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レンタカーの利用料金には、保険や補償が含まれているのが一般的です。
そのため、レンタカーの運転中に交通事故を起こしたときには、ある程度の補償が受けられるようになっています。
ただし、レンタカーの基本料金に含まれる補償は、車の所有者自身が加入する自動車保険よりも補償が手薄な場合があり、十分に備えられないかもしれません。
追加料金を支払って、補償を手厚くすることも可能ですが、自分自身が加入する自動車保険で備えるのも選択肢のひとつです。
レンタカー会社で加入できる保険の補償内容や、自分自身で保険料を負担して備えるべきか検討するときのポイントを分かりやすく解説します。
レンタカー会社で加入できる保険
レンタカー料金の中には、自動車保険の保険料が含まれており事故をしたときに最低限の補償を受けられるのが一般的です。
追加料金を支払うことで、補償を手厚くできることもあります。
また、レンタカー会社によっては、ロードサービスの利用も可能です。
レンタカー会社で加入できる保険の補償内容やサービス内容をみていきましょう。
- 前田 祐治
- 関西学院大学教授
レンタカー会社で加入できる保険の補償内容
レンタカーの利用料金に含まれている保険の補償内容は、基本的に以下の4種類です。
| 名称 | 補償内容 |
|---|---|
| 対人補償 | 相手のケガや後遺障害、死亡によって負った損害賠償を補償 |
| 対物補償 | 相手のモノを壊して損害賠償責任を負ったときの補償 |
| 車両補償 | 交通事故によって車両に生じた損害を負ったときの補償 |
| 人身傷害補償 | レンタカーのドライバーや同乗者の交通事故によるケガや後遺障害、死亡を補償 |
例えば、交通事故によって相手車両を運転していたドライバーをケガさせたときは、対人補償が適用されます。
また相手車両を壊してしまい損害賠償義務を負ったときは対物補償でカバーされます。
対人補償については、保険金額が無制限に設定されているのが一般的です。
対物補償については、補償額が無制限の場合もあれば数千万円程度の場合もあります。
車両補償については、基本的にレンタカーの時価まで補償されます。
人身傷害保険は、3,000万円ほどの金額を上限に実際の損害額を補償するのが一般的です。
損害額は、治療費やケガで得られなくなった収入などをもとに計算されます。
対物賠償と車両補償には、5万円ほどの免責額(自己負担額)が設定されているケースがほとんどです。
借りた車のクラスや種類によっては、車両補償の免責額が10万円になることがあります。
レンタカー会社によっては、追加料金を支払うことで免責額を0円にしたり保険金額を増やしたりできる場合があります。
補償をより手厚くしたいのであれば、追加料金を支払うのも方法です。
ロードサービスも利用可能
レンタカー会社によっては、以下のようなロードサービスを提供している場合があります。
レンタカー会社が提供するロードサービス
- 事故を起こしたときに車両を搬送
- バッテリーが上がったときの再始動
- ガス欠の補給
- キー閉じ込め時の解錠
- スペタイヤへの交換 など
ロードサービスの内容や種類は、レンタカー会社によって異なります。
ロードサービスの手厚さで、レンタカー会社を検討するのも方法です。
自分自身が加入する自動車保険の補償を受けられることがある
自分自身が加入している自動車保険に「他車運転特約」が付いていれば、レンタカーを運転中に発生した事故も補償してもらえる場合があります。
自動車保険は、車に紐付けられているため、ドライバーが同じであっても契約車両でない車を運転したときの事故は基本的に補償されません。
他車運転特約に加入していれば、事故を起こしたレンタカーを自分自身が所有する車と見なして、加入する自動車保険の補償が受けられます。
例えば、レンタカー会社の対物補償の上限が3,000万円であったとしても、自分自身が無制限の対物賠償責任保険に加入していれば、交通事故で相手のモノを壊して3,000万円を超える損害賠償を請求されたとしても対処できます。
レンタカーの保険に加入しても自己負担となる費用
レンタカー会社で保険に加入しても、タイヤのパンクやホイールキャップのみの紛失をしたときの費用などは自己負担となる場合があります。
また事故や盗難などでレンタカーに修理・清掃が必要となって使用できなくなったときに、利用者は一定金額を自己負担するのが一般的です。
この自己負担する金額を「ノンオペレーションチャージ(NOC)」といいます。
ノンオペレーションチャージの金額は、一般的に以下の通りです。
ノンオペレーションチャージの金額
- レンタカーで自走して店舗に返却できる場合:20,000円
- レンタカーで自走できない場合:50,000円
レンタカー会社によっては、追加料金を支払うことで、ノンオペレーションチャージを0円にできる場合もあります。
- 前田 祐治
- 関西学院大学教授
レンタカー保険には入るべき? 判断するときのポイント
レンタカー会社の多くは、基本料金を支払うだけで交通事故を起こして相手をケガさせたり借りた車両を壊したりしてもある程度は補償されます。
一方で、基本料金に含まれる補償は、対物補償が無制限でない場合や一部の補償に免責金額が設定される場合があります。
また、借りた車が事故や盗難などで使えなくなると、基本的にノンオペレーションチャージを負担しなければなりません。
レンタカー会社によっては、追加料金を支払うことで補償を手厚くしたり、ノンオペレーションチャージを0円にしたりできます。
ここでは、追加料金の支払いを検討するときのポイントを解説します。
補償内容と保険料(追加料金)のバランスで考える
基本料金に含まれる補償の内容や追加料金の設定は、レンタカー会社ごとに異なります。
追加料金の支払額と、得られるメリットのバランスをもとに判断することが大切です。
過去には、自動車事故によって相手のモノや店舗などを壊し、1億円を超える損害賠償が請求された事例もあります。
対物補償が無制限でないレンタカー会社は、少なくありません。
交通事故の高額な賠償リスクに備えるためには、追加料金を支払って対物補償を無制限にしておいたほうが安心であるといえます。
また、レンタカー会社の選択肢が複数あるのなら、基本料金に含まれる補償の手厚さで選ぶのも方法です。
借りたいと考えている車種や料金設定、レンタカー会社の場所なども考慮したうえで、自分自身に合った選択を考えてみましょう。
自動車保険に加入していれば他車運転特約も使える
記名被保険者(主に車を運転する方)が個人である自動車保険には、他車運転特約が自動でセットされているのが一般的です。
保険金額が無制限の対物賠償責任保険に加入している方や、免責金額が低い車両保険に加入している方などは、事故が起きたときに自分自身が加入する自動車保険を使う方法もあります。
ただし、他車運転特約は、以下の点に注意が必要です。
他車運転特約の注意点
- 加入する自動車保険の範囲内でしか補償されない
- 保険金を請求すると翌年の保険料が上昇することがある
- 加入する自動車保険のロードサービスは使えない
- 駐車中や停車中の事故は補償の対象外
例えば、自分自身が加入する自動車保険に車両保険が付いていないのであれば、事故でレンタカーが損傷しても補償されません。
また、自分自身の自動車保険から対人賠償責任保険や対物賠償責任保険などの保険金を使ってしまうと保険料が増えてしまうでしょう。
自動車保険は、主に運転する方の事故実績に応じた等級によって保険料が決まります。
所定の保険金を請求すると、翌年の等級が上がって保険料が増えてしまいます。
また、等級によっては、無事故のときよりも割引率が低下し、保険料がさらに増えることがあるのです。
自分自身の自動車保険を使いたくない方や車両保険に加入していない方などは、レンタカー会社の自動車保険を利用し、必要に応じて追加料金を支払うと良いでしょう。
車を持っていない人はドライバー保険を検討する
ドライバー保険は、車を持っていない方が加入できる自動車保険です。
一般的な自動車保険は契約が自動車に紐付けられていますが、ドライバー保険は人に紐付けられている点が異なります。
ドライバー保険は、レンタカーを運転しているときに起こした交通事故による損害も補償の対象です。
また、友人や親などから借りた車を運転したときの事故による損害も補償します。
ドライバー保険の契約期間は、通常の自動車保険と同じく1年間です。
1年のあいだで、レンタカーや他人が所有する車を運転する機会が複数回あるのなら、ドライバー保険に加入しておくのも方法です。
ただしドライバー保険は、車両保険を付けられません。
レンタカーを壊したときの損害については、レンタカー会社が用意する自動車保険で備えることになる点を理解したうえで、ドライバー保険に加入すべきか考えましょう。
1日自動車保険はレンタカーが補償対象外
1日自動車保険(1day自動車保険)とは、車を運転中の交通事故による損害を1日単位で補償する自動車保険です。
友人や親などが所有する車を1日や数日だけ借りて運転するとき、1日自動車保険に加入することで事故による損害に備えられます。
しかし、1日自動車保険に加入してもレンタカーでの事故は補償されません。
レンタカー会社の補償が手薄に感じたために、1日自動車保険に加入したとしてもレンタカーを運転中の事故は補償の対象外となります。
- 前田 祐治
- 関西学院大学教授
レンタカーで事故を起こしたときの対処方法
レンタカーを運転中の事故に備えるためには、補償を検討するだけでなく、事故を起こしたときにすべきことの手順を知っておくことが大切です。
レンタカーの運転中に事故にあったり事故を起こしたときは、車を安全な場所に移動させ、負傷者を確認したあと必ず警察に連絡しましょう。
交通事故を起こしたときは、負傷者の救護と警察への届け出が法律で義務づけられています。
また、事故が発生したときに警察に届けなければ、レンタカー会社や自分自身の自動車保険を使えないかもしれません。
事故相手の負傷がひどい場合は、救急車を手配しつつ、電話で指示を仰ぎながら止血や人工呼吸、心臓マッサージなどを行います。
警察にも連絡し、負傷者の応急手当も終わったら、レンタカー会社にも報告しましょう。
他にも、事故相手の名前や住所、事故状況、目撃者の有無なども確認しなければなりません。
まずは負傷者の救護と警察への届け出を最優先のうえ、ひとつひとつの手順を着実に実行していきましょう。
まとめ
レンタカー料金の中には、対人補償や対物賠償、車両補償、人身傷害補償の保険料が含まれているのが一般的です。
対人補償は、補償額が基本的に無制限となっています。
対物補償は、補償額の上限が無制限の場合もあれば、3,000万円や5,000万円など定額の場合もあります。
また対物補償と車両補償には、一般的に5万円ほどの自己負担金額が設定されています。
追加料金を支払うことで、補償額の上限を増額したり、免責金額を0円にしたりできることがあります。
一方で他車運転特約が付いた自動車保険に加入しているのであれば、追加料金を支払わずとも事故による損害に手厚く備えることも可能です。
レンタカーの利用料金に含まれる保険・補償の内容や追加料金の額、加入している自動車保険の契約内容などをもとにご自身に合った選択を考えてみましょう。