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更新:2020.11.05

確定拠出年金とは?税制優遇のメリット・デメリットと仕組み、企業型DCと個人型(iDeCo)の違いを解説

確定拠出年金とは?税制優遇のメリット・デメリットと仕組み、企業型DCと個人型(iDeCo)の違いを解説

確定拠出年金とは

確定拠出年金 積み立てから受け取り方までの概要

確定拠出年金とは、個人または企業が掛金を拠出し、自分で資産運用を行ってその実績に基づいた「年金」を受け取れる制度です。

日本の年金制度は3階建ての構造となっており、1階部分(国民年金)と2階部分(厚生年金)の「公的年金」に上乗せする形で、3階部分に「確定拠出年金」や「企業年金」が位置しています。

年金制度の仕組み

昨今では老後2,000万円問題が話題となりましたが、現在の日本では平均寿命が延伸しており、公的年金制度や社会保障給付だけでは安定した老後生活を送ることは難しくなっています。

老後生活を安心して過ごすためには今から貯蓄をしておくことが重要ですが、そのための効率的な資産形成の手段として「確定拠出年金」が注目を集めています。

確定拠出年金には、自分で掛金を拠出する「個人型確定拠出年金(iDeCo)」と、企業が掛金を拠出する「企業型確定拠出年金(企業型DC)」の2種類があります。

どちらも老後資金を効率よく貯蓄するための方法として人気があり、それぞれで以下のような特徴があります。

確定拠出年金の種類
種類 個人型確定拠出年金(iDeCo) 企業型確定拠出年金(企業型DC)
加入者数 1,530,114人 約7,237,000人
※令和2年1月末現在
対象者 満20〜60歳の全日本国民 企業型DCを導入する企業の全従業員
※対象年齢は企業によって異なります
加入方法 個人が任意加入できる 勤務先が制度を導入している場合は強制加入
※企業によって加入を「選択制」としている場合があります
※iDeCoとの併用が可能です
掛金 個人で拠出する 会社が拠出する
拠出限度額 最大6.8万円/月額
※加入資格によって限度額は異なります
最大5.5万円/月額
※勤務先の採用制度によって限度額は異なります
掛金の納付方法 口座振替のみ 会社から納付
開設口座の金融機関 個人が選ぶ 会社が選ぶ
運用商品 個人が選んだ金融機関で取り扱っている商品から選ぶ 会社が選んだ金融機関で取り扱っている商品から選ぶ
手数料 すべて個人が負担する 会社が負担する場合が多い
※企業によって従業員が負担する場合もあります
資産の引き出し 原則として60歳以降

参照:確定拠出年金の施行状況(PDF)|厚生労働省

確定拠出年金の運用資産は、原則として60歳以降まで資産を引き出すことはできません。

ですが、拠出金が所得控除として申告できたり運用益が非課税となったり、税制上の優遇を受けられることが大きな特徴です。

それぞれの確定拠出年金について、より詳しく説明していきます。

個人型確定拠出年金(iDeCo)

個人型確定拠出年金(iDeCo)は、毎月の掛金を自分で拠出して資産運用を行い、積み立てた金額や運用益を60歳以降に受け取れる制度です。

iDeCoの加入対象者は満20歳〜60歳の全日本国民で、条件を満たしていれば任意で加入することができます。

年間で最大81.6万円(月額6.8万円)まで拠出が可能で、掛金の全額が所得控除として認められているので、申告することで所得税や住民税が軽減されます。

通常、金融商品の運用で利益を得ると20.315%の税金が発生しますが、iDeCoの運用によって得られた利益は全額が非課税となり税金が発生しません。

これらの税制上の優遇を受けられることが最大のメリットで、老後に向けた貯蓄をしながらも大きな節税効果が見込める方法です。
その一方で、以下の注意点もあります。

個人型確定拠出年金(iDeCo)の注意点

  • 60歳になるまで引き出せない
  • iDeCo専用口座の開設や維持には諸々の手数料が発生する

iDeCoのメリットやデメリット、始め方についての詳細は以下の記事でまとめているので、あわせて参考にしてください。

企業型確定拠出年金(企業型DC)

企業型確定拠出年金(企業型DC)は、毎月の掛金を勤務先の企業が拠出し、自分で選んだ方法で資産運用を行い、原則として60歳以降に資産を受け取れる制度です。

iDeCoの時は自分自身で掛金を拠出する必要がありましたが、企業型DCでは勤務先の企業が代わりに掛金を拠出してくれる点が大きな違いとなります。

さらに、企業型DCの場合は口座開設や維持にかかる手数料が会社負担になる場合が多いので、iDeCoに比べて自身の負担が少ないことも特徴です。

勤務先の企業が決めた金額を掛金として拠出しますが、「マッチング拠出」を利用すれば自分で掛金を上乗せして拠出できるので、少ない負担で積極的な資産運用を行うことができます。

その一方で、勤務先が選んだ金融機関でしか運用ができないために選べる商品が限定される・拠出可能額がiDeCoよりも少ないなどのデメリットがあります。

また、勤務先の企業が制度を導入していないと企業型確定拠出年金を利用できないので、まずは勤務先の担当部署に確認してからiDeCoとの比較検討をしましょう。

企業型DCのメリットやデメリットについては以下の記事で詳しく解説しているので、こちらもあわせてご参照ください。

税制優遇のシミュレーション

確定拠出年金には、以下の3つの税制上の優遇が受けられます。

確定拠出年金の3つの税制上の優遇

  1. 運用益が非課税
  2. 掛金が所得控除に含まれる
  3. 受け取る際にも所得控除が適用される

この章では、自営業者・会社員の課税所得が500万円で扶養家族は配偶者1人の場合に「個人型確定拠出年金(iDeCo)」を利用時にどれくらいの税制優遇を受けられるのかシミュレーションをしてみましょう。

自営業者の場合

自営業者がiDeCoを利用した場合の税制優遇シミュレーションは以下の通りです。

自営業者の場合の税制優遇シミュレーション
項目 金額
課税所得 500万円
掛金 6.8万円/月額
(81.6万円/年額)
税負担軽減額 24.48万円/年
244.8万円/10年
489.6万円/20年
734.4万円/30年

※課税所得が500万円の場合、国税庁の定める「所得税の税率速算表」より、所得税・住民税ともに20%が課税される計算となります※実際の契約においては金額が異なる場合があります

個人が確定拠出年金を利用する場合、ひと月最大68,000円まで掛金を拠出することができます。

最大金額まで拠出した場合、年間で244,800円の節税効果が見込めます。

個人型確定拠出年金は満20歳〜60歳までの人が加入対象なので、年齢が若いうちに加入するとその分だけ大きな節税効果を期待できます。

掛金は5,000円以上から1,000円刻みで拠出できるので、無理のない範囲で利用するようにしましょう。

なお、拠出した金額や運用益は60歳になるまで引き出すことができないので、生活資金を確保してから余った分の資金で運用するのが鉄則です。

会社員の場合

会社員がiDeCoを利用した場合の税制優遇シミュレーションは以下の通りです。

会社員の場合の税制優遇シミュレーション
項目 金額
課税所得 500万円
掛金 2.3万円/月額
(27.6万円/年額)
税負担軽減額 5.52万円/年
55.2万円/10年
110.4万円/20年
165.6万円/30年

※課税所得が500万円の場合、国税庁の定める「所得税の税率速算表」より、所得税・住民税ともに20%が課税される計算となります※上記のシミュレーションは配偶者が1人で、企業年金(企業型DC含む)がない場合の計算結果です※実際の契約においては金額が異なる場合があります

会社員の場合は、個人型確定拠出年金で最大23,000円までの掛金を拠出することができます。

自営業者と比べて拠出限度額は少ないですが、厚生年金や健康保険など別の部分での優遇があるため限度額が抑えられています。

なお、拠出金額は勤務先の企業が「企業型DC」や「企業年金」を導入してる場合は金額が異なるので、各金融機関の公式ホームページの料金シミュレーショターを利用して金額をご確認ください。

積み立てた年金の受け取り方

確定拠出年金を利用して積み立てた資産や運用益を年金資金として受け取る方法は3パターンあります。

確定拠出年金の資産の受け取り方

  1. 年金形式
  2. 一時金形式
  3. 年金形式と一時金形式の併用

どの方法で資産を受け取ったとしても、それぞれに対応する所得控除が適用されます。

年金形式と一時金形式でどのような所得控除が適用されるのか、ざっくりと確認しておきましょう。

年金形式

確定拠出年金の資産を年金形式で受け取る場合、他の所得とともに「雑所得」として課税の対象になります。

ただし、老齢基礎年金や高齢厚生年金などと合算した金額に対して「公的年金等控除」が適用されるので、金額によっては所得税がかかりません。

公的年金等控除の金額は、公的年金等の収入合計額に応じて変わるので、国税庁の定める速算表で控除額を確認してみましょう。

公的年金等に係る雑所得の速算表
年金受取者の年齢 公的年金等の収入の合計額 割合 控除額
65歳未満 公的年金等の収入金額の合計額が60万円までの場合は所得金額がゼロとなる
60万円超〜130万円未満 100% 600,000円
130万円以上〜410万円未満 75% 275,000円
410万円以上〜770万円未満 85% 685,000円
770万円以上〜1,000万円未満 95% 1,455,000円
1,000万円以上 100% 1,955,000円
65歳以上 公的年金等の収入金額の合計額が110万円までの場合は所得金額がゼロとなる
110万円超〜330万円未満 100% 1,100,000円
330万円以上〜410万円未満 75% 275,000円
410万円以上〜770万円未満 85% 685,000円
770万円以上〜1,000万円未満 95% 1,455,000円
1,000万円以上 100% 1,955,000円

※上記の割合と控除額は令和2年分以後、合計所得金額が1,000万円以下に該当する場合の金額です※1,000万円以上の場合は合計額に対する控除額が異なるので国税庁公式ホームページの速算表をご参照ください参照:公的年金等の課税関係|国税庁

たとえば65歳以上で確定拠出年金などによって120万円を受け取る場合の雑所得は以下の通りになります。

65歳以上で公的年金等の収入合計額が120万円の場合

  •  120万円×割合100%-110万円=10万円

つまり、公的年金等控除が適用されることによって確定申告をする際の「雑所得金額」が10万円にまで減額されたということです。

控除がない場合は収入の合計額の全額に対して税金が発生してしまうので、公的年金等控除によって大きな節税効果が得られます。

令和2年分以後は65歳未満で60万円まで、65歳以上は110万円までなら所得税は発生しないということになるので、ぜひ覚えておきましょう。

一時金形式

確定拠出年金の資産を一時金形式で受け取る場合、「退職所得」として扱われるので「退職所得控除」の対象となります。

退職所得控除の控除額は、勤続年数によって異なります。

退職所得控除の控除額

  • 勤続年数が20年以下の場合:40万円×勤続年数
  • 勤続年数が20年を超える場合:800万円+70万円×(勤続年数-20年)

また、課税対象となる退職所得金額は以下の計算式で算出されます。

課税対象となる退職所得金額の計算式

  • 課税退職所得金額=(退職所得-退職所得控除)×1/2

たとえば、勤続年数が40年の人が一時金形式で120万円の資産を受け取る場合の計算式は以下の通りです。

例:勤続年数が40年の人が一時金形式で5,000万円の資産を受け取る場合

  • 退職所得控除=800万円+70万円×(勤続40年-20年)=2,200万円
  • 課税退職所得金額=5,000万円-2,200万円=2,800万円

つまり、退職所得控除が適用されることで確定申告の際の「退職所得」が2,800万円にまで減額されたということです。

この金額に対して所定の税率をかけて納税額が算出されるので、退職所得控除によって大きな節税効果が得られることがわかります。

確定拠出年金のメリット・デメリット

確定拠出年金のメリット・デメリットは以下の通りです。

個人型・企業型ともにほぼ同様のメリットとデメリットが存在するので、しっかりと理解してから申し込むようにしましょう。

メリット1.自分で運用先が決められ、運用益は非課税になる

確定拠出年金は自分で運用先を選んで資産運用を行います。

通常の資産運用では得られた利益に対して20.315%の税金が発生してしまいますが、確定拠出年金の場合は運用益全額が非課税となります。

そのため、他の運用方法に比べて効率よく老後資金を貯蓄していくことが可能です。

メリット2.受け取りの際、退職所得控除・公的年金等控除の対象になる

確定拠出年金に積み立てた金額や運用益は、一括でまとめて受け取れる「一時金形式」と毎月一定額を受け取れる「年金形式」の2通りの方法で受け取れます。

通常の資産運用では資産を受け取った場合に課税の対象となりますが、確定拠出年金で受け取る資産は所得控除の対象となるため節税効果が期待できます。

受け取り方法によって控除区分が異なるので、あわせて覚えておきましょう。

確定拠出年金の控除区分

メリット3.掛金は全額所得控除の対象

確定拠出年金に拠出する掛金は、全額がその年の所得控除として申告することができます。

所得控除を申告することで、年末調整や確定申告の際に課税所得を少なくできるので、大きな節税効果が見込めます。

ただし、会社員で「企業型確定拠出年金」に加入している場合は、「マッチング拠出」を利用して自分が上乗せして拠出した金額分だけが所得控除の対象となるので気をつけましょう。

デメリット1.将来の年金額は確定しない

確定拠出年金のデメリットは、拠出した掛金の運用実績に基づいた金額が受け取れるので、将来の年金額は確定していません。

そのため、運用結果によって将来的に受け取れる老後資金が不足してしまうことも考えられます。

また、資産運用の実績によっては元本割れのリスクもあるので、ある程度の投資知識を身につけるために勉強が必要です。

デメリット2.60歳まで引き出すことができない

確定拠出年金は老後資金の形成を目的とした制度で、個人型・企業型ともに60歳以降でなければ受け取れません。

そのため、住宅ローンや車の購入資金、子供の養育費や親の介護費用など、突発的にまとまったお金が必要になった場合でも引き出すことができない点には注意が必要です。

なお、確定拠出年金の加入者が死亡した場合や重度の障害状態になった場合は60歳になる前でも障害給付金や死亡一時金として引き出すことが可能なので覚えておきましょう。

デメリット3.個人型は管理コストがかかる

個人型確定拠出年金(iDeCo)を利用する場合は、専用口座の管理コストやその他手数料が発生します。

個人型確定拠出年金(iDeCo)の管理コスト

  • 加入・移換時手数料
  • 加入者手数料
  • 還付手数料
  • 資産管理手数料
  • 運営管理手数料

口座開設時・口座維持・資産引き出し・移換する時など、諸々のタイミングで手数料が発生するのでご注意ください。

なお、企業型確定拠出年金の場合は基本的に勤務先の企業がすべての費用を負担してくれます。

ただし、企業によって手数料は加入者負担となる場合もあるので、勤務先の担当部署に確認しておきましょう。

デメリット4.企業型は選べる運用先が少ない

企業型確定拠出年金(企業型DC)は、勤務先の企業が選んだ金融機関に拠出金を預け入れます。

選べる運用先は金融機関が取り扱っている商品の中からしか選べないため、個人型確定拠出年金(iDeCo)に比べて選べる運用先が少なくなります。

企業型DCを検討中の人は、勤務先の担当部署に金融機関を確認し、取り扱われている運用商品についてよく調べてからご利用ください。

確定拠出年金に向いている人

確定拠出年金に向いている人の特徴は以下の通りです。

コツコツと老後資金を積み立てたい人

確定拠出年金は、掛金を毎月積み立てて資産運用を行い、その運用益に応じた年金を受け取れる制度です。

60歳まで引き出すことができない点はデメリットと言えますが、言い換えれば半強制的に老後資金を貯蓄できる方法でもあります。

そのため、毎月掛金をコツコツと積み立てて、安定した老後生活を送るための資金を貯蓄したいと考えている人におすすめです。

お金が手元にあると使ってしまい貯金ができない人

確定拠出年金は、個人型(iDeCo)の場合は口座振替、企業型の場合は給与からの天引きという形で掛金を拠出します。

自分で振込手続きをする必要がないので、掛金の拠出を自動化できる点は大きなメリットです。

また、60歳になるまで資産を引き出せないという特徴もあるため、手元にお金が残っているとすぐに使ってしまい、なかなか貯金ができない人にも向いています。

自営業者やフリーランスで公的年金だけでは将来が不安に感じる人

日本の年金制度は3階建ての構造で、1階部分は全日本国民が加入する「国民年金」、2階部分は民間企業や公務員などが対象の「厚生年金」、3階部分は任意で加入できる「私的年金」となっています。

会社員や公務員の人は、国民年金に厚生年金を上乗せした金額が受け取れるので、自営業やフリーランスの人よりも多くの金額を受け取れます。

しかし、自営業やフリーランスの人は1階部分の「国民年金」の給付しか受けられないため、老後の安定した生活を送るための資金としては物足りないと感じる人も多いでしょう。

そういった場合に「確定拠出年金」に加入していれば、将来の自分や家族に向けて効率良く貯蓄ができます。

高所得者で節税対策を講じたい人

確定拠出年金は、拠出した金額が全額所得控除の対象となります。

そのため、高所得者で資金面に余裕がある人の節税対策としても有効的です。

個人型(iDeCo)なら月額6.8万円(年額81.6万円)分の所得控除が受けられるので、非常に大きな節税効果が期待できます。

企業型DCに加入している場合でも、「マッチング拠出」を利用して掛金を上乗せして拠出していれば、上乗せした金額分だけ所得控除が受けられます。

生活資金に無理のない範囲で有効的に活用することで税負担を軽減できるのでおすすめの方法です。

確定拠出年金に向いていない人

一方、確定拠出年金に向いていない人の特徴は以下の通りです。

毎月の掛金の拠出が難しい人

確定拠出年金は、毎月の掛金の拠出が難しい人や収入が低い人には向いていません。

その理由は、確定拠出年金のメリットといえる税制上の優遇を活かすことができず、諸々の手数料が発生するためにその恩恵が受けられないためです。

確定拠出年金は老後資金を貯蓄することを目的とした制度で、60歳になるまで資産を引き出すことができません。

そのため、生活費で手一杯という人は確定拠出年金で老後資金を貯蓄するのには向いていないと考えられます。

専業主婦(夫)の人

毎月の掛金の拠出が難しい人と同様の理由ですが、専業主婦(夫)など収入がない人にも確定拠出年金は向いていません。

確定拠出年金の大きなメリットは所得控除が受けられることですが、所得税が非課税の人(第2号被保険者に扶養されている配偶者など)にとっては全く恩恵がないことが理由です。

逆に、口座開設手数料や維持費用が発生し、一度加入すると60歳になるまで解約することができないので、これらの点から専業主婦(夫)の人にはおすすめできません。

住宅ローン減税(住宅借入均等特別控除)を利用中の人

住宅ローン減税は、住宅ローンで一戸建てを購入した場合に、年末の住宅ローン残高の一定割合の金額が所得税や住民税から控除される制度のことです。

すでに住宅ローン減税によって税金の還付を受けている場合、支払う税金が少なくなっている状態なのでそれ以上の所得控除を申告するメリットがありません。

そのため、住宅ローン減税を利用中の人には確定拠出年金は向いていないと言えます。

60歳に近い高年齢の人

確定拠出年金は、個人型(iDeCo)は満20歳〜60歳の全日本国民、企業型は社内規約で定められている人が対象です。

60歳に近い高年齢の人は拠出できる期間が短いことから資産運用によって得られる運用益が少ないことが予想されます。

運用の実績によっては元本割れのリスクもあるため、確定拠出年金は高年齢の人には向いていません。

確定拠出年金に関するよくある質問

確定拠出年金について気になる疑問点がある人は目を通しておくようにしましょう。

Q. 確定拠出年金にはどんな商品がある?

確定拠出年金には、大きく分けて「元本確保型」と「元本変動型」の2種類に分類される運用商品が用意されています。

それぞれの特徴と運用商品の例は以下の通りです。

確定拠出年金の運用商品
元本確保型 元本変動型
運用商品
  • 定期預金、各種保険商品など
  • 投資信託など
特徴
  • 積み立てた元本が保障されるため元本割れのリスクがない
  • 低金利の状況では生活に必要なレベルまで資産を増やせない
  • 保険商品によって運用商品の変更(スイッチング)で解約控除金が差し引かれる
  • 運用の実績に応じて元本が変動するため、資産が大きく増える可能性がある
  • 元本は保障されておらず場合によっては元本割れが発生する

定期預金や各種保険商品は「元本確保型」に分類され、元本割れのリスクがないことが特徴ですが、その代わりに低金利状態が続く現在の日本では大きな資産を増やすことは難しいとされる方法です。

一方、投資信託などの「原本変動型」は運用の実績に応じて資産額が変動するので、大きく増える可能性があるものの、逆に資産が減ってしまうリスクもあります。

拠出金の運用方法は自分で好きなように割合を決めることができ、割合を変更することも可能なので、生活資金を除いた余剰資金で積極的に運用を行ってみましょう。

Q. 転職(退職)・独立する際はどうなりますか?

【企業型確定拠出年金】 転職・離職をした場合の移管方法

確定拠出年金に加入している人が転職、または退職をする場合は「移換手続き」を行って資産運用を継続することになります。

移換手続きをするケースと移管先の確定拠出年金の種別は以下の通りです。

退職や転職、独立する場合の確定拠出年金について

  • 企業型DCを導入している会社へ転職:転職先の企業型DCに移換手続きを行う
  • 企業型DCが導入されていない会社へ転職:個人型確定拠出年金(iDeCo)に移換手続きを行う
  • 退職して自営業者や公務員、専業主婦(夫)となる場合:個人型確定拠出年金(iDeCo)に移換手続きを行う

なお、それぞれのケースで掛金の拠出限度額が異なるため、現在の拠出金額によってはその額の引き下げ手続きもあわせて行う必要があります。

手続き方法についての詳細は、個人型確定拠出年金(iDeCo)公式ホームページ、または勤務先の担当部署にてご確認ください。

Q. 万が一、会社が倒産・預け先の金融機関が破綻した場合はどうなりますか?

確定拠出年金で拠出した掛金は、たとえ勤務先の会社が倒産したり預け先の金融機関が破綻したりした場合でも全額が保全されます。

これは、会社や金融機関の資産とは別の口座で掛金が保管されており、倒産や破綻をしても資産管理機関または国民年金基金連合会によって保全されているためです。

そのため、資産運用の実績によって損益が出ることはありますが、それ以外の理由で年金資産がなくなることはありません。

Q. 万が一、本人が亡くなった場合はどうなりますか?

確定拠出年金の加入者が死亡した場合、積み立てた掛金や運用益は「死亡一時金」として遺族が一括で受け取ることになります。

死亡一時金を受け取れる遺族には優先順位が設けられているのでご確認ください。

死亡一時金を受け取る場合の優先順位

  1. 配偶者(内縁含む)
  2. 死亡した人と生計を一にする子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹
  3. 上記以外に死亡した人と生計を一にする親族
  4. 死亡した人と生計を一にしない子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹

なお、一般的な相続における「民法によって定められた相続順位」とは異なるので気をつけましょう。

また、確定拠出年金の資産を死亡一時金として受け取るためには、遺族が請求手続きを行わなければなりません。

確定拠出年金を利用していることを知らなければ請求手続きができないので、あらかじめ確定拠出年金の存在を家族に伝えておくと万が一の場合でも安心です。

まとめ

確定拠出年金は、個人または企業が掛金を拠出し、自分で資産運用を行ってその実績に基づいた「年金」を受け取れる制度です。

昨今では老後2,000万円問題が話題となり、安定した老後生活を送るための効率的な資産形成の方法として確定拠出年金が注目を集めています。

確定拠出年金には大きく分けて「個人型確定拠出年金(iDeCo)」と「企業型確定拠出年金(企業型DC)」の2種類があり、それぞれで特徴が異なります。

確定拠出年金の種類
種類 個人型確定拠出年金(iDeCo) 企業型確定拠出年金(企業型DC)
加入者数 1,530,114人 約7,237,000人
※令和2年1月末現在
対象者 満20〜60歳の全日本国民 企業型DCを導入する企業の全従業員
※対象年齢は企業によって異なります
加入方法 個人が任意加入できる 勤務先が制度を導入している場合は強制加入
※企業によって加入を「選択制」としている場合があります
※iDeCoとの併用が可能です
掛金 個人で拠出する 会社が拠出する
拠出限度額 最大6.8万円/月額
※加入資格によって限度額は異なります
最大5.5万円/月額
※勤務先の採用制度によって限度額は異なります
掛金の納付方法 口座振替のみ 会社から納付
開設口座の金融機関 個人が選ぶ 会社が選ぶ
運用商品 個人が選んだ金融機関で取り扱っている商品から選ぶ 会社が選んだ金融機関で取り扱っている商品から選ぶ
手数料 すべて個人が負担する 会社が負担する場合が多い
※企業によって従業員が負担する場合もあります
資産の引き出し 原則として60歳以降

参照:確定拠出年金の施行状況(PDF)|厚生労働省

老後資金を貯蓄することを目的とした制度なので60歳になるまで資産を引き出すことができませんが、税制上の優遇が受けられるのでデメリット以上に大きなメリットがあります。

確定拠出年金のメリットとデメリットをしっかりと理解した上で、資産運用の手段として有効的にご活用ください。

老後資金として実際にいくらかかるか、確定拠出年金も含めそれ以外にも老後資金を積み立てる方法などについて詳しく解説したこちらの記事も参考にしてください。

公開:2020.06.22
この記事の執筆者

中村 翔也

携帯代理店法人部門にて営業職として2年半勤務後、2017年12月よりwebライターとして独立。通信ジャンルをメインに金融系、保険記事を毎月30本以上執筆。
所有資格
ファイナンシャル・プランニング技能士3級
この記事の監修者

石田 直樹

ソニー生命、東京海上日動あんしん生命保険、保険代理店等、保険業界を28年間勤務。支社長や管理職を経験、200回以上のセミナーや研修講師の登壇経験あり。その知識を活かし、もっと多くの人に保険の必要性を正しく理解してもらいたい!という思いを胸に、ナビナビ保険の事業立ち上げメンバーとして異業種のIT企業に転職し、現在に至る。
所有資格
AFP資格、TLC(生保協会認定FP)資格
この記事の編集者

ナビナビ保険編集部

ナビナビ保険編集部は「どこよりも分かりやすい保険情報を届けること」をコンセプトにコンテンツの配信を行っています。
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