これからハムスターを飼育する上で、「ハムスターも保険に入ったほうが良いの?」と疑問に感じる方が多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、ハムスターの治療費は犬や猫に比べれば割安ですが、それでも数万円以上の治療費がかかることも多いので、基本的にはペット保険に加入しておく必要性は高いといえます。
そこで本記事では、これからハムスターを飼育する方に向けて、ハムスターの代表的なケガと病気、平均寿命などからわかるペット保険の必要性について解説していきます。

- 小宮 崇之
- (株)コミヤ保険サービス代表取締役/損害保険プランナー
その上で、お金の面についてはペット保険があれば安心でしょう。ペットは飼い主を選べませんから、せめて飼い主の責任として、病気になったら適切な治療を受けさせてあげるべきです。大きな治療費がかかる場合、ペット保険がないと全額自己負担となるため、治療費の支払いができず治療ができない恐れが発生する危険があります。そうならないためにペット保険が必要なのです。
ハムスターは保険に入るべき?
冒頭でもお伝えしたとおり、ハムスターもペット保険に加入しておいたほうが、万一の病気やケガが発生したときでも安心です。
ペット保険とは、「ペットがケガや病気をしたときの治療費をカバーすることを目的とした保険」です。
犬や猫を対象としたペット保険が一般的ですが、数は少ないながらもハムスターが加入できるペット保険も存在しています。
基本的には犬や猫よりも治療費が安く済むハムスターですが、それでも数万円以上の治療費がかかるほか、症状が重い場合には高額な手術費用も必要です。
ハムスターは自分の弱った姿を隠そうとする習性があるため、病気やケガに気付いたときには重症化していることも少なくありません。
ハムスターが加入できるペット保険の保険料は、1ヶ月あたり数千円程度なので、万一の場合に備えてペット保険に加入しておいたほうが安心といえるでしょう。
ハムスターの代表的なケガと病気
ハムスターの保険加入を検討する上で、まずはどのような病気やケガがあるのかを知っておくことは非常に大切です。
ハムスターの代表的なケガと病気をまとめましたので、これから飼育する方や飼育し始めたばかりの人は参考にしてください。
ケガや病気 | 内容 |
---|---|
骨折 | ハムスターの骨がもろく折れやすいため、ケージや金網から落下した際に骨折してしまうことが多いです。 |
腫瘍 | 遺伝・食事環境・年齢などの要因から腫瘍を患うケースが多いです。 食欲不振や黄疸が見られる場合は外科的手術や投薬が必要です。 |
ニキビダニ | 人間を含むさまざまな動物の肌に付着しているダニの一種。 ハムスターの免疫力が低下すると脱毛症状が現れることが多いです。 |
ウェットテイル | ハムスターが下痢を起こして常にお尻からしっぽまでが濡れている状態を指します。 下痢が続くことで脱水症状を引き起こし、食欲不振、腸閉塞などで衰弱死する可能性がある危険な病気です。 |
不正咬合 (ふせいこうごう) |
ハムスターの歯が歪な形になったり伸びすぎたりすることで、食事ができなくなってしまう病気。定期的に歯を切るなどの治療法が必要です。 金網をかじることでなりやすい病気なので、金網で飼育している場合には、水槽型のケージに変えた方が良いでしょう。 |
頬袋脱 (ほおぶくろだつ) |
腫瘍や食べ物の刺激による粘膜の炎症が原因でハムスターの口内にある頬袋が口外にはみ出してしまう病気です。 ハムスターが自分で頬袋を戻してしまうため、病気に気付きにくいことが特徴。頬袋は切除されても再生するものの、時間が経つと治療が難しくなります。 |
頬袋の炎症・膿瘍 | 口内の頬袋が傷付くことで炎症を起こした状態です。 食べ物がとがっていたり、硬かったりすると発症することが多い病気です。 膿を出すために切開手術を行ったり、抗生物質を投与したりして治療を行います。 |
なお、アニコムどうぶつ白書(2022年度)を参照すると、ハムスターの疾患における請求割合は、皮膚疾患(10.8%)が最も多く、次いで全身性の疾患(9.1%)、眼の疾患(7.7%)となっています。
日頃から毛並みのケアをしたり、目や耳の汚れを掃除したり、お尻からしっぽまでが汚れていないかを確認することで、ハムスターの病気やケガを未然に防ぐことができます。
ハムスターの飼育でかかる治療費の目安と平均寿命
ハムスターの治療費は動物病院によってさまざまですが、おおまかな治療費の目安は次のとおりです。
ハムスターの飼育でかかる治療費の目安
- 初診料:950円~5,000円前後
- 検査料:500円~5,000円円前後
- 夜間診察料:3,000〜10,000円前後
- 手術費:5,000〜20,000円前後(手術が難しい場合は100,000円を超える場合も)
- 爪切り300円~2,000円前後
- 歯切り:3,000円程度
- 皮膚検査:2,000円程度
また、アニコムどうぶつ白書(2022年度)の調査によると、ハムスターの平均寿命は2歳となっています。
ハムスターも年齢を重ねることで免疫力が低下し、さまざまな病気やケガのリスクが高まります。
犬や猫に比べればハムスターの治療費は割安ですが、それでも1回の治療で数千円程度、場合によっては数万円以上の手術費用が必要です。

- 小宮 崇之
- (株)コミヤ保険サービス代表取締役/損害保険プランナー
病気になったら動物病院に連れていき、治療をしてあげましょう。犬や猫と同様に、ペット保険が無いと治療費は全額自己負担になりますので、安心して治療できるようにペット保険を備えておくとよいでしょう。
ハムスターが入れる「ペット保険」とは
ハムスターがかかりやすい病気やケガ、おおまかな治療方法、平均寿命について解説してきましたが、想像していたよりも治療費が高いことに驚いている人も多いのではないでしょうか。
そこで知っておきたいのが、ハムスターの治療費負担を緩和できる「ペット保険」の存在です。
ペット保険は、ペットの病気やケガで発生した医療費の一部を保険会社が補填してくれる保険商品です。
私たち「ヒト」には公的医療保険制度があるので医療費の3割負担で治療を受けられますが、ペットの場合は治療費の全額を自己負担で賄わなければなりません。
この項目で、ハムスターでも入れるペット保険の概要について学んでおきましょう。
補償内容
ペット保険の主な補償内容は、次のとおりです。
ペット保険の主な補償内容
- 通院費:ハムスターを動物病院に連れていった際の診療費、処方薬などを補償
- 入院費:ハムスターが入院をする際の費用を補償
- 手術代:ハムスターの手術費用や麻酔費用などを補償
なお、ハムスターの爪切りや歯切りは、保険を使用する上での「病気やケガ」には該当しないため、ペット保険に加入していても補償は適用されません。
また、ペットの健康診断の費用もペット保険で賄うことはできないので、ペット保険に加入してもこれらの費用負担は発生することになります。
加入方法
ハムスターのペット保険は、主に次の2通りの方法で加入することができます。
ハムスターのペット保険の加入方法
- ハムスターの購入店舗
- 保険会社のWebサイト
ハムスターを購入した店舗では、独自に用意しているペット保険に加入することができます。
それ以外には保険会社のWebサイトからペット保険に加入できますが、ハムスターが加入できるペット保険は数が少ないことが欠点です。
ペット保険への加入を検討している人は、ハムスターを購入した店舗で相談してから、他社のペット保険を比較するのが良いでしょう。
ハムスターが入るべきペット保険の選び方
ハムスターが入るべきペット保険の選び方は、次のとおりです。
ハムスターが入るべきペット保険の選び方
- そのペット保険がハムスターでも加入できる保険であるか
- 加入する際の設定年齢内にあてはまるか
- 入院・手術・通院の保障がどれくらいあるか
残念ながら、ハムスターが加入できるペット保険は2社程度しか存在しません。
そのため、基本的にはハムスターを購入した店舗で用意している独自のペット保険に加入するケースが大半です。
なお、ハムスターのペット保険は、プランや補償内容によって月々の保険料が大きく変動します。
自分自身がハムスターを飼育する上で、通院時・入院時・手術時のどの費用に対して備えておきたいのかを明確にしてから、比較検討するようにしてください。
まとめ
ハムスターは自分の弱った姿を隠そうとする習性があるため、気付いたときにはすでに重症化してしまっているケースも少なくありません。
通常の通院に加え、入院や手術が必要となれば、ハムスターの治療費も高額なものとなってしまいます。
ハムスターにはさまざまな病気やケガのリスクがあるので、万一の事態に備えてペット保険に加入しておくことをおすすめいたします。