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更新:2020.06.18 公開:2020.05.12

遺産相続手続きの一連の流れとポイント、相続代行サービスについて分かりやすく解説

遺産相続手続きの一連の流れとポイント、相続代行サービスについて分かりやすく解説

病気や事故によってご家族が亡くなられた時、葬儀を執り行うこと以外にも必ずやらなければならないのが「被相続人(故人)の遺産相続」です。

遺産相続の手続きは様々な書類を準備して、複数の窓口(税務署・法務局・金融機関・市区町村役場など)に行く必要があります。

また、遺産相続は手続きごとに期日が設けられており、その期日に遅れたり手続きを行わなかったりすると後々トラブルに発展するかもしれません。

この記事では、遺産相続の手続きにおける一連の流れを期日ごとにまとめて分かりやすく説明していきます。

相続対象や範囲、相続税について詳しく解説したこちらの記事もあわせてご確認ください。

遺産相続の手続きにおける一連の流れ

遺産相続手続き 一連の流れ

この章では、遺産相続の手続きの流れを期日ごとに分けてまとめています。
期日ギリギリで手続きを行うと何らかのトラブルが発生した場合に期日に間に合わない可能性があります。
以下の一覧表をチェックリスト代わりにご利用いただき、なるべく早めに手続きを行うようにしてください。

なお、故人が会社員や公務員などの場合、勤務先が行う手続きもあるので速やかに勤務先に連絡しましょう。

遺産相続の手続きにおける一連の流れ
期日 どこで すること ポイント
死亡から7日以内の手続き 病院 死亡診断書(死体検案書)の受け取り
  • その後の手続きでも必要になる場合が多いのでコピー推奨(5部ほど)
病院・市区町村役場  死亡届(死亡証明書)の提出
  • 死亡した人の死亡地または本籍地の市区町村役場に提出する
  • 届出人になれるのは「親族・同居人・後見人・家主・地主・家屋管理人・土地管理人」など
死亡から10日以内の手続き 社会保険所 年金受給停止の手続き
※厚生年金の場合 
  • 以下の持ち物が必要
    • 亡くなった方の年金証書(年金手帳)
    • 死亡診断書または火葬許可証
    • 戸籍謄本(または除籍謄本)
    • 故人と年金請求者の住民票写し
死亡から14日以内の手続き 社会保険所 年金受給停止の手続き
※国民年金の場合 
  • 以下の持ち物が必要
    • 亡くなった方の年金証書(年金手帳)
    • 死亡診断書または火葬許可証
    • 戸籍謄本(または除籍謄本)
    • 故人と年金請求者の住民票写し
市区町村役場 健康保険・介護保険の資格喪失届の提出
  • 健康保険証や介護保険証を合わせて持っていく必要がある
  • 故人の扶養に入っていた人は国民健康保険の手続きも行う
市区町村役場 世帯主変更届の提出
保険会社・各金融機関窓口 生命保険・損害保険、金融機関の手続き
各種窓口 公共料金や各種サービスの変更と解約
死亡から3か月以内の手続き 家庭裁判所 遺言書の確認・検認
市区町村役場 相続人・相続財産(遺産・債務)の調査
自宅・家庭裁判所 相続人全員で遺産分割協議
家庭裁判所 相続放棄・限定承認
死亡から4か月以内の手続き 税務署 所得税の準確定申告、税金の納付
死亡から10か月以内の手続き 税務署 相続税申告と納付手続き
死亡から1年以内の手続き 家庭裁判所・地方裁判所 遺留分減殺請求の手続き
死亡から2年以内の手続き 市区町村役場 葬祭費・埋葬料の申請手続き
死亡から3年10か月以内の手続き 税務署 相続税軽減の手続き
死亡から5年10か月以内の手続き 税務署 相続税の還付請求の手続き

死亡から7日以内の手続き

死亡してから7日以内に行う必要がある手続きは以下のとおりです。

死亡から7日以内の手続き

死亡診断書の受け取り

はじめに、病院にて「死亡診断書(死体検案書)」を発行してもらいます。

死亡診断書は「医師の診療監視下にある患者が、生前に診療していた傷病に関連して死亡したと認める場合」に発行される書類です。

一方の死体検案書は、上記以外の場合(事故、診療外の病気、異常死、自殺など)で医師が検案(死亡の事実を医学的に確認するための調査)を行った場合に作成される書類です。

どちらの書類もその人の死亡を証明するための書類で、この書類がないと遺体の火葬や埋葬ができません。

基本的には病院側が手続きを行ってくれるはずですが、万が一手元にない場合は病院の窓口までお問い合わせください。

なお、死亡診断書(死体検案書)は今後の手続きでも必要となることが多いので、コピーを5部ほど取って保管しておくようにしましょう。

死亡届の提出

死亡診断書(死体検案書)が用意できたら、死亡した人の死亡地または本籍地、もしくは届出人の所在地の市区町村役場に「死亡届」を提出します。

死亡届は、その人が死亡したことを市区町村に報告するための書類で、死亡してから7日以内に手続きを行わなければなりません。

死亡届の用紙は病院に備えられていることが多いですが、市区町村役場でも入手可能です。

画像引用:死亡届(PDF)|法務省

死亡届は上記の画像のとおり、左側の「死亡届」と右側の「死亡診断書」に分かれています。

用紙の左側が配偶者や親族が記入する「死亡届」、右側は医師が記入する「死亡診断書」となっているので、担当医師に記入してもらう必要があります。

届出人になれるのは「親族・同居人・後見人・家主・地主・家屋管理人・土地管理人」など故人と関係がある人だけです。

記入済みの死亡届を市区町村役場に提出すると「火葬(埋葬)許可証」が発行され、葬儀社にて遺体の火葬・埋葬ができるようになります。

死亡から10日以内の手続き

死亡してから10日以内に「年金受給停止の手続き」を行いましょう。

年金受給停止の手続き

故人が年金受給者の場合は、住民票記載の住所地を管轄する社会保険所にて「年金受給停止の手続き」を行う必要があります。

厚生年金の場合は死亡してから10日以内、国民年金の場合は死亡してから14日以内に手続きを行わなければなりません。

社会保険所で手続きをする際には、以下の持ち物が必要です。

年金受給停止の手続きをする際の持ち物一覧

  • 亡くなった方の年金証書(年金手帳)
  • 死亡診断書または火葬許可証
  • 戸籍謄本(または除籍謄本)
  • 故人と年金請求者の住民票写し

年金証書や年金手帳が見つからない場合、社会保険所に「紛失届」「紛失事由書」を提出することになります。

また、年金の支払いが一部未払いだった場合は、合わせて給付の請求を行いましょう。

死亡から14日以内の手続き

死亡から14日以内に行わなければならない手続きは以下のとおりです。

年金受給停止の手続きは、故人が「国民年金」の受給者だった場合、14日以内に手続きを行う必要があります。
「厚生年金」の受給者だった場合や、すでに手続きを終えている人はこの手続きを行う必要はありません。

健康保険・介護保険の資格喪失届の提出

故人が国民健康保険や介護保険の被保険者だった場合、お住いの地域を管轄する市区町村役場にそれぞれの資格喪失届を提出する必要があります。

資格喪失届を提出する際、健康保険証や介護被保険者証も合わせて返還する必要があるので、忘れずに持っていきましょう。

また、75歳以上の方は後期高齢者医療資格喪失届も提出することになるので、市区町村役場の指示に従って手続きを行ってください。

なお、未納保険料がある場合は相続人に未納分が請求され、逆に保険料を多く納めていた場合は相続人に対して還付されます。

故人の扶養に入っていた場合は、別途国民健康保険の手続きをする必要があるので覚えておきましょう。

世帯主変更届の提出

故人が世帯主の場合は「世帯主変更届」を市区町村役場に提出する必要があります。
ただし、下記に該当する場合は世帯主変更の手続きを行う必要はありません。

世帯主変更届を提出しなくても良い場合

  • 残された世帯員がひとりの場合
  • 残された世帯員が15歳未満の子供とその親権者である場合

一般的には死亡届の提出と同時に行われることが多いですが、死亡届の提出時に手続きを行っていない場合は、死亡してから14日以内に手続きを行う必要があるのでご注意ください。

生命保険・損害保険、金融機関の手続き

故人が生命保険や損害保険に加入していた場合は保険会社に連絡をして保険金の受け取り手続きを行います。
保険金については他の相続人からの同意を得る必要はありません。

また、それと合わせて金融機関に連絡をして、口座名義人の死亡による入出金停止の手続き(口座凍結)も行いましょう。
口座を凍結しておかないと、他の相続人が勝手に預金を引き出してしまう恐れがあるのでご注意ください。

公共料金や各種サービスの変更と解約

銀行口座を凍結した後は公共料金や各種サービスの自動引落が止まってしまうので、支払い方法を変更と解約手続きを行いましょう。
各種サービスで最低限チェックしておきたい項目は以下のとおりです。

各種サービスの変更と解約で最低限チェックしておきたい項目

  • 電気・水道・ガス
  • 携帯電話・固定回線
  • その他Webサービス
  • 固定電話
  • NHK
  • 運転免許証・パスポート
  • クレジットカード
  • ゴルフ会員権

死亡から3か月以内の手続き

死亡から3か月以内に行わなければならない手続きは以下のとおりです。

遺言書の確認・検認

遺言書がある場合、今後の遺産相続の手続きが変わってきます。

遺言書がある場合、家庭裁判所による検認(遺言書の開封・内容確認)をした後、原則として記載されている内容に従って遺産の分配を行います。

家庭裁判所による検認を行うことで初めて法的に有効であるか判断され、封印のある遺言書を勝手に開封してしまうと、法律で50,000円以下の過料が課されることになります。

勝手に開封してしまってもその遺言書が無効になることはありませんが、内容の偽造や変造の可能性が疑われる可能性があるため、遺言書を発見しても牽引が終わるまでは触れないようにしておくのが無難です。

家庭裁判所で遺言の検認を行うためには、以下の持ち物が必要となるので準備しておきましょう。

遺言書の検認で必要な持ち物

  • 遺言書(自筆証書遺言、秘密証書遺言)
  • 遺言書の検認の申立書(800円分の収入印紙貼付)
  • 遺言者(個人)の出生から死亡までが記載された戸籍謄本
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 連絡用の郵便切手

遺言書の申立書は最高裁判所公式ホームページの「遺言書の検認の申立書」から、戸籍謄本はお住いの地域を管轄する市区町村役場にて取得が可能です。

なお、自宅や事務所、金庫の中から遺言書が見つからない場合は、「公正証書遺言」を作成して公正役場に保管している場合があります。

公正証書遺言は全国の公証役場でどこからでも検索可能なので、最寄りの公証役場に戸籍謄本や本人確認書類(運転免許証など)を持参の上、検索の手続きを行ってください。

公正証書遺言は、公証役場が認証した上で作成された遺言書なので家庭裁判所での検認の不要です。

遺言書が発見できなかった場合は、相続人全員で話し合って遺産の分配(遺産分割協議))を行うこととなります。

相続人・相続財産(遺産・債務)の調査

法廷相続人の範囲関係図と相続順位

遺言書がない場合、相続人同士で「遺産分割協議」を行う必要があるため、その「相続人」が誰であるかを確定するために調査が必要です。

「遺産分割協議」とは?
相続人全員で被相続人(亡くなった人)の遺産の分配を決める話し合いのこと

民法で定められている「相続人」の定義は以下のとおりです。

相続人の定義

  • 常に法定相続人:配偶者
  • 第1順位:子(子が亡くなっている場合は孫)
  • 第2順位:父母(父母が亡くなっている場合は祖父母)
  • 第3順位:兄弟・姉妹(兄弟・姉妹が亡くなっている場合は甥・姪)

参照:相続人の範囲と法定相続分|国税庁

ただし、相続人の確定は、故人の戸籍謄本や除籍謄本を確認し、出生から死亡するまでの間で途切れることがない戸籍を確認してから確定させてください。

実は前妻(前夫)との間に子供がいた、隠し子がいたなどで相続人の数が増える可能性があるためです。

また、相続人の調査に加えて、「相続される遺産(債務)」についても確認する必要があります。

相続される遺産は、以下の2種類があります。

  • プラス財産:預貯金や不動産、土地、株式など
  • マイナス財産:借金や住宅ローン、小切手、未払いの所得税や住民税など

故人が借金をしていた場合、相続した人が変わりに弁済義務を負うことになるので、マイナス財産についても必ず確認を取るようにしましょう。

遺産相続におけるプラス財産(一例)

  • 土地・土地の上に存在する権利:宅地、農地、山林、原野、牧場、池沼、鉱泉地、雑種地など
  • 家屋・設備・建築物:戸建住宅、共同住宅、マンション、店舗、工場、貸家、駐車場、庭園設備等の付属設備など
  • 預貯金・現金・貸金庫の中にある財産
  • 国債証券・社債・株式・手形・小切手などの有価証券
  • 貸付金・立替金などの債権:第三者への貸付金債権や税金の還付金債権、未収報酬債権、損害賠償請求権、慰謝料請求権などの債権
  • 知的財産権:著作権、工業所有権など
  • 事業用財産:機械器具、農耕具、棚卸資産(商品、製品、原材料)、売掛債権など
  • 家庭用財産:自動車や貴金属、絵画骨董品など
  • その他:立竹木(りゅうちくぼく)、ゴルフ会員権、占有権、形成件など

遺産相続におけるマイナス財産(一例)

  • 借入金:住宅ローンの残高債務、車のローン、クレジット残債務など
  • 未払金:土地や建物の賃借料、水道光熱費、通信費、管理費など
  • 敷金・補償金・預り金・買掛金・前受金
  • 保証債務・連帯債務
  • 公租公課:所得税、消費税、住民税、固定資産税、土地計画税、相続税、贈与税、国民健康保険料など
  • 葬式費用

※被相続人の一身に専属していたもの(資格、技能、年金受給権など)は相続の非対象です

相続人全員で遺産分割協議

相続人と相続財産の確認ができたら、遺産分割協議を行います。

遺産分割協議は相続人全員が参加して協議を行い、「遺産分割協議書」を作成して相続人全員の署名と押印をしなければなりません。

協議自体はメールや手紙、電話などでも問題ありませんが、誰かひとりでも参加していない場合はその遺産分割協議は無効となるためご注意ください。

なお、意見がまとまらない場合や一部の相続人が遺産分割協議に参加しない場合は、家庭裁判所で遺産分割調停を申し立てることができます。

遺産分割調停を申し立てると、調停委員が遺産分割の話し合いを取り仕切ってくれるので、万が一の場合は家庭裁判所までお問い合わせください。

相続放棄・限定承認

遺産相続(単純承認・限定承認)と相続放棄の違い

故人の財産は「相続放棄」によって、一切の財産や借金を受け継ぐことなく手続きが進められます。

また、受け継がれる遺産には借金なども含まれますが、プラスの資産と借金を相殺して残った分だけを受け取れる「限定承認」といった手続きも可能です。

限定承認の際、仮にプラスの資産以上の借金があった場合でも不足分を弁済する必要はありません。

どちらの手続きも、死亡してから3か月以内に家庭裁判所で申し立てを行う必要があるので、期日と申請先を覚えておきましょう。

相続放棄・限定承認をする際に必要な持ち物は以下のとおりです。

相続放棄・限定承認をする際に必要な持ち物
相続放棄 限定承認
  • 故人の戸籍謄本
  • 故人の住民票
  • 相続放棄する人の戸籍謄本
  • 相続放棄申述書
  • 収入印紙800円分
  • 郵便切手
  • 故人の戸籍謄本
  • 故人の住民票
  • 申述人全員の戸籍謄本
  • 限定承認申述書
  • 故人の子供で死亡している場合はその子供の戸籍謄本
  • 収入印紙800円分
  • 郵便切手

参照:相続放棄の申述|最高裁判所参照:相続の限定承認の申述|最高裁判所

相続放棄のデメリットや注意点、詳しい手続きの流れについては以下の記事を参考にしてください。

死亡から4か月以内の手続き

死亡してから4か月以内の手続きとして「所得税の準確定申告、税金の納付」を行います。

所得税の準確定申告、税金の納付

故人が事業をしていた、または2,000万円以上の給与所得がある場合、相続人が代わりに確定申告(準確定申告)をする必要があります。

準確定申告は、1月1日から亡くなった日時までの所得金額と税額を計算して申告を行います。

年金額が400万円以下の場合は準確定申告をしなくとも構いませんが、準確定申告をすることによって源泉徴収された所得税が返ってくる場合があるので、基本的には申告手続きをした方がいいでしょう。

なお、一般的な確定申告と異なり、準確定申告は死亡してから4か月以内に行わなければなりません。

期日を過ぎると延滞税が発生する可能性があるのでご注意ください。

死亡から10か月以内の手続き

死亡してから10か月以内の手続きとして「相続税申告と納付手続き」があります。

必要な場合は、このタイミングで「不動産の名義変更」や「預貯金の払い戻し」を行うようにしてください。

相続税申告と納付手続き

相続する遺産には相続税が発生するので、被相続人が亡くなってから10か月以内に税務署へ申告しなければなりません。

相続税は期限までに現金にて一括納付するのが原則ですが、納付金額が用意できない場合は「延納」「物納」などの特別な納付方法があります。

相続税の申告で期日を過ぎてしまうと、税務署からの督促状が届いたり利子税・延滞税がかかったりと余計な費用が発生してしまうので必ず手続きを行うようにしてください。

ただし、相続税の基礎控除内の場合は相続税が発生しないため、申告は不要となります。

相続税の基礎控除額

  • 3,000万円+(法定相続人の数×600万円)

なお、相続税の期日までに遺産分割が終わらなかった場合は、民法で規定された法定相続分により計算した金額で未分割のまま仮申告を行います。
未分割の場合は後述の「相続税の軽減手続き」が使えなくなってしまうので、期日に間に合うように遺産分割を行うのが得策です。

ちなみに、未分割で申告する際に「申告期限後3年以内の分割見込書」を提出することで、申告期限を過ぎてしまっても被相続人の死亡から3年以内であれば相続税軽減の手続きができるようになります。

また、納めることになる相続税の金額は非常に特殊な計算方法となるので、相続する遺産がある場合は税理士に相談することをおすすめします。

死亡から1年以内の手続き

被相続人が死亡してから1年以内の手続きとしては「遺留分減殺請求の手続き」があります。

遺留分減殺請求の手続き

パターン別遺留分の割合

被相続人の配偶者やその子供、親などの一定範囲内の相続人には、最低限の遺産を受け取れる権利(遺留分)があります。
遺留分の内訳は以下のとおりです。

遺留分の割合
相続人 遺留分合計 遺留分
配偶者のみ 2分の1 2分の1
子供のみ 2分の1 2分の1
配偶者+子供1人 2分の1 配偶者4分の1、子供4分の1
配偶者+子供2人 2分の1 配偶者4分の1、子供8分の1ずつ
配偶者と直系尊属 2分の1 2分の1
直系尊属、直系卑属のみ 3分の1 3分の1
配偶者+直系尊属2人 2分の1 配偶者3分の1、直系尊属12分の1ずつ

※直系尊属:父母、祖父母、曽祖父母、高祖父母など被相続人より前の世代で直接の親族関係がある人※直系卑属:子供、孫など被相続人より後の世代で直接の親族関係がある人

たとえば、遺言書に相続人以外に全ての財産を相続する旨が記載されていたとしても、遺留分がある相続人は最低限の遺産を受け取る権利があるということです。

この時に、相続人が他の人に遺留分を請求することを「遺留分減殺請求」といいます。

遺留分減殺請求は、被相続人が死亡してから1年以内に内容証明郵便で遺留分減殺通知書を送付する方法が一般的です。

連絡が取れない、または遺留分減殺請求に応じない場合は家庭裁判所で遺留分減殺調停を行うことができるので覚えておきましょう。

死亡から2年以内の手続き

被相続人が死亡してから2年以内の手続きとして「葬祭費・埋葬料の申請手続き」があります。

葬祭費・埋葬料の申請手続き

被相続人が国民健康保険や後期高齢者医療制度に加入していた場合は、喪主に対して「葬祭費」が支給されます。

支給される葬祭費は国民健康保険の場合で50,000円前後、後期高齢者医療制度の場合で30,000〜70,000円程度となっています。

また、故人が会社員の場合は健康保険に加入しているかと思うので、「埋葬料」として喪主に対して一律50,000円が支給されます。

葬儀を執り行った人であれば誰でも申請できる給付金なので、忘れずに申請するようにしましょう。

死亡から3年10か月以内の手続き

被相続人が死亡してから3年10か月以内に行う手続きとして「相続税軽減の手続き」があります。

相続税軽減の手続き

相続税の軽減手続きとして「配偶者の税額軽減(配偶者控除)」や「未成年者控除」、「暦年課税に係る贈与税額控除」など、様々な種類の制度があります。

相続税軽減の手続き
制度 内容
配偶者の税額軽減(配偶者控除) 配偶者が遺産分割や遺贈によって実際に取得した正味の遺産額が1億6,000万円まで、または配偶者の法定相続分相当額までの場合は配偶者に相続税はかからない
未成年者控除 相続人が20歳未満の場合、20歳に達するまでの年数1年につき10万円が控除される
障害者控除 相続人が障害者の場合は85歳に達するまでの年数1年につき10万円(特別障害者の場合は20万円)が控除される
暦年課税に係る贈与税額控除 正味の遺産額に加算された「相続開始前3年以内の贈与財産」の価額に対する贈与税額が控除される
相続時精算課税に係る贈与税額控除 遺産総額に加算された「相続時精算課税の適用を受ける贈与財産」の価額に対する贈与税額が控除される
控除しきれない金額は申告をすることで還付が受けられる

参照:財産を相続したとき|国税庁

ただし、これらの相続税軽減の手続きは、遺産未分割で相続税の仮申告をしていた場合には使うことができません。

被相続人が亡くなってから3年10か月以内に遺産分割協議を提出し、相続税の修正申告や更正請求手続きを行うことで相続税軽減の手続きが適用可能となります。

非常に大きな減税制度なので、必ず手続きを行いましょう。

死亡から5年10か月以内の手続き

被相続人が亡くなってから5年10か月以内の手続きとして「相続税の還付請求の手続き」があります。

相続税の還付請求の手続き

相続税の還付請求とは、一度支払った相続税の金額を減額できる場合に払いすぎていた分の税金を税務署に請求できる手続きのことです。

相続税は税理士の評価基準によって金額が大きく変わるため、後で内容を再確認することで納めた税金を減額できる場合があります。

中でも不動産の評価方法は非常に難しく複雑なので、不動産などの遺産を相続した場合は再確認することをおすすめします。

相続税の還付請求は被相続人が亡くなってから5年10か月までと期日が設けられているので気をつけましょう。

また、再確認したことで逆に相続税を納めるパターンもあるのでご注意ください。

相続手続きの依頼・相談先

遺産相続の手続きは非常に多岐に渡り、それぞれで準備する書類や提出先が異なるため、多くの手間と時間がかかります。

そのため、仕事や家事育児で忙しい人は、遺産相続の専門家に手続きを依頼したり相談するのがおすすめです。

遺産相続の手続きには数十万円の費用がかかるケースが多いですが、自らで全ての手続きを行うよりも、結果として手元に残る金額が多いケースもあります。

時間の節約にもなりストレスを減らせるので、以下の一覧表を参考にしてプロの専門家へ相談をしながら遺産相続の手続きを進めてください。

相続手続きの依頼・相談先一例
相続手続きの目的 おおよその相場 弁護士 税理士 司法書士 行政書士
戸籍謄本の取り寄せ 20,000円前後
遺言書の検認 30,000円〜
遺言の執行 遺言者の資産額によって異なる
特別代理人・成年後見人の選任 30,000円〜
相続放棄 30,000円〜
遺産分割協議書の作成 100,000円程度
相続税の申告 遺産総額の0.5〜1.0%程度
不動産の名義変更 50,000〜100,000円程度
預貯金・株式などの名義変更 50,000〜100,000円程度
自動車の名義変更 30,000円〜
相続に関する紛争の解決 相談内容によって異なる
相続手続き全般の委任
200,000円以上
相談内容によって異なる

まとめ

この記事では遺産相続の手続きの一連の流れについて解説しました。

遺産相続は様々な書類を準備して、複数の窓口(税務署・法務局・金融機関・市区町村役場など)に赴いて、数多くの手続きを行わなければなりません。

それぞれの手続きには期日が設けられており、その期日に遅れたり手続きを行わなかったりすると後々トラブルに発展してしまう恐れがあるため、必ず期日までに手続きを終わらせるようにしましょう。

仕事や家事育児で忙しい人は、プロの専門家へ相談をしながら遺産相続の手続きを行うとスムーズに進められるかと思うので、必要に応じて専門窓口へご相談ください。

この記事の執筆者
中村 翔也
携帯代理店法人部門にて営業職として2年半勤務後、2017年12月よりwebライターとして独立。通信ジャンルをメインに金融系、保険記事を毎月30本以上執筆。
この記事の監修者
石田 直樹
所有資格
AFP資格、TLC(生保協会認定FP)資格
ソニー生命、東京海上日動あんしん生命保険、保険代理店等、保険業界を28年間勤務。支社長や管理職を経験、200回以上のセミナーや研修講師の登壇経験あり。その知識を活かし、もっと多くの人に保険の必要性を正しく理解してもらいたい!という思いを胸に、ナビナビ保険の事業立ち上げメンバーとして異業種のIT企業に転職し、現在に至る。
この記事の編集者
ナビナビ保険編集部
ナビナビ保険編集部は「どこよりも分かりやすい保険情報を届けること」をコンセプトにコンテンツの配信を行っています。

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