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保険を知る

更新:2020.06.22 公開:2020.01.29

上皮内新生物(上皮内がん・上皮内腫瘍)とは? 悪性新生物との違いやがん保険の適用について徹底解説

上皮内新生物(上皮内がん・上皮内腫瘍)とは? 悪性新生物との違いやがん保険の適用について徹底解説

「がん」は日本人の2人に1人はかかると言われており、非常に身近な病気で、がんには大きく分けて「上皮内新生物」と「悪性新生物」の2種類があります。

上皮内新生物は分かりやすく言えば「がんの芽」であり、この段階で発見できれば皮膚や粘膜の表面を浅く削る手術で対処可能で、転移の可能性がないことが特徴です。

また、上皮内がんと診断されてもがん保険は適用されますが、がん保険の種類によって保障内容が全く異なる点に注意が必要です。

一方の悪性新生物は、一般的によく言われる「がん」のことで、がん細胞が臓器の奥深くまで浸潤し、さらに血液やリンパ液に乗って別の臓器に転移してしまう可能性が高いことが特徴です。

これらの違いは主に「転移するか否か」ですが、その他にも「がん保険が適用されるか否か」という点においても大きな違いがあります。

上皮内新生物と悪性新生物の違い、がん保険の適用有無についてわかりやすく解説します。

これらの違いをあらかじめ知っておくことで、最適ながん保険を選べるようになるので要点をしっかりと覚えておきましょう。

がん保険について詳しく知りたい人はこちらの記事も参考にしてください。

上皮内新生物(上皮内がん)とは?

上皮内新生物(上皮内がん・上皮内腫瘍)は、がんの一種で、簡単に言えば「悪性新生物(がん)の一歩手前の状態」です。

私たちの体内にある様々な臓器は、以下のイメージ図のようにいろいろな種類の粘膜や層が折り重なって作られています。

上皮内新生物と悪性新生物の違い

画像引用:がん対策のススメ ニュースレター|がん対策推進企業アクション

上皮内新生物は、臓器の一番外側にある「上皮」の内部にできた「できもの=新生物」のことで、他の部位や臓器に転移する可能性はほとんどないと言われています。

この段階で発見できれば皮膚や粘膜の浅い部分を削る手術を行うことで、完治する可能性が高い病気です。

一方で、発見が遅れて上皮内新生物(上皮内がん)が悪性化してしまうと、上皮のすぐ下にある「基底膜(きていまく)」を突き破って、より奥深くへと浸潤していきます。

上皮内新生物が臓器内の粘膜筋板を越えて浸潤してしまった段階を「悪性新生物(浸潤がん)」と呼びます。

上皮内新生物と悪性新生物の違いは?

冒頭で、がんには大きく分けて「上皮内新生物」と「悪性新生物」の2種類があるとお伝えしました。

上述の通り、上皮内新生物が悪性化すると悪性新生物となりますが、先に結論からお伝えすると、これらの違いは他の部位や臓器に転移する可能性があるか否かです。

以下、上皮内新生物と悪性新生物の違いを簡潔にまとめた一覧表をご覧ください。

上皮内新生物と悪性新生物の違い
上皮内新生物 悪性新生物
転移の可能性 なし※ あり
主な治療方法
  • 病変部分を切除するなどの手術で完治可能
  • 再発の可能性もない
  • 転移した箇所も含めて病変部分を取りきる必要がある
  • 取り切れなかった場合や遠隔転移の場合は再発してしまう可能性が高い

※ただし悪性化すると悪性新生物へと進行する可能性が高い

上皮内新生物は転移の可能性がなく、病変部分を切除するなどの手術を行うことで完治可能な病気です。

転移の可能性がない理由は、がん転移のメカニズムにあります。

そもそも「転移」とは?

悪性新生物(がん)の転移

転移とは、最初に見つかった悪性新生物(がん)が血管やリンパ管にまで浸潤し、血液やリンパ液とともに別の部位や臓器、器官へと移動して増殖することを指します。

この段階で悪性新生物がリンパ管に入ってしまうと「リンパ節転移」、血管に入ってしまうと血液に混じって全身に運ばれ、体中の至るところへ転移する可能性のある「遠隔転移」へとつながってしまいます。

ただし、上皮の内部にできた「上皮内新生物(上皮内がん)」の場合は、血液やリンパ液などの移動手段がないため、物理的に他の部位や臓器に転移することができないのです。

つまり、上皮内新生物と診断された場合は他の部位や臓器への転移の心配がなく、病変部分だけを取り除くことができれば完治可能な病気だといえるのです。

上皮内新生物と診断される割合はどれくらい?

ここまで、上皮内新生物と悪性新生物の違いについてお伝えしてきました。

この項目では、実際にがんと診断された人のうち、上皮内新生物と診断される割合がどれくらいなのかを確認していきましょう。

ここでは「国立がん研究センターがん情報サービス」の「全国がん罹患(りかん)モニタリング集計」の最新版、2015年罹患数・率報告の集計データを例に挙げてご紹介します。

全都道府県における各部位のがん(上皮内新生物・悪性新生物)の診断割合データ
部位 集計対象数 上皮内新生物 (上皮内がん) 限局 (最初に発生した臓器以外に転移していない悪性新生物) 所属リンパ節転移 隣接臓器浸潤 遠隔転移 不明
全部位 941,419 10.1 40.6 8.3 12.0 16.2 11.0
食道 24,400 9.3 32.8 8.4 24.3 15.1 10.2
大腸(結腸・直腸) 169,843 22.4 33.7 13.1 8.8 14.1 7.8
結腸 114,170 24.3 32.7 12.0 9.3 14.2 7.4
直腸 55,673 18.6 35.9 15.5 7.7 13.8 8.5
106,773 0.3 32.5 9.8 8.5 37.2 11.7
皮膚 25,948 20.3 67.1 1.0 3.9 0.8 6.7
乳房 91,745 10.1 52.2 19.5 3.7 5.5 9.0
乳房(女性のみ) 91,141 10.1 52.3 19.5 3.7 5.4 8.9
子宮 45,467 44.0 30.6 1.9 12.4 5.6 5.5
子宮頚部 30,707 65.1 14.5 1.3 11.5 3.9 3.9
膀胱 35,462 44.2 36.5 1.0 6.6 2.7 9.1

※香川県のみ2014年集計値、それ以外の全都道府県は2015年集計値※大腸(結腸・直腸)・結腸・直腸は粘膜がんを含む参照:表37集計対象地域進展度分布(%)部位別(上皮内がんを含む)2015年|全国がん罹患モニタリング集計2015年罹患数・率報告(平成31年3月)

上記のデータを見ると、2015年にがんと診断された約94万人のうち、10.1%(およそ9.5万人)が上皮内新生物(上皮内がん)と診断されています。

中でも、女性は上皮内がんと診断されるケースが多い(乳房・子宮・子宮頚部参照)ので、保障内容に上皮内新生物が含まれているがん保険を選ぶのがおすすめです。

上皮内新生物(上皮内がん)や悪性新生物(がん)の治療方法

上皮内新生物と診断された場合の治療方法は、主に以下の3パターンが挙げられます。

がんの治療方法(標準治療)
治療方法 内容
手術(外科的切除)
  • 病変部位を外科的に切除することで治療する方法
  • 体への負担を少なく、手術後の合併症を防ぐために手術の方針が決められた上で行われる
薬物療法
  • 化学療法(抗がん剤治療)、ホルモン療法(内分泌療法)、分子標的治療、分化誘導療法などが含まれ、薬物を使って癌細胞の増殖を抑える治療方法
  • 「錠剤やカプセルなどの飲み薬」と、「点滴や注射などで血管に直接注入する方法」の2種類がある
放射線治療
  • 放射線を照射することでがん細胞の増殖を抑える治療方法
  • 体に傷をつけずにがんを小さくする効果が期待できるが、がんの種類によって効きやすさや治りやすさは異なる

※標準治療…現時点で得られている科学的根拠に基づいた最も良い治療方法のこと参照:知っておきたいがんの基礎知識|国立がん研究センターがん情報サービス

がんの種類によって治療方法は異なりますが、上記のいずれかの方法を単独で行う場合と、複数を組み合わせた方法で治療を行う場合があります。

治療を行う場合は手術内容に応じた費用が必要となりますが、がん保険の種類によって「上皮内新生物と診断された場合は保障が適用されない」といったケースが起こりえます。

そのため、がん保険に加入する際はその保障内容にまでしっかりと目を通しておくことが重要です。

上皮内新生物におけるがん保険の保障は3パターン

上皮内がんと診断された場合は、病変部分を浅く削る手術を行うことで完治可能ですが、手術内容によって費用が大きく異なります。

そんなときに頼れる存在が「がん保険」ですが、上皮内新生物と悪性新生物では保障内容が異なる場合が多いので注意が必要です。

上皮内新生物におけるがん保険の保障パターンは全部で3つあるので、それぞれ確認していきましょう。

上皮内新生物におけるがん保険の3つの保障パターン

  1. 保障対象外
  2. 一部保障
  3. 同等保障

なお、がん保険はあくまで「金融商品」であり、残念ながらすべての手術に対応できる万能なサービスではありません。

また、手術内容を決めるのは医師と患者本人ですが、保障が適用されるかどうかは保険会社の判断によるので、がん保険を選ぶ際はしっかりと保障内容にまで目を通してどの保険を選ぶかが重要です。

1. 保障対象外

がん保険の中には、上皮内新生物(上皮内がん)と診断された場合は保障の対象外となるがん保険があり、この点を知らずにがん保険に加入している人が非常に多く、万が一のときに保障が適用されずトラブルとなるケースがあります。

こういったトラブルを未然に防ぐには、あらかじめがん保険の内容をよく確認して、上皮内がんと診断された場合に保障の対象となっているかを確認しておくことが重要です。

ファイナンシャルプランナー(FP)に相談する際も「この保険は上皮内がんと診断された場合でも保障は受けられますか?」と確認し、保険内容のどの部分にその記載があるかを確認しておくことをおすすめします。

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2. 一部保障

がん保険には、上皮内新生物(上皮内がん)と診断された場合に悪性新生物と比べて保障内容が薄くなっているがん保険があります。

具体的に言えば、がんと診断されたときの「診断給付金」が100万円のがん保険に入っていても、仮にそれが「上皮内がん」だった場合は最大50万円までしか受け取れない、といったケースです。

悪性新生物と上皮内新生物の保障内容の違い(イメージ)
保険会社A 保険会社B
診断種別 悪性新生物 上皮内新生物 悪性新生物 上皮内新生物
診断給付金 50万円 5万円 1回につき50万円・100万円・200万円 1回につき25万円・50万円・100万円
※がん診断給付金額の50%
支払限度 期間内に1回限り 期間内に1回限り 1年に1回、通算6回まで 1回限り

※保険サービスの内容によって保障内容は異なります

上記のように、上皮内新生物と診断された場合は、悪性新生物の1〜5割と診断給付金が減額されたり適用回数が少なかったりと差があります。

また、上皮内新生物の場合は診断給付金の支払い条件が厳しくなっている場合もあるので、がん保険を選ぶ際は給付金の金額だけではなく、支払い条件も吟味して選ぶことが重要です。

3. 同等保障

がん保険には、上皮内新生物・悪性新生物のどちらと診断された場合でも同等の保証が適用されるがん保険があります。

料金は高めに設定されていますが、上皮内がんと診断されても一般的ながんと同じ保障が受けられるので、万が一のときでも安心です。

上皮内新生物と診断される割合はどれくらい?」で具体的なデータを例に挙げましたが、上皮がんと診断される可能性が高い傾向にある女性は、このタイプのがん保険に加入するのが良いかと思います。

がん保険を選ぶときのポイントまとめ

保証対象外・一部保障・同等保障の3パターンがあることを理解した上で、以下のポイントを抑えてがん保険を選ぶようにするのが大切です。

がん保険を選ぶときのポイントまとめ

  •  保障対象に上皮内がんは含まれているか
  •  がん保険の保障内容はどのようになっているか
  •  上皮内がんと診断された場合の給付金と回数はどれくらいか
  •  上皮内がんと診断された場合の支払い条件はどうなっているか

先程もお伝えしたとおり、がん保険はすべての手術に対応できる万能なサービスではありません。

それを念頭に置いた上で、保障内容や条件をよく吟味してがん保険を選ぶようにするのが良いでしょう。

上皮内新生物のよくある質問Q&A

最後に、上皮内新生物についてよくある質問にお答えして終わりたいと思います。

Q. 上皮内新生物に命の危険はある?

上皮内新生物(上皮内がん)は、皮膚や臓器の一番外側にある「上皮」の内部にできたがんのことで、物理的に転移する可能性がありません。

病変部分を取り除くことができれば完治可能で、その後に再発してしまう可能性性もないため、一般的ながん(悪性新生物)と比べて命の危険は少ないといえるでしょう。

ただし、上皮内新生物が悪性化すると一般的な「がん」へと進行してしまうので、早期発見・早期手術が重要となってきます。

Q. 女性は上皮内新生物になりやすい?

個人差はあるものの、女性は男性と比べて上皮内新生物になりやすいといえます。

上皮内新生物と診断される割合はどれくらい?」でご紹介したように、女性は上皮内新生物と診断される割合が高いことがわかっています(乳房・子宮・子宮頚部参照)。

がん保険を選ぶ際は、上皮内新生物の場合でも一般的ながん(悪性新生物)と同等の保障が適用されるタイプのがん保険を選ぶと、万が一のときでも安心です。

Q. 上皮内新生物の保障が手厚いがん保険は?

がん保険の種類は非常に数が多く、保障内容によって金額も様々です。

そのため、自分自身がどういった事態に備えておきたいのかを明確にイメージし、そのイメージに適したがん保険を選ぶことが大切になってきます。

とはいえ、素人目線で給付金や保険料だけで判断してがん保険を選ぶのは非常に危険です。

がん保険を選ぶときは必ず、プロの目線から的確なアドバイスや相談に乗ってくれる「ファイナンシャルプランナー(FP)」に相談してから決めることをおすすめします。

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まとめ

上皮内新生物(上皮内がん)はがんの一種ですが、転移の可能性がなく病変部分を取り除くことができれば完治可能な病気です。

ただし、上皮内がんと診断された場合はがん保険の内容によって、給付金が受け取れなかったり減額されたりする場合があります。

そのため、がん保険を選ぶときは保障内容や支払い条件まで含めて、よく確認してから選ぶことが大切ですが、素人目線で適当にがん保険を選んでしまうと、万が一の場合に備えられない可能性があります。

これからがん保険を選ぼうと思っている人は、保険に精通しているファイナンシャルプランナー(FP)に相談して、プロの目線でのアドバイスをもらってから選ぶようにしてください。

この記事の執筆者
中村 翔也
携帯代理店法人部門にて営業職として2年半勤務後、2017年12月よりwebライターとして独立。通信ジャンルをメインに金融系、保険記事を毎月30本以上執筆。
この記事の監修者
石田 直樹
所有資格
AFP資格、TLC(生保協会認定FP)資格
ソニー生命、東京海上日動あんしん生命保険、保険代理店等、保険業界を28年間勤務。支社長や管理職を経験、200回以上のセミナーや研修講師の登壇経験あり。その知識を活かし、もっと多くの人に保険の必要性を正しく理解してもらいたい!という思いを胸に、ナビナビ保険の事業立ち上げメンバーとして異業種のIT企業に転職し、現在に至る。
この記事の編集者
ナビナビ保険編集部
ナビナビ保険編集部は「どこよりも分かりやすい保険情報を届けること」をコンセプトにコンテンツの配信を行っています。
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