【図解で分かる】収入保障保険とは?
収入保障保険とは、保険期間中に被保険者が死亡もしくは高度障害状態になった場合に、その時点から満期まで毎月保険金を受け取ることができる死亡保険のひとつです。お給料のように毎月決まった金額を受け取れるため、遺された家族の生活費保障としておすすめの保険です。
定期保険と仕組みが似ていますが、定期保険は万が一の際、保険期間中はずっと同じ金額の保険金を受け取れるのに対して、収入保障保険は保険期間の経過とともに受け取れる金額が少しずつ減少する仕組みになっています。
そのため、定期保険よりも保険料が割安なのが特徴です。

- ナビナビ保険監修
- 関西学院大学教授
- 前田 祐治
収入保障保険の保険金の受け取り方
収入保障保険の保険金の受け取り方は「年金受取」と「一時金受取」の2パターンがあります。
「年金受取」はその名のとおり、お給料のように毎月一定額の保険金を満期まで受け取れる仕組みです。一方で「一時金受取」は保険金を一時金としてまとめて受け取る方法です。
ただ「一時金受取」は、年金原価を一時金として受け取るため、保険期間の満了までに見込まれる運用益が差し引かれることで、保険金受取総額は「年金受取」の方が高くなる点に注意しましょう。
健康状態で保険料割引のある商品も
2021年11月現在、収入保障保険を含む死亡保険で「リスク細分型」「健康増進型」と呼ばれる商品が増えています。
「リスク細分型」とは身長、体重、喫煙の有無に加え、血圧やBMI値などのデータから健康状態をランク分けし、ランクに応じた保険料率が決まる仕組みです。つまり、より健康であればあるほど保険料がさらに割安になります。
商品によっては大幅に保険料が割引されるものもあるため、健康状態に自信がある方には大きなメリットになります。一方、健康状態に自信がない方や喫煙者の方は、健康体料率の割引がない商品を検討すると良いでしょう。
収入保障保険と似ている保険の違い
収入保障保険と似た保険としてよく挙がるのが、同じく設定した保険期間に死亡または高度障害状態となった場合に保険金が支払われる「定期保険」と、名称が似ている「就業不能保険」です。
保険商品 | イメージ | 保険金の受取方法 | 支払保険料 |
---|---|---|---|
定期保険 | ![]() |
一括 | 収入保障保険より割高 |
収入保障保険 | ![]() |
年金形式 (一括または、一括+年金形式) | 定期保険より割安 |
まず、収入保障保険と定期保険の大きな違いは、保険金の仕組みと受け取り方です。
先述のとおり、収入保障保険の保険金は、保険期間の経過とともに受け取れる金額が少しずつ減少する仕組みです。これに対して、定期保険は受け取り額は変わらず一定で、受け取り方も一括が一般的です。
イメージ | どんなとき? | どんな目的で? | 誰が受け取る? | |
---|---|---|---|---|
就業不能保険 | ![]() |
被保険者がケガ・病気で働けないとき | 本人の収入減に備えるため | 被保険者本人 |
収入保障保険 | ![]() |
被保険者が死亡したとき | 遺された家族の生活を保障するため | 被保険者の家族 |
次に、収入保障保険と就業不能保険の大きな違いは、備えるリスクの違いにあります。
就業不能保険は、自身が病気やケガで働けなくなった際の生活費保障として加入する保険です。被保険者本人が保険金を受け取るのに対して、収入保障保険は、自身が万が一の際に、遺された家族の生活費に備えます。
収入保障保険に就業不能時の特約を付帯することも可能
従来は収入保障保険は死亡保障がメインでしたが、保険加入者のニーズに応じて、就業不能時に給付金が出る特約を付帯できる商品も増えてきています。
例えば、がん・脳卒中・心筋梗塞による長期の入院や所定の障害状態、介護状態になられた際に、保険期間満了まで毎月給付金(就業不能給付金)を受け取ることが可能です。例えば、60歳満期のタイプに加入する場合、60歳になるまで毎月給付金を受け取ることができます。
それぞれの保険に各々加入することもできますが、複数の保険に加入するよりも管理がしやすくなるため、合わせて検討するのもひとつの選択肢です。
収入保障保険のメリット・デメリット
メリット | デメリット |
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収入保障保険は、受取保険金額が少しずつ減っていく分、掛け捨て型保険と呼ばれる保険の中でも特に保険料が割安で家計の負担を抑えつつ加入できるのが最大のメリットです。
また、保険金は毎月一定額をお給料のように受け取ることができるため、月々の家計にも組み込みやすく、使いすぎる心配もありません。
生命保険文化センターの調査によると、世帯主の死亡保険金額は、世帯構成が夫婦と扶養の子有(末子乳幼児)である場合、平均1,945万円です。※出典:生命保険文化センター「令和3年度 生命保険に関する全国実態調査」
2,000万円ものお金が一括で支払われると、受け取った家族は使い方がわからず短期間で使い込んでしまうかもしれません。収入保障保険であれば、保険金が分割で支払われるため、残された家族は計画的に使うことができるでしょう。
さらに、ライフステージの変化に伴い、将来必要になるお金は徐々に減少していく必要保障額の考え方に基づいているので、生活に大きな変化がない限り見直しの必要性も低くなります。
収入保障保険のデメリットは、他の掛け捨て型保険と同じく、途中で解約した場合は解約返戻金はなく、支払った保険料は戻ってきません。そのため、保険料は割安ですが将来に向けて貯蓄しながらリスクに備えたいという人には不向きです。
収入保障保険の必要性
収入保障保険は、遺された家族の生活費保障が主な役割のため、以下のように必要性の高い人と低い人の特徴を分けることができます。
収入保障保険の必要性が高い人
- 家計の収入を担っている人
- 子供がいて、独立までの期間が長い人
収入保障保険の必要性が低い人
- 独身の人
- 家計の収入への影響が低い人
- 子供の独立まで、または年金がもらえるまでの期間が短い人
基本的に、収入保障保険は自身が万が一の際に家族にお金を遺したい人向けの保険なので、独身の人は必要性は低いと言えます。独身の方が加入するべき保険については、以下のコンテンツを参考にして下さい。
また、割安な保険料で大きな保障が準備できるのが特徴のため、そこまで大きな保障を必要としない人も必要性は低いです。大きな保障が必要となるのは、主に家計の収入の柱を担っている人や、子供の独立までの期間が長い人です。

- ナビナビ保険監修
- 関西学院大学教授
- 前田 祐治
収入保障保険に関する調査データ
ナビナビ保険で調査した収入保障保険の男女別のデータは以下の通りです。
収入保障保険の加入割合は男性の方が多く(男性89人対して女性38人)これは、家計の柱となるのが男性である割合が高いことが一部影響していると考えられます。
男性の月額保険料の設定 | 女性の月額保険料の設定 |
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調査概要 | インターネットによる調査 | ||
期間 | 2020年6月9日~6月16日 | ||
エリア | 全国 | ||
サンプル数 | 127名 | ||
調査機関 | Fastask |
収入保障保険に関する口コミ


まとめ
収入保障保険は、月々の保険料を抑えた掛け捨て型保険の中でも、保険期間の経過とともに受け取れる金額が少しずつ減少する仕組みによって、より割安な保険料で大きな保障を準備できるのが魅力の保険で、メリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット | デメリット |
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よく似ている保険として「定期保険」「就業不能保険」が挙げられますが、特徴は大きく異なるため、それぞれの違いは「収入保障保険と似ている保険の違い」で加入前に確認しましょう。
また、近年では加入時の健康状態や、加入後の生活習慣の改善によって保険料の割引などがある「リスク細分型」「健康増進型」と呼ばれる商品も増えてきています。
一方で、デメリットにも記載があるとおり、他の掛け捨て型保険と同じく、貯蓄性はないため途中解約すると解約返戻金がない点は収入保障保険も例外ではありません。
貯蓄しながらリスクにも備えたい、という方は「終身保険」や「養老保険」を検討しましょう。
それでも商品を選ぶのが難しいと感じられる方は、FPへの無料相談または電話によるお問い合わせをお気軽にご利用ください。

