終身保険とは?どんな人に向いている? 5つの種類や注意点も徹底解説

終身保険とは、加入者の死亡に伴う経済的リスクを一生涯にわたりカバーしてくれる保険です。

ただし、終身保険は保障内容や特徴をしっかりと確認し、自分に合っていると判断して加入しないと元本割れを起こしてしまうなど、損をする可能性もあります。

そこで今回は、終身保険の仕組みや加入するときのポイントについて詳しく解説していきます。

この記事を読んでいただくことで、自分に終身保険が適しているかどうかを判断する助けになるためぜひご一読ください。

終身保険とは

「終身保険」とは?
一生涯の死亡保障がある保険のことです。

契約が有効な間に、保障の対象である人がなくなると保険金が一括で支払われる仕組みで、解約したり、契約が失効したりしない限り保障が一生涯続くため満期はありません。

保険料の支払い方法には、以下3つの方法があります。

  • 有期払い:60歳や65歳など特定の年齢まで払い込みを終える支払方法
  • 終身払い:生涯にわたって保険料を払い続ける支払方法
  • 一時払い:契約時に保険料を一括で払い込む支払方法

また、契約してから一定期間が経過した後に解約することで、支払った保険料以上の解約返戻金を受け取れる場合があります。

そのため、計画的な貯金をする手段としても優れていますね。

終身保険のメリット・デメリット

終身保険には以下のようなメリット・デメリットがあります。

メリット デメリット
  • 貯蓄の手段としても利用できる
  • 保険料が生涯変わらない
  • 契約者貸付を利用しやすい
  • 早期で解約すると元本割れする
  • インフレリスクに対応できない
  • 保険料が割高

それぞれについて解説していきます。

終身保険のメリット

終身保険で受け取れる解約返戻金は貯蓄の手段としても利用でき、子供の進学資金やマイホーム購入の頭金などさまざまな用途に使えます。

また、終身保険の保険料は契約期間中ずっと変わらないので、更新型の生命保険のように更新時、保険金額を同額更新した場合によって保険料負担が増え、家計を圧迫するリスクがありません。

さらに終身保険は、掛け捨ての保険と比べて保険会社の規定によりますが契約者貸付も利用しやすいです。

「契約者貸付」とは?
保険の契約者が解約返戻金の範囲内(保険会社の規定による)で、保険会社からお金を貸してもらえる制度のことです。

なお、契約者貸付制度に適用される金利は保険会社や保険金額によって多少変動しますが、カードローンといった金融商品に比べて金利が低くなっているケースがあります。

終身保険のデメリット

終身保険のデメリットは、契約から短期間で解約すると解約返戻金が支払った保険料の総額を下回り、元本割れする可能性があるので、貯蓄目的での加入にはあまり向いていません。

加えて、終身保険の保険金は、契約の時点で金額が固定されるためインフレに弱い点にも注意が必要です。

「インフレ」とは?
将来の物価があがり貨幣の価値が下がること。

終身保険は、加入期間が長期に渡ることが多いため、保険金や解約返戻金を受け取るときにインフレが起きていると、受け取ったお金の価値も目減りしている可能性があります。

保険料には解約返戻金があるため、同額の保険金額の定期保険よりも割高になります。

終身保険が向いている人

終身保険への加入がおすすめな人

  • 葬儀費用を用意したい
  • 万が一のときに遺族の生活保障
  • 相続税対策
  • 老後資金
  • 子供の教育資金

「保険に加入したいけれども終身保険が自分に合っているか分からない」という方は、ご自身に当てはまるものがないか、確認してみてください。

葬儀費用を用意したい

葬儀費用は、自分が亡くなったときに高い確率で必要となる費用で、金額も100〜200万円ほどが相場です。

また、お墓を自分で購入する必要がある場合は、お墓代も準備しなければなりません。

終身保険であれば、200〜300万円の死亡保障を生涯にわたって得られるため、葬儀費用を準備する手段に適していますね。

万が一のときに遺族の生活保障

終身保険の保険金は、残された家族が生活していくための費用として遺族年金や配偶者の収入と合わせて貴重な資金源となります。

ただし、終身保険だけでは遺族の生活費の全てを準備することは難しく、特に子どもが小さい場合、遺族の必要生活費は数千万円になることも多いです。

巨額な死亡保障を全て終身保険で準備しようとすると、保険料負担がかなり高額となります。

例えば、必要に応じた定期保険や収入保障保険など、手頃な保険料で手厚い死亡保障が得られる保険と組み合わせると家計の負担を抑えられます。

相続税対策

保有資産が多く、死亡した時に多くの相続税が課せられる可能性がある場合は、資産の一部で終身保険に加入すると相続税の負担を軽減できます。

なぜなら、生命保険の死亡保険金には非課税枠があり、相続税の負担が軽減されるからです。生命保険の死亡保険金は「500万円×法定相続人の数」まで非課税となります。

例えば、法定相続人が配偶者と子供2人の計3人である場合、1,500万円(500万円×3人)まで相続税が課税されません。

「できるだけ相続税の額を少なくして、残された家族の負担を減らしてあげたい」
という方は、終身保険を活用すると良いでしょう。

老後資金

老後に受け取ることのできる老齢年金や、退職金は年々減少傾向にあるため、自分自身で老後資金を貯める必要性の高い時代です。

終身保険に加入し老後に解約することで、解約返戻金を老後資金として活用でき、老後の生活がより豊かになりますね。

子供の教育資金

終身保険の解約返戻金が、子供が進学するタイミングで解約しても元本割れを起こさない場合は、解約して子供の進学資金に充てることもできます。

特に、大学の進学資金は入学費用と初年度の授業料で200〜300万円になることもあり、とても高額です。

終身保険の解約返戻金を進学資金に充てることで、進学資金が高額になっても安心してお子さんを進学させてあげられます。

終身保険の種類

終身保険には5つの種類があり、それぞれ仕組みや性質が異なります。

次項でそれぞれについて詳しくご紹介しますので、特徴を理解して自分に合ったものを選んでみてください。  

終身保険

終身保険は、最もスタンダードなもので、保険料を日本円で支払い保険金や解約返戻金も円で受け取るためシンプルで理解しやすいです。

終身保険は、以前は退職金の預け先など資産運用の手段として人気のある保険でした。

しかし、2019年12月時点で終身保険は、保険料がひと昔前のものと比較して値上がりしているだけでなく、販売自体を停止している保険会社もあります。

保険会社が終身保険のような貯蓄性の保険を販売していくためには、保険の契約者から預かった保険料を運用して殖やさなければなりませんが、現在の日本は、歴史的な低金利であるため、保険会社も運用が困難になっています。

そこで販売されているのが、次にご紹介する低解約返戻金型終身保険です。

低解約返戻金型終身保険

「低解約返戻金型終身保険」とは?
保険料を支払っている期間中の解約返戻金を抑えることで毎月の保険料を安くしている終身保険です。

保険料の払い込み期間中に解約すると、確実に元本割れします。

保険料の払い込みが終わってから解約すると支払った保険料よりも多くの解約返戻金を受け取れるため、老後資金の確保など長期的な貯蓄手段して活用が可能です。

また、子どもが大学に進学する前に低解約返戻金型終身保険の保険料の払い込み終えておき、進学時に解約返戻金を受け取ることで、学資保険の代わりとしても利用できます。

簡単に解約しないという意思が強い方や、分かりやすい内容の終身保険に加入したい方におすすめですね。

変額保険(終身型)

「変額保険(終身型)」とは?
保険料の運用方法を契約者が指定するタイプの終身保険です。

通常の終身保険は、保険料を保険会社が債券などで運用して増やしていきます。

しかし、変額保険(終身型)はいくつか準備されている特別勘定の中から、保険契約者が運用先を選んで保険料を運用していくので、リスクは保険契約者が負うことに。

運用が好調だと保険金や解約返戻金の額が増えますが低調だと元本割れしてしまう点に注意しましょう。

ただし、死亡保険金には最低保証金額が設定されていることがあり、運用の成果がマイナスでも最低保証金額は下回らない仕組みです。

「投資や運用をしながら死亡保険金始めてみたい」と考えている人におすすめの保険です。

積立利率変動型終身保険

「積立利率変動型終身保険」とは?
契約後も積立利率が市場の状況に応じて変動し、それにあわせて将来受け取れる保険金や解約返戻金も変動する終身保険です。

通常の終身保険は契約時に積立利率(予定利率)が固定されます。そのため、景気や金利が変化しても積立利率は変動せず、保険金や解約返戻金の額も変わりません。

積立利率変動型終身保険であれば状況に応じて積立利率が変わりますので、景気が良くなったり金利が高くなったりすると、積立利率が上昇し保険金や解約返戻金の額が増えますが、一方では将来受け取れる保険金や解約返戻金の額が契約時に確定しません。

また、積立利率変動型終身保険のほぼ全てが、この後ご紹介する外貨建てであるため、仕組みが複雑になる点にも注意が必要です。

その点を踏まえ、仕組みやリスクをしっかり理解できる人にとって、おすすめできる終身保険といえます。

外貨建て

「外貨建て終身保険」とは?
契約者が支払った保険料を保険会社が米ドルや豪ドルに交換して運用する終身保険のことです。

アメリカやオーストラリアは、日本よりも金利が高いため、米ドルや豪ドルなどの外貨で運用すると、円で運用した時よりも保険料を効率良く殖やせる可能性があります。

ただし、外貨建て終身保険は為替リスクに注意が必要です。

「為替リスク」とは?
保険料の支払い時に円をドルに交換した時と、保険金・解約返戻金の受取時にドルを円に交換する時の為替レートの差により、利益や損失が発生することです。

仮に、保険金を受け取る時が円高ドル安になっていると、運用によりお金が殖えていたとしても、損失が発生することがあります。

「米ドルや豪ドルなどの外貨で運用し、為替リスクを理解したうえでお金を殖やしたい」という方におすすめの終身保険ですね。

【注意】終身保険の解約は元本割れ損しないタイミングを確認する

ここでは終身保険の最も注意すべき点である、解約のタイミングについてお伝えします。

まず、終身保険に加入するときは、解約返戻金が元本割れしなくなるタイミングを確認したうえでの加入が大切です。

終身保険が元本割れしなくなるタイミングは、終身保険の種類などによって異なります。

そのため、終身保険への加入を検討するときは、保険の設計書などに記載されている解約返戻金のシミュレーションを入念に確認しましょう。

終身保険の加入期間は長期間にわたる場合があります。加入している間に急にまとまったお金が必要になったり、収入の減少により保険料の支払いが難しくなったりする可能性も考えられるでしょう。

終身保険の解約返戻金が元本割れするタイミングを確認しておくことで、「このときは子どもの進学でまとまったお金が必要になる可能性が高いけど、この終身保険を解約すると元本割れするから加入をやめておこう」といった判断が可能です。

また終身保険を解約するときも、

  • 「あと少しで元本割れしたくなるから解約するのは少し待とう」
  • 「今解約しても元本割れが起きないから大丈夫だ」

という判断ができます。  

解約返戻金は課税対象になる

仮に元本割れしないタイミングで終身保険を解約したとしても、解約返戻金に対して税金の支払が必要な場合があります。

解約返戻金は一定金額を超えると一時所得とみなされて所得税の課税対象となります。

一時所得を求める計算式は、以下の計算式です。

  • 一時所得=受け取った解約返戻金の額 - 払込保険料総額 - 50万円(特別控除額)

つまり、解約返戻金の額から払い込んだ保険料の合計を引いて50万円より多い場合は、一時所得となり、そのうちの1/2の金額が他の所得と合算されて総合課税の対象です。

例えば、解約返戻金の額が300万円、払込保険料総額が240万円の場合の、一時所得と課税対象額は以下の通りです。

  • 一時所得 =300万円 - 240万円 - 50万円 =10万円
  • 課税対象額 =10万円 × 1/2 =5万円

逆をいえば、解約返戻金と保険料総額の差が50万円以内であれば課税されません。

終身保険を解約するときは、解約返戻金と保険料総額の差に注目して、税金がかかるかどうかも確認してから解約するのが望ましいですね。

まとめ

今回は、終身保険について解説しました。この記事の要点は以下の4点です。

  • 終身保険は一生涯の死亡保障を得られる保険
  • 契約から一定期間経過後に解約した場合、支払った保険料の総額以上の解約返戻金を受け取れ、貯蓄の手段として利用できる
  • 終身保険には、自らの葬儀費用や残された家族の生活費の確保、相続税対策などさまざまな活用方法がある
  • 終身保険には「低解約返戻金型終身保険」や「外貨建て終身保険」などさまざまな種類があり、それぞれ特徴や注意点が異なる
  • 終身保険で解約返戻金を受け取るときは、元本割れや所得税に注意する

終身保険は、さまざまな可能性を秘めた保険ですので、多種多様な方法で活用できます。

しかし、最も大事なことは加入する目的を明確にしたうえで終身保険に加入することです。

  • 「万が一のときの費用を確保したい」
  • 「保障を持ちつつ、お金を積極的に増やしていきたい」

といった加入目的を明確に決めて、自分に合った終身保険を探してみてください。

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