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学資保険に税金はかかる? 課税になる・ならない仕組みを解説

子供の進学費用や教育費用を貯めるために、学資保険への加入を検討している人も多いのではないでしょうか。

しかし、学資保険で貯めたお金は、契約の内容によって税金の支払いが必要な場合があります。

少しでも効率良くお金を貯めたいと願って学資保険に加入したにもかかわらず、貯めたお金に税金がかかってしまうと、損した気持ちになるかもしれません。

学資保険の税金について、以下の4つを中心に解説していきます。

余分な税金の支払いを防いで、より効率的に進学資金や教育資金を貯められるため、ぜひご一読ください。

また、学資保険については下記のコンテンツをぜひ合わせて参考にしてください。

学資保険にかかる税金の種類

学資保険で受け取れる保険金は、以下のように保険料を支払う人と受取人の設定によって課せられる税金の種類が変わります。

学資保険にかかる税金種類のチャート図

保険料負担者と受取人が別人の場合、本来保険料を負担している人が受け取るはずの保険金を他人に与えていると考えられるため、贈与税が課せられるのです。

一般的に所得税の方が贈与税よりも税金がかかりにくく、納税額も低い傾向にあります。

また、所得税がかかる場合、保険金や学資金の受け取り方によって、以下のように所得の種類が異なります。

受け取り方による所得の種類の違い

  • 満期保険金・お祝い金・学資金:一時所得
  • 学資年金:雑所得

所得の種類が違うと、所得税の課税対象の計算方法も違ってきます。

そして、雑所得よりも一時所得の方が税金はかかりにくいため、できる限り学資保険の保険金は一括でまとめて受け取る方がおすすめです。

一時所得だと税金がかかりにくい理由

一時所得には、特別控除として50万円が税金の課税対象とならない仕組みがあり、具体的な計算式は以下のとおりです。

一時所得の特別控除と計算式

つまり、受け取った保険金・学資金の額と、支払った保険料の合計が50万円以内であれば税金はかかりません。

例えば、受け取った保険金の額が200万円で、支払った保険料の合計が180万円の場合、受け取った保険金と支払った保険料合計の差が20万円となります。

よって、基礎控除50万円の範囲内となるため、一時所得はゼロとなり所得税を支払う必要はありません。

学資保険は、親が契約者となって保険料を支払い、子供が大学に進学するタイミングで保険金を一括で親が受け取る契約が主流です。

そのため、受け取った保険金は一時所得とみなされることが多く、実際に税金がかかるケースは少ないです。一方で、雑所得には一時所得のような特別控除がないため税金がかかりやすくなります。

学資保険で税金がかかるパターン

学資保険の保険金に税金がかかる以下のケースについて具体的に解説します。

一括で受け取った保険金と支払った保険料総額の差が50万円を超えた場合

保険金を一括で受け取った場合、受け取った保険金と支払った保険料の総額の差が50万円を超えた場合は、超過分の2分の1が所得税の課税対象です。

一時所得の金額のモデルケースをみてみましょう。

【モデルケース】一時所得金額の計算

  • 学資保険において受け取った保険金が1,000万円
  • 支払った保険料の合計が947万円
  • 【計算式】
    • 一時所得 = 受け取った保険金の合計額 − 支払った保険料の総額 − 特別控除50万円
    • 1,000万円−947万円−50万円
    • =30,000円

よって、一時所得30,000円の2分の1である15,000円が課税の対象となり、他の所得と合算されて所得税の金額が計算されます。

しかし、学資保険の保険金は、200〜300万円ほどに設定されることが多いです。

払込保険料の合計と保険金の差額が50万円を超えるようなケースはほぼないと考えて良いでしょう。

学資年金を受け取った場合

保険金を学資年金のような分割で受け取る場合、雑所得の課税対象です。学資保険において雑所得は、以下の計算式で求められます。

学資保険の雑所得の計算式

実際の課税額を以下のモデルケースを用いて計算してみましょう。

【モデルケース】学資保険の雑所得の計算

  • 学資年金の受取方法:毎年50万円を4年間受け取る(受取総額:200万円)
  • 保険料払込総額:192万円
  • 【計算式】
    • 学資保険の雑所得 = 学資年金額−(保険料総額 ÷ 年金受取回数)  
    • 50万円 −( 192万円 ÷ 4 )
    • =20,000円

よって、20,000円が雑所得として課税の対象となり、他の所得と合算されて所得税が計算されます。

税金の額は、雑所得の金額に所得税と住民税それぞれの税率をかけると求めることができます。

また、所得税率は個人の課税対象となる所得の金額によって5〜45%の間で変動する仕組み。一方で住民税は、所得にかかわらず一律10%です。

所得税の税率を5%とした場合、負担すべき税金の額はそれぞれ以下のようになります。

所得税

 =20,000円×5%
 =1,000円

住民税

 =20,000円×10%
 =2,000円

上記の金額を合計すると、年間で3,000円ほど税金の負担が増える計算です。

注意すべき点は、雑所得の20,000円は学資年金を受取期間中、毎年課税の対象となる点。

つまりモデルケースの場合、4年間で合計80,000円が課税の対象となり、納税額も4年間で12,000円(3,000円×4年間)となります。

仮に、200万円の保険金を分割ではなく一括で受け取った場合、保険料総額との差額が50万円以内のため所得税や住民税は課税されません。

年金で受け取ると雑所得分がまるまる課税対象となるため、税金が発生しやすいことがわかります。

保険料を支払う人≠受取人、かつ保険金額が110万円を超える場合

保険料を支払う人と受取人が別人の場合は、贈与税の対象となり以下の計算式で課税対象の金額が決まります。

贈与税の課税対象額の計算式

上記の課税対象額に応じた税率をかけて、贈与税の金額が決まる仕組みです。

つまり所得税計算時のように支払った保険料の額は考慮されず、受け取った保険金の額が110万円を超えると贈与税を納めなければなりません。

ここで、以下のモデルケースで試算した場合の贈与税の金額を計算してみましょう。

【モデルケース】贈与税の計算

  • 受取保険金額:300万円
  • 保険料払込総額:285万円
  • 【計算式】
    • 贈与税の課税対象額 = 300万円 − 基礎控除110万円 
    • =190万円 

国税庁のホームページによると、課税対象額が200万円以下の場合の税率は10%ですので、贈与税の金額は19万円です。

仮に保険金を一時所得として受け取ると、受取保険金額と保険料払込総額の差が50万円以内のため、税金の額は0円のため、贈与税の方がかなり高額です。

また、保険金総額と保険料払込総額の差は15万円ですので、増加分よりも贈与税額の方が大きくなり実質の保険金額が払い込んだ保険料の総額よりも下回ってしまいます。

このように、保険料を負担する人と保険金を受け取る人を別人にすると、税負担が高額になり学資保険に加入するメリットが薄れてしまう可能性があるため注意しましょう。

学資保険でなるべく税金がかからないようにする方法

学資保険の保険金や学資金に税金がかからないようにするには以下の方法があります。

1.保険料を支払う人=保険金を受け取る人にする

保険料を支払う人と保険金の受取人を同じ人にすると、所得税の課税対象となり贈与税よりも税負担が少なくて済むケースがほとんどです。

仮に契約者を祖父母、受取人を孫のような保険金と受取人を別人とする場合、贈与税がかからないようにするには、学資保険の一括受取額を110万円にしなければなりません。

しかし、大学への進学資金として備えるには、110万円という金額は心許ないといえるでしょう。

実際に大学に進学するときは、入学金と初年度の授業料は以下のように200〜300万円ほどの費用がかかるといわれています。

大学進学にあたる初年度にかかる費用の相場(単位:万円)
入学金 在学費用(1年間) 合計

国公立大学

80.1

114.8

194.9

私立大学文系

90.4

160.1

250.5

私立大学理系

85.5

185.3

270.8

出典:平成31年3月 日本政策金融公庫「平成30年度 教育費負担の実態調査結果」

また、贈与税の基礎控除110万円は、年間に贈与された額を合計した後に差し引かれます。

学資保険の保険金以外ですでに110万円以上の贈与を受けた場合、受け取った保険金が全て贈与税の課税対象となるのです。

そのため、できるだけ保険料を支払う人と保険金受取人は同じ人物に設定すると良いでしょう。

子供のためと思って、保険金受取人を子供にすると、贈与税が発生して余分な税金を負担しなければならなくなります。

2.一括で受け取る場合は保険金額を800万円以内にする

学資保険の保険金を一括で受け取る場合は、保険金の金額を800万円以内に設定するのがおすすめです。

一括受け取りの保険金額が800万円以下だと、所得税がかかる可能性がほぼないからです。

2020年時点で学資保険の返戻率(支払った保険料の総額と受け取った保険金の割合)は、最大でも107%ほどです。

以下の表は、受取率が107%の場合に支払う保険料の目安と保険金との差額を表したものです。

受取率が107%の場合に支払う保険料の目安と保険金との差額(単位:万円)

満期保険金の額

受取率が107%の場合の

保険料払込総額

受取保険金と払込保険料の差

300

280

20

500

467

33

700

654

46

800

748

52

900

841

59

1000

935

65

このように、保険金額が800万円を超えない限り、受取保険金と払込保険料の差が50万円を超えません。

3.自営業者は学資年金を受け取らない

学資年金やお祝い金は、雑所得の対象です。

会社員や公務員の場合は、雑所得が発生しても給与所得が2,000万円以下で、給与以外の所得が20万円を超えない限り確定申告をする必要はなく、所得税の支払いが免除されるケースがあります。

一方、自営業者は毎年確定申告が必要で、かつ本業以外の所得が20万円以下であっても、申告対象となり所得税を支払う必要があります。

そのため、自営業者は学資年金ではなく、一括受取を選択した方が税金の負担を軽減できます。

ただし、給与以外の所得が20万円以下の会社員や公務員であっても、住民税は納める必要があり、市区町村役場にて申告と納税が必要です。

加えて、以下のような控除を申請するために確定申告をする場合は、給与以外の所得が20万円以下であっても申告の必要があります。

確定申告の必要ケース

  • ふるさと納税(ワンストップ特例を利用しない場合)
  • 初年度の住宅ローン控除
  • 医療費控除

このように、職業によって税金のかかりやすさや条件が異なる点に注意が必要です。

学資保険の税金に関する注意点

学資保険についてここまで解説した点に加えて、注意すべきポイントを紹介します。

1. 育英年金・養育年金には税金がかかる

贈与税の課税対象額の計算式

「育英年金」「養育年金」とは?
契約者である親が死亡した場合に、残された子供に対して毎年一定額の年金が保険期間の終了まで支払われる年金のこと

学資保険に特約として付加することができ、子供の教育費だけでなく、親に万が一のことがあった場合の生活費も準備できます。

子供が育英年金を受け取る場合、相続税の課税対象となり年金の権利評価額に対して課税される仕組みになっています。

また、翌年以降に受け取った育英年金は、雑所得とみなされて所得税の課税対象となります。

ただし、育英年金にかかる所得税は、二重課税とならないように課税された相続税分は差し引かれて計算されます。

仮に育英年金の受け取りにより、子供の所得が年間で38万円を超えると、親の扶養から外れてしまい、親の所得税や住民税の負担が増えてしまいます。

さらに、児童手当や母子手当てのような公的保障制度も利用できなくなってしまうため注意が必要です。

2. 学資保険の解約返戻金は課税対象となる

学資保険を途中で解約して受け取った解約返戻金については、保険金を一括で受け取ったときと同じように一時所得となり、所得税の課税対象となります。

一括受取の保険金と同じように、受け取った解約返戻金の額と解約までに払い込んだ保険料の差が50万円以内の場合は、一時所得が発生せず所得税は課税されません。

学資保険は、契約してから一定期間は解約返戻金の額が払い込んだ保険料よりも少ないです。

さらに、2020年1月時点での保険料率においては、解約返戻金の額が払込保険料総額よりも50万円多くなる可能性は極めて低いです。

そのため、保険金額が1,000万円を超えるような高額に設定して、保険料を払い込んでから解約しない限りは、解約返戻金に対して所得税が課税される心配はほとんどありません。

ただし、解約返戻金を受け取る人と保険料を支払う人が別人である場合は、贈与税の対象となります。

解約返戻金の額が110万円を超えると、税金を支払わなければならないため注意しましょう。

3. 保険料の払込が免除されると保険金に所得税がかかる可能性が高くなる

学資保険の払込免除特約とは

学資保険には、多くの場合で保険料払込免除特則が付加されており、保険料を払い込んでいる途中で契約者である親が亡くなった場合、以後の保険料の払込が免除されます。

保険料の払込が免除されても、子供は契約時に定めたタイミングで予定通り保険金やお祝い金を受け取ることが可能です。

しかし、保険料の払込が免除されると払い込んだ保険料の額が少なくなると、受け取った保険金に対して一時所得が発生しやすくなり、所得税を負担する確率が高まってしまいます。

例えば、満期保険金の額が200万円の学資保険を契約している親が、契約してから数年で亡くなり保険料を40万円しか支払っていなかったとしましょう。

このケースにおいて、一時所得と課税所得の金額は以下のようになります。

おすすめ・メリットのポイント

  • 一時所得の計算
    • 一時所得 = 受け取った保険金の合計額 − 支払った保険料の総額 − 特別控除50万円
    • =200万円−40万円−50万円
    • =110万円
  • 課税所得の計算
    • 課税所得 = 一時所得 × 1/2
    • =55万円

このように、上記のケースにおいては保険料払込免除が適用されると、課税対象の所得が55万円増える計算となります。

保険料の負担が減る一方で、税金の支払いが増える可能性がある点に注意しましょう。

まとめ

学資保険の税金について解説しました。要点をまとめると以下のとおりです。

学資保険の税金に関するポイント

  • 学資保険の保険金は、契約形態によって課税される税金の種類が変わる
  • 学資保険の保険料負担者と保険金受取人が同じ場合、保険金の受け取り方によって一時所得か雑所得かのどちらかになる
  • 保険金が贈与税の対象になると、税負担が高額になる恐れがある
  • 保険金の額を500万円以下にしつつ、一時所得の対象となるような形で受け取ると最も税金がかかりにくくなる
  • 保険金以外にも、育英年金や解約返戻金に対して税金がかかる点に注意が必要

学資保険を選ぶときは、保険料を支払う人や保険金を受け取る人、保険金の受け取り方などに注意することで余分な税金負担を抑えられます。

返戻率だけを単純に比較して学資保険を選ぶのではなく、保険金を受け取ったときに発生する可能性のある税金の種類と金額を確認したうえで選んでみてください。

この記事の執筆者
品木 彰
所有資格
ファイナンシャル・プランニング技能士2級, 日商簿記検定3級
大手生命保険会社にて7年半勤務し、チームリーダーや管理職候補として個人営業、法人営業の両方を経験。その後、人材会社で転職コンサルタントとしての勤務を経て、2019年1月よりwebライターとして独立。
この記事の監修者
石田 直樹
所有資格
AFP資格、TLC(生保協会認定FP)資格
ソニー生命、東京海上日動あんしん生命保険、保険代理店等、保険業界を28年間勤務。支社長や管理職を経験、200回以上のセミナーや研修講師の登壇経験あり。その知識を活かし、もっと多くの人に保険の必要性を正しく理解してもらいたい!という思いを胸に、ナビナビ保険の事業立ち上げメンバーとして異業種のIT企業に転職し、現在に至る。
この記事の編集者
ナビナビ保険編集部
ナビナビ保険編集部は「どこよりも分かりやすい保険情報を届けること」をコンセプトにコンテンツの配信を行っています。

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