膠原病とは、免疫機能の異常によって、血管や皮膚、関節などに炎症が起こる病気の総称です。一般的には30〜50代の女性がかかりやすいと言われています。参照:膠原病とは|東京女子医科大学 膠原病リウマチ痛風センター
万が一に備えて医療保険や生命保険への加入を検討しているものの「膠原病の罹患歴があると入れないのでは?」と悩んでいる方もいるでしょう。
この記事では、膠原病でも加入できる生命保険の種類や、実際に支払われる給付金の種類などをわかりやすく解説します。
この記事のポイント
膠原病でも加入しやすい保険
膠原病の方でも引受基準緩和型保険や無選択型保険であれば加入できる可能性があります。
膠原病でも加入しやすい保険 |
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膠原病の多くは、一時的に症状が落ち着くことはあっても、完治させるのは難しいと言われています。
一般的な病気やケガに比べて再発や悪化による入院・手術のリスクが高いため、健康な方と同じ保険への加入は難しいケースがほとんどです。
1. 告知項目が少ない引受基準緩和型保険
引受基準緩和型保険は、通常の保険よりも告知項目が少なく、加入のハードルが低くなっている保険です。
以下のように告知項目が3〜5つ程度に限定されているため、膠原病のような持病がある場合でも、直近で入院や手術の経験などがなければ加入できるケースが多くなっています。
引受基準緩和型の医療保険の告知事項
- 最近3カ月以内に、医師から入院・手術をすすめられたことがある。
- 過去2年以内に、入院・手術をしたことがある。
- 過去5年以内に、がん・上皮内がん、肝硬変、統合失調症、認知症、アルコール依存症で、医師の診察・検査・治療・投薬のいずれかを受けたことがある。
膠原病が悪化して入院や手術をする場合も保障対象になるため、持病に対して不安がある方にとっては安心して加入できる保険といえるでしょう。
ただし、多くの場合、引受基準緩和型保険は通常の保険よりも割増された保険料が設定されています。
そのため、通常の保険に加入できないことを確認した上で、申込みを検討しましょう。
2. 告知項目がない無選択型保険
無選択型保険とは、保険会社に健康状態の告知をせずに加入できる保険です。
通院歴や入院・手術の経験などを問わずに加入できるため、膠原病を罹患している方でも加入しやすいでしょう。
ただし、 無選択型保険には以下のようなデメリットがあります。
無選択型保険のデメリット
- 通常の医療保険よりも保険料が割増されている
- 病気の場合、加入してから一定期間(約90日間)は入院給付金などが支払われない
- 加入前に発症していた病気に関しては保障対象外になる
保険会社から見ると、リスクの高い方も引き受けることになるため、保障内容や保険料には一定の制約が設けられていることがほとんどです。
保障内容や保険料のバランスをよく確認し、本当に加入する必要があるのか検討しましょう。


膠原病で医療保険はおりる?
医療保険では、膠原病での入院や手術は保険金(給付金)の支払い対象です。
入院をした場合は、入院日数に応じて「入院給付金」が支払われます。
例えば、入院給付金日額1万円の医療保険に加入して、2週間入院した場合、受け取れる給付金は14万円(=1万円×14日)です。
また、膠原病で手術を受けた際には、手術給付金が受け取れます。
手術給付金は大きく以下の2種類に分けられます。
手術給付金の種類
- 定額タイプ:手術の種類にかかわらず、外来か入院中に受けたかどうかで給付金の金額が変動するタイプ
- 倍率変動タイプ:外来手術は定額、入院中の手術は手術の種類によって給付金の金額が変動するタイプ
定額タイプの場合は「入院の有無」によって、倍率変動タイプの場合は「手術の種類」によって受け取れる給付金が異なります。
手術給付金の種類は商品によって違いがあるため、契約している商品の保険証券や約款を確認してみましょう。
もし自分で調べるのが難しい場合は、保険会社の担当者やFP(ファイナンシャルプランナー)などに相談するのも一つの方法です。


膠原病の種類
膠原病は、一つの特定の病気を指すものではなく、自己免疫の異常により体のさまざまな組織が炎症を起こす病気の総称です。
膠原病に含まれる以下の代表的な病気について、詳しく解説します。
膠原病に含まれる代表的な病気 |
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上記の病気はいずれも「指定難病」に認定されています。
医療費助成制度によって経済的な負担を軽減できる可能性がありますので、各自治体に問い合わせてみましょう。
※関節リウマチについては「悪性関節リウマチ」が難病指定されています。
関節リウマチ
関節リウマチは、免疫の異常によって関節に痛みや腫れなどの炎症が起きる病気です。
進行すると関節の変形や機能障害を引き起こすことがあります。
全身性エリテマトーデス
全身性エリテマトーデスは、肺、心臓、消化管など、全身の組織や臓器に炎症を引き起こす疾患です。
全身の倦怠感や発熱、関節痛などが主な症状で、頬の両側に赤い発疹が現れることも少なくありません。
多発性筋炎・皮膚筋炎
多発性筋炎は、筋肉に炎症が起こり、筋力が低下する病気です。
皮膚に特徴的な症状が現れた場合は皮膚筋炎と呼ばれます。
筋力の低下や、倦怠感、疲労感や食欲不振などが主な症状です。
参照:多発性筋炎・皮膚筋炎|慶應義塾大学病院 医療・健康情報サイト
結節性動脈周囲炎(結節性多発動脈炎・顕微鏡的多発血管炎)
結節性動脈周囲炎は、中小動脈に炎症が起きる膠原病の一つです。
血管の炎症によって臓器の血流が悪くなったり、臓器に炎症が広がったりすることで、脳梗塞や心筋梗塞など、さまざまな症状を引き起こします。
参照:結節性動脈周囲炎|慶應義塾大学病院 医療・健康情報サイト
まとめ
膠原病の罹患歴がある場合でも、以下の生命保険であれば加入できる可能性があります。
膠原病でも加入しやすい保険 |
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ただし、いずれも通常の保険に比べると保険料は割高になることがほとんどです。
保障内容に一定の制約が加わることも少なくないため、必要性については十分検討しましょう。
また、実際の加入基準は、商品によって大きく異なるので、保険会社に確認することをおすすめします。
具体的な商品を検討したい方は、以下のランキングを参考にしてください。