日本は、世界でも保険大国といわれるほど保険加入率が高く、多くの人が複数の保険に加入しています。
とはいえ、自分が加入するべき保険をしっかりと理解して選べている人は少なくありません。
自分が加入するべき保険を把握するためのポイント
- 年代別の保険加入率と死亡保障準備金
- ライフステージ別の保険加入率と死亡保障準備金
- 生命保険の加入方法
上記の内容を理解することで、生命保険加入の必要性が自分で判断できるようになるだけでなく、迷うことなく自分に合った保険に加入できるようになります。
【生命保険の選び方】加入タイミングと死亡保障準備金額
生命保険に加入するべきか、どのようなタイミングで加入すべきかを悩んでいる人は少なくありません。
ここでは、既に加入している人たちがどのようなタイミングや目的で加入したのかについて確認していきましょう。
性別・年代別
生命保険に加入する目的や死亡保障準備金額(いわゆる死亡保険金)は、年齢によって違いがあります。
加入状況を年齢別にまとめたグラフをみてみましょう。
参考:生命保険文化センター「生活保障に関する調査(令和元年)」
全体では、男女ともに80%以上の加入率となっていますが、40代と50代の加入率が高くなっています。
一方、20代の加入率は男性58.5%、女性59.9%に留まっており、男女ともに各世代では最も低い加入率となっています。
続いて、生命保険の加入金額を見てみましょう。
参考:生命保険文化センター「生活保障に関する調査(平成28年度)」による、年齢別生命保険加入金額の調査結果
生命保険加入金額の平均額は、男性1,793万円、女性794万円です。
20歳代を除き、どの世代においても男性の保険金が女性の2倍から3倍であることが見て取れます。これは、世帯による主な働き手が男性であることが理由でしょう。
表は40代をピークに山形を描いており、最も保険金が高いのが40代男性で2,396万円、次いで50代男性で2,224万円、30代男性で2,069万円です。
この表が描く理由は、30代以降、結婚、出産を迎え、子供の教育費および住宅ローンの負担が増えたことにより、万が一に備える人が増えていくからです。
20代は、社会人になったばかりの人も多いです。収入も少なく生命保険料の捻出が難しいことや、死亡保障を得るよりも自己投資したいと考えている人が多いからだと考えられます。
60代以降は子供が独立し、セカンドライフを迎えているために保険金を減額もしくは解約しているために保障(保険金額)が低くなっていると考えられます。
いずれの世代においても、年収やライフイベントと契約する保険金額を連動させていることが伺えます。
ライフステージ別
ここからは一般的にどのような保障を得るべきなのか、ライフステージ別に考えてみたいと思います。
未婚(独身)の場合、既婚・子供なしの場合、既婚・子供あり(独立前)の場合、既婚・子供あり(独立後)の場合の加入率を目安として一覧表にまとめました。
参照:生命保険文化センター「生活保障に関する調査 平成28度」
それぞれのライフステージ別にどのような保障に加入するべきか解説します。
ライフステージ別に必要な保障
未婚(独身)の場合
未婚(独身)の場合、まず確保すべき保障は医療保障です。
若いうちは病気になるリスクは低いものの、万一働けなくなった場合を想定して、医療保障に加入することが必要です。
また、ガン家系などで不安があるようならガン保険に加入するのもいいでしょう。とはいえ、保障内容が増える程、かかる保険料は増えていきます。
医療保険は終身払いが一般的ですが、年齢が若いうちに加入した方が毎月の保険料は低くなりますので、早いうちに保障を確保しておくと、後のライフステージを迎える際には負担額を抑えるのにも役立ちます。
未婚(独身)であっても自分が世帯の主な働き手であり、養うべき家族がいるのなら、死亡保障のついた保険加入をおすすめします。
既婚・子供なしの場合
既婚・子供なしの場合、大まかな考え方は実質独身と変わりはないです。
異なるポイントは、配偶者が働いているか、また正社員もしくはパートタイムかによって保障内容は変わってきます。
医療保障は、可能であれば入院日額として7,000円は確保しておきたいところです。
あわせてガン保険や高度障害医療の保険にも加入すると安心です。
万が一、自分が入院した場合には、入院費とともに家族の生活費が別途必要になりますので、独身のときよりも保障額を増やしましょう。
死亡保障は、その人に万が一のことがあったときに、困る人がいるかが加入の目安です。
住宅ローンがある場合は、団体信用生命保険に加入しているかと思いますが、家族の生活までは保障するものではありません。
目安としては、団体信用生命保険を除いて2,000万円以上を確保することをお勧めします。
団体信用生命保険については、以下記事で詳しく説明していますので、参考にしてください。
既婚・子供あり(独立前)の場合
既婚・子供あり(独立前)の場合、最も保障を厚くしておくべきステージになります。
医療保険は、子供なしのときよりも増額したところですが入院日額として7,000円以上の確保を目安で考えます。
あわせてガン保険や高度障害医療の保険に加入することをおすすめします。
医療保障を死亡保険のオプションという形の特約として加入する人は少なくありませんが、可能な限り単独で加入することをおすすめします。
特約では、入院日額などの増額や減額などが制限されることがありますので、必要なときに適切な補償を受けられないリスクが伴うからです。
子供の教育費も外すことのできない保障のひとつです。学資保険に加入するなど、教育費の確保が必要です。
学資保険という名称になっていますが、契約者である親に万が一のことがあった場合には支払いが免除されるなど、実質は死亡保険ともいえます。
死亡保険は、遺された家族が困らないように準備することが必要ですが、死亡保障額を決めるときには、生命保険とともに学資保険のそれぞれの加入額を勘案して決めていきましょう。
既婚・子供あり(独立後)の場合
既婚・子供あり(独立後)の場合、最も大きなリスクは病気になることです。
結婚前の独身のときと同様に、医療保障を中心に保障を得ていくことが必要です。
このステージを迎えると、万が一のときに家族が困らないための保障と言うよりも、相続を想定することも重要になります。
生命保険の死亡保険金は、法定相続人1人につき500万円は税金が控除されます。
たとえば法定相続人が妻と子供2人の場合、500万円×3人=1,500万円までが税額控除の対象になります。
これらを踏まえて、死亡保障は法定相続の控除額分と葬儀費用プラスαで準備すると良いでしょう。
いずれのライフステージにおいても、個別の事情を考慮しながら保障を得ていくことが必要です。
一般的な情報だけではなく、自分にとって必要な保障は何か、いくら必要なのかを考えることが重要です。
生命保険の加入方法
生命保険の加入方法の加入方法、加入する窓口は、下記の4通りがあります。
- 生命保険会社の営業担当者
- 来店型の代理店
- 訪問型代理店
- インターネット
加入方法 | 特徴 | 向いている人 |
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保険会社 |
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銀行窓口 |
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通信販売、 インターネット |
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来店型保険ショップ |
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訪問型代理店 (訪問相談、FP相談) |
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上記図表に、おおまかな特徴とどのような人に向いているのかをまとめてみました。
それぞれに特徴がありますが、よく分からないと言うのなら、保険ショップ(来店型代理店)もしくは訪問型代理店(訪問相談、FP相談)が安心です。
特に、移動の手間や仕事が忙しく都合がつきにくい人ならば、訪問型の代理店が良いでしょう。
生命保険の加入に関するQ&A
生命保険の加入時によくある質問にQ&A形式でお答えします。
生命保険の加入に関するQ&A
Q.健康診断で要再検査になった場合、保険加入はできない?
A.必ずしも保険に加入できない訳ではありません。条件をつけて加入できることもあります。
保険料が割高になる等の特別条件がつく保険や、病気の有無を問わないタイプの保険もあります。
Q.交通事故でむちうちや、後遺障害認定を受けたら生命保険の加入は可能?
A.現在、治療を受けている場合は診査が厳しくなりますが、必ず告知をしてください。
診査結果によって、加入できるかが決まります。
Q.うつ病を発症したら生命保険加入は難しい?
A.うつ病で治療中の場合には、必ず告知をすることが必要です。診査によって加入できるかが決まります。
以前は、うつ病というだけで生命保険に加入できないことが多かったのですが、うつ病でも加入できる保険も出てきています。
もちろん、生命保険加入後のうつ病発症であれば、問題ありません。
Q.70歳以上の高齢者でも生命保険は加入可能?
A.高齢者であっても生命保険に加入することは可能ですが、体調によっては一定の条件が付くことがあります。
若い世代に比べて割高になってしまうので、保険に加入するべきか預貯金で運用するべきかを考えてから申し込むことが大切です。
Q.生命保険を複数加入は可能?重複して保険金は受け取れる?
A.生命保険は複数加入も可能ですし、複数加入の場合重複して保険金は受け取れます。
重複して保険金が受け取れないのは、モノ保険と言われている損害保険の場合で、モノの価値はひとつだからと言う理由からです。
まとめ
生命保険の一般的な加入率・加入内容、加入方法について述べてきました。
一般的にどのくらいの保障を得て、どのようなタイミングでどのような保障を得るべきかの手掛かりが得られたのではないでしょうか?
加入するべきか不安に感じたら、まずは来店型代理店やFP協会などが開催する無料相談会などに訪れ、加入するべきか、加入すべき場合はどのくらいの保障が必要なのかを相談すると良いでしょう。
それらのアドバイスを踏まえ、自分にとってふさわしい保障を選びんでいくことが大切です。
ライフステージの変化にあわせて、保険の見直しは必須です。自分にステージの変化が訪れたら、保険について考えることも忘れないでください。