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更新:2020.11.20

不動産相続の基本、手続き・かかる費用・注意点を分かりやすく解説します

不動産相続の基本、手続き・かかる費用・注意点を分かりやすく解説します

不動産の相続について

不動産を所有する人が亡くなると、不動産の相続が発生します

遺言書がある場合を除き、不動産を相続できるのは故人(被相続人)の親族などの「法定相続人」となります

相続する際には「誰がどの割合で相続するか?」「相続する不動産の分割方法をどうするか?」などを遺産分割協議で取り決めなければなりません。

また、相続する不動産の評価額によって納めることになる相続税も大きく変わってくるので注意が必要です。

そこでこの記事では、不動産相続における基本や手続きの流れ、相続する際の費用についてわかりやすくご紹介していきます。

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相続人が1人の場合(単独相続)

被相続人が亡くなった際、相続人が1人しかいない場合は被相続人の保有する全財産を1人で相続することになります。

遺産分割協議を行う必要はなく、遺留分(相続人に最低限保証されている相続割合)を気にする必要もありません。

また、一切の手続きも不要なので、相続が発生したタイミングですべての不動産が自動的に単独相続人へと承継されます

相続人が複数いる場合(分割相続)

相続人が複数いる場合、まずは遺言書の有無を確認しましょう

遺言書がある場合は記載内容に従って遺産分配を行います。

遺言書がない場合、相続人が全員参加した上で相続割合を取り決める「遺産分割協議」を行うことになります

基本的に相続人になるのは親族ですが、前妻との間に子供がいるなど思いも寄らない理由で相続人が増える場合があります。

そのため、被相続人の出生時から死亡時までの戸籍謄本などを取得して相続人の数を確定させる必要があります

また、遺産分割を行うためには相続人の確定のほかに、相続財産のすべてを明らかにする必要もあります。

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4つの不動産分割相続の方法

遺産分割をする際の4つの方法

相続人が複数いる場合、原則として分割相続を行うこととなります

現金であれば遺産分割協議によって決められた割合に則って分配すれば遺産分割は終了となりますが、不動産の場合は簡単に分けることができません。

そこで用いられるのが、不動産の分割相続における以下の4つの分割方法です。

不動産の分割相続における4つの分割方法

  1. 現物分割
  2. 代償分割
  3. 換価分割
  4. 共有分割

それぞれの分割方法について、特徴を解説していきます。

1. 現物分割

現物分割は、不動産そのものを複数に分割して、それぞれを現物で相続する方法です。

主に相続する不動産が「土地」の場合に活用される方法で、分割した後も一般的な使われ方が可能な面積がある場合は検討の余地があります。

土地を分割した結果、あまりに面積が狭くなってしまうような場合は別の分割方法を検討するのが良いでしょう

2. 代償分割

代償分割は、一部の相続人が不動産を相続する代わりに、他の相続人に対して現金を支払う分割方法です。

一般的に、不動産は土地の上に建物が建造されていることが多く、明確に分配することが難しいとされています。

代償分割であれば一部の相続人が不動産をまるまる相続し、遺産分割協議で取り決めた相続割合に従って現金を支払うことで正確な割合での分配が可能となります

ただし、代償分割で相続をするためには不動産を相続する人が代償分割で支払うための資産を保有していなければなりません。

また、「不動産」という価値がある財産を相続できるのは1人のみで、他の相続人は現金でしか相続できないという欠点があります

3. 換価分割

換価分割は、相続財産である不動産を売却し、それによって得られた金額を相続人同士で分割する方法です。

不動産のままでは分割が難しい場合であっても、売却して現金に変えてしまえば容易に分割できるようになります。

ただし、不動産を売却する手間と時間がかかることに加え、価値としては同じでも現金を得る代わりに「不動産」という財産を失うことになる点には注意が必要です。

そのため、相続人の誰かが相続した不動産に住み続ける予定がない場合には有効的な分割方法といえます。

4. 共有分割

共有分割は、複数の相続人で1つの不動産を共有名義で相続する方法です。

分割するという考え方ではなく共有して相続することになるので、対象の不動産は各相続人の共有財産ということになります

以降、その不動産を売却したり担保に入れたり、登記変更する場合には共有している全員からの合意を得る必要があります。

なお、共有は一見すると分割争いが発生しない穏便な方法のように見えますが、後々の家族トラブルにつながりやすいといった特徴がある相続方法です。

上述の通り、不動産を売却したいと思っても共有者全員からの同意が得られなければ手続きを行うことができず、共有している人のうちで誰かに相続が発生すると、その配偶者や子供に相続権が移ります。

そうなると、もともとの相続人以外に数多くの相続人が現れることになるので、その不動産の取り扱いを決めることがさらに難しくなってしまいます。

そのため、基本的にはこれまでにご紹介した「現物分割・代償分割・換価分割」のいずれかの方法で分割相続を行い、どうしても意見がまとまらない場合に限り「共有」を選ぶのが賢い相続方法だといえます。

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相続する不動産ごとの相続ポイント

一口に「不動産の相続」といっても、不動産にはさまざまな種類があります。

そこで、相続する不動産ごとに分けて相続するときに意識しておくべきポイントをご紹介していきます。

土地のみの場合

相続する不動産が「土地」のみの場合、以下のポイントを覚えておきましょう。

相続する不動産が「土地」のみの場合のポイント

  • 土地のみの相続であれば「現物・代償・換価・共有」すべての分割相続に可能性がある
  • 一度相続手続きを済ませてしまうと、それ以降の登記変更手続きは難しくなる
  • 他者に土地を売った場合は買い戻しがほぼ不可能で、土地の価格は常に大きく変動する点に注意
  • 相続した翌年から固定資産税が発生し、小規模住宅用地の特例が受けられない更地の場合は高額納税の可能性がある
  • 相続した土地を売却して譲渡益を得た場合、翌年に譲渡所得税が発生する

相続する不動産が土地のみの場合、後述する「戸建て物件」や「マンション」よりもシンプルな分割相続が可能です。

相続した土地をそのまま分割して「現物分割」することもできれば、相続人からの合意がある場合には「代償分割」「換価分割」「共有分割」も選択肢に入ります。

そのため、遺産の分割方法さえ決まってしまえば、不動産の相続の中で比較的スムーズに手続きを進めることができます。

ただし、土地を相続した場合は、翌年以降から「固定資産税」が発生する点には注意が必要です。

固定資産税は相続した土地の価額に応じて決まるので、相続税評価額が高い土地を相続した場合は、相続税に加えて高額な固定資産税を現金で納めていかなければなりません。

また、土地を売却して得た譲渡益には「譲渡所得税」が課税されるので、売却した翌年には高額な納税費用が発生することになります。

「譲渡所得税」とは?
土地や建物を売却した際に得られる譲渡所得に対して発生する税金のこと
「譲渡価額 -(土地の取得費+土地の譲渡費用)- 特別控除額」の金額に所定の税率をかけた金額を納めなければならない

土地を相続する場合には現在の収入状況や相続した土地の活用方法なども含めて、固定資産税や譲渡所得税といった税金負担を軽減できるかどうかをよく検討しておきましょう。

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戸建て物件の場合

相続する不動産が「戸建て物件」の場合、以下のポイントを覚えておきましょう。

相続する不動産が「戸建て物件」の場合のポイント

  • 戸建て物件を相続する場合は、現物分割以外の方法で分割相続することになる
  • 代償分割をする場合には不動産を相続する人が代償として支払うだけの資金を保有している必要がある
  • 換価分割をする場合は譲渡所得税が課されることから実質的に相続できる価額が減ってしまう
  • 共有の場合は将来的に相続人が増えて権利関係の複雑化といった問題が起こる可能性がある
  • 空き家のまま放置していると住宅用地特例の対象から外され、小規模宅地等の特例も使えず固定資産税が跳ね上がる
  • 2020年4月から施行された配偶者居住権にはデメリットもあるのでよく理解した上で活用すべき
  • いずれの分割相続もトラブルに発展する可能性が高いため、基本的には被相続人が遺言書を作成しておくのが望ましい

戸建て物件を相続する場合は建物分割して相続するのが困難なことから、現物分割以外の方法で分割相続をすることになります。

ただし、いずれの分割方法にも短所があるので、それぞれの特徴をよく理解した上でどの相続方法を選ぶか検討するようにしましょう。

なお、戸建て物件の相続はどの分割相続を選んでも家族トラブルに発展する可能性が高いため、基本的には被相続人が遺言書を作成し、自身の死後における戸建て物件の取り扱いについて、あらかじめ取り決めておくのが良いでしょう。

ちなみに、不動産を相続することで翌年以降から固定資産税が発生することになりますが、戸建て物件の場合は納税額の負担を軽減するための様々な特例が存在します。

納税額を節約するための様々な特例の一例

  • 小規模宅地等の特例
  • 取得費加算の特例
  • 配偶者の相続税控除

特例を活用することで非常に大きな税負担を軽減できるようになるので、これらの制度についてしっかりと勉強しておきましょう。

内容については「不動産を相続するときの費用」で詳しく解説していきます。

マンションの場合

相続する不動産が「マンション」の場合、以下のポイントを覚えておきましょう。

相続する不動産が「マンション」の場合のポイント

  • マンションを相続する際は、基本的に戸建て物件の相続と同様で現物分割以外の方法で相続する
  • マンションが建設されている土地の権利を有しているものの、他に居住者がいることから土地の有効活用は望めない
  • マンション自体の築年数がかさむと評価額が下がり、思うような価格での賃貸(貸し出し)が難しくなる
  • 修繕積立金や管理費の負担が大きい

相続する不動産がマンションの場合、基本的な考え方は戸建て物件の場合と同様です。

マンションを分割することは基本的にできないので、現物分割以外の「代償分割・換価分割・共有分割」のいずれかを選択することになります

なお、区分所有分の土地については相続人が権利を有しているものの、マンションという巨大な建造物が建っている都合上、それ以外に土地を有効的に活用する方法がありません。

また、マンションは基本的に築年数がかさむことで評価額が下がっていき、自分の思うような価格での賃貸が難しくなります

それ以外にも修繕費や管理費といった定期的な支出による負担も大きいので、マンションを相続する場合は早い段階で賃貸に出してしまうのが得策といえます。

借り手が増えれば増えるほど家賃収入が得られるようになるので、相続財産にマンションなどの集合住宅がある場合は賃貸に出すことも検討しましょう。

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不動産を相続するときの費用

不動産を相続するときには「相続税」と「諸費用」が発生します

それぞれでどれくらいの費用が発生するのか、計算式と費用の目安をご紹介します。

相続税

相続税は、相続財産の評価額から基礎控除額を差し引いた金額(課税所得)に対して税金が発生します。

そのため、相続税を計算するためには、相続財産の評価額(価値)を算出しなければなりません。

不動産の評価額は、相続する不動産の種類によって評価方法が異なり、同じ種類の不動産であっても査定する業者によって評価額が大きく変わります。

不動産の評価方法は主に以下のとおりですが、基本的には相続関連に強い税理士などの専門家に査定を依頼するようにしたほうが良いでしょう。

不動産の評価方法
不動産の種類 評価方法
土地
  • 路線価方式:宅地が接する路線価×土地の面積
  • 倍率方式:固定資産税評価額×一定の倍率
※路線価とは、道路に面する宅地の1㎡における評価額のことです※倍率方式が採用されるのは路線価のない地域に限られます
住宅などの建物 固定資産税評価額

なお、相続税における基礎控除額は「3,000万円 +(法定相続人の数×600万円)」です。

たとえば、評価額が1億円の土地を相続した際、相続人が4人(配偶者+子供3人)の場合、相続税の対象となる課税所得は以下の通りになります。

例:評価額が1億円の土地を相続した際、相続人が4人いる場合の課税所得

  • 基礎控除額=3,000万円+(法定相続人4人×600万円)=5,400万円
  • 土地の評価額1億円-基礎控除額5,400万円=課税所得4,600万円

つまり、1億円の土地を相続する際に法定相続人が4人いる場合、課税所得は4,600万円となります。

相続税の計算シミュレーション

相続税を計算するためには、課税所得(相続財産の評価額 - 基礎控除額)を法定相続分で按分し、それぞれの法定相続分に所定の税率をかけた「算出税額」を計算します。

その後、それぞれで計算した算出税額を合計した「相続税の総額」に対して「実際の相続割合(%)」をかけて算出された金額が各人の納めることになる「相続税額」となります。

たとえば、評価額が1億円の土地を相続する際、相続人が4人いる場合の相続税額は以下の通りになります。

例:評価額が1億円の土地を相続した際、相続人が3人いる場合の課税所得

  • 基礎控除額=3,000万円+(法定相続人3人×600万円)=4,800万円
  • 土地の評価額1億円-基礎控除額4,800万円=課税所得5,200万円
  • 課税所得5,200万円を法定相続分に則って按分
    • 配偶者:5,200万円×1/2=2,600万円
    • 子供A:5,200万円×1/4=1,300万円
    • 子供B:5,200万円×1/4=1,300万円
  • 相続税の速算表(以下参照)から税率と控除額を参照し、算出税額を計算する
    • 配偶者:2,600万円×15%-50万円=340万円
    • 子供A:1,300万円×15%-50万円=145万円
    • 子供B:1,300万円×15%-50万円=145万円
  • 計算された「算出税額」を合計して「相続税の総額」を計算する
    • 340万円+145万円+145万円=630万円
  • 実際の相続割合に則って、各人の納める相続税額を算出する(今回は法定相続分で計算)
    • 配偶者:630万円×50%=315万円(配偶者の税額の軽減により1億6千万円までなら相続税の負担がなくなる)
    • 子供A:630万円×25%=157.5万円
    • 子供B:630万円×25%=157.5万円
  • 相続税として実際に納税することになる金額
    • 配偶者:配偶者の税額の軽減により0円
    • 子供A:157.5万円
    • 子供B:157.5万円

上記はあくまで法定相続分に則って遺産分割をした場合の料金シミュレーションとなります。

遺産分割協議を行った結果、法定相続分とは異なる割合で遺産分割を行った場合はその割合に従って相続税を負担します。

相続税を計算する際は、相続税の速算表を使って算出する「算出税額」をいったん合計して「相続税の総額」を計算し、その後で実際の相続割合に則って相続税額を割り出します

基本的には税理士に依頼して相続税額を確定させるのが無難ですが、もしも自分で相続税額を算出する場合は計算の手順を間違えないようにご注意ください。

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相続税の税率

相続税額を算出するための税率と控除額は以下のとおりです。

相続税の速算表(平成27年1月1日以後の場合)
法定相続分に応ずる取得金額 税率 控除額
1,000万円以下 10% -
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1,700万円
3億円以下 45% 2,700万円
6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

参照:相続税の税率|国税庁

相続にかかる諸費用

不動産を相続する際には「相続登記」を行うことになります。

相続登記を行うためには以下の諸費用が必要です。

相続登記にかかる費用
項目 内容 費用
登録免許税 相続登記を行う際に法務局へ納めることになる税金のこと
基本的に登記手続きを行う際に書類へ貼付する収入印紙として納める
不動産の価額(固定資産税評価額)×0.4%
司法書士報酬 相続に関する手続きを司法書士に依頼する場合に発生する
司法書士によって報酬額は異なる
一般的に10万円前後
その他手数料 各種書類を取得する際に必要な諸々の手数料
  • 戸籍謄本:450円/通
  • 除籍謄本・原戸籍簿:750円/通
  • 住民票:300円/通
  • 登記事項証明書:500円/通
  • 法務局へ出向くための交通費

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相続時の費用を節約するための方法

ここまでご覧いただいた通り、相続後に納めることになる相続税は非常に高額です。

そこで、この章では相続時の費用を節約するための方法を簡単にご紹介していきます。

相続時に活用できる主な特例や制度は以下のとおりです。

相続時に活用できる主な特例や制度
名称 内容
小規模宅地等の特例 小規模な宅地において一定の要件を満たした場合に最大80%の相続税が減額される特例
  • 特定居住用宅地等:被相続人等が住んでいた宅地の要件。330㎡が限度面積で減額割合は80%。
  • 特定事業用宅地等:被相続人等が事業をしていた宅地の要件。400㎡が限度面積で減額割合は80%。
  • 特定同族会社事業用宅地等:一定の法人の事業をしていた宅地の要件。一定の法人とは被相続人や被相続人の親族により支配されている法人をいう。400㎡が限度面積で減額割合は80%。
  • 貸付事業用宅地等:被相続人等が貸付事業をしていた宅地の要件。200㎡が限度面積で減額割合は50%。
取得費加算の特例 相続開始から3年10か月以内に不動産を売却して得られた「譲渡所得」より一定の控除が受けられる特例
厳密にはその不動産の取得費に以下の計算式で算出された金額を加算することで譲渡所得にかかる税金が軽減される
  • 譲渡所得の計算式:収入金額-((取得費+加算する相続税額)+譲渡費用)-特別控除=事業所得金額
  • 取得費に加算する相続税額:譲渡した人の納付すべき相続税額×(譲渡資産の相続税の課税価格/債務控除前のその人の相続税の課税価格)
配偶者の相続税控除 被相続人の財産を配偶者が相続する場合、以下のどちらか多い金額までなら相続税の納付義務が発生しなくなる制度
  • 1億6,000万円
  • 配偶者の法定相続分相当額
配偶者の法定相続分は1/2なので、配偶者が遺産の半分を相続すればその分については相続税が発生しないことになる
ただし、二次相続が発生する時の相続税負担が重くなるというデメリットがある
おしどり贈与
(贈与税の配偶者控除)
以下の要件を満たす場合に贈与された不動産の価額が2,000万円までなら税金が発生しなくなる制度
贈与税には基礎控除として110万円の控除枠があるため、合計で2,110万円までが非課税となる
ただし、同一の配偶者からの贈与については一生に一度しか適用されない
  1. 夫婦の婚姻期間が20年を過ぎた後に贈与が行われたこと
  2. 配偶者から贈与された財産が、自分が済むための国内の居住用不動産であること又は居住用不動産を取得するための金銭であること
  3. 贈与を受けた年の翌年3月15日までに、贈与により取得した国内の居住用不動産又は贈与を受けた金銭で取得した国内の居住用不動産に、贈与を受けた者が現実に住んでおり、その後も引き続き住む見込みであること
参照:夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除|国税庁
配偶者居住権 2020年4月から施行された制度で、居住の用に供する不動産を「所有権部分」と「利用権部分」に分割し、配偶者に対して「利用権部分」を与えるというもの
本制度を利用することで相続発生時の「自宅を取るか預貯金を取るか」といった問題を回避することができる
一次相続時には「所有権」と「利用権」のどちらにも相続税が課されるため、節税効果は見込めない
ただし、二次相続時には配偶者居住権が消滅し、「利用権(配偶者居住権の評価額)」は無税で移転できることから節税効果を期待できる
なお、新しくできたばかりの制度であることから、利用する場合には専門家からの助言が必須
空き家特例 相続が発生したことにより空き家となった不動産を売却して得られた譲渡益は、以下の要件を満たす場合に3,000万円の特別控除が受けられるようになる
  • 相続日から起算して3年を経過する日の属する年の12月31日まで、かつ特例の適用期間である2023年末までに譲渡を行う
  • 相続開始の直前において被相続人が一人で居住していたものであること※
  • 1981年(昭和56年)5月31日以前に建築された区分所有建築物以外の建物であること
  • 相続時から売却時まで、事業、貸付、居住の用に供されていないこと
  • 相続により土地及び家屋を取得すること
  • 譲渡対価の合計額が1億円以下であること
  • 耐震リフォーム等により、譲渡時において耐震基準に適合することが証明された家屋の売却であること
参照:被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例|国税庁

これらの特例や制度を活用することで、相続時の費用や相続後の税負担を緩和することができます

ただし、それぞれの制度を活用するための要件や注意点への対処は専門知識を持っていないと判断が難しい場面が多々あります。

そのため、基本的には相続に関する手続きに精通した専門家に相談して、アドバイスを受けながら各種手続きを行っていくようにしましょう

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不動産相続の流れ

不動産を相続する際の手続きの流れは以下のとおりです。

不動産の相続手続きは非常に煩雑で、手間が多いことに加え時間もかかります。

そのため、基本的には相続に強い専門家からの指示を仰ぎながら各種手続きを行うのが無難といえます。

とはいえ、不動産を相続する際の全体的な流れを理解しないままに依頼をするのも問題があるといえるので、各手順についてわかりやすくご紹介していきます。

1. 相続人・相続財産を確認する

被相続人が亡くなり相続が発生したら、まずは遺言書の有無を確認しましょう

遺言書がある場合は、その内容に従って遺産分割を行います。

ただし、遺言書は家庭裁判所による検認が必要なので、見つけたとしても勝手に開封しないように気をつけましょう

遺言書が見つからなかった場合は、被相続人の出生時から死亡時までの戸籍謄本を取得し、誰が相続人であるかを確認します。

また、それと並行して相続財産の洗い出しを行うようにしてください。

遺言書がない場合の「遺産分割協議」には、相続人全員が参加する必要があり、誰か1人でもかけているとその遺産分割協議は無効となってしまいます。

そのため、必ず被相続人の出生時から死亡時までの戸籍謄本を取得して、全相続人を把握してから次のステップに進みましょう。

2. 遺産分割協議を行う

相続人・相続財産の確認ができたら「遺産分割協議」を行います

遺産分割協議では、全相続人が参加した上で被相続人の財産を相続するための割合を取り決めます。

協議とはいえ、必ずしも全相続人が一堂に会する場を設ける必要はなく、電話やメール、手紙でのやり取りでも問題ありません。

遺産分割協議を行う場合、その競技で取り決めた遺産相続の内訳を記載しておく「遺産分割協議書」を作成する必要があります

遺産分割協議書には、全相続人が合意したことを証明するための署名と実印が必要となります。

また、遺産分割協議書は全相続人がそれぞれ1通ずつ所有することになるので、作成した書類は必ず保管しておくように気をつけましょう。

3. 相続財産の名義変更(相続登記)を行う

遺産分割協議が終わり遺産の相続割合が決まったら、不動産を相続するにあたって「相続登記」を行います

相続登記とは、不動産の名義を被相続人から相続人へと書き換える手続きのことです。

相続登記をしなくとも対象の不動産を利用し続けることは可能ですが、将来的に売却する場合に手続きが煩雑になったり、他の相続人が知らぬ間に売却してしまったりなどのトラブルを防ぐことができます。

手続きの有効期間は定められておらず、相続登記をしなかったとしても罰則等はありませんが、必ずこのタイミングで相続登記の手続きを行うように心がけましょう。

相続登記の申請は、その不動産の所在地を管轄する法務局の窓口で行うことになり、申請の際には以下の書類が必要です。

相続登記に必要な書類

  • 登記申請書
  • 不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)
  • 被相続人の住民票の除票
  • 被相続人の死亡時から出生時までの戸籍謄本
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 遺産分割協議書または遺言
  • 相続人全員の印鑑証明書
  • 固定資産評価証明書

また、上記とは別に相続登記をするための費用も必要となります

具体的な相続登記の申請手順については、以下の記事をご参照ください。

4. 相続税の申告・納付手続きをする

被相続人が亡くなり相続が開始してから10か月以内に相続税の申告と納付手続きを行わなければなりません。

遺産分割協議で取り決めた相続割合に則った相続税を計算し、各相続人が自分で納税手続きを行う必要があります

仮に誰かが立て替えて相続税を納めると、それとは別に贈与税が課される可能性もあるので、必ず各相続人が自分で手続きを行うようにしてください。

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不動産相続の注意点

最後に、不動産相続における注意点について解説して終わります。

登記されてない不動産だった場合

相続した不動産が登記されていない「未登記物件」または増築した箇所をそのままにしている「一部未登記」の場合、相続人全員で遺産分割協議を行って所有権保存登記を行う必要があります

簡単にまとめると、その不動産が誰のものであるかを明確にしておくために登記手続きを行う必要があるということです。

登記を行っていないとその不動産の売却ができなかったり、担保に入れて借金をしたりすることができなくなります。

相続する際に未登記、または一部未登記であることが判明した場合は、面倒ではありますが必ず登記手続きを行うようにしてください

不動産が担保に入っていた場合

相続した不動産がすでに担保に入っている場合、相続財産の中に借金も含まれている可能性が高いといえます。

担保に入っている=抵当権がついている状態なので、不動産を相続した人に抵当権も引き継がれ、結果的に借金も背負うこととなります

抵当権を削除したい場合は借金を完済する必要があり、それとは別に抵当権抹消の手続きを行わなければなりません。

不動産相続には家族トラブルがつきもの

不動産相続には家族トラブルがつきものです。

たとえば、父が他界したことで相続対象となった実家を誰が相続するか、相続割合をどうするかで兄弟姉妹が揉めることも少なくありません。

また、相続問題を解消するために共有名義とした場合、将来的にその不動産を売却する際には共有者全員からの合意を得る必要があり、手続き自体が煩雑になります。

さらに、共有者のうちの誰かに相続が発生した場合、第三者の相続人が加わることになってしまい、不動産の取り扱いがより困難なものとなってしまいます。

そうしたトラブルを未然に防ぐためには、被相続人が生存している間に「遺言書」を作成して不動産の相続割合を決めておくことが最善の選択です。

遺言書の作成にはさまざまな方法があるので、自身の死後における家族のことを考えて、事前に遺言書を遺しておくようにしましょう。

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まとめ

不動産の所有者が亡くなると、不動産の相続が発生します。

不動産は一般的に分割することが難しく、家族間でのトラブルの原因になりやすいという欠点があります。

基本的には被相続人が生存している間に遺言書を作成しておくのがベストですが、遺言書が見つからない場合は以下の4つの方法で不動産を分割相続することになります。

不動産の分割相続における4つの分割方法

また、相続する不動産が「土地」「戸建て物件」「マンション」のどれに該当するかによって注意すべきポイントも異なります。

不動産の相続が発生した場合は、この記事を参考にしながら各種の手続きを進めるようにしてみてください。

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公開:2020.11.20
この記事の執筆者

中村 翔也

携帯代理店法人部門にて営業職として2年半勤務後、2017年12月よりwebライターとして独立。通信ジャンルをメインに金融系、保険記事を毎月30本以上執筆。
所有資格
ファイナンシャル・プランニング技能士3級
この記事の監修者

藤田 匡紀

新卒で日本生命保険相互会社に入社し、販売企画・代理店営業など多様な業務に従事。13年間勤務した後「もっと多くの人に、保険の必要性を正しく理解してもらいたい」という思いを胸にエイチームフィナジーに入社、ナビナビ保険の運営に参画。金融機関における顧客向け相続セミナー・研修会の実績も多数あり。
所有資格
AFP資格、証券外務員Ⅱ種
この記事の編集者

ナビナビ保険編集部

ナビナビ保険編集部は「どこよりも分かりやすい保険情報を届けること」をコンセプトにコンテンツの配信を行っています。

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