障保険は一部例外もありますが、基本的には掛け捨て型の保険のため、途中解約しても解約返戻金がなく、支払った保険料は戻ってきません。
解約返戻金がない分、保険料は安く抑えられていますが、将来に向けて貯蓄をしながら保障も備えたいという人には向いていません。
貯蓄型保険を検討しているのであれば、以下の記事を参考にしてください。
デメリット2.教育費などまとまった費用の準備には不向き
収入保障保険は、基本的には毎月一定額の保険金を受け取ることを前提とした保険商品です。
一括受取もできますが、年金形式で保険金を受け取る場合と比べると、総額で8割程の保険金しか受け取ることができないケースがあります。
年金形式の場合、保険会社が保険金を運用するので、その運用益が考慮された保険金が支払われますが、一括受け取りだと運用益が考慮されないからです。
葬儀費用や学校の入学金などのまとまったお金を準備しておきたい場合は、他の保険との併用も検討しましょう。
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収入保障保険の必要性
収入保障保険は、遺された家族の「収入」を「保障」する保険なので、必要性が高い人もいれば低い人もいます。
収入保障保険の必要性が高い人
- 家計の収入を主に担っている人
- 子供がいる人
- 子供が独立するまで期間が長い人
収入保障保険の必要性が低い人
- 独身の人
- 家計の収入への影響が低い人
- 子供が独立するまでの期間や配偶者が年金をもらえるまでの期間が短い人
基本的に収入保障保険は家族にお金を遺したい人のための保険なので、独身の人には必要性は低いといえます。
また、収入保障保険の特徴は安い保険料で高い保険金額の保険に加入できることなので、そこまで高い保険金額が必要ない人も必要性は低いです。
高い保険金額を必要としやすいのは家計の収入を主に担っている人や、子供の独立までの期間や配偶者が年金をもらえるまでの期間が長い人です。
実際にナビナビ保険が独自でアンケート調査を行った結果、収入保障保険に加入している人の男女比の内訳は男性が7割、女性が3割でした。これは家計の収入を主に担っている人が男性であることが影響していると考えられます。
収入保障保険の選び方
収入保障保険を選ぶ際のポイントは以下の3点です。
収入保障保険を選ぶ際のポイント
それぞれのポイントを解説していきます。
保険期間
保険期間は基本的に自分で設定します。指定した保険期間内で被保険者が死亡した際に、保険期間の終了まで保険金が支払い続けられます。
保険期間の設定で一般的に多いのは以下の3タイプです。
収入保障保険の一般的な保険期間
- 子供が独立するまで
- 配偶者が年金をもらうまで
- 自分が年金をもらうまで
基本的には、家族が保険に頼らなくても生活費が確保できるまでの期間という考え方をするとよいでしょう。
また、保険期間を設定する際に、年満了と歳満了という考え方があります。
年満了と歳満了
- 年満了:10年間、20年間のように経過年数に基づいて保険期間を設定する契約
- 歳満了:被保険者の年齢に基づいて保険期間を設定する契約
同じ期間で契約をするのであれば、年満了も歳満了も保険料に大きな違いはありません。
しかし、年満了は保険期間が終了すれば、医師の診察がなくても自動更新できるのに対して、歳満了は契約が自動更新されず、改めて医師の診察を受けて保険に入る必要があります。
そのため、保険を契約する際は年満了で契約することをおすすめします。
収入保障保険に加入している人の保険期間を、ナビナビ保険独自でアンケート調査を行った結果、60~64歳を満了として給付期間を設定している人が最多でした。
保険金額
保険金額は毎月いくら給付を受けるかという決め方をします。
自分が死亡した時、家族にどれだけ毎月お金があれば安心して暮らせるかを考えてから設定しましょう。
ただし、自分が死亡した際に家族が得られる収入は、保険金以外にも以下のものがあります。
死亡時に家族が得られる主な収入
- 遺族年金
- 会社からの死亡退職金など
- 配偶者の収入など
これらも計算に入れて月々の給付金額を決めてください。
実際に収入保障保険に加入している人に、月額保険料をいくらで設定しているかをナビナビ保険独自でアンケート調査を行った結果、男女年代別の結果は以下の通りでした。
※調査期間:2020年6月9日~6月16日
男性の加入率の方が高く、若い世代の方が保険料が安い傾向があります。
年代が進むにつれ保険料が二分化しますが、これは加入した年齢やいつまで給付金を受け取れる設定にしているかによるため人により傾向が異なります。
ご自身のライフスタイルの変化に応じて、加入時期や給付金を受け取れる設定をいつまでにするかを検討する必要があります。
これらの金額を自分自身のみで判断するのは難しいので、保険ショップの相談窓口やファイナンシャルプランナーに相談してみるといいでしょう。
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保険金の受け取り方
保険金の受け取り方には、以下の2種類があります。
年金形式
年金形式で保険金を受け取れることが収入保障保険の特徴の一つです。
被保険者に万が一の事があっても、保険期間中は毎月一定額を受け取れるので、普段の生活費に充てられることがメリットです。
デメリットとしては、まとまったお金が必要になった際に工面できないという点が挙げらるので、定期保険や学資保険も一緒に加入することをおすすめします。
また、年金形式での保険金の受取り方は以下の2種類に分けられます。
年金形式の保険金受取り方方法
- 定額型:一定額の保険金を受け取れる
- 逓増型:経過年数とともに受け取れる保険金が増えていく
逓増型は定額型と比べて、保険料が高くなりますが受け取れる保険金も徐々に増えていくので、子供が成長するにつれて負担が大きくなる教育費に対応できます。
子供の教育費にかかる費用は以下の通りです。
区分 | 公立 | 私立 |
---|---|---|
幼稚園 | 216,360 | 528,259 |
小学校 | 321,134 | 1,598,690 |
中学校 | 487,371 | 1,405,724 |
高等学校 | 457,357 | 968,076 |
定額型と比べて保険料は高くなる傾向にありますが、将来負担が大きくなる教育費が心配な人は、逓増型で受け取ることをおすすめします。
一時金形式
毎月給付金が受け取れることが収入保障保険の特徴ですが、一時金形式でまとめて保険金を受け取ることもできます。
しかし、一時金で受け取る場合、年金形式と比べて保険金受取額が8割ほどになります。
その理由は、年金形式では保険会社の運用益が考慮されて保険金が支払われますが、一時金形式では運用益が考慮されないためです。
どうしてもまとまったお金が必要な時だけ、一時金での受け取りを検討するとよいでしょう。
保険料払込免除の条件
生命保険には、決められた条件になると、保険料を払わなくても保険を持ち続けることができる保険料払込免除という制度があります。
例えば、保険料払込免除の条件として多くあるのが、三大疾病やがんになった時にそれ以降の保険料は払わなくて良いというものです。
基本的には特約としてつけることができますが、各商品ごとに条件は変わるので比較検討する際の参考にしてください。
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収入保障保険に関するよくある質問Q&A
収入保障保険でよくある疑問についてQ&A方式でお答えしていきます。
Q.収入保障保険は生命保険料控除の対象ですか?
A.収入保障保険は生命保険料控除の対象となります。
定期保険や終身保険など他の死亡保険と同じように「一般生命保険料控除」の区分になります。
生命保険料控除の書き方については以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
Q.収入保障保険を受け取ると税金はかかる?
A.収入保障保険は保険金を受け取る際に課税の対象となります。
以下のように保険金の受け取り方によってかかる税金の種類が変わるので注意してください。
※(契約者) … 保険会社に保険料を支払う義務がある人 (被保険者) … 保険の対象となる人のこと (受取人) … 保険金を受け取れる人のこと
保険金を一時金で受け取る場合
- 契約者=被保険者の場合:相続税
- 契約者=受取人の場合:所得税+住民税
- 契約者≠被保険≠受取人の場合:贈与税
保険金を年金形式で受け取る場合
-
被保険者死亡時
- 契約者=被保険者の場合:相続税
- 契約者≠被保険者≠受取人の場合:贈与税
-
年金受取2年目以降
- 所得税
まとめ
今回の記事では、収入保障保険について下記の内容を解説してきました。この記事のポイントをおさらいしましょう。
この記事のポイント
- 収入保障保険は被保険者が死亡時に毎月一定額を受け取れる年金タイプの保険
- 収入保障保険は保険料が安いというメリットや掛け捨て型であるというデメリットがある
- 収入保障保険は子供がいる家庭での必要性が高い
- 収入保障保険は保険期間・保険金額・保険料払込免除の条件をポイントに考えると良い
収入保障保険は、遺された家族に今までと同じように毎月の収入を残したいという要望に答えた合理的な商品です。
子供が小さい家庭やたくさんいる家庭では死亡時の準備として検討してみてはいかがでしょうか。
これまで解説してきた内容で、それでも自分に合った生命保険がよく分からない……という人は、ぜひファイナンシャルプランナーへの無料相談を検討してみて下さい。
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