先取り貯金とは?
先取り貯金とは、毎月の収入から一定額を先に貯蓄へ回す貯金方法のことです。
一般的に、生活費や固定費の支払い、趣味・娯楽費としてお金を使ってから、余った分を貯蓄へ回そうと考える人が多いのではないでしょうか。
しかしながら、この考え方では手元のお金をついつい使い込んでしまい、月末になったら貯蓄へ回すだけのお金が残っていないことも少なくありません。
そうした問題を解決するためには、毎月一定額を自動的に貯金できるような仕組みを使って、効率よく先取り貯金をするのがおすすめです。
お金が自然と貯まるおすすめの先取り貯金のやり方と、先取り貯金で貯蓄へ回す金額の目安について解説するので、将来に備えて貯金をしたいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。
また、先取り貯金以外も含めた、上手な貯蓄方法について知りたい場合は下記のコンテンツもぜひ合わせて参考にしてください。
先取り貯金を始めるおすすめの方法
先取り貯金を始めるおすすめの方法は、次の5つが挙げられます。
先取り貯金を始めるおすすめの方法
冒頭でもお伝えしたように、先取り貯金はお金を使うよりも先に一定額を貯蓄へ回す貯金方法です。
毎月のお給料が入ってから自分で別口座にお金を移しても良いのですが、その手間が面倒になって次第に先取り貯金をやらなくなってしまう恐れがあります。
そうした問題を解決するためには、自分で手間を掛けずに自動的に貯金できるような仕組みを取り入れるのがおすすめです。
新NISA(旧つみたてNISA、一般NISA)
2024年から現行のNISA制度が見直され、新しいNISA制度が始まっています。
2024年以降の新NISA制度
- 非課税枠が最大1,800万円まで拡大
- 非課税保有期間が無期限化
- 一般NISAとつみたてNISAの実質的な併用が可能
積み立てた金額はいつでも自由に換金できるので、結婚や出産、マイホームの購入といったライフイベントに備えて、早いうちから新NISAを活用しておきましょう。
iDeCo(個人型確定拠出年金)
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、60歳以降の老後資金の貯蓄を目的とした積み立て制度です。
20〜65歳の人であれば誰でも少額で掛金を拠出(払い込み)でき、毎月自動的に積み立てていく形で先取り貯金を行えます。
また、iDeCoで拠出した掛金は全額が所得控除の対象となり、運用で得られた利益は非課税で税金がかかりません。
積み立てた掛金や運用益は60歳になるまで引き出すことはできませんが、新NISAと同じく税制上の優遇が得られます。
資産の受け取り時期は60〜75歳の間で自由に選べるので、資産を引き出すタイミングの相場が悪い場合は、相場が回復するまで待つことも可能です。
近年では、65歳の定年を迎えたあとも継続して働くライフスタイルを選択する人も増えているので、働き方に合わせて柔軟な受け取り方法を選択できるように見直されました。
老後資金を貯蓄するために先取り貯金を検討中の人は、新NISAと併用を検討してみましょう。
- 小宮 崇之
- (株)コミヤ保険サービス代表取締役/損害保険プランナー
財形貯蓄制度
財形貯蓄制度は、会社の給料から天引きする形で、自動的にお金を貯蓄できる先取り貯金の方法です。
勤務先が財形貯蓄制度を採用している必要がありますが、給与から先に貯蓄分を天引きしてくれるので、自動かつ確実に資産形成を行うことができます。
財形貯蓄制度には、大きく分けて「住宅」「年金」「一般」の3種類があり、そのうちの「財形住宅貯蓄」と「財形年金貯蓄」には、合計550万円までの積立金に対する利子が非課税となります。
また、財形貯蓄制度を利用していると長期的かつ低金利の住宅ローン融資を受けられるケースもあります。
利用できる人が限られている先取り貯金の方法なので、勤務先が財形貯蓄制度を採用しているかどうかを担当部署まで確認してみましょう。
自動積立定期預金
期間を指定した上で銀行にお金を預ける「定期預金」には、自動積立を選べるタイプがあります。
自動積立定期預金を活用すれば、新NISAやiDeCoと同様で、毎月一定額が自動的に引き落とされるので、効率よく先取り貯金ができます。
手数料が無料なうえ、一般的な普通預金よりも金利が高いので、着実に資産形成を行えるのがメリットです。
一方、普通預金より高金利とはいえ、そこまで運用効率が高くないことに加え、事前に定めた期間を経過するまで気軽に資産を引き出せないことがデメリットといえます。
これから先取り貯金を始めたい人は、先に新NISAやiDeCoを活用し、それから自動積立定期預金を検討するのが良いでしょう。
積立保険
万一の事故やケガに備えるために加入する「生命保険」の中にも積立タイプがあります。
具体的には、下記のような貯蓄性がある保険のことを「積立保険」と言います。
積立保険の一般例
- 養老保険
- 個人年金保険
- 学資保険
これらの保険商品は、毎月の保険料が積立金となり、保険料の払込期間が満了した際の「満期保険金」や、保険の途中解約で「解約返戻金」としてお金が返ってきます。
つまり、保険会社へ払い込む保険料が、実質的に貯金へ回していると言い換えられるので、保障を備えながら将来を見据えた先取り貯金を進めることが可能です。
ただし、通常の「掛け捨て保険」に比べて、積立保険のほうが毎月の保険料は割高なので、月々の収支状況を把握した上で、無理のない範囲で活用するのが良いでしょう。
先取り貯金の目安は収入額の1〜3割がおすすめ
先取り貯金で貯蓄に回す金額は、収入額の1〜3割程度がおすすめです。
先取り貯金で貯蓄に回す金額の一例
- 独身で一人暮らし:10〜30%
- 独身で実家暮らし:20〜40%
- 子供がいる共働き世帯:10〜20%
- 子供がいない共働き世帯:20〜30%
- 自営業など:10〜30%
たとえば、毎月の手取り額が20万円の人であれば、2〜6万円を先取り貯金で貯蓄するのが良いでしょう。
ただし、貯金を優先するあまり、今の生活が苦しくなってしまっては元も子もありません。
独身で一人暮らしをしている人や実家暮らしの人、結婚をして子供が生まれた家庭などを比較した場合は、仮に同じ収入額だとしてもひと月の支出額も異なります。
1〜3割はあくまで目安なので、貯金をする目的を明確化し、それに向けて毎月どれだけ貯蓄に回す必要があるのかを計算して、無理のない範囲で先取り貯金をするようにしてください。
先取り貯金を成功させるコツ
先取り貯金を成功させるためには、次のコツを知っておきましょう。
先取り貯金を成功させるコツ
貯金を自動化できる仕組みを利用する
先取り貯金を成功させるには、手間を掛けずに貯金を自動化できる仕組みを利用することが必要不可欠です。
自分で銀行窓口やATM、オンラインバンキングなどで送金手続きをするのは意外と面倒に感じられるので、途中で先取り貯金をやめてしまうことになりかねません。
毎月自動的に引き落として積立される「新NISA」や「iDeCo」、給与からの天引きで先取り貯金ができる「財形貯蓄制度」を利用すれば、貯金が上手くできない人でも効率的に貯蓄ができるようになります。
先取り貯金に限らず、お金を貯めるには長期間継続することが何より大事なので、なるべく手間を掛けずに貯金を自動化できる仕組みを積極的に活用しましょう。
貯金をする目的や使用用途を明確にする
先取り貯金を成功させるには「何を目的として貯金をするのか」を明確にしておかなければなりません。
たとえば、ただ漠然と貯金をしようと思っても長続きしませんが、半年後に家族3人で旅行に行くために30万円が必要となれば、毎月の必要な貯蓄額が逆算できます。
上記の例でいえば、半年(6ヶ月)後に30万円が必要なので、毎月必要な貯金額は30万円 ÷ 6ヶ月でひと月5万円を貯金すれば良いということがわかります。
このように、目的や使用用途が明確になると、月々に必要な貯蓄額を具体的な数字として計算できるので、先取り貯金が成功しやすくなるのです。
これまで貯金が上手く続かなかった理由は、ゴールが明確になっていなかったことかもしれないので、ぜひ目的や使用用途を書き出すなどして明確にしてみてください。
毎月の支出を把握して節約に努める
先取り貯金の性質上、毎月の支出を把握して節約に努めることも必要です。
たとえば、これまでの収入額が手取り30万円で、月末になるとお金を使い果たしてしまい全く貯蓄に回せない人がいたとしましょう。
この人が先取り貯金で収入額の1〜3割(3〜9万円)を貯蓄に回せたとしても、今までと同様のお金の使い方をしていれば生活が苦しくなってしまいます。
毎月の生活費や固定費を見直して、節約できる箇所を洗い出し、必要に応じて節約に努めることで、無理のない範囲で先取り貯金ができるようになるのでおすすめです。
- 小宮 崇之
- (株)コミヤ保険サービス代表取締役/損害保険プランナー
先取り貯金に関してよくある質問 Q&A
先取り貯金に関してよくある質問
Q. 先取り貯金の意味がないのはどんな場合?
A. 先取り貯金は、毎月必要な生活費をきちんと把握している場合に効果の出る方法です。
毎月の生活費を把握せず、無茶な金額を貯金し続けて結局口座から引き出すことになっては先取り貯金の意味がなくなってしまうので、まずはきちんと貯金し続けられる金額を計算しましょう。
Q. 先取り貯金を封筒でする方法は?
A. 封筒に付箋紙で日付と名目を書き、その封筒にお金を入れて保存します。
1つ貯金するごとに目に見える形で貯金ができるため、モチベーションになりやすい方法です。
ただ、封筒で自宅に現金を置いておくことになるため、盗難のリスクがあります。一定の金額になったら、銀行に預金しましょう。
まとめ
自然とお金が貯まる「先取り貯金」は、毎月の収入から一定額を先に貯蓄へ回す貯金方法のことです。
効率よく先取り貯金するには、自分で別の口座にお金を送金するよりも、次のような制度や保険を活用するのがおすすめです。
先取り貯金を始めるためのおすすめの方法
これらの方法を活用すれば、今までに続かなかった人でも無理なく貯金を続けられるようになるので、ぜひ活用してください。
- 小宮 崇之
- (株)コミヤ保険サービス代表取締役/損害保険プランナー