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更新:2020.07.01 公開:2020.06.22

変額保険とは?投資信託との違いや選べる保険の種類について解説します

変額保険とは?投資信託との違いや選べる保険の種類について解説します

変額保険とは

変額保険は、資産運用の実績に応じて将来的に受け取る保険金や解約返戻金が増減する保険のことです。

保険会社は契約者に払い込まれた保険料を「特別勘定」にて資産運用を行い、その運用実績に応じた保険金が契約者に支払われます。

一般的な保険商品に比べて投資性が非常に高いことが特徴で、解約返戻金などは運用実績によって増減する一方で、死亡保険金額には最低保証が設けられています。

また、運用実績によって払い込んだ保険料以上の保険金を受け取れる可能性があり、通常の保険に比べて毎月の保険料が割安に設定されているというメリットがあります。

その一方で、運用結果によっては元本割れを起こすリスクがあり、投資を行う上で様々なコストがかかることから、資産運用を目的として考えた場合には運用効率が悪くなる可能性も考えられます。

これらの特徴から、保険としての保障を備えつつ資産運用を行いたいと考えている人に向いているのが変額保険です。

一般勘定と特別勘定

一般勘定と特別勘定においての契約者への影響の違い

保険会社は、契約者に払い込まれた保険料の一部を「一般勘定」と「特別勘定」のどちらかに分類して資産運用を行います。

一般勘定と特別勘定では以下のような違いがあるので、変額保険を検討する場合はその違いをしっかりと理解しましょう。

一般勘定と特別勘定の違い
一般勘定 特別勘定
予定利率 ある ない
元本保証 ある ない
運用方法 主に国債 投資信託(株式、世界株式、債権など)
運用責任の帰属 保険会社 契約者(自分)
代表的な保険 終身保険、養老保険など 変額保険、変額年金保険など

一般勘定に分類される保険(終身保険や養老保険など)では、予定利率(運用利回り)が保証されており、主に国債で運用が行われます。

予定利率が保証されているので、仮に資産運用に失敗したとしてもその責任は保険会社が負うことになり、加入時に決めた保険金や解約返戻金の受け取りには影響が出ないことが特徴です。

ただし、現在の日本では低金利が続いていることから予定利率も低めに設定されており、大きな運用益が見込めず、将来的にインフレが起きた場合に対応できないというデメリットがあります。

一方の特別勘定に分類される保険(変額保険など)は、資産運用の結果によって将来的に受け取れる保険金や解約返戻金が増減します。

投資対象は株式や世界株式、債権などの金融商品が主で、これらは世界情勢や経済的な影響を受けることから非常に投資性が高い保険であるといえます。

なお、特別勘定に分類される場合の運用責任は契約者にあり、資産運用に失敗した場合は将来的に受け取れる保険金や解約返戻金が払い込んだ保険料を下回る可能性があります。

変額保険の種類

変額保険には、大きく分けて3つの種類があります。

変額保険の種類

それぞれの項目について解説していきます。

終身型

変額保険(終身型)の仕組み

終身型は、死亡保障が一生涯続くタイプの変額保険です。

運用の実績に応じて死亡保険金額や解約返戻金は増減しますが、死亡保障額については最低保証が設けられているため、保険加入時に決めた金額を下回ることはありません。

解約返戻金については最低保証がないため、資産運用の実績によっては払い込んだ保険料の総額を下回る可能性があります。

有期型

変額保険(有期型)の仕組み

有期型は、あらかじめ保障期間が決まっているタイプの変額保険です。

運用実績に応じて死亡保険金額や満期を迎えた際の満期保険金の金額が変動します。

終身型と同様に死亡保険額には最低保証が設けられていますが、解約時返戻金や満期保険金には最低保証がないため、元本割れのリスクがあります。

また、契約期間が決まっていることから満期を迎えれば保障期間も終了となります。

年金型

変額個人年金保険の仕組み

年金型は、保険加入時に決めた年齢に達した場合に、年金という形で保険金が受け取れるタイプの変額保険です。

年金として受け取る保険金は、資産運用の実績によって変動します。

死亡保険金額に最低保証が設けられている点や、解約返戻金や満期保険金が保証されていない点は終身型や有期型と同様です。

なお、年金型の変額保険の資産運用先は保険商品によって様々なタイプがあります。

加入者自身が運用先を自由に選べるタイプや、運用結果によって自動的に変更されるタイプなどがあるので、契約する際に運用方法についてよく確認しましょう。

変額保険と投資信託の違い

投資性が高い変額保険は、しばしば「投資信託」と比較されることが多いです。

投資信託とは
複数の投資家から集めた資金を元手に運用会社(ファンドマネージャー)が投資を行い、その運用実績によって利益を受け取る金融商品のこと

これらが比較される理由は、変額保険が「払い込まれた保険料の一部」、投資信託が「複数の投資家から集めた資金」を元手として資産運用を行うことから、仕組みとしてはほぼ同じであるためです。

ただし、変額保険と投資信託には「保障の有無」といった根本的な違いがあります。

変額保険は、「保険商品」という特性から、保険加入期間中に万一のことがあった場合には死亡保障が適用されます。

保障を備えつつ、将来的に受け取れる満期保険金や解約返戻金が増える可能性があるという点が大きなメリットです。

一方の投資信託は、資産を増やすことを目的とした「投資手段」であり、変額保険のような保障機能は付帯していません。

ただし、変額保険では保険契約関係費や資産運用関係費など諸々のコストが余分にかかるため、運用効率の面でいえば投資信託に軍配が上がります。

これらのことから、生命保険や養老保険などに加入していない人は「変額保険」、すでに何らかの保険に加入していて効率良く資産運用をしたい人は「投資信託」を選ぶのが良いでしょう。

変額保険のメリット・デメリット

変額保険のメリットとデメリットは以下の通りです。

それぞれのメリットとデメリットをしっかりと理解した上で、変額保険への加入を検討しましょう。

メリット1.インフレ対策になる

インフレの場合とデフレの場合の「お金・モノ」の価値の違い

変額保険は、インフレ対策になることが最大の特徴です。

一般的な保険商品(定額保険)は、インフレによって物価が上昇し、相対的にお金の価値が下がっても、将来的に受け取れる保険金の金額は決まっています。

たとえば、加入時に決められた保険金が100万円と仮定した場合、現在では100円の飲み物を1万個買える価値がありますが、将来的にインフレが起きて飲み物の価値が200円になってしまうと5,000個しか買えなくなってしまいます。

物の価値が上がった状態は、相対的にお金の価値が下がった状態とも言えるので、将来的に受け取れる金額が決まっていると、インフレが起きた場合に資産価値が目減りしてしまう可能性があります。

一方の変額保険は、インフレが起こった場合でも運用実績によって将来的に受け取れる保険金が増える可能性があるため、インフレ対策の資産運用として有効とされています。

ただし、特別勘定に分類される保険の運用責任は契約者本人にあるため、運用に失敗した場合は受け取れる保険金や解約返戻金が払い込んだ保険料を下回る可能性がある点には注意が必要です。

メリット2.最低保証がある(死亡保険の場合)

変額保険は、資産運用の実績によって満期保険金や解約返戻金が増減します。

同様に、死亡保険額においても運用実績によって金額が増減しますが、保険加入時に決めた最低保証額を下回ることはありません。

そのため、万一の場合に備える「保険」としての機能が期待でき、運用実績によっては大きな利益を得られる可能性があります。

比較されることが多い投資信託には保険としての機能が付帯していないので、生命保険などに加入しておらず、資産運用をしたい人には変額保険が向いています。

メリット3.一般的な保険に比べて保険料が安い

変額保険は、一般的な保険に比べて保険料が安いことがメリットです。

変額保険の保険料は、同じ保障額の定額保険と比較すると月々の保険料が1〜2割ほど安いことが大半です。

保険契約は長期的に加入する人が多いので、毎月の保険料を安く抑えつつ最低限の死亡保障を備えられるのは大きなメリットといえるでしょう。

デメリット1.途中解約すると元本割れのリスクがある

解約返戻金が支払い保険料を下回る時に元本割れを起こす

変額保険を解約する際に支払われる解約返戻金は、保険期間中に解約すると、払い込んだ保険料の総額を下回り、元本割れを起こすというリスクがあります。

もともと解約返戻金は、保険商品ごとに決められた解約返戻率を元にして計算された金額が支払われます。

満期を迎える前に解約した場合、払い込んだ保険料(積立金)の一部が解約返戻金として支払われるので、元本割れを起こす原因となります。

変額保険は投資性が高い保険商品であることから長期的に運用を行わなければ大きな利益を得ることができません。

また、満期保険金や解約返戻金には最低保証がないため、変額保険に加入する場合は基本的に満期を迎えるまでは解約しないようにしましょう。

デメリット2.投資信託に比べるとコストは割高

変額保険は、払い込んだ保険料の一部が保険契約の締結や維持、死亡保障などの費用に充てられます。

また、契約した後でも定期的に費用が控除されるため、投資信託に比べてコストが割高です。

変額保険で契約者が負担することになる費用一例

  • 保険契約関係費:契約時の初期費用・保険期間中や年金受け取り期間中の費用・新契約の締結・維持・管理費など
  • 資産運用関係費:投資信託の信託報酬や信託事務の諸費用など
  • 解約控除:契約日から数えて一定期間内における解約の場合に、積立金から控除される金額

変額保険に加入する場合はこれらのコストが必要となります。

そのため、純粋な資産運用を目的とするのであれば、変額保険ではなく投資信託を活用した方が運用効率は高いといえます。

変額保険が向いている人

変額保険が向いている人の特徴は以下の通りです。

変額保険が向いている人

  • 保険で資産運用がしたい人
  • 元本保証されつつ、死亡保障もほしい人
  • 長期運用が可能な人
  • 投資信託のように、自分でファンドを選択するのが難しい人

変額保険は、万一の場合の保障を備えつつ、将来的に受け取れる保険金が増える可能性がある保険商品です。

運用実績によって満期保険金や解約返戻金は増減しますが、たとえ運用に失敗した場合でも保険加入時に決めた死亡保険金額を下回ることはありません。

また、一般的な保険に比べて保険料が安いことから、保険料を抑えながら資産運用をしたいという人に向いています。

なお、途中で解約すると払い込んだ保険料を下回る金額の解約返戻金しか受け取れないため、長期的な運用が可能な人でなければリスクがあるといえます。

逆に、変額保険では様々な諸費用が発生するため、投資信託に比べて運用効率はよくありません。

純粋な資産運用を目的とするならば、変額保険ではなく投資信託を選ぶのが良いでしょう。

まとめ

変額保険は、保険会社の運用実績に応じて将来的に受け取る保険金や解約返戻金が増減する保険のことです。

払い込まれた保険料を保険会社が特別勘定にて資産運用を行い、その運用実績に応じた保険金を契約者が受け取ることから、一般的な保険商品に比べて投資性が高いことが特徴です。

変額保険には大きく分けて「<h3>終身型</h3>」「<h3>有期型</h3>」「<h3>年金型</h3>」の3種類が存在し、全体を通して以下のようなメリットとデメリットがあります。

一般的な保険に比べて保険料が安く、運用実績によっては将来的に受け取れる保険金が増える可能性があることが魅力の一つです。

その一方で、保険期間の途中で解約すると元本割れを起こすリスクがあったり、様々なコストが必要だったりと注意点もあります。

これらのメリットとデメリットをしっかりと理解した上で変額保険をご検討ください。

この記事の執筆者
中村 翔也
携帯代理店法人部門にて営業職として2年半勤務後、2017年12月よりwebライターとして独立。通信ジャンルをメインに金融系、保険記事を毎月30本以上執筆。
この記事の監修者
石田 直樹
所有資格
AFP資格、TLC(生保協会認定FP)資格
ソニー生命、東京海上日動あんしん生命保険、保険代理店等、保険業界を28年間勤務。支社長や管理職を経験、200回以上のセミナーや研修講師の登壇経験あり。その知識を活かし、もっと多くの人に保険の必要性を正しく理解してもらいたい!という思いを胸に、ナビナビ保険の事業立ち上げメンバーとして異業種のIT企業に転職し、現在に至る。
この記事の編集者
ナビナビ保険編集部
ナビナビ保険編集部は「どこよりも分かりやすい保険情報を届けること」をコンセプトにコンテンツの配信を行っています。

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