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保険を知る

更新:2020.09.16 公開:2020.01.29

個人年金保険料控除とは? 5つのステップで所得税、住民税の負担が軽減される額も簡単計算!

個人年金保険料控除とは? 5つのステップで所得税、住民税の負担が軽減される額も簡単計算!

個人年金保険に加入している人が受けることができる個人年金保険料控除は、上手に活用すれば所得税、住民税の負担が軽減される制度です。

しかし、申請の条件や方法など複雑な点も多く、あらかじめ制度について理解をしておかなければ損をする可能性があります。

この記事では、個人年金保険に加入した場合の保険料控除の仕組みや申請方法について詳しく解説します。

個人年金保険料控除とは

個人年金保険料控除とは、個人年金保険に加入し払い込んだ保険料の額に応じて所得税や住民税の負担が軽減される制度のことです。

個人年金保険に加入して保険料を支払うだけでは、個人年金保険料控除による税金の優遇は受けられません。

会社員や公務員は年末調整で、自営業やフリーランスは確定申告で個人年金保険料控除の申請が必要です。

また、年末調整で個人年金保険料控除を申請した結果、あらかじめ給与から天引きされていた所得税よりも金額が低くなった場合、差額が12月の給与で還付されます。

個人年金保険料控除は、生命保険料控除のひとつ

個人年金保険料控除は、生命保険料控除という所得控除のひとつです。

個人年金保険に限らず生命保険や医療保険などに加入すると、支払った保険料に応じた額が所得から控除されて税金の負担が軽減されます。

生命保険料控除には、以下の3つの区分があり、それぞれの区分ごとに支払った年間保険料で、所得から控除される金額が決まる仕組みです。

対象となる保険
一般生命保険料控除 介護医療保険料控除 個人年金保険料控除
  • 終身保険
  • 定期保険
  • 学資保険
  • 収入保障保険
  • 養老保険
  • 個人年金保険(※税制適格特約なし)など
  • 医療保険
  • 介護保険
  • がん保険など
  • 個人年金保険(※税制 適格特約あり)

定期保険や終身保険などで一般生命保険控除の額が上限に達していても、個人年金保険の控除額は別枠で計算されるため、所得税、住民税の負担が軽減される効果を高められます。

ただし、個人年金保険であっても、税制適格特約を付加していなければ、一般の生命保険料控除に分類されてしまうため注意が必要です。

個人年金保険料税制適格特約とは

個人年金保険料税制適格特約とは、加入している個人年金保険を個人年金保険料控除の対象にするための特約です。

特約を付加しても保障内容自体に変化はなく、特約部分の保険料も無料です。

ただし、個人年金保険料税制適格特約を付加するためには、以下の1〜4の条件を満たす必要があります。

個人年金保険料税制適格特約の条件

  • 年金の受取人が保険料を支払っている本人もしくは配偶者
  • 保険料の支払い期間が10年以上
  • 年金の受け取り開始が満60歳
  • 年金の受け取り期間が10年以上(確定年金や有期年金の場合または終身年金)

上記の条件を満たさない場合や、保険料を一時払いで支払って個人年金保険に加入した場合税制適格特約は付加できないため注意しましょう。

また保険料の運用先を自分で指定する変額個人年金は、契約内容にかかわらず税制適格特約が付加できないため、一般保険料控除の対象となります。

実際いくら戻ってくる? 個人年金保険料控除の計算方法

個人年金保険料控除によって軽減される税金の額は、所得税・住民税の控除額に、それぞれの税率をかけて算出します。

所得税と住民税は、以下のとおり税率が異なるため、軽減される税額を試算する場合にはそれぞれ計算しなければなりません。

個人年金保険料控除の計算方法

  • 所得税 … 課税対象となる所得額に応じて税率が変わる
  • 住民税 … 課税所得にかかわらず一律10%

【STEP1】年間保険料に応じた「個人年金保険料控除額」を計算する

生命保険料控除の新制度と旧制度の違い

個人年金保険料控除の計算式は生命保険料控除制度が新制度に移行したため、個人年金保険を契約した年によって異なるので注意が必要です。

まずは以下を参考に、自分がどちらの制度に分類されるか確認しましょう。

新制度と旧制度の契約日

  • 新制度:平成24年1月1日以降に契約
  • 旧制度:平成23年12月31日以前に契約

新制度の個人年金保険料控除額(平成24年1月1日以降の契約)

新制度の個人年金保険料控除額(平成24年1月1日以降の契約)
所得税 住民税
年間払込保険料額 控除される金額 年間払込保険料額 控除される金額
20,000円以下 払込保険料全額 12,000円以下 払込保険料全額
20,000円超~40,000円以下 (払込保険料 × 1/2) + 10,000円 12,000円超~32,000円以下 (払込保険料 × 1/2) + 6,000円
40,000円超~80,000円以下 (払込保険料 × 1/4) + 20,000円 32,000円超~56,000円以下 (払込保険料 × 1/4) + 14,000円
80,000円超 一律40,000円 56,000円超 一律28,000円

例えば、個人年金の保険料が年間で60,000円だった場合の控除額は、以下の通りです。

例)個人年金の保険料が年間で60,000円だった場合

  • 所得税:35,000円(60,000円 × 1/2 + 20,000円)
  • 住民税:28,000円(56,000円以上のため)

旧制度の個人年金保険料控除額(平成23年12月31日以前の契約)

旧制度の個人年金保険料控除額(平成23年12月31日以前の契約)
所得税 住民税
年間払込保険料額 控除される金額 年間払込保険料額 控除される金額
25,000円以下 払込保険料全額 15,000円以下 払込保険料全額
25,000円超~50,000円以下 (払込保険料 × 1/2)+ 12,500円 15,000円超~40,000円以下 (払込保険料 × 1/2)+ 7,500円
50,000円超~100,000円以下 (払込保険料 × 1/4)+ 25,000円 40,000円超~70,000円以下 (払込保険料 × 1/4)+ 17,500円
100,000円以上 一律50,000円 70,000円以上 一律35,000円

仮に新制度が適用される個人年金保険と旧制度が適用される個人年金保険の両方に加入していた場合は、以下の2つのうちどちらかを選択します。

新制度・旧制度の両方の保険に加入している場合

  • 旧制度が適用される個人年金保険料控除のみ申告する
  • 新制度と旧制度それぞれの控除額を合算して申告する

ただし、合算して申告を選択しても最大控除額は新制度と同じく、所得税40,000円、住民税28,000円となる点に注意です。

【STEP2】所得税軽減額を計算するために、まずは課税所得を算出

次に、所得税や住民税を計算するときに課税対象となる所得を計算しましょう。

課税対象となる所得

  • 会社員や公務員の課税所得:年収 - 給与所得控除 - 所得控除
  • 自営業やフリーランスの課税所得:売上 - 経費 - 所得控除

給与所得控除の額は、収入によって異なるので、詳しくは国税庁のサイトでご確認ください。

また、自営業やフリーランスの方の経費は、事業の売上に貢献した費用でなければ認められませんので注意が必要です。

また、所得控除とは所定の条件を満たすと一定額が所得から差し引かれる控除のことで、生命保険料控除以外にも、以下のような種類があります。

所得控除の種類

  • 基礎控除:全員一律受けられる所得控除
  • 社会保険料控除:健康保険や年金保険などで支払った保険料と同額の控除が受けられる所得控除
  • 配偶者控除:収入が一定以下の配偶者がいる場合に受けられる所得控除
  • 医療費控除:年間の医療費の自己負担が10万円を超えた場合に利用できる所得控除

課税所得は、職業や家族構成などさまざまな条件を考慮して計算する必要があるため、個人によって大きく異なります。

【STEP3】課税所得に応じた「所得税」の軽減額を計算する

課税所得が計算できたら、以下の表に照らし合わせて、所得税の額を計算します。

所得税の額を計算する
課税所得 税率(a)
195万円以下 5%
195万円超330万円以下 10%
330万円超695万円以下 20%
695万円超900万円以下 23%
900万円超1,800万円以下 33%
1,800万円超4,000万円以下 40%
4,000万円超 45%

例えば、課税所得が150万円の場合、税率は5%です。

仮に、個人年金保険料控除額が4万円だった場合、所得税の軽減額は「4万円 × 5% = 2,000円」となります。

【STEP4】「住民税」の軽減額を計算する

住民税の税率は、課税所得にかかわらず10%です。

個人年金保険料控除額が2.8万円だった場合、住民税の軽減額は「2.8万円 × 10% = 2,800円」になります。

【STEP5】年間軽減額を計算

最後に所得税の軽減額と、住民税の軽減額の合計が年間の軽減額です。【STEP3】と【STEP4】で求めた所得税と住民税の軽減額を合計すると、以下になります。

年間軽減額

  • 年間軽減額 = 2,000円 + 2,800円 = 4,800円

上記が年末調整等で控除される金額になります。

年間軽減額をシミュレーションしてみよう

ここで、以下のモデルケースを用いて年間の節税額をシミュレーションしてみましょう。

モデルケース例

  • 職業:会社員
  • 年収:500万円
  • 所得控除:120万円(基礎控除:48万円(2020年以降)、社会保険料控除:72万円)
  • 個人年金保険の保険料:月額1万円(平成30年7月に加入)

1. 個人年金保険料の控除額を計算

まずは個人年金保険の控除額を計算しましょう。平成30年7月に加入しているため、新制度の個人年金保険料控除が適用されます。

個人年金の年間保険料は12万円ですので、控除額は所得税が4万円、住民税が2.8万円です。

2. 課税所得の金額を計算

会社員の課税所得の計算式は「課税所得 = 年収 - 給与所得控除 - 所得控除」でしたね。

年収が500万円の場合、2020年以降の給与所得控除の計算式は「収入金額 × 20% + 440,000円」ですので、計算すると144万円となります。よって課税所得の金額は、以下の通りです。

  • 課税所得 = 年収 - 給与所得控除 - 所得控除
  • = 500万円 - 144万円 - 120万円
  • = 236万円

3.所得税と住民税の軽減額をそれぞれ計算して合計する

課税所得が236万円の場合、所得税の税率は10%です。

控除額は4万円ですので、軽減額は4,000円(4万円 × 10%)となります。そして住民税の軽減額は、2,800円(2.8万円 × 10%)です。

合計すると、6,800円(4,000円 + 2,800円)の住民税の負担が軽減される節税効果となります。

年間で6,800円の節税と聞くと、所得税の負担が軽減される節税の効果があまり高くないと感じた人もいらっしゃるかもしれません。

個人年金保険は、加入期間が20年や30年など長期にわたる保険です。そのため、加入期間で合計すると数十万円になることもあり、高い所得税、住民税の負担が軽減することができます。

ただし所得税、住民税の負担が軽減される額は、年収や家族構成などによって大きく変わるため注意しましょう。

個人年金保険料控除の申告方法、書き方

個人年金保険料控除は、所定の方法で申請をしなければ控除を受けることができません。

なお、個人年金保険料控除の申告には、保険会社から送られてくる「生命保険料控除証明書」が必要です。

申告書類は、生命保険料控除証明書がないと記入できないうえに、申告の際は控除証明書の原本を提出しなければなりません。

生命保険料控除証明書は、毎年10月頃に送付されてきます。

手紙やハガキのような形をしているため、誤って捨ててしまわないようにしましょう。仮に紛失した場合は、再発行の手続きが必要です。

年末調整の場合

給与所得者の保険料控除申告書の分類

年末調整とは、給与からあらかじめ天引きされていた所得税を正しい金額に計算し直して過不足を清算する手続きです。

年末調整で、個人年金保険料控除を申告するためには「給与所得者の保険料控除申告書」の生命保険料控除の所定の箇所を記載して、会社のルールに従って申請しましょう。

生命保険料控除の書き方

書き方は以下の通りです。

①の箇所の書き方

  • 生命保険料控除証明書から契約内容を転記する
    • 保険会社:〇〇生命など契約している保険会社名を記入
    • 保険等の種類:〇〇年金など年金の種類を記入
    • 保険期間又は年金支払期間:10年、終身などを記入
    • 保険等の契約者の氏名:年金を契約している人の氏名
    • 支払開始日:年金の支払いが開始される日付を和暦で記入
    • あなたとの続柄:申請する人が年金を受け取る場合は「本人」と記入

②の箇所の書き方

  • 生命保険料控除証明書から申告額を転記する

③の箇所の書き方

  • 個人年金保険料控除額を記入する
    • D:申告書内の(a)の数値のうち、区分を「新」に○をした数値を合計して記入
    • E:申告書内の(a)の数値のうち、区分を「旧」に○をした数値を合計して記入
    • ④・⑤:申告書内下段の計算式を用いて控除額を計算し記入
    • ⑥:④と⑤の合計額を記入
    • ハ:⑤と⑥のうちいずれか大きい方の金額を記入

年末調整は毎年11月ごろに行われ、期限は2〜3週間ほどであることが多いです。

また、年末調整の方法は、会社独自の申告方法を実施している場合があるので、年末調整の時期が近づいてきたら事前に申請方法や申請期間、提出先をチェックしておくと安心です。

ちなみに、年末調整で生命保険料の申告をし忘れた場合は、自営業の方と同じく確定申告によって所得税を還付してもらえます。

確定申告の場合

確定申告とは、年間の所得と所得税を自ら計算して、国に納める手続きのことで「確定申告書」に以下の手順で記入し申告します。

確定申告の場合

  • 確定申告書の第二表の「⑭生命保険料控除」に個人年金保険の払込保険料額を記入
  • 払込保険料額を元に控除額を計算
  • 確定申告書の第一表の「生命保険料控除⑭」に計算した控除額を記入

あとは、住所や氏名など必要項目を記入して、生命保険料控除証明書と、その他の必要書類を揃えて期限内に税務署に提出します。

確定申告書は国税庁のホームページからダウンロードが可能です。また、こちらの確定申告書作成コーナーから確定申告書を作成すると、数値を入力するだけで控除額や所得税の金額を自動で計算してくれるため、とても便利です。

また、e-taxを利用すると、税務署に行かずに自宅や職場のPC上で確定申告できます。

確定申告の期限は、例年2月16日〜3月15日までで、申告期限内は税務署がとても混み合うため、不明点がある場合は早めに問い合わせて解消しましょう。

このように、個人年金保険料控除を受けるためには、年末調整や確定申告での申請が必要です。そして年末調整や確定申告での申請の際に、iDeCoなど適用できる控除がある場合は同時に申請しましょう。

個人年金保険とiDeCoと併用している場合

iDeCoとは、掛金を拠出して自分で運用し、老後の年金を積み立てる制度です。

iDeCoの掛金は「小規模企業共済等掛金控除」という所得控除の対象ですので、年末調整や確定申告による所定の手続きが必要です。

個人年金保険とiDeCoでは、適用される所得控除の種類が異なるため、それぞれの控除を受けることで所得税、住民税の負担が軽減できます。

iDeCoでは、年間掛金の全額が所得控除の対象になります。

例えば、毎月2万円の掛金であれば、48万円が所得税と住民税の課税所得からそれぞれ控除されます。

個人年金保険の控除額は、年間の保険料に応じた一定額しか所得から控除されないため、iDeCoの方が高い所得税、住民税の負担が軽減される効果が得られます。

個人年金保険の年金受取時における税制上の注意点

個人年金保険の年金受け取り時には以下の注意点があります。

個人年金の受け取りは契約形態によって課せられる税金が違う

保険契約者と保険金受取人の組み合わせによる税金の違い

個人年金保険は、契約者と年金受取人の設定によって課税される税金の種類が異なります。

契約者と年金受取人が同一人物の場合、毎年受け取る年金のうち保険料を引いた利益の部分が所得税(雑所得)になるため、ほかの所得と合わせて課税の対象になります。

契約者と年金受取人が別人の場合、年金を契約者から受取人に贈与しているとみなされ贈与税の対象となるため、年金の権利評価額から110万円を引いた部分がすべて課税の対象となります。

この場合、所得税よりも多くの税金負担が生じる可能性があるので、よほどのこだわりが無い限りは、契約者と年金受取人は同じ人物に設定すると余分な税金を支払わなくて済みます。

配偶者控除を受けられない可能性がある

配偶者が年金を受け取ることによって、配偶者の所得が増えて、世帯主が配偶者控除を受けられなくなる可能性があります。

その結果、世帯主の税金の負担が上昇してしまう点に注意しましょう。

ただし、配偶者控除が受けられなくなっても、配偶者特別控除を受けることで、世帯主は引き続き控除を適用できる場合があります。

まとめ

今回は、個人年金保険料控除のポイントについてお話しました。再度ポイントを振り返ってみましょう。

個人年金保険料控除のポイント

  • 個人年金保険料控除とは、年間の個人年金保険料の額に応じた一定額が課税所得から控除されて、所得税や住民税の負担が軽減される仕組み。
  • 個人年金保険料控除は、所得控除の一種である生命保険料控除の区分の1つ。ただし税制適格特約を付加する必要がある
  • 個人年金保険料控除を申告するためには、年末調整や確定申告にて申告が必要
  • 個人年金保険料控除とiDeCoの所得控除は併用が可能

個人年金保険料控除の所得税、住民税の負担が軽減される効果は、長い目で見ると大きな効果となります。

個人年金保険料控除の節税額の計算方法や申請の方法について理解できた方は、毎年必ず申告しましょう。

この記事の執筆者

品木 彰

大手生命保険会社にて7年半勤務し、チームリーダーや管理職候補として個人営業、法人営業の両方を経験。その後、人材会社で転職コンサルタントとしての勤務を経て、2019年1月よりwebライターとして独立。
所有資格
ファイナンシャル・プランニング技能士2級, 日商簿記検定3級
この記事の監修者

石田 直樹

ソニー生命、東京海上日動あんしん生命保険、保険代理店等、保険業界を28年間勤務。支社長や管理職を経験、200回以上のセミナーや研修講師の登壇経験あり。その知識を活かし、もっと多くの人に保険の必要性を正しく理解してもらいたい!という思いを胸に、ナビナビ保険の事業立ち上げメンバーとして異業種のIT企業に転職し、現在に至る。
所有資格
AFP資格、TLC(生保協会認定FP)資格
この記事の編集者

ナビナビ保険編集部

ナビナビ保険編集部は「どこよりも分かりやすい保険情報を届けること」をコンセプトにコンテンツの配信を行っています。
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