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更新:2020.10.22 公開:2020.10.14

遺言書の書き方は?作成時の注意点や法的効力の範囲を解説

遺言書の書き方は?作成時の注意点や法的効力の範囲を解説

遺言書とは?遺言書の意味

遺言書は、死後に自分の財産をどのように分配するかを示す書類のことです。

遺言書がない場合には、民法で定められた「法定相続人」が、同じく民法で定められた「法定相続分」をもとにして「遺産分割協議」を行って遺産相続を行うことになります。

ですが、この遺産分割協議は法定相続人全員の同意を得ないと終わらないため、その財産をめぐって家族内でトラブルが発生することも少なくありません。

裁判所ホームページによると、遺産相続に関する裁判は平成30年度で13,040件も発生しており、ここ10年間での裁判件数は増加傾向にあることがわかっています。

参考:司法統計年報家事事件編(平成30年度)|裁判所ホームページ

遺言書を作成しておけば遺産の相続割合を自分で決めることができるので、家族間のトラブルを防ぐことができるかもしれません

ただし、遺言書は民法で定められた規定の方式に則って作成しなければ法的効力を持たず、また遺言書を開封する際にもいくつかの注意点があります。

そこでこの記事では、遺言書の書き方や作成時の注意点、遺言書の持つ法的効力の範囲をわかりやすく解説していくので、参考にしてください。

遺言書と遺書の違い

自分の死後、家族に向けてのメッセージを残す方法として、遺言書のほかに「遺書」があります。

遺言書は上述の通り「相続財産の分配方法」を記載するのに対し、遺書は「死ぬ間際の自分の考えや気持ち」を記載する手紙のことです。

また、遺言書は民法で定められた形式に則って作成することで法的効力を持つようになりますが、遺書にはそのような機能が一切付いていないなどの違いもあります。

似たような言葉なので混同されがちですが、これらはまったくの別物として存在するものなので間違えないように気をつけましょう

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遺言書の種類

遺言書は、大きく分けると「普通方式遺言」と「特別方式遺言」の2種類があります。

また、それぞれの方式には様々な形式の遺言書が存在し、それぞれで作成方法が異なります。

遺言書の種類
普通方式遺言特別方式遺言
特徴一般的な遺言書の形式病気や事故などの理由から死が目前に迫っている場合などの特別な状況下で活用できる遺言形式。
普通の方式によって遺言ができない状況になった時から6か月間生存する場合は効力を生じなくなる。
参照:民法第983条|特別の方式による遺言の効力
遺言書の種類

一般的な遺言書の作成方法は、基本的に「普通方式遺言」の3種類のうち、いずれかの方法を選ぶことになります

具体的な書き方については後述するので、この章では各遺言書の特徴を見ていきましょう。

【普通方式遺言】自筆証書遺言

自筆証書遺言は、遺言を残す人が紙とペンを用意して自筆で作成する形式の遺言書です。

手続きを行う必要がないので最も手軽に利用できる形式ですが、民法第968条によって定められた内容に則って全文を自筆で作成しなければなりません。

第九百六十八条 自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、自筆証書にこれと一体のものとして相続財産(第九百六十八条第一項に規定する場合における同項に規定する権利を含む)の全部又は一部の目録を添付する場合には、その目録については、自書することを要しない。この場合において、遺言書は、その目録の毎葉(自書によらない記載がその両面にある場合にあっては、その両面)に署名し、印を押さなければならない。 3 自筆証書(前項の目録を含む)中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。

自筆証書遺言 から引用

自筆証書遺言は特別な手続きを行うことなく利用できる形式なので、時間や手間がかからないことがメリットです。

また、遺言書を書いたことを他人に伝える必要がないので、遺言の内容が事前に漏れてしまうといったこともありません。

ただし、自筆で作成することから偽造や隠蔽、内容の変造といったリスクがあることに加え、専門家によるチェックを受けていないと、いざという時に不備が見つかり遺言書としての役割を果たせないことも考えられます。

特に注意しておきたいことが、パソコンで作成した場合は一切の法的効力が認められないという点です。

自筆証書遺言を作成する場合は、必ず全文を自筆で作成しなければならないと覚えておきましょう。

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【普通方式遺言】公正証書遺言

公正証書遺言は、2人以上の公証人の立ち会いのもとで作成する遺言書です。

第九百六十九条 公正証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。 一 証人二人以上の立会いがあること。 二 遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること。 三 公証人が、遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、又は閲覧させること。 四 遺言者及び証人が、筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名し、印を押すこと。ただし、遺言者が署名することができない場合は、公証人がその事由を付記して、署名に代えることができる。 五 公証人が、その証書は前各号に掲げる方式に従って作ったものである旨を付記して、これに署名し、印を押すこと。

公正証書遺言 から引用

遺言者が実印と印鑑証明書を持参して公証役場まで行き、その場で公証人が遺言者から遺言内容を聴き取って作成することになります。

完成した遺言書は公証人役場で厳重に保管されるので、偽造や隠蔽といったリスクが低く、記載内容を実現しやすいことが特徴です。

その一方、公正証書遺言を作成するには相続財産の価額に応じた手数料が発生し、その金額は数千円から数十万円と多岐にわたります

また、公証役場にて申請手続きを行った上で作成するため、3種類の普通方式遺言の中で最も時間と手間がかかる形式といえます。

【普通方式遺言】秘密証書遺言

秘密証書遺言は、遺言者が用意済みの遺言書を公証役場に持ち込んで、遺言書の存在を保証してもらう形式の遺言書です。

あくまで遺言書の存在を保証してもらう形式なので、秘密証書遺言として手続きを行ったあとはその遺言書を自分で保管しなければなりません

第九百七十条 秘密証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。 一 遺言者が、その証書に署名し、印を押すこと。 二 遺言者が、その証書を封じ、証書に用いた印象を持ってこれに封印すること。 三 遺言者が、公証人一人及び承認二人以上の前に封書を提出して、自己の遺言書である旨並びにその筆者の氏名及び住所を申述すること。 四 公証人が、その証書を提出した日付及び遺言者の申述を封紙に記載した後、遺言者及び証人とともにこれに署名し、印を押すこと。

秘密証書遺言 から引用

公証役場に持ち込む遺言書の条件は比較的ゆるく、自筆証書遺言とは異なり署名と押印だけ自分で行う以外はパソコンでの作成や他の人の代筆が認められています。

すでに作成済みの遺言書を持ち込むという性質上、遺言の内容を公証人や証人に公開する必要がないので、自身の遺言の内容を誰にも知られたくないという場合に用いられる形式です。

ただし、遺言書の内容に不備があった場合は法的効力が認められないため、自筆証書遺言と同様に最新の注意を払って作成しなければなりません

また、秘密証書遺言の手続きを行う際には手数料として11,000円が発生するので、場合によっては公正証書遺言よりも費用が高額になってしまうことがあります。

基本的には公正証書遺言のほうが費用はかからず、遺言書の保管などの安心感もあるので、よほどの理由がない限りは秘密証書遺言ではなく公正証書遺言で遺言書を作成することをおすすめします

【特別方式遺言】一般臨終遺言

一般臨終遺言は、疾病やその他の事由によって死が目前に迫っている状況下で行う遺言形式です。

3人以上の証人が立ち会いのもと、遺言者の口述を筆記することで遺言書としての効力が得られるようになります

なお、一般臨終遺言の場合は遺言者の自筆である必要はなく、証人による書面作成と署名、押印があれば認められます。

ただし、一般臨終遺言によって作成した遺言書は、作成日から20日以内に裁判所で確認請求をしないと無効になってしまうので気をつけましょう

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【特別方式遺言】難船臨終遺言

難船臨終遺言は、船舶や飛行機の遭難・難航が原因で死が目前に迫っている状況下で行う遺言形式です。

2人以上の証人の立ち会いのもと、遺言者の口述を筆記することで遺言書としての効力が得られるようになります。

一般臨終遺言とは異なり作成日から20日以内といった制限はありませんが、裁判所で確認請求を行う必要はあるので速やかに手続きを行わなければなりません

【特別方式遺言】一般隔絶地遺言

一般隔絶地遺言は、伝染病での隔離または刑務所に服役していて自由に行動ができない状況下で行う遺言形式です。

死の直前である必要はありませんが、警察官1人と証人1人以上の立ち会いのもとで、遺言者本人が遺言書を作成する必要があります

一般隔絶地遺言による遺言書作成は代筆が認められておらず、警察官と証人それぞれの署名と押印が必須となります。

【特別方式遺言】船舶隔絶地遺言

船舶隔絶地遺言は、難航の恐れがない船舶の中で遺言書を作成する場合に利用できる遺言形式です。

船長または乗組員1人と証人2人以上の立ち会いのもとで、遺言者本人が遺言書を作成する必要があります

また、船長または乗組員、証人それぞれの署名と押印が必要です。

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遺言書における法的効力の範囲

民法によって定められた形式に則って作成した遺言書は、以下の7つの範囲で法的効力が認められています。

遺言書の記載内容はどのような状況下でも必ず優先されるもののように見られがちですが、実際にはできることとできないことが明確に分かれています

遺言書における7つの法的効力の範囲を理解した上で作成するようにしましょう。

1.相続分の指定

遺言書を作成することで、民法で定められている「法定相続分」を無視して財産の相続分を自由に指定することができます

第九百二条 被相続人は、前二条の規定にかかわらず、遺言で、共同相続人の相続分を定め、又はこれを定めることを第三者に委託することができる。 2 被相続人が共同相続人中の一人若しくは数人の相続分のみを定め、又はこれを第三者に定めさせた時は、他の共同相続人の相続分は、前二条の規定により定める。

遺言による相続分の指定 から引用

たとえば、配偶者1人、子どもが2人いる場合の法定相続分は以下の通りになります。

法定相続分の例:配偶者1人、子ども2人の場合

  • 配偶者:全財産の2分の1
  • 子どもA:全財産の4分の1
  • 子どもB:全財産の4分の1

遺言書を作成することで、上記の法定相続分を無視して自由に相続分を決められるので、たとえば配偶者に2/3の財産を相続させ、残りを子どもで均等に相続させるといったことが可能です。

2.遺産分割方法の指定と分割の禁止

遺言者は、遺言によって遺産の分割方法を指定、または第三者に遺産分割方法を決めさせることができます

また、相続開始から5年を超えない範囲内であれば、指定した期間中の遺産分割を禁止することも可能です。

遺産の分割の方法の指定及び遺産の分割の禁止 第九百八条 被相続人は、遺言で、遺産の分割の方法を定め、若しくはこれを定めることを第三者に委託し、又は相続開始の時から五年を超えない期間を定めて、遺産の分割を禁ずることができる。

遺産の分割の方法の指定及び遺産の分割の禁止 から引用

3.相続財産の処分(遺贈)

被相続人は、遺言書を作成することで本来であれば法定相続人とならない第三者や団体に対して、相続財産を遺贈することができます

お世話になった人や団体を指定して財産を遺贈できますが、遺贈される人(受遺者)は被相続人が死亡した時に生存していることが条件となっています。

胎児であっても受遺者としての資格が認められているので、胎児が無事に出生すれば受遺者として財産の遺贈を受けることが可能です。

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4.相続人の廃除、または排除の取り消し

被相続人は、遺言書をもって特定人物の相続権の排除、または廃除の取り消しを指定できます

第八百九十三条 被相続人が遺言で推定相続人を排除する意思を表示した時は、遺言執行者は、その遺言が効力を生じた後、遅滞なく、その推定相続人の排除を家庭裁判所に請求しなければならない。この場合において、その推定相続人の廃除は、被相続人の死亡の時にさかのぼってその効力を生ずる。

遺言による推定相続人の廃除 から引用

第八百九十一条 次に掲げる者は、相続人となることができない。 一 故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にあるものを死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者。 二 被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者。ただし、その者に是非の弁別がない時、又は殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族であった時は、この限りではない。 三 詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、又は変更することを妨げた者。 四 詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、又は変更させた者。 五 相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者。

相続人の欠格事由 から引用

たとえば、相続する予定の人から被相続人への虐待、重大な侮辱、その他の著しい非行といった理由(相続人の欠格事由)がある場合に相続権を消失させることが可能です。

5.内縁の妻と子の認知

被相続人に内縁の妻または子ども(いわゆる隠し子)がいる場合、遺言書でこれを認知することができます

遺言で認知することで、配偶者や正式な自分の子供として相続人に加えられるようになります。

6.遺言執行者の指定、または指定の委任

被相続人は、遺言書によって遺言執行者の指定または第三者に指定を委任することができます

遺言執行者は、遺産相続を行うにあたって相続財産の名義変更や諸々の手続きが発生した場合に、被相続人に代わって手続きを行うことができる人のことです。

たとえば、預貯金の名義変更や土地の登記変更などの事務手続きを行う際に有効となります。

7.後見人、後見監督人の指定

被相続人は、遺言書によって後見人と後見監督人を指定することができます

それぞれの言葉の意味は以下のとおりです。

「後見人」とは?
判断能力が不十分と考えられる人を補佐する人。未成年者の財産管理等を行う人。
「後見監督人」とは?
後見人が行う事務を監督するために、家庭裁判所で専任された人

たとえば、被相続人に未成年の子どもがいて、自分が死亡することで親権者が不在になるような場合に有効となります。

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遺言書の書き方

この章では、一般的に用いられることが多い「自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言」の詳しい書き方についてご紹介していきます。

自筆証書遺言書の書き方

自筆証書遺言を作成する場合、大前提としてすべての項目を自筆する必要があります

平成31年に実施された法改正で、遺言書に添付する目録についてはパソコンなどで作成しても良くなりましたが、それ以外の項目はすべてを自筆で作成しなければなりません

自筆証書遺言で記載すべき内容は以下のとおりです。

自筆証書遺言で記載すべき内容

  • 氏名:誰が見ても読み取れるように記載すること
  • 日付:〇〇年××月△△日というように具体的に記載すること
  • 相続財産の内容:相続財産の価額や割合などを具体的に記載すること

自筆証書遺言は最も手軽に取り組める形式の遺言書ですが、民法で定められる形式に則っていなければ遺言書としての役割を果たすことができません。

そのため、作成した自筆証書遺言は一度専門家にチェックしてもらうことをおすすめします

なお、被相続人が死亡したあとで自筆証書遺言が見つかった場合、家庭裁判所に遺言書を提出して検認を行わなければなりません。

検認とは、簡単にいえば「遺言書の存在を明確にして、それ以降の偽造を防ぐための手続き」です。

検認を行わずに勝手に開封してしまうと、5万円以下の過料に処せられる罰則があるのでご注意ください

公正証書遺言の書き方

公正証書遺言は、遺言者が公証役場にて2人以上の証人の立ち会いのもとで作成する遺言書です。

公証人に遺言の内容を伝えて作成するため、基本的には公証役場の担当者の指示に従って手続きを進めれば問題ありません

なお、公証役場に行く際は遺言者本人であることを証明するために実印と印鑑証明書を用意する必要があります。

また、交渉証書遺言を作成する場合は相続財産の価額に応じて変動する手数料が発生します。

法律行為に関する証書作成の基本手数料
遺言書に記載の相続財産価額手数料
100万円以下5,000円
100万円〜200万円7,000円
200万円〜500万円11,000円
500万円〜1,000万円17,000円
1,000万円〜3,000万円23,000円
3,000万円〜5,000万円29,000円
5,000万円〜1億円43,000円
1億円〜3億円43,000円に超過額5,000万円までごとに13,000円を加算した額
3億円〜10億円95,000円に超過額5,000万円までごとに11,000円を加算した額
10億円以上249,000円に超過額5,000万円までごとに8,000円を加算した額

※1通の遺言公正証書における目的価額の合計額が1億円までの場合は11,000円を加算します参照:手数料|日本公証人連合会

完成した公正証書遺言はそのまま公証役場にて保管されることになるので、被相続人が死亡したあとは最寄りの公証役場にて遺言書の内容を確認して相続の手続きを行います。

自筆証書遺言とは異なり、すでに公証人による保証が為されている遺言書なので、家庭裁判所での検認は必要ありません。

秘密証書遺言の書き方

秘密証書遺言は、公証役場に作成済みの遺言書を持ち込んで、2人以上の証人が立ち会いのもとで遺言書の存在を保証する形式の遺言書です。

遺言書の記載内容事態は自筆証書遺言と同様ですが、遺言者の署名と押印があれば、パソコンで作成したものや第三者の代筆でも問題ありません

なお、秘密証書遺言は公証役場にて遺言書の存在を保証してもらうだけなので、遺言書自体は自分で保管することになります。

自筆証書遺言と同様で、開封する際には家庭裁判所による検認が必要なので、勝手に開封してしまわないように気をつけましょう

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遺言書の文例・テンプレート

遺言書の文例やテンプレートをご紹介します。

自筆証書遺言、または秘密証書遺言を作成する際の参考にしてください。

遺言書のサンプル

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遺言書が無効となる作成時の注意点

遺言書を作成する際には、以下の注意点に気をつけなければなりません。

上記の注意点を意識しておかないと、いざという時に遺言書が無効となる可能性があります

自分の意向通りに相続が行われるようにするため、各注意点を確認した上で遺言書を作成しましょう。

注意点1.決められた方式に則っていない

遺言書を作成する際は、必ず民法によって決められた方式に則って作成するようにしてください

特に、自筆証書遺言を作成する場合は全文・日付・氏名を自筆で作成し押印をすることが大原則です。

パソコンでの作成や第三者による代筆、ボイスレコーダーなどの録音やビデオレターでは法的効力を有さないため、遺言書としては認められません。

どれか1つでも不備が見つかるとその遺言書は無効になってしまうので、特に注意しておきましょう

注意点2.共同遺言

民法975条では、2人以上の人が同じ遺言書で遺言を残す「共同遺言」を禁止しています

第九百七十五条 遺言は、二人以上の者が同一の証書ですることができない。

共同遺言の禁止 から引用

そもそも遺言は、遺言者の最終意思を尊重するという趣旨から、民法1022条によっていつでも自由に遺言を撤回できることになっています。

ですが、仮に共同遺言を認めてしまうと撤回する際も共同で行わなければならなくなり、様々な問題が発生しやすくなるため、共同遺言は民法によって禁止されているのです。

2人以上が同時に遺言書を作成する場合は、それぞれが個別に遺言書を作成するようにしましょう

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注意点3.代理遺言

遺言書の作成において、第三者による代理遺言は認められていません

公正証書遺言や特別方式遺言の一部の遺言を除き、基本的に遺言者自身が作成するべきものとされているので、必ず本人が作成するようにしましょう。

注意点4.満15歳未満

遺言書の作成は、民法961条によって満15歳以上から作成することができます

上述の代理遺言が禁止されていることから、親権者が子供の代理に作成することはできません。

つまり、15歳未満の子どもは遺言書を作成することができないということになるので覚えておきましょう。

注意点5.成年被後見人で条件を満たしていない

遺言者が成年被後見人である場合、常時判断力がない状態と認められる場合には遺言書を作成することができません

ただし、2人以上の医師が立ち会いのもとで、認知症等で一時的に正常な思考能力を有する者と認められる場合には遺言書の作成が可能です。

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遺言書の扱い方における注意点

ここまで、遺言書を作成する際の注意点について解説しました。

なお、遺言書は開封する際、開封後においてもいくつかの注意点があります。

これらの注意点についても合わせて確認していきましょう。

遺言書の開封には検認が必要

自筆証書遺言、秘密証書遺言を開封する際には、家庭裁判所による検認が必要となります。

検認とは、相続人に対して「遺言書の存在を明確にして、それ以降の偽造を防ぐための手続き」のことです。

検認をせずに開封してしまってもその遺言書が効力を失うことはありませんが、5万円以下の過料に処せられる罰則があるのでご注意ください。

遺言書でも遺留分の侵害は不可

遺言書をもってしても、遺留分を侵害しての遺産相続はできないので気をつけましょう

遺留分とは?

パターン別遺留分の割合

遺留分とは、法律によって定められている「相続人が財産を相続する権利」のことです。

遺言書の内容に従って遺産相続を行うと、本来であれば遺産相続ができたはずの相続人が生活に困ってしまう事態が起こりえます。

そうした事態を未然に防ぐため、遺言書の有無に関わらず相続人がある一定の財産を相続できるように保証しているのが「遺留分」です。

仮に遺留分を侵害して遺産相続が行われた場合、後からでも遺留分の請求を行うことができます

遺留分については、以下の記事で詳しく解説しているので合わせてご参照ください。

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まとめ

遺言書は、死後に自分の財産をどのように分配するかを示す書類のことです。

遺産相続が発生すると、それまで仲の良かった家族であっても相続財産が原因で様々なトラブルが発生することが少なくありません。

そうしたトラブルを未然に防ぐためにも、遺言書を作成しておくことは非常に重要な役割だといえます。

遺言書を作成するには、民法で定められる形式に則って作成する必要があるので、この記事を参考にして手続きを進めてみてください。

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この記事の執筆者

中村 翔也

携帯代理店法人部門にて営業職として2年半勤務後、2017年12月よりwebライターとして独立。通信ジャンルをメインに金融系、保険記事を毎月30本以上執筆。
この記事の監修者

藤田 匡紀

新卒で日本生命保険相互会社に入社し、販売企画・代理店営業など多様な業務に従事。13年間勤務した後「もっと多くの人に、保険の必要性を正しく理解してもらいたい」という思いを胸にエイチームフィナジーに入社、ナビナビ保険の運営に参画。金融機関における顧客向け相続セミナー・研修会の実績も多数あり。
所有資格
AFP資格、証券外務員Ⅱ種
この記事の編集者

ナビナビ保険編集部

ナビナビ保険編集部は「どこよりも分かりやすい保険情報を届けること」をコンセプトにコンテンツの配信を行っています。
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