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保険を知る

更新:2020.09.25 公開:2020.09.15

退職金にかかる税金の種類と3つの受け取り方とは?具体的な税金の計算方法も解説

退職金にかかる税金の種類と3つの受け取り方とは?具体的な税金の計算方法も解説

退職金を受け取った場合、税金を支払わなければなりません。

しかし、退職金は給与や賞与とは違い、税負担が軽減されるように配慮されているため、それほど税金がかからない場合があります

税金の計算方法は、退職金の受け取り方によって異なります。どの受け取り方法が税負担を抑えて多くの金額を受け取れるのかは個人の状況に左右されるため、退職後のライフプランを踏まえた慎重な判断が必要です。

また、退職金を受け取る前に勤務先へ所定の書類を提出しなかった場合、税金が異なる方法で計算され税負担が増えてしまいます

もし、余分に税金を支払っていた場合、退職金を受け取った日の翌年1月1日から5年以内に還付申告をして還付してもらわなければなりません。

このように、退職金の税金には知っておくべき大切なポイントがあります。退職金にはどのような税金がかかり、金額はどのように計算されるのか、本記事でわかりやすく解説します。

退職金にかかる税金は「所得税」と「住民税」

退職金を得た場合、給与や賞与と同じように所得税や住民税の課税対象となります。また、2035年は、復興特別所得税も併せて納税しなければなりません。

所得税や住民税は、年収から必要経費を差し引いて計算された課税所得に、所定の税率をかけて計算されます。具体的には、以下の通りです。

所得税・住民税・復興特別所得税の計算方法

  • 所得税:課税所得 × 税率(5 〜 45%)をかけて控除額を差し引く
  • 住民税:所得割(課税所得 × 10%)+ 均等割(5,000円程度)
  • 復興特別所得税:所得税額 × 2.1%

退職金に課税される所得税や住民税も、基本的には上記にしたがって計算されますが、異なる部分も存在します。

まず、退職金を一括で受け取った場合は、分離課税となるため他の所得とは合算されずに単独で税額が計算されます

また、退職金にかかる住民税は、退職金を受け取った年に納める現年課税制度です。他の所得とは違って、受け取った翌年に住民税が課税されるわけではありません。

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退職金の受け取り方

退職金の受け取り方は一時金と年金の2種類があり、以下のように所得の種類や課税方法が異なります

退職金の受け取り方による違い
一時金受取 年金受取
所得 退職所得 雑所得(公的年金等)
課税方式 申告分離課税:他の所得と分離して税額が計算される 総合課税:他の所得と合算して税額が計算される
確定申告 勤務先で所定の手続きをすれば不要 所得が一定以下であれば不要

 一時金として受け取る場合

退職金を一時金で受け取った場合、退職所得とみなされて所得税や住民税の計算時に、退職所得控除が適用されます

退職所得控除とは、退職金のうち所得税や住民税の計算に含まれない部分で、以下のように勤続年数によって計算式や金額が異なります。

退職所得控除の計算方法

  • 勤続20年以下:40万円 × 勤続年数(計算結果が80万円以下の場合は80万円)
  • 勤続20年超:800万円 + 70万円 × (勤続年数 - 20年)
    ※勤続年数が1年未満の端数がある場合は、1日であっても1年として計算

上記で計算した金額の2分の1に対して、所得税や住民税が課税されます。

仮に、退職額が2,000万円で勤続年数が30年の場合、退職所得控除額と課税の対象となる退職所得額は以下の通りです。

退職額が2,000万円で勤続年数が30年の場合の退職所得控除額

  • 退職所得控除額 = 800万円 + 70万円 × (30年 - 20年)
           = 800万円 + 700万円
           = 1,500万円

退職額が2,000万円で勤続年数が30年の場合に課税される退職所得額

  • 課税される退職所得額 = (2,000万円 - 1,500万円) × 1/2
              = 250万円

上記のように、たとえ2,000万円の退職金を受け取っても、実際に所得税や住民税の課税対象となるのは、わずか250万円です。

ただし、退職所得控除を適用するには、勤務先で所定の手続きをするか、個人で確定申告する必要があります。

また、退職所得は定年退職時に退職金を受け取った場合の他に、勤務先が倒産した場合や会社が解雇予告手当を受け取った場合も退職金も含まれます

年金として受け取る場合

退職金を年金形式で受け取った場合、老齢基礎年金や老齢厚生年金と同様に雑所得とみなされ、収入金額から公的年金等控除額が差し引かれて所得税や住民税が計算されます

公的年金等控除額は、以下の通りです。

公的年金控除額
65歳未満 65歳以上
年金収入 公的年金等控除額 年金収入 公的年金等控除額
130万円以下 70万円 330万円以下 120万円
130万円超
410万円以下
年金収入 × 25% + 37.5万円 330万円超
410万円以下
年金収入 × 25% + 37.5万円
410万円超
770万円以下
年金収入 × 15% + 78.5万円 410万円超
770万円以下
年金収入 × 15% + 78.5万円
770万円超 年金収入 × 5% + 155.5万円 770万円超 年金収入 × 5% + 155.5万円

例えば、60歳の方が年金形式の退職金と老齢年金を合計で350万円受け取った場合、公的年金等控除額は125万円(350万円 × 25% + 37.5万円)です。

そして、350万円から公的年金等控除額の125万円と、基礎控除や社会保険料控除のような所得控除が差し引かれて、所得税や住民税が計算されます。

退職金を年金で受け取る場合、下記の条件を満たすと、公的年金等の収入から所得税は住民税が源泉徴収されるため確定申告は必要ありません

退職金を年金形式で受け取った場合に確定申告が不要となる条件

  • 公的年金等の収入金額が400万円以下
    かつ
  • 公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下

退職金を年金形式で受け取ると、所定の利率で年金の原資が運用されるため、受取総額は一時金受取よりも高くなります。

一方で、年金形式で退職金を受け取ると、老齢基礎年金や老齢厚生年金などと加算されて税金が計算されるため、課税対象の所得が増えて税負担も増える可能性があります。

また、所得が増えると社会保険料も増える場合があるため、よく検討せずに年金受取を選択すると、手元に残る金額が少なくなる可能性がある点に注意が必要です。

一時金と年金、両方で受け取る場合

退職金を一時金と年金の両方で受け取る場合は、退職一時金は退職所得、退職年金は雑所得とみなされて税金がそれぞれ計算されます

企業によっては、退職一時金制度と退職年金制度の両方を導入しています。特に近年は、退職一時金制度を採用すると企業側の負担が大きくなることから、企業型確定拠出年金を採用する企業も増えてきました。

企業型確定拠出年金とは、従業員が自ら退職金の原資の運用先を指定する制度です。積立金の受け取り方は「年金」「一時金」「年金と一時金の組み合わせ」のいずれかを選択できます。

企業型確定拠出年金の積立金を、年金と一時金の組み合わせで受け取る場合、それぞれの配分を指定可能です。それぞれでいくら受け取った方が良いのかは、老後のライフプランを踏まえたうえで慎重に判断しましょう。

退職金の支給規定は、勤務先によって大きく異なるため、就業規定にある退職金規定を確認してみてください。

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退職金にかかる税金の計算方法

退職金を一括で受け取った場合に課税される所得税と住民税の金額を、シミュレーションしてみましょう。条件は以下の通りです。

退職金に課税される税金のシミュレーションの計算条件

  • 退職金額:2,500万円
  • 勤続年数:37年5カ月
  • 居住地:東京都

まず、退職所得控除の金額を計算しましょう。

退職所得控除額の計算方法

今回のモデルケースにおいて、勤続年数は38年として計算されるため、退職所得控除額は以下の通りとなりました。

  • 退職所得控除額 = 800万円 + 70万円 × (38年 - 20年)
           = 1,260万円 + 800万円
           = 2,060万円

次に、課税対象となる退職所得の金額を計算します。

  • 課税対象の退職所得額 = (退職金額 - 退職所得控除額) × 1/2
              = (2,500万円 - 2,060万円) × 1/2
              = 220万円

所得税額及び、復興特別所得税の源泉徴収税額は、課税対象の退職所得額に所定の税率をかけて計算します。税率と計算方法は以下の通りです。

  • 所得税額及び復興特別所得税の源泉徴収税額 = (220万円 × 10% - 97,500円) × 102.1%
                        ≒ 125,072円(1円未満端数切捨て)

次に、住民税の金額を計算しましょう。住民税の所得割の計算方法は以下の通りです。

  • 住民税の所得割 = 課税所得金額 × 10%(市町村民税6%、道府県民税4%)
           = 220万円 × 10%
           = 22万円

上記の金額に、住民税の均等割を加えた金額が住民税額となります。

モデルケースの方の居住地である、東京都の均等割額は2020年8月現在で、5,000円(個人都民税1,500円個人市町村民税3,500円)なので、住民税額は合計で225,000円となります。

よって、所得税と住民税を合計した納税額は以下の通りです。

  • 納税額 = 所得税額及び復興特別所得税の源泉徴収税額 + 住民税額
       = 125,072円 + 225,000円
       = 350,072円

退職所得の需給に関する申告書(退職所得申告書)とは

退職金を受け取る場合、勤務先に「退職所得の受給に関する申告書(退職所得申告書)」を提出していなければ、税金の計算方法が変わって負担が増えてしまいます

そのため、退職金を受け取る場合は退職所得申告書を忘れずに提出しましょう。退職所得申告書の提出がない場合は、退職金額の20.42%の所得税及び復興特別所得税が源泉徴収されてしまいます。

仮に、退職金額が2,500万円だった場合、源泉徴収される金額は510.5万円です。

退職所得申告書を提出していた場合の、所得税及び復興特別所得税額を計算すると125,072円となるため、約500万円も税金を余分に支払うことになります。

もし、退職所得申告書を提出しなかった場合は、退職金を受け取った翌年に確定申告をすると、退職所得申告書を提出した場合の税額との差額を還付してもらえます

確定申告の期限は、退職金を受け取った翌年の2月16日〜3月15日までです。確定申告の期限に間に合わなかった場合は、退職金を受け取った翌年1月1日から5年以内に還付申告をすると納めすぎた税金を還付してもらえます。

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まとめ

退職金にかかる税金の種類と計算方法を解説しました。最後に要点を振り返りましょう。

  • 退職金を一時金で受け取った場合は、退職金額から退職所得控除を差し引いた金額の2分の1に対して所得税や住民税が課税される
  • 退職金を年金で受け取った場合は雑所得とみなされて、公的年金と合算した金額から、公的年金等控除額とその他の所得控除を差し引いた金額が課税対象となる
  • 勤務先によっては、退職金を一時金と年金の両方で受け取れる場合があるため、ご自身の状況に応じて受け取り方を決める
  • 「退職所得の受給に関する申告書」を提出していないと退職金にかかる税金の計算方法が変わる
  • もし、退職所得の受給に関する申告書を提出しなかった場合は、確定申告をすると納めすぎた税額を還付してもらえる

退職金は、公的年金と同じく老後生活における貴重な資金源です。手元に残せる金額を殖やすためにも、ファイナンシャルプランナーをはじめとするお金のプロの意見も参考にしながら、ご自身にとってもっとも有利な受け取り方を考えてみてください。

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この記事の執筆者

品木 彰

大手生命保険会社にて7年半勤務し、チームリーダーや管理職候補として個人営業、法人営業の両方を経験。その後、人材会社で転職コンサルタントとしての勤務を経て、2019年1月よりwebライターとして独立。
所有資格
ファイナンシャル・プランニング技能士2級, 日商簿記検定3級
この記事の監修者

石田 直樹

ソニー生命、東京海上日動あんしん生命保険、保険代理店等、保険業界を28年間勤務。支社長や管理職を経験、200回以上のセミナーや研修講師の登壇経験あり。その知識を活かし、もっと多くの人に保険の必要性を正しく理解してもらいたい!という思いを胸に、ナビナビ保険の事業立ち上げメンバーとして異業種のIT企業に転職し、現在に至る。
所有資格
AFP資格、TLC(生保協会認定FP)資格
この記事の編集者

ナビナビ保険編集部

ナビナビ保険編集部は「どこよりも分かりやすい保険情報を届けること」をコンセプトにコンテンツの配信を行っています。

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