1. ナビナビ保険
  2. 生命保険
  3. 三大疾病保険
  4. 八大疾病とは?三大疾病との違いや備えるべきリスクを解説
更新 更新:2025.04.18

八大疾病とは?三大疾病との違いや備えるべきリスクを解説

八大疾病とは?三大疾病との違いや備えるべきリスクを解説
所有資格
ファイナンシャル・プランニング技能士2級
専門分野・得意分野
得意分野:保険全般、資産運用、ライフプランニング、税金対策

三大疾病(がん・心疾患・脳血管疾患)は聞いたことがあっても、「八大疾病」となるとピンとこない方も多いのではないでしょうか?

三大疾病に加えて、長期的な治療や介護が必要になりやすい病気を含めたものが八大疾病です。特に30〜50代の方は、結婚や出産、住宅購入などのライフイベントをきっかけに、さまざまなリスクに備えたいと考えることも多いでしょう。

本記事では、八大疾病の具体的な病気の種類や、八大疾病に備える保険について詳しく解説します。

八大疾病とは?

八大疾病とは、三大疾病の「がん(上皮内がんを除く)」「心疾患」「脳血管疾患」に加えて、5つの重度慢性疾患「高血圧症」「糖尿病」「慢性腎不全」「肝硬変」「慢性膵炎」が含まれます

いわゆる「生活習慣病」に分類されるもので、治療が長引きやすいのが特徴です。

三大疾病と七大疾病と八大疾病の違い

三大疾病・七大疾病・八大疾病の違いは以下の通りです。

三大疾病と七大疾病と八大疾病の違い

三大疾病・七大疾病・八大疾病の違い
三大疾病 七大疾病 八大疾病
  1. がん(悪性新生物)
  2. 心疾患
  3. 脳血管疾患
  1. がん(悪性新生物)
  2. 心疾患
  3. 脳血管疾患
  4. 高血圧症
  5. 糖尿病
  6. 慢性腎不全
  7. 肝硬変
  1. がん(悪性新生物)
  2. 心疾患
  3. 脳血管疾患
  4. 高血圧症
  5. 糖尿病
  6. 慢性腎不全
  7. 肝硬変
  8. 慢性膵炎

三大疾病とは、日本人の死因で上位を占める病気のことです

日本人の死因で三大疾病が占める割合

病気

死因に占める割合

がん(悪性新生物)

24.3%

心疾患

14.7%

脳血管疾患

6.6%

参照: 令和5年(2023)人口動態統計(確定数)の概況 第6表 性別にみた死因順位(第10位まで)別死亡数・死亡率(人口10万対)・構成割合|厚生労働省

三大疾病に4種類の生活習慣病を加えたものが、七大疾病です。

七大疾病と八大疾病の違いは、慢性膵炎が含まれるかどうかです。

八大疾病のリスク

次に八大疾病に罹患する可能性や、治療費の目安から八大疾病のリスクについて解説します。

リスク1. 八大疾病の罹患率

八大疾病での入院・外来患者数は以下の通りです。

八大疾病の入院・外来患者数

病名

入院

外来

がん(悪性新生物)

10万6,100人

18万6,400人

心疾患(高血圧性のものを除く)

5万7,200人

13万9,000人

脳血管疾患

10万9,400人

7万4,800人

高血圧性疾患

4,200人

60万6,400人

糖尿病

1万2,700人

20万5,400人

慢性腎臓病

2万2,000人

12万8,800人

肝硬変

1,600人

4,100人

慢性膵炎

400人

1,900人

合計

31万3,600人

134万6,800人

参照:令和5年 患者調査 傷病分類別にみた施設の種類別推計患者数(総数)|厚生労働省

全ての病気を含めた入院患者の合計数は約117万人、外来患者の合計数は約727万人です。

入院患者のおおよそ4人に1人、外来患者のおおよそ5人に1人は八大疾病による治療を受けていることになります

また、八大疾病での平均入院日数は以下の通りです。

八大疾病の平均入院日数

病名

入院日数

がん(悪性新生物)

14.4日

心疾患(高血圧性のものを除く)

18.3日

脳血管疾患

68.9日

高血圧性疾患

41.6日

糖尿病

31.8日

慢性腎臓病

57.3日

肝硬変(肝疾患)

22.5日

慢性膵炎

14.3日

参照:令和5年 患者調査 傷病分類別にみた年齢階級別退院患者の平均在院日数(総数)|厚生労働省

入院全体の平均日数は28.4日ですが、脳血管疾患や高血圧性疾患、慢性腎臓病は長期化しやすい傾向があります。

特に脳血管疾患は、リハビリが必要となるため、入院が長引くことが多いのが特徴です。

リスク2. 八大疾病にかかる医療費

八大疾病の治療には高額な医療費がかかる場合があります

以下は、急性期(病気になりはじめの時期)における1入院あたりの費用をまとめた表です。

年間医療費(急性期)

病名

1回の入院費用

1日あたりの入院費用

1日あたりの自己負担額(公的保険制度適用後※1)

胃の悪性新生物

99万4,478円

7万9,063円

2万3,719円

結腸の悪性新生物

90万6,668円

8万4,067円

2万5,220円

直腸の悪性新生物

109万6,120円

8万8,643円

2万6,593円

急性心筋梗塞

191万3,606円

19万2,388円

5万7,716円

狭心症

73万7,107円

18万9,285円

5万6,786円

脳梗塞

167万1,920円

6万6,874円

2万62円

脳出血

237万7,259円

7万7,596円

2万3,279円

糖尿病

76万8,892円

4万7,335円

1万4,201円

参照:医療費 2023年度年間集計(急性期グループ)|公益社団法人 全日本病院協会 診療アウトカム評価事業
※1 自己負担割合が3割の場合。高額療養費制度適用前の費用

公的保険制度適用後でも、1日あたり1〜5万円程度の自己負担が必要です。

特に急性心筋梗塞や脳出血は治療費が高額になる傾向があります。

また、高額療養費制度を利用すれば一医療費負担を軽減できますが、入退院を繰り返すケースも多く、経済的な負担が重くなる場合もあります。

「高額療養費制度」とは?
高額療養費制度とは、1ヶ月(1日〜末日)の医療費の自己負担額が一定額を超えた場合に、超過分の払い戻しを受けられる制度です。

リスク3. 八大疾病の死亡率

以下の表に八大疾病の死亡リスクをまとめました。

八大疾病の死亡数・死亡率

病名

死亡数

死亡総数に占める割合

がん(悪性新生物)

38万2,492人

24.3%

心疾患(高血圧性のものを除く)

23万1,056人

14.7%

脳血管疾患

10万4,518人

6.6%

高血圧性疾患

1万1,391人

0.7%

糖尿病

1万5,436人

1.0%

慢性腎臓病

2万2,348人

1.4%

肝硬変

8,479人

0.5%

参照:令和5年(2023)人口動態統計月報年計(概数)の概況 第6表 死亡数・死亡率(人口10万対),死因簡単分類別|厚生労働省

八大疾病の中でも、三大疾病(がん・心疾患・脳血管疾患)による死亡者数が特に多く、全体の半数以上を占めています。

これらの病気は発症後の影響も大きいため、早期発見や予防が大切になるでしょう。

民間の保険で八大疾病に備える方法

公的保険制度や高額療養費制度を利用しても、すべての費用をカバーできるわけではありません。

公的保険制度の対象外の費用

  • 個室などを利用する際にかかる差額ベッド代
  • 食事代
  • お見舞いにかかる交通費
  • 入院中にかかる雑費(テレビ、冷蔵庫、パジャマなど)
  • 先進医療の技術料
  • 自由診療の費用

民間の生命保険を活用すると、これらの費用を備えることができます。

民間の保険で八大疾病に備える場合、主に以下3つの方法があります。

方法1. 医療保険に特約を付加する

医療保険に八大疾病に関する特約を付加することで、八大疾病に罹患した際の保障が手厚くなります

八大疾病に関する特約は以下のような保障があります。

八大疾病の際に受けられる保障

  • 入院時に受け取る入院給付金日額が増える
  • 入院給付金日額の給付日数が延長される
  • 一時金が受け取れる

入院1日あたりに受け取れる給付金額を増やすことで、自己負担分や差額ベッド代などの支出をカバーしやすくなります

一般的な医療保険では「60日型」「120日型」など入院給付金の支給期間に制限がありますが、特約を付加することで長期入院に対応しやすくなるでしょう。

がんや心筋梗塞、脳卒中などの特定の病気にかかった場合に、一時金としてまとまった給付金を受け取れる特約もあります。

方法2. 八大疾病保険に加入する

八大疾病保険は、八大疾病のみに備えられる保険です

保障内容が限定されている分、一般的な医療保険と比較して割安な保険料で加入できる場合もあります。以下は保障内容の一例です。

八大疾病保険の保障内容

  • 八大疾病で所定の状態になると一時金を受け取れる
  • 所定の状態になると保険料の払い込みが免除される

ただし、対象となる病気の種類や入院日数の条件など具体的な給付条件は、保険商品ごとに異なります。契約前に必ず確認しておきましょう。

方法3. 団体信用生命保険に八大疾病特約をつける

団体信用生命保険(団信)とは、住宅ローンの契約者が死亡または高度障害状態になった場合、保険金によってローン残高が完済される保険です

団信に八大疾病特約を付加するとがんや心筋梗塞、脳卒中などで所定の状態(60日以上の入院、12ヶ月を超える就業不能状態の継続など)に該当した場合、住宅ローン残高がゼロになります。

そのほかに、入院中に一時金が給付される商品などもありますが、保障内容や条件は金融機関や商品によって異なるため、詳細は各金融機関の公式サイトで確認しましょう。

八大疾病保険の加入がおすすめの人

八大疾病に備える保険は、特に以下のような方におすすめです。

八大疾病保険の加入がおすすめの人

  1. 生活習慣病が不安な人
  2. 自営業・フリーランスの人

おすすめな人1. 生活習慣病が不安な人

普段の生活習慣に不安を感じている方は、八大疾病に備えて保険に加入しておいた方が良いでしょう

八大疾病は、高血圧や糖尿病など、生活習慣と深い関わりのある病気が多く含まれており、以下のような生活をしている方は、発症リスクが高まる可能性があります

八大疾病の発症リスクを高める要因

  • 睡眠不足
  • 偏った食生活
  • 運動不足
  • 喫煙
  • 過度な飲酒
  • 肥満

八大疾病は一度発症すると長期間の治療が必要になることもあります。

病気になってからでは保険への加入が難しくなることもあるため、早めに検討しておいた方がよいでしょう。

おすすめな人2. 自営業・フリーランスの人

自営業やフリーランスの方は、公的保障が会社員・公務員に比べると手厚くありません

八大疾病で治療費がかかったり、収入が減ったりする事態に備えて、保険に加入しておくと良いでしょう。

会社員であれば、病気やケガで働けなくなった場合に「傷病手当金」などの公的保障を受けられます。

会社員・自営業の長期療養による収入減少の違い

傷病手当金 」とは?
病気やケガなどで働けない期間の生活を保障するために、健康保険から支給される手当金のこと。

また、健康保険組合から独自給付として、医療費の補助を受けられる場合などもあるでしょう。

一方、自営業やフリーランスの場合、傷病手当金はなく、入院が必要になり働けなくなると無収入になってしまうリスクがあります。

八大疾病に備える保険に加入することで、入院費や治療費を補うだけでなく、働けない期間の生活費や事業資金を確保することも可能です。

まとめ

八大疾病は入院が長引くことも多く、高額な治療費がかかる可能性があります。

一方で、公的保険制度だけではカバーしきれない費用もあるため、民間の生命保険に加入しておくと安心です。

特に生活習慣病が不安な方や、公的保障が手薄になりがちな自営業・フリーランスの方は、八大疾病に対する保障を充実させておいた方が良いでしょう。

具体的な商品を検討したい方は以下のページも参考にしてください。

荒木 和音
荒木 和音
Webライター/ファイナンシャルプランナー
早稲田大学教育学部卒業後、総合保険代理店に入社。家計相談やライフプランニング、企業・経営者向けのリスクコンサルティングなどに携わる。 現在は金融関連のライター・編集者・監修者として複数メディアで活動中。
所有資格
ファイナンシャル・プランニング技能士2級
専門分野・得意分野
得意分野:保険全般、資産運用、ライフプランニング、税金対策
ナビナビ保険編集部
ナビナビ保険編集部
ナビナビ保険編集部は「どこよりも分かりやすい保険情報を届けること」をコンセプトにコンテンツの配信を行っています。

おすすめの関連記事

ランキングをみる