もしも乳がんになった場合、どのくらい治療費がかかるのか、そしてその費用をどのようにカバーすべきなのか悩んでいる方もいるでしょう。
乳がんの治療方法は、手術や放射線治療、ホルモン療法など多岐にわたるため、今後のためにどの保険を選ぶべきかも気になるところです。
本記事では、乳がんの治療を受ける際に生命保険から受け取れる金額や、乳がんの治療費などの目安について、詳しく解説します。
この記事のポイント
乳がんになると保険金(給付金)はいくら?
乳がんで治療を受けると医療保険・がん保険などの保障が適用され、保険金(給付金)を受け取れます。
乳がんに罹患した場合、医療保険からどのくらいの給付金が支払われるのか確認してみましょう。
| 主契約 | 入院給付金 | 日額5,000円 |
|---|---|---|
| 手術給付金 | 1回 2.5万円 | |
| 特約 | 女性疾病入院給付金 | 日額3,000円 |
| 女性特定手術給付金 | 女性疾病入院給付金の50倍 | |
| 女性疾病入院一時給付特約 | 一時金3万円 |
例えば、上記のプランに加入している方が、乳がんで7日間入院して手術を受けた場合、受け取れる金額は以下の通りです。
給付金の種類 |
金額 |
|---|---|
入院給付金 |
5,000円×7日間=3.5万円 |
手術給付金 |
2.5万 |
女性疾病入院給付金 |
3,000円×7日間=2.1万円 |
女性特定手術給付金 |
3,000円×50=15万 |
女性疾病入院一時給付特約 |
3万円 |
合計 |
26.1万円 |
このほかにも、「がん診断特約」が付加されていれば100万円程度のまとまった一時金が受け取れる可能性があります。
既に医療保険やがん保険に加入している方は、どのくらいの給付金が受け取れるのか、現在の契約内容を確認してみましょう。
乳がんに備えられるおすすめの保険
乳がんに罹患した場合の経済的なリスクに備えたい場合は、医療保険やがん保険に加入しておきましょう。
特に以下の特約を付加した保険に加入しておけば、乳がんの治療にかかる費用を幅広くカバーできます。
乳がんに備えるためにおすすめの特約
- 女性医療特約:女性特有の病気や女性に多い病気で入院や手術をした場合に、基本保障の内容に上乗せして給付金が受け取れる
- がん一時金特約:がんと診断された場合や、がんで所定の治療を受けた場合にまとまった一時金が受け取れる
- 先進医療特約:厚生労働大臣が定める先進医療を受けた場合に、かかった技術料相当額を給付金として受け取れる
また「実費補償型のがん保険」に加入するのもおすすめです。
実費補償型のがん保険とは、一般的ながん保険のように治療回数や入院日数に応じて給付金を支払うのではなく、契約時に決めた金額の範囲内で、自己負担した治療費の実費を補償する商品です。
実際にかかった治療費をほぼ全額カバーできることも多く、自由診療の費用も補償対象としてる商品もあります。
乳がんのリスクと保険の必要性
乳がんは女性に最も多く見られるがんの一つです。
罹患した場合の経済的なリスクに備えるためにも、統計データをもとに乳がんのリスクを正確に理解しておきましょう。
乳がんのリスクと保険の必要性
乳がんの罹患率
乳がんは女性のがんの中で最も発症率が高い病気です。
特に、20代後半から40代後半にかけて発症する方が増え始め、60代後半で最も多くなる傾向があります。

参照:国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録)
年齢が上がるほどリスクが高まるため、高齢化が進む日本では乳がんになる方が増えやすい状況といえるでしょう。
また、近年では出産年齢の遅れもリスク上昇の一因と考えられています。
出産経験がない場合は、女性ホルモンであるエストロゲンの影響を長期間受けるため、乳がんや子宮体がんを発症する可能性が高いとされています。
乳がんの生存率

乳がんの5年生存率は全体のステージで約90%です。
ただし、がんが進行するにつれて生存率は低くなっていき、ステージⅣ期での生存率は約40%まで低下します。
そのため、定期的な検診による早期発見・早期治療が重要です。
乳がんにかかる治療費
乳がんの初期段階で実施されることが多い「乳房部分切除術」の場合、1回あたり平均28万2,100円(入院を要する場合)の医療費がかかるとされています。
参照:令和5年 社会医療診療行為別統計 令和5年6月審査分 診療行為の状況 医科診療 第18表 医科診療 回数・点数,診療行為(細分類)、入院−入院外別
これは、公的保険制度が適用される前の金額であるため、実際に医療機関の窓口で負担するのは8万4,630円です(3割負担の場合)。
ただし、乳がんに罹患した場合は、医療費以外にも以下のような費用が発生する可能性があります。
乳がん治療にかかる費用
- 個室などを利用する際にかかる差額ベッド代
- 先進医療や自由診療の費用
- 医療用ウィッグ
- 付き添いの家族の交通費や宿泊費
- お見舞い返し
- 通院時の交通費
- 収入減少の生活費補填にかかる費用
- セカンドオピニオン
治療が長期化すると、数10万円〜数100万円の出費がかかる可能性もあるため、医療保険やがん保険で備えておくことが重要です。
乳がんは公的医療保険の対象?
乳がんは公的医療保険の対象です。
日本に住む全国民は公的医療保険に加入しており、病院の窓口で保険証を提示すれば、自己負担額は1〜3割に収まります。
また、乳がんで多くの治療費が必要となっても高額療養費制度によって、1ヶ月の医療費の自己負担限度額を超えた部分は国が負担してくれます。
高額療養費制度がいくら以上から適用されるかは、年齢や年収によっても異なります。
以下の記事で詳しく解説しているので、乳がんに備えるためにも参考にしてみてください。
乳がんになっても入れる保険
乳がんに罹患した場合、完治して5年程度経過していなければ通常の医療保険に加入するのは難しい傾向にあります。
しかし、入院や手術の予定がない場合は治療中でも保険加入時に告知項目が少ない引受基準緩和型保険や、審査や告知の必要がない無選択型保険なら入れる可能性があります。
引受基準緩和型保険は、持病がある方でも比較的入りやすい保険ですが、保険料が高く、選べるオプション(特約)が少ないのもデメリットです。
加入できる保険の選択肢も狭まるため、乳がんになる前に医療保険に加入しておくことをおすすめします。
乳がんと併発しやすい病気と保険
乳がんは転移や一度完治したとしても、再発する可能性があります。
乳がんは2〜5年で再発するケースが多いですが、10〜20年後に再発する場合もあります。
転移は骨や肺、肝臓などで起こることが多く、特定の場所の痛みや咳といった症状が表れます。参照:転移・再発乳がんの治療|がんを学ぶ
乳がんが再発、転移すると治療に数ヶ月〜数年かかることもあり、その間の収入が途絶えてしまいます。
金銭的負担や不安を軽減するためにも、乳がんになる前に保険に加入し、万が一の場合に備えておくことが大切です。
乳がんと保険に関するよくある質問 Q&A
乳がんに関するよくある質問 Q&A
Q. 乳がんの治療から5年後であれば、通常の保険に加入できますか?
A. 乳がんの治療から5年が経過していても、完治していない場合、通常の医療保険に加入するのは難しいことがほとんどです。
そのため、基本的には引受基準緩和型保険や無選択型保険を検討した方がよいでしょう。
ただし、完治してから5〜10年経過していれば、通常の医療保険に加入できる可能性はあります。
まとめ
乳がんの治療費は公的医療保険制度の対象になるため、早期発見で治療を進められれば、少ない負担で済むこともあります。
しかし、がんの進行度合いによっては治療が長期化し、経済的な負担が大きくなることも少なくありません。
医療費以外にも自己負担が必要なることもあるため、もしもの場合に備えて女性特約やがん一時金特約などの保障が充実している保険に加入しておくと安心できるでしょう。
がんに罹患してからでは保険に加入するのは難しくなってしまうため、健康状態が安定しているうちに検討することをおすすめまします。
具体的な商品を検討したい場合は、以下のランキングページも参考にしてください。
- 鬼塚 眞子
- 保険ジャーナリスト/一般社団法人介護相続コンシェルジュ協会代表
寛解となり、告知に該当しなければ、緩和型ではなく一般的な医療保険にも加入はできることになります。最近では、自由診療の治療も出てきたので、自由診療特約をセットにするのもいいかもしれません。