保険を知る

女性必見!妊娠中に加入できる保険&出産にまつわるお金の話

出産は、母子ともに命の危険が伴うもので、不測の事態に備えるひとつとして保険に加入するのは有効です。

しかし、妊娠中に加入できる保険は少ないため、妊娠する前もしくは妊活中に加入することをおすすめします。

この記事では、

  • 妊娠中に加入できる保険
  • 妊娠・出産において保険適用となる範囲
  • 妊娠、出産で使える社会保障制度や助成金

について解説していきます。

妊活中、もしくは子供を希望されている女性はぜひ参考にしてください。

妊娠中に加入できる保険は少数

「妊娠、出産にはお金がかかるし、できるだけ節約したい。保険に加入するのは妊娠してからでも良いんじゃない?」
そう考える人は少なくありません。しかし妊娠中に加入できる保険は限られています。
妊娠中は母体に負担がかかり思わぬ病気を発症するリスクが大きくなります。

保険会社にとっても保険金を支払う可能性が高くなるので、あえて妊娠中に加入できる保険は少ないのですが、加入できる保険がない訳でありません。以前は妊娠しているだけで、保険の加入は断られていましたが、今では妊婦さん向けの保険も存在します。

たとえば、A社の場合妊娠19週目までなら、健康上で特に問題がない場合には加入できます。また、契約時にすでに帝王切開などの異常分娩になることが分かっていても一時金が支払われます。

B社の場合は、妊娠24週目まで加入できる保険であり、不妊治療中や「うつ」と診断されている場合でも加入できますが、もちろん異常分娩は保障対象内です。 その他にも妊娠中に加入できる保険はあります。

しかし出産に関連する疾病や支給部位に関連する疾病を担保しないなどの条件がつくことがほとんどです。

担保されない条件は、主に下記のようになります。

担保されない条件

  • 子宮外妊娠
  • 帝王切開
  • 早産・流産
  • 妊娠中毒症
  • 妊娠悪阻(酷い「つわり」のこと)

これはあくまでも目安であり、会社ごとに違いがあったり、個人の健康状態によっても担保されない内容に違いがあります。

「妊娠してからでも保険加入は何とかなる」という考えは捨てた方が良いでしょう。

妊娠の健診や検査、自然分娩は保険適用外

私たちは健康保険に加入しているので、病気やケガで通院するときには、健康保険証を提出して3割負担で診察を受けていますが、妊娠は病気という判断ではないため、妊娠の定期健診や検査は全額負担になり、診療費の全額を支払わなければなりません。通常分娩も同様に保険対象外となりますので、全額自己負担になります。

ただし、母子手帳の交付を受けた後なら、所定の医療機関で健診を行う場合に限り、市区町村からの補助が受けられます。

入院が必要な悪阻は保険適用になることが多い

「悪阻(おそ)」とは?
「つわり」のことです。主に妊娠初期に見られる症状。

ここからは「つわり」に統一して説明していきます。その症状は人によってさまざま。
症状が軽い人、中にはまったくつわりが無い人もいます。反対に、酷いつわりのために日常生活も難しく、食事をとることができずに体力が落ちてしまう人などもいます。
中には入院しなければならないくらいのつわりを患う人もいますが、 一般的につわりがあるだけでは健康保険および民間の生命保険は対象外となります。

しかし、状態が酷く、母体に影響を与えかねないような場合には、つわりであっても保険診療の対象になることもあります。とはいえ、「つわりが酷い=保険診療可」という訳ではありません。入院が必要となるなど必ず医師の判断があった場合のみ適用されます。

民間の生命保険の場合、つわりを保障していない場合もあります。加入する場合には、どこまで保障する保険なのかを必ず確認しておく必要があります。

帝王切開は保険適用になる

先ほど通常分娩では保険適用外とお伝えしましたが、反対に異常分娩のときは保険が適用されます。代表的な症状は、帝王切開、吸引分娩、早期破水、切迫早産などがあります。これらを理由に入院した場合は保険適用となります。

妊娠・出産で免除、もしくはもらえるお金

何かとお金のかかる妊娠・出産は、必ずしも全て自分負担という訳ではありません。公的な社会保障により助成を受けられたり、免除を受けることが可能ですが、公的なお金である社会保障から恩恵を受けるには、必ず自分から申請することが必要なので忘れずに申請してください。

どのような助成があるのか、何が免除されるのか、具体的に解説します。

妊娠中にもらえるお金

妊娠や出産時には何かとお金が必要になりますが、妊娠中に利用できる助成金制度があります。

ここでは妊婦健診費用助成について説明します。

妊婦健診費用助成

「妊婦健診費用助成」とは?
妊娠し母子手帳の交付を受けてから受けられる助成であり、健診時の健診費用を助成してくれる制度です。

妊婦健診の回数は14回が目安となっており、妊娠初期から分娩までをカバーしています。助成金額には上限が設けられており、上限額は3,040円~10,850円(平成31年度)で、健診の内容や回数によって上限額は変わります。

助成を受けるには母子手帳と同時に交付される専用の受診票が必要です。受診票は原則再発行不可のため、無くさないようにしましょう。

妊娠中・出産後の免除制度

妊娠中・出産後には、いくつかの免除制度があります。ここでは以下の内容について説明します。

国民年金保険料が免除

妊娠中は、国民年金保険料の免除を受けることができます。ただし、妊娠したら直ぐに免除される訳ではありません。

免除される期間は出産予定日又は出産日が属する月の前月から4か月間です。多胎妊娠の場合は、出産予定日又は出産日が属する月の3か月前から6か月間の国民年金保険料が免除される決まりになっています。

免除を受けるためには、住民登録をしている市区町村の国民年金担当窓口へ届書を提出が必要です。

医療費控除

出産手当金で賄えなかったお金は、条件が当てはまっていれば医療費控除として返還してもらえます。

控除の対象となるのは、出産で入院する際に電車やバスなどの公共の交通期間が利用できずにタクシーを利用した場合や入院中の食事代などです。ただし、パジャマや洗面具などの身の回り品を購入した費用は医療費控除の対象外です。

高額療養費制度

異常分娩で医療費が高額になった場合には、高額療養費制度から給付を受けることができます。

上限額は、年齢や所得に応じて定められており、医療費を支払った後に請求します。

出産後にもらえるお金

出産直後は働けないにも関わらず、子育てにはお金が掛かるのでは……と不安に感じる人もいるでしょう。

この章では、出産後に支給されるお金について下記の制度について説明します。

出産育児一時金

国民健康保険加入者が出産したとき、出産時の世帯主に一時金として42万円支払われます。
妊娠期間が満12週以上での死産、流産の場合も対象です。会社員の場合、会社の健康保険組合などから支払われます。

いずれも出産(死産・流産)の翌日から2年を過ぎると消滅時効により申請できません。

児童手当

「児童手当」とは?
住所地の市区町村に請求する手当であり、その市区町村に住んでいて誕生してから15歳になった最初の3月31日までの児童を養育・監護している人に支払われる手当。

原則申請日の翌月分から支給されますが、手当をもらうには所得要件をクリアする必要があります。手当ての年齢・金額は下記のとおりで、市区町村に請求した月の翌月から受け取れます。

支給対象児童 1人あたり月額
0歳~3歳未満 15,000円
3歳~小学校修了前 第1子および第2子10,000円
(第3子 15,000円)
中学校 10,000円

ただし所得制限額以上では0歳から15歳まで一律5,000円となります。

乳幼児医療費助成制度

「乳幼児医療費助成制度」とは?
6歳に達する日以後の最初の3月31日までの乳幼児を養育している人の支払われる手当。

国民健康保険や健康保険など各種医療保険の自己負担分を助成するもので、医療保険対象は医療費や薬剤費などです。助成を受けるためには医療機関の窓口で保険証とマル乳医療証を提示し受診します。

当制度の診療を取り扱わない医療機関で診療を受ける場合には、一旦全額を支払い、後から市区町村の乳幼児医療費助成担当課に助成費の申請をします。

働く女性の場合

ここまでは主に、国民健康保険に加入している人のケースを取り上げてきました。

仕事をしている人も同様に助成や免除制度があります。具体的には、

があります。ひとつずつ解説していきます。

出産手当金

出産するために産休を取得している場合、給料を貰うことができず収入が減少してしまいます。それを補てんする形で、出産手当金として給料の3分の2を受け取ることができます。

出産育児一時金

「出産育児一時金」とは?
出産や妊娠にかかる費用を補てんするためのもので出産後に健康保険から42万円が支給される制度です。

この42万円は子1人当たりの金額ですので、2人以上であれば42万円×人数で計算します。

育児休業給付金

育児のために出社できない場合には、雇用保険から育児休業給付金を受けることができます。

給付期間は最長2年で、復職する意思があることが前提です。支給額は休んでから180日までは休業開始時の67%、それ以降は50%が支給されます。

失業給付金

会社を退職し、また働く意思がある場合に雇用保険から失業給付金を受けることができます。

給付額は勤続年数や退職前の給料によって異なり、一日当たりの受給額は、退職前6カ月の賃金合計÷180に給付率を掛けて計算します。

傷病手当金

「傷病手当金」とは?
健康保険の加入者が病気やケガで働けないときに給付されるもので、最長1年6カ月。およそ給料の3分の2が支給される給付金。

なお、「つわり」や異常分娩や流産、妊娠高血圧症候群などは、条件を満たせば傷病手当が適用されます。

社会保険と税金の免除

出産して働けない場合、収入が限られることから保険料や税金の支払いを心配する人もいることでしょう。
実はこれらの費用は免除されるので安心してください。 具体的に免除となるのは、出産時に受け取った出産手当金、出産育児一時金、育児休業給付金です。つまり産休・育児休暇中は、所得税も免除されることになります。

更に、健康保険料、厚生年金保険料は全額免除になります。 会社員として働いている場合には、その会社独自の手当や制度を導入していることもありますので自分の勤めている会社にどのような制度があるのか調べることをおすすめします。

まとめ

この記事では、妊娠した場合の保険、社会保障制度にまつわる内容について解説してきました。

大切なポイントを振り返りましょう。

  • 妊娠中に加入できる保険は少ないので、妊娠前から検討しておくことが大切
  • 妊娠の健診や検査、自然分娩は基本的には保険適用外
  • 妊娠~出産時は助成制度、免除制度が多数ある(妊婦健診費用助成、国民年金保険料の免除、出産育児一時金など)
  • 働く女性であればさらに給付金や、会社独自の制度がある場合があるので事前確認がおすすめ

妊娠・出産には何かとお金がかかるものですが、国や会社からも助成金や免除制度などが準備されています。
とはいえ、想定外のことは、いつ、どのようなことが起こるのかは、誰にも分かりません。特に妊娠中は、さまざまなリスクをはらんでいると言っても過言ではありません。

できれば妊娠する前に、「転ばぬ先の杖」として保険に加入し、万一のときに備えておくと安心でしょう。

この記事の執筆者
飯田 道子
所有資格
海外生活ジャーナリスト, ファイナンシャル・プランナー(CFP認定者)
金融機関勤務を経て96年FP資格を取得。現在は各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などをおこなっています。どの金融機関にも属さない独立系FPです。海外移住にも対応しており、特にカナダや韓国への移住や金融・保険情報を得意としています。
この記事の監修者
石田 直樹
所有資格
AFP資格、TLC(生保協会認定FP)資格
ソニー生命、東京海上日動あんしん生命保険、保険代理店等、保険業界を28年間勤務。支社長や管理職を経験、200回以上のセミナーや研修講師の登壇経験あり。その知識を活かし、もっと多くの人に保険の必要性を正しく理解してもらいたい!という思いを胸に、ナビナビ保険の事業立ち上げメンバーとして異業種のIT企業に転職し、現在に至る。
この記事の編集者
ナビナビ保険編集部
ナビナビ保険編集部は「どこよりも分かりやすい保険情報を届けること」をコンセプトにコンテンツの配信を行っています。
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