結婚をするときは夫婦共に、加入している生命保険の見直しをすることをおすすめします。
結婚をすると家族構成や家計の収支、今後の資金計画、必要保障額が変化するので、保障が不十分になる可能性が高いからです。
この記事では、以下についてわかりやすく解説します。
この記事ではこんな疑問にお答えします!
結婚したタイミングでの生命保険の見直し手順
結婚を機に保険の見直しをする場合、まずは以下の2点を意識しましょう。
結婚時の生命保険の見直し手順
手順1. 既に加入している生命保険の有無を確認する
自分や家族にとって必要十分な保障を用意するためには、今どのような生命保険に加入していて、どのような保障がある状態かを正確に把握することが大切です。
例えば医療保険の場合は、基本的に加入時の年齢が高いほど保険料も高くなります。
加入中の医療保険の保障内容が十分なものであれば、新規加入し直すよりも現在の保障を継続した方がいいケースもあります。
一方で、加入して10年以上経過している医療保険は、保障内容が現在の医療環境に合っていないかもしれません。
その場合は、医療保険の新規加入を検討したほうが良いでしょう。
また、自分でも知らないまま、若い頃に親が加入してくれた生命保険を継続しているケースも多いため、分からない場合は親に確認しましょう。
手順2. 保障内容や保険金額を確認し、必要保障額に過不足がないかチェック
次に、現在加入している保障内容と保険金額を確認し、現在の必要保障額との差分がないかを確認します。
死亡保険金がある生命保険は、自分に万が一の際に遺された家族の生活費や教育費を遺すために加入します。
上記の図のように、遺された家族の支出が収入を上回る場合、その差額分を死亡保険金で補う形で、生命保険に加入するといいでしょう。
また、十分な死亡保障額の生命保険に加入している場合も、保険料負担が家計を圧迫しないか確認し、必要に応じて保障の見直しが必要です。
【世帯ケース別】結婚後に夫婦で生命保険を見直す際のポイント
結婚後の生活において必要な保障金額は、共働きか片働き(専業主婦・専業主夫)、子供の有無によっても異なります。
ケース別に保険の見直しをする際のポイントについて、ご自身が当てはまる項目を以下の表で確認してみましょう。
【世帯ケース別】結婚後に夫婦で生命保険を見直す際のポイント
共働き・片働きに関わらず、まずは病気やケガで入院した場合の医療リスクに備えた見直しをしましょう。
医療保険・がん保険の見直しポイント
- 現在加入している保険は現代の医療事情に合った保障内容か
- 保険期間(保障期間)はいつまでか
- 保障内容が重複している保険はないか
- 免責期間の有無
医療技術は年々進化しているため、昔に加入している生命保険の場合、現代の医療事情にあった保障内容になっているかは事前に確認する必要があります。
共働き夫婦の場合
共働き世帯の場合、独身のときと同様に病気やケガに備えるために、医療保険への新規加入や保障内容の見直しを検討すると良いでしょう。
また、病気やケガで働けなくなった場合の保障として、就業不能保険への加入を検討するのも有効です。
夫婦共働きで、お互いに自活できるだけの収入がある場合、どちらか一方が死亡した際の経済的リスクはさほど大きくないと考えられます。
しかし、配偶者が病気やケガで働けなくなった、あるいは療養のため長期休職せざるを得なくなった場合は、世帯収入が減少するだけでなく、医療費や介護費の支払いも重なって家計が苦しくなるかもしれません。
生命保険文化センターの調査によると、入院をしたときに自己負担した医療費と得られなくなってしまった収入(逸失収入)の合計額は、子供のいない既婚世帯の場合、平均38.9万円です。
※参照:2022(令和4)年 生活保障に関する調査「直近の入院時の自己負担費用と逸失収入の総額」|生命保険文化センター
また同調査によると、医療費自己負担と逸失収入の合計が100万円以上であったと回答した世帯の割合が5.1%でした。
※参照:2022(令和4)年 生活保障に関する調査|生命保険文化センター
出産や住宅購入、子供の進学などのために貯蓄をしている人は、医療費の自己負担と逸失収入によって、せっかく貯めてきた財産の取り崩しが必要となるかもしれません。
就業不能保険に加入することで、働けなくなった場合に想定される世帯収入の減少に備えるのも方法の1つです。
ただし、就業不能保険の保険金や給付金を受け取れるのは、ケガや病気による保険会社が定める就業不能な状態になった場合のみです。
どのようなケースであれば適応されるのか、事前に確認しておきましょう。
また、共働きであっても夫婦間の収入差がある場合は、家計の多くを担っている側の死亡保障を厚くすることも検討しましょう。
片働き(専業主婦・主夫)の場合
専業主婦・専業主夫など片働き世帯の場合、優先的に見直すべきは一家の大黒柱となる人の死亡保障です。
一家の大黒柱が死亡した場合、遺された配偶者は遺族年金を受給できますが、それだけで生活ができるとは限りません。
万が一の時に残された配偶者が生活に困ることのないよう、死亡保障がついた生命保険(死亡保険)への加入を検討しましょう。
生命保険文化センターの調査によると、世帯主の普通死亡保険金額は、世帯主、配偶者とも「共働き(配偶者はフルタイム)」で最も高く、世帯主が1,865万円、配偶者が989万円であるのに対し、世帯主就労・配偶者無職では世帯主が1,510万円、配偶者が672万円です。
共働きの方が、片働きのご家庭よりも手厚い死亡保障に加入しているといえます。
死亡保険には以下のようにいくつかの種類があるため、受け取り方やそれぞれのメリット・デメリットも含め、どのタイプの死亡保険に加入すべきか検討しましょう。
保険種類 | イメージ | 特徴 |
---|---|---|
終身保険 | ![]() |
|
定期保険 | ![]() |
|
収入保障保険 | ![]() |
|
また、死亡保障だけではなく、ケガや病気で働けなくなった場合の収入減に備えて、就業不能保険を検討する方法もあります。
医療保険で病気やケガでの入院・手術などに備えつつ、就業不能保険にもあわせて加入することで、働けなくなった場合の収入減少にも備えられます。
保険金や給付金の支払要件を確認のうえ、世帯の状況に合った就業不能保険を選びましょう。
また、専業主婦(主夫)の病気やケガ、死亡によって家事をする人がいなくなった場合も考えておくとより安心です。
専業主婦の生命保険の必要性や、保険の選び方については、以下の記事にて詳しく解説していますので参考にしてください。


子供を出産する場合
共働きや片働きに関わらず、子供が産まれたら再度保険の見直しをしましょう。
結婚を機に生命保険の見直しをする場合は、夫婦の生活を守るための必要保障を考えるだけで足ります。
しかし、子供が産まれたら、両親に万が一のことがあっても子供が自立できるまで生きていけるよう、生命保険で子供の養育費や教育費を準備する必要性が高まります。
生命保険文化センターの調査によると、世帯主の平均死亡保険金額は以下の通りです。
- 夫婦のみ(世帯主40歳未満):1,282万円
- 夫婦と扶養子有(末子乳児):1,945万円
このように子供がいる世帯の方が、世帯主の平均死亡保険金額は高くなっています。
見直すべき大きなポイントは、親が死亡した際の死亡保険(終身保険、定期保険、収入保障保険)と、教育費(学資保険)です。
死亡保険は、保険種類によって以下のように違いがあるので、ご自身の家庭では、どのパターンが適切か検討するようにしましょう。
保険種類 | イメージ | 特徴 |
---|---|---|
終身保険 | ![]() |
|
定期保険 | ![]() |
|
収入保障保険 | ![]() |
|
また、子供の教育費の目安は、公立・私立によって大きく異なります。
一般的にかかると言われている教育費の目安は、以下の通りです。
※学校教育費のみの金額※入学金、下宿による仕送り等は含まない
参考:文部科学省「令和3年度 子供の学費費調査の結果」、日本政策金融公庫「令和3年度 教育費負担の実態調査結果」
子供の教育資金を準備したいのであれば、貯蓄型の保険である学資保険を検討するといいでしょう。
学資保険に加入すると、契約時に決めた年齢に子供が達すると、満期保険金や祝金を受け取れます。
もしくは、教育資金と万が一の際の死亡保障も兼ねて、低解約返戻金型終身保険を検討しするのもひとつの手です。
学資保険の選び方や、学資保険以外での教育資金の準備方法については、以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。
また、もしご自身が妊活中の場合や妊娠出産を望まれている場合、妊娠すると医療保険に加入できなかったり部位不担保がつくなど、条件付きでしか加入できなくなるのが一般的です。
妊娠~出産後に検討、及び見直すべき生命保険とお金に関することは、以下の記事で詳しく解説していますのでぜひ参考にしてください。
結婚をした時に必要な3つの保険の種類
結婚は大きなライフステージの変わり目なので、保険の見直し時期でもあります。
ここでは、結婚した時にも必要となるおすすめの保険を3つ紹介します。
生命保険
万が一の事態で亡くなったときにパートナーや家族が経済的な困難に直面しないようにするために、生命保険は重要です。
生命保険は、被保険者が亡くなった場合に保険金を支払い、家族の生活費や教育費、などを保障します。
医療保険
結婚をして家族が増えると、医療費が増加する可能性があります。また、年齢が上がるにつれ健康問題のリスクが上がるため、医療保険は重要です。
医療保険は、病気や怪我で医療機関を受診した際の費用を保障します。
特に、重大な疾病や手術が必要な場合、高額な医療費が発生することもあるので、医療保険は経済的な安心感を提供します。
就業不能保険
病気や怪我で働けなくなった場合に、一定期間収入を保障する保険です。
特に、結婚して家族を養う責任が増えた場合、あるいは片方のパートナーが家庭を守るために仕事を辞めることを選んだ場合、就業不能保険は非常に重要になります。
この保険により、働けない期間でも家計を支えることができます。
現在加入中の生命保険を継続する際の注意点
結婚前から加入している生命保険を結婚後も継続する場合、必要に応じて以下の手続きをしましょう。
現在加入している保険を継続する場合に必要な手続き
氏名・住所変更
自身の姓に変更があった場合は保険会社や代理店に連絡し、変更手続きをしましょう。
保険会社によっては、公式HPにあるマイページから変更手続きができる場合もあります。
また、結婚を機に引っ越しをして住所や電話番号に変更があった場合も、氏名と併せて変更手続きをしてください。
氏名変更に伴い、銀行口座・クレジットカードが変更する場合
結婚して姓が変更になり、保険料の引き落としに使用している銀行口座やクレジットカードが変わる場合、保険会社によっては登録変更が必要なケースがあります。
保険会社のコールセンターに結婚した旨を伝え、どのように対応すべきか確認し、もれなく手続きをしてください。
保険金受取人の名義変更
結婚前に加入した死亡保険の保険金受取人は、両親や兄弟を指定、もしくは特に指定せず法定相続人になっていることが一般的です。
その場合、結婚後は保険金受取人を配偶者に変更しておきましょう。
保険金受取人の変更手続きは書面で行うのが一般的です。保険会社や代理店などに連絡し、変更手続きをしましょう。
また、保険金受取人の名義変更と同時に、指定代理請求人の変更もしておくといいでしょう。


結婚時の保険見直しに関してよくある質問 Q&A
結婚時の保険見直しに関してよくある質問
Q. 夫婦で別々の保険に加入していますが、結婚を機に保険の見直しを行ったほうがいいですか?
A. 必要な保障内容は家族構成や年齢、ライフステージによって変わっていきます。
結婚を機に転職や専業主婦(夫)になるなど環境が大きく変化した場合には、今の保障内容が十分かどうかファイナンシャルプランナーに相談してみると良いでしょう。
Q. 親がかけてくれた保険は結婚後もそのままで大丈夫ですか?
A. 契約内容を確認し、必要に応じて新規加入の検討や保障内容の見直しをしましょう。
また、契約を継続する場合は、保険の契約者や保険金受取人を変更する必要があります。
特に生命保険(死亡保険)は、独身者の場合、死亡保険金の受取人が、親になっているケースがほとんどです。
結婚後も契約を継続するのであれば、保険金の受取人を配偶者に変更しましょう。
Q. 結婚をしたら保険はどうなりますか?
A. 結婚しても自分で手続きを踏まなければ、それまで入っていた保険は継続されますが、改姓や受取人の変更が必要になる場合があるので一度確認しましょう。
パートナーと一緒に保険を見直すことでお互いの保険の内容がわかり、安心できるので一度確認することをおすすめします。
詳しくは、結婚したタイミングでの生命保険の見直し手順の章をご覧ください。
Q. 保険に入っていない人は、結婚後どうすべきですか?
A. 保険に入っていない人が結婚した場合、まず自分自身とパートナーとの生活をどのように守っていくかを考え、そのための新たな保険の必要性を考慮しましょう。
自分とパートナーの健康状態、年齢、収入、将来の目標(子供の教育費、住宅の購入など)をっもとに、どの種類の保険(生命保険、医療保険、就業不能保険など)が適切で、その保障額はどれくらい必要かを考え直しましょう。
詳しくは、【世帯ケース別】結婚後に夫婦で生命保険を見直す際のポイントの章をご覧ください。
まとめ
結婚を機に、新婚夫婦が生命保険を見直す際に大切なポイントを振り返りましょう。
結婚のタイミングで保険を見直すときのポイント4つ
- 現在加入している保険の有無と保障内容を確認する
- 夫婦に想定されるリスクと、それをカバーするうえで必要な保障について整理する
- 既に加入している保険を継続する場合も、氏名や住所、保険金受取人などの変更手続きをする
- 子供が産まれる場合は、再度保険の見直しをする
病気やケガをした時に安心して治療を受けられるよう、また自分に万が一の際に配偶者が安心して生活していけるよう、結婚後は必要十分な保障内容の保険を用意しておくことが大切です。
これから結婚する人や結婚の予定がある人は、まず既に加入している保険証券を確認し、必要な保障を考えてみましょう。
自分自身で適切な保険を選ぶのが難しく感じる人は、ぜひお金・保険のプロであるファイナンシャルプランナーへの無料相談を検討してみてください。
また、結婚式場を探しているカップルには、結婚式場の見学・フェア予約をすることで結婚式の費用がお得におさえられる「ハナユメ」がおすすめです。まだ結婚式を挙げていないカップルはぜひご活用ください。