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更新:2020.06.18 公開:2020.05.12

iDeCo(個人確定拠出年金)とは?メリット・デメリット、今からでも遅くない始め方

iDeCo(個人確定拠出年金)とは?メリット・デメリット、今からでも遅くない始め方

iDeCoとは

iDeCoは、毎月の掛金を積み立てて運用を行い、積み立てた金額や運用益を60歳以降に受け取れる制度です。

20歳以上60歳未満の方であれば誰でも任意で加入することができ、自分で決めた掛金を拠出(掛金の払い込み)した後、自分で好きな運用方法を選んで資産運用を行います。

イデコの仕組み

近年では世界的に長寿化が進行しており、日本においても「人生100年時代」といわれるほど平均寿命が延伸しています。

安心な老後生活を送るためには、介護費用まで含めて2,300万〜3,000万円ほどの老後資金が必要となり、老後に支給される年金や社会保障給付だけでは十分と言えません。

老後資金を貯蓄するための方法は様々ありますが、その中でもiDeCoは所得税・住民税の軽減効果が大きく、その特徴から老後の資産形成に向いていることで人気があります。

その一方で、事前に確認しておかなければならないデメリットも存在し、それらの注意点を理解しておかなければ逆に損をする可能性もあります。

iDeCoのメリット・デメリットを分かりやすく解説し、今からでも遅くないiDeCoの始め方をご紹介していきます。

iDeCoのメリット・デメリット

iDeCoのメリットとデメリットは以下のとおりです。

iDeCoは非常に大きなメリットがありますが、申し込みをする前に確認しておくべき注意点が全部で6個あります。

数自体は多いですが、いずれも重要なポイントなのでしっかりと確認しておきましょう。

メリット1. iDeCoで積み立てた金額は全額所得控除の対象になる

イデコで積立時・運用時の税負担の減少について

iDeCoの最大のメリットは、iDeCoに積み立てた金額(拠出金)の全額が所得控除の対象になる点です。

iDeCoへの拠出は最低5,000円から加入資格によって異なる拠出可能限度額まで任意で決めることができます。

加入資格者ごとの拠出可能限度額については以下の表をご確認ください。

iDeCoの拠出限度額について
加入資格加入対象者拠出限度額
第1号被保険者日本国内に居住している20歳以上60歳未満の自営業者、フリーランス、学生など月額6.8万円(年額81.6万円)
※国民年金基金または国民年金付加保険料との合算枠
第2号被保険者60歳未満の厚生年金の被保険者(サラリーマン、公務員など)会社に企業年金がない場合月額2.3万円(年額27.6万円)
企業型DCに加入している場合月額2.0万円(年額24.0万円)
DBと企業型DCに加入している場合月額1.2万円(年額14.4万円)
DBのみに加入している場合
公務員等
第3号被保険者20歳以上60歳未満の厚生年金に加入している方の非扶養配偶者月額2.3万円(年額27.6万円)

 ※DC:確定拠出年金、DB:確定給付企業年金、厚生年金基金参照:iDeCo公式サイト

簡単にまとめると、自営業者やフリーランスの方は年額81.6万円まで、会社員の方は条件によりますが最大で年額27.6万円まで、第2号被保険者に扶養されている方は年額27.6万円まで拠出ができます。

毎年納めることになる税金は、前年度1月1日〜12月31までの「所得」から「各種控除(所得控除)」を差し引いた「課税所得」の金額によって計算されます。

仮に所得金額が変わらなくても、iDeCoなどを利用して所得控除が増えれば増えるほど、翌年に納めることになる税金が安くなるのです。

iDeCoに拠出した金額は60歳以降に受け取れる「あなたの資産」なので、普通預金として銀行に預けておくよりも所得控除が受けられる分だけお得だといえます。

メリット2. 運用で出た利益は税金がかからない(非課税)

iDeCoにて運用した利益は非課税で税金がかかりません。

通常、金融商品(定期預金・保険・投資信託など)の運用をして利益が出ると、その利益に対して20.315%の税金が発生します。

たとえば、10万円の利益が出た場合は20,315円の税金がかかりますが、それがiDeCoで得た利益の場合は税金が発生しません。

メリット3. 受け取る時も大きな所得控除が受けられる

iDeCoに拠出した金額や運用益を受け取る際、その金額は所得控除の対象となります。

受け取り方は「年金形式」「一時金形式」の2パターンから選べますが、年金として受け取る場合は「公的年金等控除」、一時金として一括で受け取る場合は「退職所得控除」で税金の負担が軽減されます。

年金で受け取る場合の「公的年金等控除」について

年金形式で受け取る場合は「公的年金等控除」の対象となります。

ただし、公的年金等の収入における合計額によっては、全額が控除の対象となる訳ではありません。

合計額と控除額についてまとめたので、以下の表をご確認ください。

iDeCoにおける「公的年金等控除」の控除額について
年金受取者の年齢公的年金等の収入の合計額割合控除額
65歳未満公的年金等の収入金額の合計額が70万円までの場合は所得金額がゼロとなる
70万円超〜130万円未満100%700,000円
130万円以上〜410万円未満75%375,000円
410万円以上〜770万円未満85%785,000円
770万円以上95%1,555,000円
65歳以上公的年金等の収入金額の合計額が120万円までの場合は所得金額がゼロとなる
120万円超〜330万円未満100%1,200,000円
330万円以上〜410万円未満75%375,000円
410万円以上〜770万円未満85%785,000円
770万円以上95%1,555,000円

参照:iDeCoのメリット・デメリット|松井証券

一時金で受け取る場合の「退職所得控除」について

一時金で受け取る場合は「退職所得控除」の対象となります。

ただし、積立期間を勤続年数として控除額が決定します。

iDeCoにおける「退職所得控除」の控除額について
積立期間(勤続年数)退職所得控除
20年以下40万円×勤続年数
※80万円以下の場合は80万円
20年超800万円+70万円×(勤続年数-20年)

参照:iDeCoのメリット・デメリット|松井証券

メリット4. 転職や離職をした場合でも掛金の拠出が継続可能

iDeCoの年金資産は、転職や離職、自営業に変わった場合に「移換の手続き」を行うことで拠出・運用を継続できます。

また、転職の場合は必要な要件さえ満たしていれば他の年金制度(確定給付企業年金、企業型確定拠出年金等)からの資産を引き継ぐことも可能です。

移換先可能な制度については以下の表をご参照ください。

企業年金・個人年金制度感のポータビリティ
移換前に加入していた制度移換先制度
確定給付企業年金企業型確定拠出年金個人型確定拠出年金(iDeCo)
確定給付企業年金 ○
※1、※2
 ○
※2
 ○
※2
企業型確定拠出年金
※1
個人型確定拠出年金(iDeCo)
※1
-

※1:移換先の確定給付企業年金の規約で資産移換を受けることができる旨が定められている場合に資産移換可能※2:確定給付企業年金からの確定給付企業年金、企業型・個人型確定拠出年金への移換は、本人からの申出により、脱退一時金相当額を移換可能参照:iDeCo(イデコ)の仕組み|iDeCo公式サイト

デメリット1. 60歳になるまで引き出せない

iDeCoの最大のデメリットは、拠出した金額や運用益などの一切の資産を60歳になるまで引き出すことができない点です。

老後の資産形成を目的とした年金制度であるため、原則として途中での引き出しには対応していません。

ただし、iDeCo加入者が一定以上の障害状態になった場合や死亡した場合は、60歳になる前でも障害給付金や死亡一時金として受給することができます。

途中での引き出しに対応していないため、余剰資産を使ってiDeCoに拠出するのが賢い方法です。

デメリット2. iDeCo専用口座の開設、維持に手数料がかかる

iDeCoを始めるには、銀行や証券会社でiDeCo専用口座を開設する必要があります。

その際、iDeCo専用口座の開設には2,829円、口座維持費にひと月数百円の手数料が必要となります。

特に維持費は年間で数千円程度の支出となるので、長い期間の運用をする際には大きな支出になるといえます。

iDeCoの専用口座を開設する際は、維持手数料の安い金融機関を選ぶのが良いでしょう。

iDeCoの専用口座維持手数料が最安(171円)の金融機関まとめ

  • イオン銀行
  • SBI証券
  • 大和証券
  • 松井証券
  • 楽天証券

デメリット3. 投資の上限金額が決まっている

iDeCoで拠出できる金額は上限が決まっています。

メリットの部分でもお伝えしましたが、加入資格によって上限金額が決まっているので、以下の表をご参照ください。

iDeCoの拠出限度額について
加入資格加入対象者拠出限度額
第1号被保険者日本国内に居住している20歳以上60歳未満の自営業者、フリーランス、学生など月額6.8万円(年額81.6万円)
※国民年金基金または国民年金付加保険料との合算枠
第2号被保険者60歳未満の厚生年金の被保険者(サラリーマン、公務員など)会社に企業年金がない場合月額2.3万円(年額27.6万円)
企業型DCに加入している場合月額2.0万円(年額24.0万円)
DBと企業型DCに加入している場合月額1.2万円(年額14.4万円)
DBのみに加入している場合
公務員等
第3号被保険者20歳以上60歳未満の厚生年金に加入している方の非扶養配偶者月額2.3万円(年額27.6万円)

※DC:確定拠出年金、DB:確定給付企業年金、厚生年金基金参照:iDeCo公式サイト

自営業やフリーランスの方は年間81.6万円まで、会社員の方は最大で年間27.6万円までしかiDeCoへの拠出ができません。

拠出した金額は全額が所得控除になりますが、いくらでも投資できるという訳ではないので覚えておきましょう。

デメリット4.元本割れのリスクがある

iDeCoによって将来的に受け取れる金額は、iDeCoでの運用成績によって異なります。

iDeCoで資産運用するための投資先(運用商品)は自分で選ぶことができますが、中には元本割れのリスクがある運用商品も含まれているため、運用商品を選ぶ際にはある程度の投資の知識が必要です。

プロの専門家であるファイナンシャルプランナーへの相談をしながら、自分自身でも投資に対する勉強をして運用商品に対する知識を身に着けていきましょう。

デメリット5. 加入には条件がある

iDeCoは20歳以上60歳未満の方であれば誰でも加入できますが、以下に該当する方はiDeCoに加入することができません。

iDeCoに加入できない方の条件

  • 20歳未満、もしくは60歳以上の方
  • 国民年金保険料を支払っていない方
  • 海外在住の方
  • 勤務先の企業型確定拠出年金の規約でiDeCoへの加入ができない方
  • 農業者年金の被保険者の方

特に会社員の方は、海外転勤や企業型確定拠出年金の規約によってiDeCoの継続・加入ができない可能性があります。

iDeCoへの加入を検討している会社員の方は、勤務先の企業型確定拠出年金の規約などを確認しておくようにしましょう。

デメリット6. 受け取り方法や金額によっては課税対象になる

iDeCoの受け取り方法は「年金」「一時金」「年金と一時金」の3パターンで受け取ることができます。

ただし、受け取り方法や金額によっては課税対象となるので注意が必要です。

たとえば、以下のケースが課税対象に該当します。

課税対象に該当するケース

  • 一時金:退職金などの退職所得に該当する給付金とiDeCoでの受取金額を合算して「退職所得控除額」を超過した場合
  • 年金:老齢基礎年金や老齢厚生年金などの公的年金とiDeCoでの受取金額を合算して「公的年金等控除額」を超過した場合

一時金として受け取った場合の「退職所得控除額」と、年金として受け取った場合の「公的年金等控除額」については以下をご確認ください。

iDeCoにおける「公的年金等控除」の控除額について
年金受取者の年齢公的年金等の収入の合計額割合控除額
65歳未満公的年金等の収入金額の合計額が70万円までの場合は所得金額がゼロとなる
70万円超〜130万円未満100%700,000円
130万円以上〜410万円未満75%375,000円
410万円以上〜770万円未満85%785,000円
770万円以上95%1,555,000円
65歳以上公的年金等の収入金額の合計額が120万円までの場合は所得金額がゼロとなる
120万円超〜330万円未満100%1,200,000円
330万円以上〜410万円未満75%375,000円
410万円以上〜770万円未満85%785,000円
770万円以上95%1,555,000円

参照:iDeCoのメリット・デメリット|松井証券

iDeCoにおける「退職所得控除」の控除額について
積立期間(勤続年数)退職所得控除
20年以下40万円×勤続年数
※80万円以下の場合は80万円
20年超800万円+70万円×(勤続年数-20年)

参照:iDeCoのメリット・デメリット|松井証券

iDeCoの始め方

iDeCoは事前に確認しておくべき注意点こそ多いものの、それ以上に大きなメリットがある老後資金を貯蓄するためのおすすめの制度です。

お伝えしたメリットとデメリットを比較して、iDeCoに対して魅力を感じた方はぜひこの機会に始めてみましょう。

iDeCoを始めるには、以下の手順で手続きを進めていく必要があります。

iDeCoの始め方

  • STEP1:銀行や証券会社などでiDeCo専用の口座を作成(申込み)
  • STEP2:定額預金・保険・投資信託の中から商品を決める
  • STEP3:60歳までの期間中、毎月一定額を積み立てる
  • STEP4:積み上げた資産を60歳以降に受け取る

iDeCo専用口座を作成する際、ほとんどの金融機関で2,829円の口座開設費用が必要となります。

また、開設した口座の維持費用として毎月数百円の手数料も必要になるので、なるべく維持手数料が安い金融機関を選ぶのがおすすめです。

専用口座を開設した後は自分で「定額預金・保険・投資信託」の中から運用する商品を選ぶことになりますが、どの金融商品を選べばわからないという方はプロの専門家であるファイナンシャルプランナーまでご相談ください。

iDeCoへの拠出金は60歳まで引き出すことができないので、余剰資産を使って老後資金を貯蓄していきましょう。

iDeCoに関するQ&A

最後に、iDeCoに関するQ&Aにお答えして終わりたいと思います。

口座維持手数料が最安の金融機関は?

口座維持手数料が最安の金融機関は以下の通りです。

iDeCo専用口座の維持手数料が最安(171円)の金融機関とその特徴

  • イオン銀行:初心者でも選びやすい厳選した商品ラインナップ
  • SBI証券:10年を超える安心の運営実績に加えて商品ラインナップが充実
  • 大和証券:大和ならではの商品ラインナップに加えて動画解説で分かりやすい
  • 松井証券:創業から100年の歴史と実績があり12種類に厳選された安心の商品ラインナップ
  • 楽天証券:運用コストが安く抑えられており無料のセミナー開催などのサポートが充実
  • マネックス証券:専用サポートタイヤルは土曜も受付可能、ロボアドバイザーによる診断も受けられる
  • auアセットマネジメント:スマホで管理可能な専用アプリ、分かりやすい投資教育コンテンツ
  • auカブコム証券:対象投信の保有残高に応じてau WALLETポイントがもらえる

それぞれ取り扱っている商品も違ったり、さまざまな特徴を持っている金融機関なので、自分に合っているものをお選びください。

40歳からでもiDeCoの積み立てはできる?

iDeCoでの資産運用は、60歳未満であればいつでも加入可能です。

ただし、iDeCoから資産を受け取るためには最低でも10年以上の通算加入期間が必要となります。

また、早い内からiDeCoに加入していた方が節税のメリットが大きいので、遅くとも40代の内にiDeCoを始めるのがおすすめです。

iDeCoの解約はできる? 解約した場合の拠出金はどうなる?

iDeCoは、老後の資産形成を目的とした年金制度であり、60歳になるまでは拠出金を引き出すことができず、途中での解約はできません。

拠出金の捻出が難しいなどの理由でiDeCoを解約したい場合でも、拠出金の支払いをせずに運用だけを行う「運用指図者」として資産運用を継続する必要があります。

運用指図者になるためには、iDeCoの加入者資格を喪失する手続きを行う必要があるので覚えておきましょう。

iDeCoとNISAの違いは何?

NISAは、株や投資信託における値上がり益や配当金が最長5年間非課税となる制度のことです。

毎年120万円までの運用が可能で合計600万円までが非課税の対象となるため、iDeCoと同様に老後に向けた資産形成をするための方法として人気があります。

ただし、NISAには掛金の全額所得控除や受給時の所得控除などの税制優遇がありません。

老後資金の貯蓄のためにどちらが優れているという訳ではなく、どちらにもメリットとデメリットが存在するので、それぞれの特徴を理解した上で活用するようにしましょう。

まとめ

iDeCoは、毎月の掛金を積み立てて運用を行い、積み立てた金額や運用益を60歳以降に受け取れる制度です。

老後資金の貯蓄を目的とした年金制度で、以下のようなメリット・デメリットが存在します。

iDeCoは所得税・住民税の軽減効果が期待でき、老後の資産形成に向いていることで人気がある制度なので、デメリットを理解した上でお申し込みください。

この記事の執筆者
中村 翔也
携帯代理店法人部門にて営業職として2年半勤務後、2017年12月よりwebライターとして独立。通信ジャンルをメインに金融系、保険記事を毎月30本以上執筆。
この記事の監修者
石田 直樹
所有資格
AFP資格、TLC(生保協会認定FP)資格
ソニー生命、東京海上日動あんしん生命保険、保険代理店等、保険業界を28年間勤務。支社長や管理職を経験、200回以上のセミナーや研修講師の登壇経験あり。その知識を活かし、もっと多くの人に保険の必要性を正しく理解してもらいたい!という思いを胸に、ナビナビ保険の事業立ち上げメンバーとして異業種のIT企業に転職し、現在に至る。
この記事の編集者
ナビナビ保険編集部
ナビナビ保険編集部は「どこよりも分かりやすい保険情報を届けること」をコンセプトにコンテンツの配信を行っています。
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