学資保険は要らない? 仕組みと選び方、必要性と不要な人をまとめて解説します

学資保険は要らない? 仕組みと選び方、必要な人・不要な人をまとめて解説します

学資保険とは

学資保険とは、子供の教育資金の準備を目的とした保険のことです。

保険料を支払うことで、将来必要になる子供の教育資金を積み立ることができ、子供が契約時に定めた年齢に達するとお祝い金や満期保険金を受け取れます。

最大の特徴は、親(契約者)に万が一のことがあった場合、それ以降の保険料の払い込みが全額免除され、お祝い金や満期保険金は契約時に定めたとおりに支払われるという点です。

しかし、最近の学資保険はマイナス金利の影響で返戻率が下がっていることもあり、必ずしもすべてのご家庭で必要な保険ではありません。

学資保険以外にも、教育資金を貯蓄する方法はありますので、学資保険が自分に合っているかどうかをしっかり確認して加入を検討しましょう。

お子様の将来のために学資保険を検討している方に向けて、基本的な仕組みから、ご自身に合った教育資金の準備方法まで分かりやすく解説します。

学資保険の選び方

学資保険を選ぶ際に大切な以下の2つのポイントを分かりやすく説明します。

学資保険を選ぶ際に大切なポイント

返戻率

返戻率とは、払い込んだ保険料の総額に対し、受け取った学資金やお祝い金の総額の割合を表した数値のことで、返戻率が100%以上だと、支払った保険料の総額よりも多く学資金・お祝い金を受け取れるということになります。

ですので、学資保険を選ぶ際は、できるだけ返戻率が高い保険を選ぶのが基本で、

学資保険の返戻率を上昇させるポイント

  • 子供が若いうちに学資保険に加入する
  • 払い込み方法を半年払いや年払いに変える

といった方法を選択すると、返戻率をさらに上昇させることが可能です。

以前は、返戻率が130%を超える学資保険を販売していた保険会社もありましたが、現在は低金利の影響もあって返戻率が100%を割ってしまう学資保険もある状況です。

学資保険を選ぶ際は、商品の内容やプランごとに返戻率についても必ず比較するようにしましょう。

なお、返戻率は以下の計算式を使って、自分で算出することも可能です。

返戻率の計算式

  • 受け取れる学資金・お祝い金の総額 ÷ 支払った保険料の総額

加入タイミング

返戻率の項でも先述したとおり、学資保険への加入は子供が若いうちに検討するのがおすすめです。理由は以下の2点です。

学資保険への加入は子供が若いうちがよい理由

  • 加入年齢の制限が他の保険に比べて厳しい
  • 子供・親ともに加入年齢が上がると保険料負担が増え、返戻率が低下する

まず、学資保険は他の保険よりも加入年齢の制限が厳しいです。

特に子供が小学校に進学して以降になると加入が難しくなるだけでなく、保険料の払い込み期間も短くなり、毎月の保険料負担も増加します。

学資保険に限らず、生命保険は契約者や被保険者(契約の対象となる人)の年齢が若いほど、死亡や病気のリスクが低くなるため保険料が割安になります。

妊娠中に契約できる学資保険もありますので、子供を授かったタイミングで検討するのもおすすめです。

子供の教育資金の相場

一般的に、子供の教育資金は1,000万円~2,000万円ほど必要と言われています。

上記の金額には毎月の収入から充てる教育費も含まれるため、これらの資金をすべて学資保険で賄う必要はありません。

また、幼稚園から大学までの進学ステージにおいて、国公立と私立のどちらを目指すかによっても必要な学費は大きく変わります。

特に学費の負担が大きくなるのは子供の大学入学から卒業までの間で、以下は大学ごとの入学費用と1年あたりの在学費用を表にまとめたものです。

大学ごとの入学費用と1年あたりの在学費用
入学費用 在学費用(1年あたり) 合計
私立短大 73.8万円 151.4万円 225.2万円
国公立大学 80.1万円 114.8万円 194.9万円
私立大学 文系 90.4万円 160.1万円 250.5万円
私立大学 理系 85.5万円 185.3万円 270.3万円
  • 出典:日本政策金融公庫 平成30年度「教育費負担の実態調査結果
  • 入学費用:受験費用・学校納付金(入学金など)・入学しなかった学校への納付金
  • 在学費用:授業料・通学費(定期代など)・教科書代・学習塾の月謝など

上記のとおり、大学進学には200万円~300万円の費用がかかります。

さらに、上記の費用には子供が親元を離れ、下宿する際の諸費用などは含まれていません。その時は引っ越し費用・家具代などの資金も別途準備する必要があります。

学資保険に加入していれば、これらの高額な費用に対して前もって準備することが可能です。

学資保険に加入するメリット・デメリット

学資保険に加入する主なメリット・デメリットは以下のとおりです。

メリット1. 万が一の場合でも、保険料払込免除特則によって保険は継続できる

保険料払込免除特則とは、契約者(親)に万が一のことがあった際に、それ以降の保険料の払い込みが全額免除され、お祝い金や満期保険金は契約時に定めたとおりに支払われる仕組みのことです。

学資保険の大きな特徴のひとつで、適用範囲は以下のとおりです。

保険料払込免除特則の適用範囲

  • 契約者が死亡したとき
  • 契約者が高度障害状態になったとき
  • 契約者が身体障害者になったとき

細かい規定基準は各保険会社によって微妙に違いますので、細かい規定の範囲は約款を確認する、もしくは保険会社の担当者に問い合わせるようにしましょう。

基本的に、保険料払込免除特則を付加すると保険料は上がりますが、保険としての大切な要素になりますので、保険料を比較した上でこだわりがなければ保険料払込免除特則は付加して学資保険の加入検討をおすすめします。

メリット2. 所得税・住民税の負担が軽減される

生命保険に加入していると「生命保険料控除」の対象になり、一定額まで所得税と住民税の負担が軽減されます。

生命保険料控除とは?
1年間の払い込み保険料の一定額を所得税と住民税の対象となる所得から控除できる制度

会社員の方は、年末調整の時期になると保険会社から控除証明書が送付されてきますので、そちらの内容をもとに控除額を申告します。自営業者の方は、確定申告で控除の申請を行いましょう。

メリット3. 所得税がかかる保険金では、利息分が50万円まで非課税になる

学資保険の満期金には税金がかかり、契約者と受取人が誰かによってかかる税金の種類が以下のように変わります。被保険者はどなたでも変わりません。

学資保険にかかる税金の種類

  • 契約者と受取人が同じ … 所得税
  • 契約者と受取人が異なる … 贈与税

保険金を一括で受け取ると一時所得になり、年金形式で受け取ると雑所得になり、一時所得には特別控除額があるため、最高50万円まで非課税になるメリットがあります。

契約者と受取人が別の場合は、贈与税の対象になります。この場合、基礎控除は年間110万円です。

デメリット1. インフレになると不利

市場全体の物価が上がり、お金の価値が下がることをインフレと言い、一般的に好景気になるとインフレになりやすいと言われています。

貯蓄性のある生命保険の多くは、契約時の予定利率によって総支払保険料が決まります。この保険料は、払い込みが終わるまで変わらないため、保険加入後にインフレが進むと実質的な資産価値が目減りすることになります。

学資保険も例外ではなく、特に現在20代など若い方は保険料の払い込み期間が長期になることが大半です。

長期間にわたり金利が固定されるという点は返戻率と一緒に確認しておきましょう。

デメリット2. 途中解約すると元本割れのリスクがある

保険料の払込期間の途中で学資保険を解約した場合、解約返戻金は払い込んだ保険料より少なく、元本割れする場合が大半です。

特に、保険加入後の短期解約の場合は、解約返戻金はほとんどないもしくは全くないこともあります。

学資保険の保険料の払い込みは長期になることが前提です、その間にまとまった資金が必要になる可能性もゼロではないため、家計の収支を見つつバランスよく積み立てることが重要です。

学資保険の必要性

冒頭でも申し上げたとおり、最近の学資保険はマイナス金利の影響で返戻率が下がっていることもあり、必ずしもすべてのご家庭で必要な保険ではありません。

とはいえ、これまで紹介してきたように学資保険にはまだまだ魅力的なメリットもあります。学資保険の加入が向いている人と、加入する必要がない人をまとめましたので下記をご参考下さい。

コツコツ貯蓄をするのが苦手な人

学資保険に加入すると、毎月決まったタイミングで保険料が引き落とされるようになります。

引き落とされたお金は解約しない限り自分の意志で引き出すことはできませんし、次の月にはまた同じように保険料が引き落とされ、ある意味で強制的に子供の教育資金を準備することができます。

子供の教育資金は一朝一夕で準備できるものではないため、少しずつ貯めていく必要がありますが、コツコツとした貯金が不向きな方には、この決まったタイミングで自分の手の届きにくいところに資金を積み立てられる学資保険はおすすめです。

万が一に備えつつ、子供の教育資金を準備したい人

学資保険の大きな特徴は、子供の教育資金を準備しつつ、万が一の死亡保障も得られるという点です。

保険料払込免除特則があることで、契約者(親)に万が一のことがあっても保険を継続することができ、子供が一定の年齢に達することでお祝い金や学資金を受け取ることができます。

貯蓄だけでなく、ご自身に万が一のリスクがあったときの備えも欲しいという方は学資保険に向いています。

すでに子供の教育資金を準備できている人

学資保険は将来かかる子供の教育資金を今のうちから準備するための保険です。

ですので、すでに貯蓄があって子供の教育資金をいつでも捻出できたり、もしくはその見通しがすでに立っているという人は、改めて学資保険を検討する必要はありません。

自分で資産運用しながら資金を殖やしたい人

学資保険は長期間にわたり金利が固定される上、払い込んだ保険料を途中で自由に引き出すことはできません。

ですので、経済動向に応じて株式投資や投資信託などを利用しつつ、有利な商品に乗り換えながら自分で資産運用して子供の学費を準備したいという人には不向きです。

学資保険以外で子供の教育資金を準備する方法

子供の教育資金の準備として、学資保険以外の商品も合わせて紹介します。どの商品も基本的に一長一短があるため、自分に合った商品を組み合わせて検討するのもおすすめです。

学資保険以外で教育資金を準備する方法

低解約返戻金型終身保険

低解約返戻金型終身保険

学資保険の代替としてよく提案されるのが低解約返戻金型終身保険で、途中解約した際の解約返戻金が低く抑えられた保険です。

途中で解約した場合の解約返戻金は従来の終身保険に比べて低くなるものの(70%前後が多い)、代わりに割安の保険料で一生涯の保障を受けられます。

保険料の払い込みが終了した後の解約返戻金は、従来の終身保険とほとんど同額の水準になります。

教育資金の準備という目的で低解約返戻金型終身保険を検討する場合は、保険料の払い込みを早めに終えるようにして、子供の進学ステージに合わせて解約返戻金が払い込み保険料の総額を上回るようにしておきます。

低解約返戻金型終身保険が学資保険と違う点は、契約者(親)に万が一のことが合った場合に、死亡保険金をすぐに受け取ることができる点です。

死亡保険金の方が教育資金に充てるために積み立てていた解約返戻金の方が多いので、残りのお金を当面の生活費に充てることもできます。

外貨建て終身保険

外貨建て終身保険

外貨建て終身保険は、保険料、死亡保険金が外貨建てになっている終身保険です。

ドルやユーロなど、円より金利の高い通貨で積み立てることにより、高い貯蓄性が期待できます。

円建てよりも利回りが高いのが特徴ですが、死亡保険金や解約返戻金を受け取る際は、受け取り時点の為替の影響を受けます。また、一般的に外貨と円の換算の際の為替手数料など諸費用がかかります。

それぞれ、終身保険については下記の記事でくわしく解説していますので、合わせてご検討下さい。

学資保険に関するよくある質問

学資保険に関して、特にユーザー様からの問い合わせが多い質問をQ&A形式でまとめました。

Q. 保険会社が倒産した場合、契約している学資保険はどうなりますか?

A. 契約がなくなるわけではありませんが、補償される金額には制限があります。

保険を契約している生命保険会社が倒産、あるいは破綻した場合、学資保険の契約自体がなくなることはありません。

生命保険契約者の保護を目的とする「生命保険契約者保護機構」が資金援助・保険契約の引き継ぎを行います。

この際に保障されるのは、破綻時点の責任準備金(保険会社が保険金の支払いのために積み立てているお金)の90%までとされています。

Q. 祖父母が契約者となり、孫を被保険者にすることはできますか?

A. 可能ですが、注意点があります。

祖父母が契約者となり、お孫さんを受取人にする場合、商品によっては契約年齢に上限があったり、健康状態の告知が必要な場合があります。

また、合わせて扶養者である親の同意書、祖父母の不要証明が必要だったり、保険料払込免除特則が不可出来ない場合もありますので、保険会社の担当者に十分に相談の上、検討するようにしましょう。

上記のケースだと、契約者と受取人が異なるため、満期保険金は贈与税の課税対象となる点も合わせて注意しておきましょう。

まとめ

学資保険の基本的な仕組みから、ご自身に合った教育資金の準備方法まで分かりやすく解説しました。最後に振り返りをしていきましょう。

まず、子供の教育資金の準備を目的とした保険のことで、万が一の場合でも、保険料払込免除特則によって保険は継続できる点が大きな特徴です。

加入を検討するにあたり大切なポイントは以下の2つです。

学資保険を選ぶ際に大切なポイント

子供の教育資金の相場が把握できたら、学資保険のメリット・デメリットを参照し、学資保険が自分の理想とする教育資金の準備方法か確認しておきましょう。

自分に学資保険が合っているか分からない、という方は学資保険の必要性も合わせて確認しておいて下さい。

これまで解説してきた内容を読んでいただき、それでもよく分からない……という方もいるかもしれません。そのような方は、ぜひファイナンシャルプランナーへの無料相談を検討してみて下さい。

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