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更新 更新:2021.06.02

医療保険の受取人は誰にするべき?受取人で税金が変わる仕組みなどを解説

医療保険の受取人は誰にするべき?受取人で税金が変わる仕組みなどを解説

保険を契約する際は、保険料を支払う「契約者」、保険の保障対象となる「被保険者」、保険金を受け取れる権利を有する「受取人」を設定する必要があります。

結論から申しますと、医療保険の受取人は被保険者に限定されている商品がほとんどですので、給付金の請求も被保険者が行うことになります

しかし、特別な事情で被保険者本人が請求できない時は、「指定代理請求制度」を利用することで、被保険者に代わって代理人が請求ができる制度が存在します。

なお、医療保険に死亡保障特約が付いている場合の死亡保険金の受取人は、被保険者以外の配偶者や子供に設定することができますが、受取人によって課税される税金が異なります。

この記事では、医療保険の被保険者(受取人)に指定できる人や、給付金に課税される税金の種類についてわかりやすく解説します。

医療保険の受取人になれる人

冒頭でも説明した通り、医療保険の給付金の受取人は、2020年時点で販売されている医療保険のほとんどが保障の対象となる人(被保険者)としています

医療保険の被保険者になれるのは、以下のように契約者本人、または契約者と血縁関係のある人です。

被保険者になれる人(例)

  • 契約者本人
  • 契約者の配偶者
  • 2親等以内の血族(子・親・兄弟・孫・祖父母)

つまり、医療保険の受取人も、契約者本人または契約者と血縁関係のある人しかなれません

また、保険契約者と被保険者が同じでなければ契約できない商品もあるので、加入したい医療保険がどのような仕組みになっているかは、各保険会社に確認しましょう。

指定代理人請求人とは

指定代理請求人とは、受取人の代わりに給付金(保険金)を請求できる権利がある人のことです

医療保険の給付金は、被保険者しか請求できませんが、被保険者と受取人が同一人物であることがほとんどの医療保険においては、病気やケガなどで被保険者が給付金を請求できないケースもあり得ます。

そこで、保険契約者は被保険者の同意を得たうえで、事前に指定代理請求人を設定することで、指定代理請求人が被保険者の代わりに給付金を請求できるようになります

指定代理請求人は、以下のように被保険者と関係性が認められる人から選ぶ必要があります。

指定代理請求人に指定できる人(例)

  • 被保険者と戸籍上の婚姻関係にある配偶者
  • 被保険者の直系血族
  • 被保険者からみて3親等以内の親族
  • 被保険者と同居し、生計をともにしている人 など

指定代理請求人になれる人は保険会社によって異なりますので、各保険会社に確認するようにしましょう。

医療保険と税金の考え方

医療保険で給付金を受け取る場合、税金が課税される場合と、課税されない場合があります。

医療保険の給付金は基本的に非課税

医療保険の給付金が非課税となるのは、以下のような身体の障害に起因して支払われる給付金です。

非課税扱いとなる給付金

  • 入院給付金
  • 手術給付金
  • 通院給付金
  • 三大疾病給付金
  • 先進医療給付金
  • 高度障害給付金
  • 抗がん剤治療給付金
  • 介護年金・介護一時金 など

医療保険の給付金や死亡保険金が課税されるケース

医療保険は、受取人が入院給付金や手術給付金を受け取る権利があったにもかかわらず、受け取らずに亡くなった場合、遺族に相続されて相続税の課税対象となります。

また、医療保険の契約者がお祝い金や解約返戻金を受け取った場合は、所得税や住民税の課税対象です。

加えて、医療保険に死亡保障が付いているタイプの死亡保険金については、契約者と被保険者、受取人の関係によって課税区分が変わります。

受取人によって税金の種類が変わる

死亡保障が付随している医療保険の死亡保険金を受け取る際の、課税区分は以下の通りです。

保険金受取りの際にかかる税金の種類

契約者=被保険者≠受取人の場合は相続税の課税対象

契約者と被保険者が同一人物で、死亡保険金受取人だけが別人の医療保険契約においては、受け取った死亡給付金が相続税の課税対象となります。

相続税の課税対象となる死亡保険金は、以下のように受け取った死亡保険金から非課税枠を差し引いた金額です。

相続税の課税対象となる死亡保険金

  • 受け取った死亡保険金 - (法定相続人 × 500万円)

例えば、法定相続人が配偶者と子供2人の合計3人であった場合、1,500万円までの死亡保険金が非課税です。

そして、死亡保険金から非課税枠を差し引いた残りの金額が、他の相続財産と合計されて相続税が計算されます。

入院給付金や手術給付金が相続税の課税対象となる場合は、死亡保険金のような非課税枠はなく、相続した給付金の全てが相続財産として相続税の課税対象となります。

契約者=受取人の場合は所得税および住民税の課税対象

医療保険の契約者と受取人が同一人物の場合、受け取った死亡保険金は一時所得とみなされて、所得税および住民税の課税対象となります。

一時所得で課税の対象となるのは、下記の計算式で求めた金額の2分の1です。

一時所得の金額

  • 受け取った死亡保険金の合計額 - 支払った保険料総額 - 特別控除(最大50万円)

つまり、受け取った給付金・お祝い金などの合計額と、支払った保険料総額の差が50万円以上なければ、死亡保険金が所得税や住民税の課税対象となることはありません

また、医療保険のお祝い金や解約返戻金などは同様に、一時所得を計算して課税対象となる部分は所得税や住民税が課せられます。

契約者≠被保険者≠受取人の場合は贈与税の課税対象

契約者・被保険者・受取人が全て別人である場合は、受け取った死亡保険金は贈与税の対象となります。

贈与税の対象となる死亡保険金は、以下の方法で計算します。

贈与税の課税対象額

  • 年間で贈与された財産の合計額 - 110万円

ポイントは、死亡保険金だけでなく年間で贈与された全ての財産が110万円を超えると贈与税の課税対象となる点です。

また、贈与税の課税対象額は一時所得の課税対象額を計算するときのように、保険金を受け取るまでに支払った保険料が考慮されません。

以上の点から、受け取る死亡保険金が同じ金額である場合の税負担は、贈与税が最も重くなることが多いです

医療保険の受取人についてよくある質問 Q&A

医療保険の受取人についてよくある質問をまとめましたので、参考にしてください。

Q. 給付金の受取人の変更は可能?

A.医療保険の受取人が個人の場合は原則、受取人の変更はできないことが多いです。

しかし、指定代理人の変更は以下の範囲内ではできます。

指定代理請求人に指定できる人

  • 被保険者と戸籍上の婚姻関係にある配偶者
  • 被保険者の直系血族
  • 被保険者からみて3親等以内の親族
  • 被保険者と同居し、生計をともにしている人 など
    ※保険会社によって異なる場合があります

万が一給付金の請求者が病気やケガなどで、意思決定をできない状態になった場合に備えて、指定代理人を指定しておきましょう。

Q. 血のつながりが無い人や法的な家族でない人も受取人にできる?

A. 基本的には第三者を受取人にすることは難しいでしょう。

しかし、保険会社によって対応は異なりますが、以下のような契約者と密接な関係がある人を指定できる場合があります。

  • 事実婚状態の配偶者
  • 婚約者
  • 同性のパートナー

ただし、上記の人物を受取人に指定するには、契約者と一定の関係性を示す書類を保険会社に提出しなければなりません。

例えば、同性のパートナーを受取人に指定する場合は、パートナーシップ証明書などの提出を求められる場合があります。

Q. 給付金を受け取ったときは確定申告が必要?

A. 医療保険で給付金を受け取った場合、基本的には確定申告をする必要はありません

しかし、医療費控除を受ける場合は確定申告が必要となります。

医療費控除とは、年間で自己負担した医療費が一定額を超えた場合に、課税の対象となる所得から一定金額を差し引いてくれる制度です

医療費控除について、詳しくは以下の記事をご覧ください。

まとめ

記事のポイント

  • 医療保険の入院給付金や手術給付金の受取人となれるのは、基本的に被保険者のみ
  • 指定代理請求人とは、受取人の代わりに給付金(保険金)を請求できる権利がある人
  • 被保険者本人や被保険者の配偶者などが受け取った医療保険の入院給付金や手術給付金などは非課税
  • 医療保険に死亡保険を特約として付与する場合、受け取る死亡保険金は、相続税や所得税・住民税・贈与税などの課税対象
  • 生存給付金やお祝い金、解約返戻金なども所得税や住民税の課税対象
  • 事実婚状態の配偶者や認知していない子供、同性のパートナーなども医療保険の受取人と認められる場合がある
  • 医療保険の保険金を受け取っても確定申告は不要だが、医療費控除を受ける場合は確定申告が必要

2020年現在、医療保険の給付金の受取人は、ほとんどの商品で被保険者と定められています。そのため、医療保険の受取人で悩むケースは少ないです。

一方で、被保険者が給付金を受け取れない状況に備えて、指定代理請求人を設定しておくと安心です。

また、医療保険の死亡保険金受取人については、よほどのこだわりがない限り、贈与税が課税されないように契約者と被保険者、あるいは契約者と受取人は同じ人物にした方が無難でしょう。

品木 彰
この記事の執筆者

品木 彰

大手生命保険会社にて7年半勤務し、チームリーダーや管理職候補として個人営業、法人営業の両方を経験。その後、人材会社で転職コンサルタントとしての勤務を経て、2019年1月よりwebライター/監修者として独立。
所有資格
ファイナンシャル・プランニング技能士2級, 日商簿記検定3級
藤田 匡紀
この記事の監修者

藤田 匡紀

新卒で日本生命保険相互会社に入社し、販売企画・代理店営業など多様な業務に従事。13年間勤務した後「もっと多くの人に、保険の必要性を正しく理解してもらいたい」という思いを胸にエイチームフィナジーに入社、ナビナビ保険の運営に参画。金融機関における顧客向け相続セミナー・研修会の実績も多数あり。
所有資格
AFP資格、証券外務員Ⅱ種
ナビナビ保険編集部
この記事の編集者

ナビナビ保険編集部

ナビナビ保険編集部は「どこよりも分かりやすい保険情報を届けること」をコンセプトにコンテンツの配信を行っています。

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