育英年金とは?
育英年金(別名“養育年金”)とは、契約者(原則として親)が死亡または高度障害状態となった場合に、学資保険(こども保険)の満期を迎えるまで所定の年金額を受け取れる特約のことです。
満期を迎えるまでは年金が受け取れるようになるという特徴に加え、契約者に万が一のことがあった場合はそれ以降の保険料は全額が払込免除となるので、子供の教育資金だけは確保することができます。
お祝い金や満期保険金は通常の学資保険と同様に受け取れるので、契約者の死亡保障が付帯した学資保険とも言いかえられます。
学資保険について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
育英年金のメリット・デメリット
育英年金には以下のようなメリットがあります。
育英年金のメリット
- 保険契約者に万が一のことがあった場合に年金が受け取れる
- 学資保険としてのお祝い金や満期保険金は通常通り受け取れる
- 契約者に万が一のことがあってもその後の保険料は払込が免除される
保険契約者に万が一のことがあった場合、被保険者(子供)は学資保険の満期を迎えるまでは年金形式で育英費用が受け取れます。
また、契約者が死亡または高度障害状態となった場合は以降の保険料を払い込む必要がなくなり、一定の年齢に達した時のお祝い金や満期保険金は通常の学資保険と同様に支給されます。
そのため、育英年金に加入しておくことで契約者に万が一のことがあった場合の保障内容を手厚くすることができ、教育費用に関しての心配が不要になることがメリットです。
非常に魅力的なメリットがある一方で、育英年金には以下のようなデメリットがあります。
育英年金のデメリット
- 育英年金などの保障が付帯されていない学資保険に比べ返戻率が低いケースが多い
- 契約者の死亡保障が付帯する分、通常の学資保険よりも保険料が高くなる
- 学資保険に「育英年金特約」として付帯した場合の特約保険料は掛け捨てとなる
- 他の死亡保険に加入している場合は死亡保障が重複してしまう可能性がある
- あくまで契約者に万が一のことがあった場合の保障であるため、子供が死亡した場合は非適用
育英年金は、学資保険に契約者の死亡保障を加えたような保険商品といえます。
そのため、通常の学資保険よりも毎月の保険料が高く、死亡保障が付帯している分、払い込んだ保険料に対しての返戻率が100%を下回るケースが多いです。
学資保険に加入している人はすでに死亡保障を備えた別の生命保険に加入していることも多く、死亡保障が重複することで育英年金として追加で払い込んだ保険料が無駄になってしまう可能性も考えられます。
また、育英年金は契約者に対する保障を兼ね備えた学資保険なので、被保険者である子供に何かがあったとしても一切の保障が受けられない点には注意が必要です。
育英年金の必要性
育英年金の概要とメリット・デメリットについてご紹介しましたが、育英年金を検討する場合、まずはすでに加入している生命保険の見直しを行うことから始めるべきといえます。
上述のとおり、育英年金は「契約者の死亡保障が付帯した学資保険」といえますが、逆にいえば学資保険の保険期間が満了するとその時点で死亡保障が途切れてしまうことになります。
今後、何らかの理由により学資保険を解約することになった場合、育英年金(特約)の契約だけを残すことができず、そうなると一切の死亡保障がない状態となってしまいます。
死亡保障を備えた生命保険は加入する際の年齢によって払込み保険料が変動しますが、年齢が高くなるにつれて原則として保険料は高くなっていきます。
学資保険を解約したあとで別の死亡保障を備えた保険に入ろうとしても保険料が高額になるばかりか、健康状態の告知内容によってはそもそも加入が認められないケースも起こりえます。
そのため、保障に重点を置くのであれば収入保障保険などに加入して、育英年金とは別の形で死亡保障を備えておいたほうがトータルの保険料を節約できる場合もあります。
まとめ
育英年金は、契約者に万が一のことがあった場合に被保険者が育英費用としての年金を受け取れる制度です。
契約者に対する死亡保障を備えた学資保険ともいえる年金保険で、通常の学資保険にさらなる手厚い保障を付けることができます。
その一方で、死亡保障が付帯する分、払い込んだ保険料に対する返戻率が100%を下回るケースが多く、すでに他の生命保険に加入している場合は死亡保障が重複してしまう可能性があります。
また、学資保険ありきの育英年金なので、今後何らかの理由により学資保険の保険料を払い込むことができずに解約せざるを得なくなった場合、育英年金だけを継続することはできません。
そのため、育英年金による死亡保障を付帯する場合、まずは加入済みの生命保険を見直して別の形で死亡保障を備えるようにすることをおすすめします。