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更新:2020.10.27 公開:2020.04.13

離婚時に必要な保険の手続きとは? 公的医療保険と民間の保険について解説

離婚時に必要な保険の手続きとは? 公的医療保険と民間の保険について解説

離婚時には離婚届の提出、財産分与や名義変更などさまざまな手続きがあるため、保険の手続きをついつい後回しにしてしまう人も多いでしょう。

しかし離婚時に適切な保険の手続きをしていないと、病気やケガになったときや保険金を受け取る際に金銭面でトラブルになる可能性があります

離婚時には、公的医療保険と民間保険で別々の手続きが必要となり、自分自身で状況の変更を申し出て所定の手続きをしなければなりません。

この記事では、離婚時に必要な保険関係の手続きや注意点について、ケース別に詳しく解説します。

読んでいただくことで、忙しい中でもスムーズに保険の手続きができるようになるので、ぜひご一読ください。

離婚時に必要な【公的医療保険】の手続き

公的医療保険の手続きは、離婚前や離婚後の状況によって異なります。

それぞれの状況において、どのような手続きが必要か解説していきます。

国民健康保険の脱退や加入の流れについては、以下の記事で詳しく説明されているので参考にしてください。

【脱退が必要なケース1】夫/妻の扶養、もしくは世帯員に入っている場合

夫/妻のどちらかの扶養に入っている、もしくは世帯員になっている場合は脱退の手続きが必要です。

脱退の手続きは、加入している公的医療保険により、以下のように異なります。

パートナーとともに「国民健康保険」の世帯員だった場合

  • 世帯主が市町村役場に「国民健康保険被保険者資格喪失届」を提出し、配偶者を世帯員から外す

パートナーの「健康保険(社会保険)」の扶養家族だった場合

  • 世帯主の勤務先を通じて、社会保険事務所に「健康保険被扶養者(異動)届」を提出し、配偶者を扶養から外す

脱退の手続きは、原則として「世帯主」が行う必要があります

健康保険被扶養者(異動)届が受理され、健康保険の脱退手続きが完了すると、健康保険資格喪失証明書が発行されます。

健康保険資格喪失証明書は、配偶者が新たな公的医療保険に加入するときに必要です。間違って紛失してしまわないように注意しましょう。

離婚後に手続きを依頼すると、元パートナーとの連絡が取れなくなって手続きが進まなくなる可能性があるため、できるだけ離婚前に手続きすることをおすすめします。

【脱退が必要なケース2】子供の扶養元を変更する場合

夫婦別々の公的医療保険に加入しており、子供を引き取らない側のパートナーの公的医療保険に子供が扶養されている場合には、子供の脱退手続きが必要です。

脱退の手続きは加入している公的医療保険によって、以下のように異なります。

子供が「国民健康保険」の世帯員だった場合

  • 世帯主が市町村役場に「国民健康保険被保険者資格喪失届」を提出し、子供を世帯員から外す

子供が「健康保険(社会保険)」の扶養家族だった場合

  • 世帯主の勤務先を通じて、社会保険事務所に「健康保険被扶養者(異動)届」を提出し、子供を扶養から外す

脱退の手続きは、原則として加入している本人が行う必要があります

離婚後に手続きを依頼すると、元パートナーとの連絡が取れなくなって手続きが進まなくなる可能性があるため、できるだけ離婚前に手続きすることをおすすめします。

【再加入が必要なケース1】離婚後就職せず、親の扶養もしくは世帯員に入る場合

離婚後にご自身の就職先が決まっておらず、一時的に親の扶養、もしくは世帯員に加えてもらうケースもあるでしょう。

そのような場合、親に公的医療保険への加入手続きを行ってもらう必要があります。

親が「国民健康保険」に加入している場合

  • 市区町村役場の担当窓口で、親の世帯員に入る手続きをしてもらう

親が「健康保険(社会保険)」に加入している場合

  • 親の勤務先を通じて、社会保険事務所に「健康保険被扶養者(異動)届」を提出し、自分や子供(孫)を扶養に入れてもらう

「就職先が決まるまでの短い期間だから……」と公的医療保険の手続きをせず、仮にその期間中に医療機関にかかった場合の医療費は、全額自己負担(10割負担)となります。

短い期間であっても、万が一に備えて公的医療保険の加入手続きをすることをおすすめします。

また、このケースの注意点は以下の通りです。

親の扶養、もしくは世帯員に入る場合の注意点

  • 子供を引き取る場合、子供(孫)の加入手続きも一緒にしてもらう
  • 自分自身の収入が130万円未満であること
    • パートをしている場合や、他の収入がある場合は130万円を超えていないか確認する

加えて、親が加入している健康保険によっては、同居が必要な場合や、親から援助を受けていることの証明が必要な場合があります

詳細な加入条件は、加入先の健康保険によって変わるため、手続きの前に確認してください。

【再加入が必要なケース2】離婚後就職せず、親の扶養もしくは世帯員にも入らない場合

離婚後すぐに就職せず、親の扶養にも入らない場合は、個人で国民健康保険に加入する必要があります。

その際の注意点は以下の通りです。

離婚後就職せず、親の扶養もしくは世帯員にも入らない場合の注意点

  • 子供を引き取っている場合は、子供の加入手続きも忘れずに行う
  • 加入手続きは原則として離婚してから14日以内に行う
    • 離婚後に引っ越し予定で、転居が14日より後の場合は、一度現住所での加入手続きが必要になるケースもある

加入手続きは、お住まいの市区町村役場の担当窓口で行います。

【再加入が必要なケース3】離婚後就職する場合(就職していた場合)

離婚後に新たに就職する場合には、就職先の健康保険に加入します。

このとき子供を引き取る場合は、子供を扶養に入れる手続きも必要です。

ただし、就職までに期間が開く場合は、一時的に国民健康保険に加入するなどの対応が必要となります。

たとえ未加入となる期間が数日であっても、公的医療保険の手続きをしていない期間中に医療機関にかかった場合の医療費は、全額自己負担(10割負担)となるため、手続きを行うことをおすすめします。

また、離婚前からすでに勤務先の健康保険に加入しており、子供を扶養家族にする場合や苗字の変更がある場合も、所定の手続きが必要です。

離婚時に必要な【民間保険】の見直しと変更の手続き

民間保険に加入している場合、離婚時に以下の2点について、見直しや変更がないか確認し、必要に応じて手続きをします。

民間保険の見直しと変更の手続き

  1. 契約情報の見直しと変更
  2. 保障内容の見直しと変更

1.契約情報の見直しと変更

保険契約において、離婚時に変更がある場合は、保険会社に連絡し、変更手続きが必要です。

なお、保障の対象者である被保険者はどのような場合においても変更できません

離婚時に契約情報の変更する場合のポイント

契約者

パートナーが契約者であれば、必要に応じて自分に変更する

保険金受取人

指定代理請求人(※)

パートナーになっている場合は、必要に応じて両親や子供などに変更する

※指定代理請求人とは被保険者と保険金受取人が同一人物の場合、受取人の容体が悪く保険金の請求できない場合に代わりに請求してもらう人のこと

上記の中でも、契約者は忘れずに変更しましょう

例えば、学資保険に加入しており、離婚後もそのまま継続する場合、子供を引き取らない側の親を契約者のままにしていると、税金の負担やトラブルが発生する可能性があります

子供を「引き取らない親」が契約者のままだと起こり得るトラブル例

  • 学資保険の保険金を、子供を「引き取っていない親」から「引き取った親」に110万円を超える金額を渡す場合、贈与税が課せられる
  • 保険金を受け取るタイミングで、元パートナーと連絡が取れなくなり、保険金を受け取れない   など

また、以下のような保険契約に関する情報も、離婚の際に必要に応じて変更しましょう。

保険契約に関する基本情報

  • 契約者の住所や電話番号
  • 契約者の性や登録している印鑑の情報
  • 保険料の引き落とし口座やクレジットカードに関する情報

このような保険契約の情報に関する変更は、離婚後でもできます。

しかし離婚後に変更手続きをする場合、元パートナーとの間で郵送による書類のやりとりが発生することで、手続きが遅れる可能性があります。

できる限り、離婚届を提出するタイミングと同時に、保険契約の情報も変更できるように準備しておきましょう。

2.保障内容の見直しと変更

必要な死亡保険金額(必要保障額)の計算式

離婚後は、家族構成や生活背景が変わり、必要な保障額が変わるため、多くの場合で保障内容の変更が必要となります。

国民健康保険」や「公的年金保険制度」、その他の助成制度を確認し、必要な保障額を計算し、検討してください。

主なケース別に保証内容を見直すポイントを解説します。

保障内容の見直しが必要な主なケース

  1. 離婚後に扶養家族が減る場合
  2. 離婚後に扶養家族が増える場合

保険の見直し方法のポイントは、以下の記事でも詳細に解説しています。ぜひ参考にしてください。

【見直しが必要なケース1】離婚後に扶養家族が減る場合

扶養家族がいることから死亡保障を手厚くしていた人が、離婚により扶養家族が減った場合、死亡保障を減額できます。

なぜなら、自分に万が一のことがあっても経済的に困る人(≒扶養家族)がいなくなることで、資産を遺す必要がなくなるからです。

見直し後の死亡保障額の目安は、ご自身の葬儀費用や死後の整理費用に備えられるだけの金額です。

その代わり、病気やケガで入院した場合や、働けなくなった場合の保障が薄い場合に備え「医療保険」や「就業不能保険」「所得補償保険」などの新規加入を検討するといいでしょう。

もし医療保険や就業不能保険を検討する場合は、公的医療保険制度も踏まえたうえで保障内容を決めましょう。

公的医療保険に加入していると、入院や手術などの医療行為を受けた場合は、基本的には3割負担で済みます。

また、公的医療保険制度には高額医療費をカバーするための「高額療養費制度」や、一定期間働けなくなったときに手当金を受給できる「傷病手当金」といった制度もあります。

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【見直しが必要なケース2】離婚後に扶養家族が増える場合

離婚後に未成年の子供を引き取るケースでは、子供の生活費や教育費をカバーできるよう、手厚い死亡保障額に変更する必要があります

また、病気やケガで入院したり働けなくなった場合でも、子供の生活費や教育費を支払えるように「医療保険」や「就業不能保険」で保障を充実させるのも一つの方法です。

ただし、保障を過剰にしすぎて、毎月の保険料負担が家計を圧迫する状態は好ましくありません

適切な死亡保障額や保険料の目安を知るためにも、以下のことは事前に調べ、受け取れる手当や金額などは確認しておきましょう。

民間保険加入前に確認すること

  • 自分のこれからの収入額
  • 今後、子供の養育費として必要になる総額
  • 自分に万が一のことがあった場合の遺族年金の金額
  • 児童扶養手当で受給できる金額   など

ひとり親世帯が受けられる「児童扶養手当」について以下の記事で詳しくまとめているのでぜひ参考にしてください。

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民間生命保険の見直し時の注意点

民間保険の内容を見直すときは、以下の点に注意しましょう。

元パートナーが受取人のままでは、生命保険料控除は利用できない

生命保険料控除の仕組み

生命保険料控除とは、年間で支払った保険料に応じた一定額が、課税対象となる所得から差し引かれて、所得税や住民税を軽減できる制度です。

生命保険料控除を利用するには、年末調整や確定申告での申請が必要です。

しかし申請できるのは、受取人が「契約者本人」または「配偶者」、その他の親族である契約のみのため、離婚した後も元パートナーが受取人のままだと、生命保険料控除の対象になりません。

例えば、8月に離婚したにもかかわらず、翌年明けまでの受取人を元パートナーのままにしていた場合、9〜12月の4ヶ月分の保険料は生命保険料控除の対象になりません。そのため、離婚した場合は、速やかに受取人の変更手続きをしましょう

貯蓄型の保険は財産分与の対象になる可能性がある

早期解約における解約返戻金と保障の関係

終身保険や学資保険のような貯蓄機能のある保険は、財産分与の対象になることがあります

仮に財産分与の対象となった場合は、保険契約を解約して受け取った解約返戻金を折半するのが一般的です。

「解約返戻金」とは?
貯蓄型保険を解約した場合、それまでに支払ってきた保険料が解約返戻率に応じて受け取れるお金のこと

しかし、途中解約によって元本割れが発生するのを避けるため、解約せずに契約を継続するケースもあり、特に学資保険は子供の将来のために契約の継続を希望されるケースも多いです。

仮に離婚後も契約を継続する場合でも、契約者でない人が、離婚時点での解約返戻金額の半分を現金で支払う形で財産分与が可能です。

貯蓄型保険を継続する場合は、引き続き保険料負担が発生します。

貯蓄型保険の保険料は掛け捨て保険に比べて高額なため、契約の継続が難しくなる可能性も考えられます。

もし保険料負担が生活を圧迫するようであれば、保障の減額以外にも「払済保険」へ変更する方法もあります。

「払済保険」とは?
保険料の払込みを中止し、変更時の解約払戻金を原資に一時払の保険料とし、保険(保障)期間を変えずに少ない保障額に変更できる制度

払済保険の仕組み

貯蓄型保険に加入している場合は、離婚後の生活も想像したうえで財産分与をして精算するのか継続するのかを、慎重に検討しましょう。

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まとめ

今回は、離婚した場合の公的医療保険や民間の保険契約の手続き、見直し方法や注意点について解説しました。

この記事の要点を振り返ってみましょう。

この記事の大切なポイント

  • 世帯主の扶養に入っている場合は、離婚時に配偶者や子供を公的医療保険から脱退する手続きが必要
  • 離婚によって世帯主の扶養を脱退する・世帯員から抜ける場合は、未加入期間が発生しないように公的医療保険への加入手続きをする
  • 離婚後は保障内容の見直しや、契約情報の変更手続きが必要になることが多い
    • 契約している民間保険の契約者や、保険金受取人などの情報を変更する
    • 離婚後に扶養家族が増える場合は死亡保障を充実させ、扶養家族が減る場合は減額する
  • 保険金の受取人を元パートナーにしている場合、離婚時に変更しないと生命保険料控除を利用できない
  • 貯蓄型保険に加入している場合、財産分与の対象となる可能性がある
    • ただし引き続き継続させることも可能

離婚をすると公的医療保険や民間の保険に関わらず、状況に応じてさまざまな手続きが必要となります。

離婚前後は、財産の分割や子供の養育などで何かと揉めることも多く、スムーズにいかないことも多いです。

また離婚が成立し、別居後に手続きを進めるとなると郵送でのやり取りが必要になる等時間がかかってしまうこともあるため、出来るだけ離婚前に保険の手続きを確認しておきましょう。

そうすることで、無保険になるリスクや元パートナーとのトラブルを減らすことができ、余裕を持って新しい生活を始められます。

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この記事の執筆者

品木 彰

大手生命保険会社にて7年半勤務し、チームリーダーや管理職候補として個人営業、法人営業の両方を経験。その後、人材会社で転職コンサルタントとしての勤務を経て、2019年1月よりwebライターとして独立。
所有資格
ファイナンシャル・プランニング技能士2級, 日商簿記検定3級
この記事の監修者

石田 直樹

ソニー生命、東京海上日動あんしん生命保険、保険代理店等、保険業界を28年間勤務。支社長や管理職を経験、200回以上のセミナーや研修講師の登壇経験あり。その知識を活かし、もっと多くの人に保険の必要性を正しく理解してもらいたい!という思いを胸に、ナビナビ保険の事業立ち上げメンバーとして異業種のIT企業に転職し、現在に至る。
所有資格
AFP資格、TLC(生保協会認定FP)資格
この記事の編集者

ナビナビ保険編集部

ナビナビ保険編集部は「どこよりも分かりやすい保険情報を届けること」をコンセプトにコンテンツの配信を行っています。

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