大阪府の中央西南部に位置する堺市では、時代の変化に合わせた住みやすい街づくりに積極的に取り組んでいます。特に、堺市の南部「泉北ニュータウン」地域では、スマートシティの取り組みを推進しています。
子育て支援や都市部に自然を取り入れる街づくりなどの施策の背景や反響について詳しくインタビューしました。
子育て支援の3つの「ゼロ」
編集部 鎌田
堺市は過去にも「子育てしやすい街ランキング」にランクインしていますが、具体的にどういった取り組みや成果が出ていますか?
堺市
いろいろと行ってますが、子育て支援を通して3つの「ゼロ」を達成しております。1つ目は保育園などの待機児童ゼロを4年連続達成しました。これは認定こども園の新設や受け入れ枠の増加などに取り組んだ結果だと思っています。
堺市
特に泉北ニュータウン地域の堺市南区は、他の区に比べると保育園などの数が多く空き状況にゆとりがあるので、保育園選びもスムーズに行っていただけると思います。
堺市
2つ目のゼロは、第二子の保育料がどのご家庭でも0円になることです。世帯の所得制限を設けていないので、その浮いたお金で進学準備などに充てられるなどのお声をいただいております。
編集部 鎌田
確かに、浮いた保育料を習い事の費用に充てたりなど色んなことができますね!
堺市
3つ目のゼロは小学校に進学してからの学童保育も待機児童が0となっています。共働き家庭であっても安心して子育てを行っていただける環境づくりに力をいれております。
編集部 鎌田
学童保育にも力を入れているのはすごく珍しいと思います。
若年世帯・子育て世帯への中古住宅購入支援
編集部 鎌田
中古住宅購入支援とはどういった取り組みですか?
堺市
「堺市子育て世帯等空き家活用定住支援事業補助金」という制度で、市外から堺市内の空き家を購入された方や、市内の賃貸住宅から空き家を購入された若年世帯(単身も可)・子育て世帯に最大120万円の購入費用支援を行っております。
参照:堺市子育て世帯等空き家活用定住支援事業補助金|堺市
編集部 鎌田
120万円!かなり大きい金額ですね。こちらはいつから始まった取り組みですか?
堺市
令和5年から始まった新しい取り組みとなっています。まだあまり普及していないので、利用者が少ないのが現状です。
堺市
リノベーションなどのリフォーム費用に充てたり、新しい家具の購入代に充てるなど色々と活用していただけます。予算に達した時点で受付終了となってしまいますので、少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです。
どこでもアクセスしやすいAIオンデマンドバスや電動サイクル
編集部 鎌田
泉北ニュータウン地域ではAIオンデマンドバスや電動サイクルを実験的に導入されていますが、どのような反響がありますか?
堺市
AIオンデマンドバスについては、今年で3年目の取り組みになります。泉北ニュータウン地域は起伏が多い地域なので、移動手段が限られてしまいます。特に、免許を持っていない方がベビーカーを持ってお出かけする際や、高齢の方の通院やお買い物などに使っていただいています。
編集部 鎌田
3年も続いているということは、毎年好評だったということでしょうか?
堺市
そうですね。初年度は1日当たりの利用者数が14人だったのですが、2年目の実施時には1日当たりの利用者数が28人、そのうちの62%が2回以上乗車しているリピーターという結果でした。
編集部 鎌田
とても好評なんですね!AIオンデマンドバスはどうやって利用できますか?
堺市
専用のアプリ・Webサイト・電話の3つの方法で予約が可能です。アプリやWebサイトの予約ではクレジットカード決済もご利用いただけます。
堺市
AIオンデマンドバスに加えて、今年から電動サイクルも実証を始めています。ペダルを漕がずに座って走行できるので、自転車に近い感覚で、より安全に運転できると思います。バスを使って移動するほどでもない距離で気軽に使っていただいております。
編集部 鎌田
画期的ですね。電動サイクルは大阪府内でもあまり見たことがないです。
堺市
そうなんです。電動サイクルの導入は西日本では初めてとなります。
堺市
堺市の中でも泉北ニュータウン地域はスマートシティの「重点地域」と位置付けていますので、様々な取り組みを行っています。今後も最先端の技術を活用しつつ、住みやすい街づくりを進めていきます。
堺の都心部に自然や緑を取り入れる街づくり
編集部 鎌田
泉北ニュータウンでは、公園や自然が多いと聞きましたが具体的にどのような取り組みをされているんでしょうか?
堺市
泉北ニュータウンには泉ヶ丘・栂・光明池という3つの地区があり、それぞれの地区に「緑道」を整備しています。
堺市
緑道は文字通り、たくさんの木々に囲まれた道のことです。緑道は周辺の住宅地から保育所、学校、公園、駅などを結ぶように整備されています。道路と交差せず、車も進入できないようになっているので、安全に通ることができます。
引用:安全安心な歩行空間 緑道(りょくどう)|堺市
編集部 鎌田
学校や駅を繋いでいるんですね!車との接触事故のリスクが無いのはお子さんにとっても安心できますね。
堺市
また、季節によって桜や紅葉を楽しんでいただけます。季節ごとに変わる風景は通勤の癒しにもなりますよ。
編集部 鎌田
気分転換の散歩コースにもぴったりですね!
堺市
緑道だけでなく、各地区の公園の整備にも力を入れています。泉北ニュータウン地域の堺市南区は住民1人当たりの公園面積が大阪府でトップクラスに大きいエリアです。駅からすぐ近くに大きな公園があり、毎週イベントが開催されています。また、誰でも利用できる図書館があったり、有料のデイキャンプスペースを完備している公園もあります。
参照:大蓮公園
編集部 鎌田
都心部からすぐ近くに自然を満喫できる場所があるのはとても良いですね。
堺市
公園以外にも田畑も多いので、農産物の生産も盛んです。堺市で採れた農産物を「堺のめぐみ」というブランド名とし、地産地消の促進や市外への認知に努めています。
堺市
葉物だと春菊や小松菜などの収穫が盛んです。果物だとレモンが有名で、「泉北レモン」としてレモネードや蜂蜜などをマルシェに出品しています。これらの地元の農産物は、ハーベストの丘にある「またきて菜」や各地の直売所で購入することができます。
編集部 鎌田
美味しそうですね...!見かけたら絶対に買いたいです!
これからの堺市・泉北ニュータウンでより一層取り組みたいこと
編集部 鎌田
これからの堺市・泉北ニュータウンではどのようなことに注力していく予定でしょうか?
堺市
特に泉北ニュータウン地域のPRに力を入れていきたいです。そのために、民間企業の皆さんと連携して様々なイベントを行う予定です。
編集部 鎌田
民間企業と連携すると幅広くPRができそうですね!
堺市
AIオンデマンドバスや電動サイクルもSENBOKUスマートシティコンソーシアムの枠組みの中で民間企業と連携して実現できた取り組みです。その他にも、「へるすまーと泉北」という地域特化型のヘルスケアアプリを南海電鉄さんがリリースしていたり、まだまだ広くPRしていきたい取組がたくさんあるんです。
参考:SENBOKUスマートシティコンソーシアムのホームページ
堺市
情報発信だけではなく体験型イベントも実施していく予定です。
編集部 鎌田
ワクワクしますね!これからも頑張ってください!
まとめ
今回は、大阪府堺市や泉北ニュータウンでの住みやすい街づくりに向けての取り組み内容をインタビューしました。
子育て支援では既に3つのゼロを達成していることや、スマートシティ化に向けたAI技術の導入など時代の変化に合わせた取り組みが多いことがわかりました。
また、緑道や公園の整備や地産地消の推進などを通じて、都心部でありながら自然を身近に感じられる街づくりをされている点も素敵だと感じました。
堺市のイベントなどはこちらを参考にしてみてください!
「堺市イベント情報」