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保険を知る

更新:2020.08.24 公開:2020.08.21

不妊治療は医療費控除で還付金を受け取れる! 対象になる・ならない項目と申請の流れ

不妊治療は医療費控除で還付金を受け取れる! 対象になる・ならない項目と申請の流れ

不妊治療の中には、人工授精や体外受精のように公的医療保険制度の対象外である治療もあり、治療費の負担も増える傾向にあります。

そこで、不妊治療を受ける際は医療費控除を利用して負担を軽減することが大事です。

医療費控除とは、1年間で支払った医療費が一定金額を超えた場合に、課税対象となる所得から超過分を控除してくれる制度で、所得税や住民税の負担を軽減できる場合があります。

しかし、不妊治療で支払ったお金の全てが医療費控除の対象になるわけではありません

この記事では不妊治療で支払った費用のうち、医療費控除の対象となる費用や、控除額の計算方法についてわかりやすく解説します。

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医療費控除の対象となる不妊治療の費用

医療費控除の対象となる不妊治療は、以下の6種類です。

1.人工授精・体外受精・顕微受精の費用

人工授精・体外受精・顕微受精は医療費控除の対象になります。

それぞれの特徴は、以下の通りです。

  • 人工授精:精子を子宮内に直接注入する不妊治療
  • 体外受精:体外で卵子の入った培養液に精子を加えて受精させる不妊治療
  • 顕微授精:細い針で精子を卵子の中に注入する不妊治療

人工授精や体外受精、顕微授精は自由診療に分類されるため、公的医療保険の対象となりません。そのため、治療費は全額自己負担となります。

人工授精や体外受精などを複数回受けると、治療費の自己負担が年間で50〜100万円ほどかかるケースも珍しくありません。

2.医薬品・漢方薬代

不妊治療に必要な薬代も、医療費控除の対象です。

医師から処方された薬だけでなく、医薬品と定義されていれば、不妊治療のために購入した漢方薬も医療費控除の対象となります。

3.採卵消耗品代

排卵消耗品とは、採卵針や培養液など、卵子を採取する際に使用する器具です。

不妊治療を受ける医療機関によって費用は異なりますが、一般的に数万円程度かかります

4.卵子凍結保存料・保管料

卵子が老化してしまうと流産の確率が上がるため、卵子をできるかぎり若い状態に保つために、卵子を凍結保存することがあります。

卵子の凍結保存料や保管料は医療機関によって異なりますが、数十万円を超えることもあります

5.マッサージ指圧師・鍼師・柔道整復師の施術費

不妊治療の際に、妊娠しにくい体質を改善するためにマッサージや鍼治療などを受けて支払った施術費は、医療費控除の対象です。

マッサージ指圧師や鍼師、柔道整復師による施術に対する費用は、医療費の範囲であるとされているからです。

6.通院のための交通費

不妊治療を受けるために利用した電車やバスなどの公共機関の料金は、医療費控除の対象となります。

ただし、ガソリン代や駐車場代、タクシー代は医療費控除の対象外です。また、通院に電車を利用したとしても、Suicaのチャージ代も医療費控除の対象に含まれません。

7.医師の紹介料

不妊治療を受ける医療機関を変える場合、現在担当している医師から紹介状を書いてもらうことがあります。

紹介状を書いてもらうために支払った文書料は、医療費控除の対象です。

ただし、医師が書く書類でも保険加入時に保険会社へ提出するために取得した、診断書の発行手数料は医療費控除の対象となりません

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医療費控除の対象外になる不妊治療の費用

以下のような不妊治療の費用は、医療費控除の対象外です。

医療費控除の対象外となる費用

  • 入院中の差額ベッド代
  • 里帰り出産の交通費
  • 妊活セミナーの受講料
  • 妊娠検査薬・排卵検査薬等の費用
  • 妊活サプリ・健康食品の購入代
  • マタニティーヨガ、マタニティビクスの利用料

上記の費用は、不妊治療を直接の目的とする行為の対価として認められないため、医療費控除の計算に含めません。

医療費控除の対象となるのは、基本的に医師やあん摩マッサージ指圧師、はり師などの有資格者が、治療を目的に診療・施術を行った場合の費用です。

医療費控除で還付される金額の計算方法

医療費控除で所得から控除される金額を計算する方法は、総所得が200万円以上であるかどうかによって異なります

総所得の計算方法は、以下の通りです。

総所得の計算方法

  • 給与所得者(会社員・公務員など): 年収 - 給与所得控除額
  • 自営業者:収入(売上金額) - 売上を得るための必要経費

総所得が200万円以上の場合

総所得が200万円以上の場合の医療費控除額の計算方法は、以下の通りです。

総所得が200万円以上の場合の医療費控除額の計算方法

  • 1年間で払った医療費 - 保険金等で補填される金額 - 10万円

※1年間:1月1日~12月31日

1年間で支払った医療費には、不妊治療の費用だけでなく家族全員が支払った費用も含まれます

例として、「年間医療費30万円、保険金等で補填される金額10万円の場合」の実際の医療費控除額を試算してみましょう。

年間医療費30万円、保険金等で補填される金額10万円の場合

  • 医療費控除額 = 1年間で払った医療費 - 保険金等で補填される金額 - 10万円
                     = 30万円 - 10万円 - 10万円
                     = 10万円

よって10万円が、所得税や住民税の課税対象となる所得から控除されます

所得税の税率は、前年の所得によって異なります。

仮に税率が5%だった場合、10万円 × 5% = 5,000円の所得税が還付されます。

一方で、住民税の税率は一律10%です。

そのため、確定申告をした年の6月以降に支払う住民税の負担が1万円(10万円 × 1%)軽減されます。

総所得が200万円未満である人の医療費控除額

総所得が200万円未満の場合、医療費控除の金額は、以下の方法で計算します。

総所得が200万円未満の場合の医療費控除額の計算方法

  • 1年間で払った医療費 - 保険金等で補填される金額 - 総所得の5%

※1年間:1月1日~12月31日

控除される金額が10万円ではなく、総所得の5%となっている点が大きな違いです。

それでは、以下のモデルケースで医療費控除の金額を計算してみましょう。

総所得180万円、年間の医療費20万円、保険金等で補填される金額5万円の場合

  • 医療費控除 = 1年間で払った医療費 - 保険金等で補填される金額 - 総所得の5%
                   = 20万円 - 5万円 - (180万円 × 5%)
                   = 6万円

仮に、所得税の税率が5%であった場合、確定申告で3,000円(6万円 × 5%)の所得税が戻ってきます

また、確定申告した年の6月以降に支払う住民税の負担は6,000円(6万円 × 5%)軽減されます

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不妊治療の医療費控除で抑えておくポイント

医療費控除を利用する際には、下記の注意点があります。

必ず税負担を軽減できるわけではない

医療費控除を利用できるからといって、必ずしも税負担が軽減されるわけではありません

特に、ふるさと納税や住宅ローン控除といった、所得税と住民税の負担が直接軽減される税額控除を受けている人は要注意です。

税額控除を受けている人は、所得税額が0円となっている場合もあります。そのため、医療費控除を利用したからといって、控除額に税率を掛けた分だけ所得税が戻ってくるとは限りません。

夫婦の治療費を合算して申告できる

医療費控除は納税者本人だけでなく、配偶者や生計を同一にする家族の医療費も合算して控除額を計算できます

そのため、夫婦が共に支払った不妊治療費やその他の病気や怪我で支払った医療費も医療費控除の対象です。

ただし、事実婚など法的に婚姻関係がない場合は、医療費を合算できません

人工授精や体外受精など、自分とパートナーの両方に費用がかかる不妊治療を受けた場合は、負担した医療費を両者が合理的な割合で按分し、それぞれが医療費控除を申告する必要があります。

医療機関によっては、ご自身とパートナーの医療費の割合を明記してくれるところもありますが、基本的にはご自身で計算しなければなりません。

どの割合で申告すれば良いか分からない場合は、お住まいの住所を管轄する税務署に相談しましょう。

共働き夫婦は、所得の高い方が申告した方が良い場合がある

不妊治療を行っている世帯が共働きであった場合、所得の高い人が医療費控除を申告した方が、より高い節税効果を得られる可能性があります

所得税は超過累進課税で計算されるため、個人の所得が高くなるほど税率が高くなる仕組みです。

そのため、医療費控除の金額が同じでも税率が高い人で申告した方がより税負担の軽減効果を得られるのです。

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医療費控除を申告する流れ

医療費控除を利用するには、不妊治療を受けた翌年に確定申告をしなければなりません。生命保険料控除のように、年末調整では申告できない点に注意が必要です。

確定申告で医療費控除を申告するには、以下の書類を準備する必要があります。

医療費控除の申告で必要な書類

確定申告書はAとBの2種類あり、サラリーマンや年金を受給している人は、確定申告書Aを使用し、自営業やフリーランスの方は確定申告書Bを使用するのが一般的です。

医療費控除明細書は、病院から発行された領収書をもとに記載します。領収書自体は提出の必要はありませんが、手元に5年間保管しなければなりません

また、加入している健康保険組合から発行された医療費通知を添付すると、医療費控除明細書の記載を簡略化できます。

本人確認書類は、マイナンバーカードもしくは、以下の番号確認書類と身元確認書類です。

番号確認書類

  • 通知カード
  • 住民票の写し
  • 住民票記載事項証明書
    (マイナンバーの記載があるものに限る) など

身元確認書類

  • 運転免許証
  • 公的医療保険の被保険者証
  • パスポート
  • 身体障害者手帳
  • 在留カード など

国税庁「医療費控除が変わります!!」をもとに作成

マイナンバーカードを発行していない場合は、上記の番号確認書類と身元確認書類の両方の写しを提出する必要があります

必要書類の作成方法と提出方法

確定申告の書類は、国税庁のサイトから必要書類をダウンロードして手書きで記入する他、確定申告書作成コーナーから入力したものを印刷しても作成できます

確定申告書は以下のリンクからダウンロードできますので、参考にしてください。

確定申告書のダウンロード

確定申告書類を作成したあとは、添付書類を添えて税務署に持参するか郵送しましょう。e-tax を利用することで電子申告も可能です。

確定申告の書類を提出して不備がなく、還付される所得税がある場合は、およそ1ヶ月で所定の口座に還付金が振り込まれます

申告の期限

確定申告で医療費控除を申告する際は、医療費を支払った翌年の2月16日〜3月15日の間で申告しなければなりません

自営業の方や、確定申告をする予定のある人は、期間内に申告を済ませましょう。

しかし、中には忙しくて確定申告の期間中に申告できない方もいます。

確定申告をし忘れた、あるいは会社員で申告する必要のない方は、還付申告をすることでも医療費控除を申告できます

また、還付申告できるのは、不妊治療を行って医療費を支払った年の翌年1月1日から5年間です。必要書類や申告方法は、確定申告と同じです 。

比較的時間に余裕はあるものの、あまりにも時間が経過してしまうと領収書を紛失したり、還付申告すら失念したりする可能性があります。できるだけ早めに申告しましょう。

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不妊治療の助成金

不妊治療で支払った費用に応じて医療費控除を利用できるとは言え、不妊治療費が高額であることに変わりはありません。

そこで、高額な不妊治療の費用負担を軽減してくれる助成制度についても解説します。

医療費控除の控除額を計算するときは、これらの制度を利用して受け取った助成金の金額を差し引く必要がある点に注意して下さい。

特定不妊治療助成制度

特定不妊治療助成制度とは、自治体ごとに決められた指定医療機関で特定不妊治療(体外受精・顕微授精)を受けた場合に、費用の一部を助成してもらえる制度です。

助成される金額は、初回の特定不妊治療が30万円まで、2回目以降は15万円となります。ただし、凍結胚移植(採卵を伴わないもの)等については最大7.5万円です。

また、特定不妊治療のうち、精子を精巣または精巣上体から採取するための手術の費用については、初回は30万円、2回目以降は15万円までの費用を追加で助成してもらえます。(凍結杯移植(採卵を伴わないもの)は除く)

特定不妊治療助成制度を受けられる回数は、以下のように初めて助成を受けた際の治療期間における年齢に応じて異なります。

特定不妊治療助成制度を受けられる回数

  • 40歳未満:6回まで
  • 40歳以上:3回まで

加えて、特定不妊治療助成制度を利用できるのは、以下の条件を満たす夫婦です。

特定不妊治療助成制度を利用できる夫婦

  • 特定不妊治療以外の治療法によっては妊娠の見込みがないか、又は極めて少ないと医師に診断された、法律上の婚姻をしている夫婦
  • 治療期間の初日における妻の年齢が43歳未満である夫婦
  • 夫婦合算の所得が730万円以下の世帯

※厚生労働省「不妊に悩む夫婦への支援について」をもとに作成

未婚のカップルや事実婚状態である夫婦は、特定不妊治療助成制度を利用できません

特定不妊治療助成制度の申告方法や必要書類は、お住いの自治体によって異なります。また、自治体によっては助成内容自体が違う場合もありますので、利用する場合は、各自治体の担当窓口に確認するようにして下さい。

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まとめ

不妊治療を受けた際の医療費控除について解説しました。

  • 医療費控除とは、1年間で支払った医療費が一定額を超えた場合に、超過分が課税対象の所得から控除される制度
  • 医療費控除の対象になるのは、体外受精や人工授精などの不妊治療費だけでなく、治療を受けるために利用した電車やバスなどの公共交通機関料金も対象
  • 不妊治療のために入院した際の差額ベッド代や健康サプリ、マタニティーエクササイズ代などは医療費控除の対象外
  • 医療費控除額の計算方法は、年収200万円以上の人と200万円未満の場合で異なる
  • 医療費控除を受けるには、確定申告もしくは還付申告が必要
  • 不妊治療は特定不妊治療助成制度を利用すると費用負担を軽減できる

不妊治療では、医療費控除を受けたり特定不妊治療助成制度を利用することで治療費の負担を軽減できます。

費用が高額になることが多いため、これらの公的な制度を上手く活用して家計への負担を減らすことが大切です。

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この記事の執筆者

品木 彰

大手生命保険会社にて7年半勤務し、チームリーダーや管理職候補として個人営業、法人営業の両方を経験。その後、人材会社で転職コンサルタントとしての勤務を経て、2019年1月よりwebライターとして独立。
所有資格
ファイナンシャル・プランニング技能士2級, 日商簿記検定3級
この記事の監修者

石田 直樹

ソニー生命、東京海上日動あんしん生命保険、保険代理店等、保険業界を28年間勤務。支社長や管理職を経験、200回以上のセミナーや研修講師の登壇経験あり。その知識を活かし、もっと多くの人に保険の必要性を正しく理解してもらいたい!という思いを胸に、ナビナビ保険の事業立ち上げメンバーとして異業種のIT企業に転職し、現在に至る。
所有資格
AFP資格、TLC(生保協会認定FP)資格
この記事の編集者

ナビナビ保険編集部

ナビナビ保険編集部は「どこよりも分かりやすい保険情報を届けること」をコンセプトにコンテンツの配信を行っています。

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