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保険を知る

更新:2020.06.12 公開:2020.01.29

死亡保険(生命保険)の選び方、加入目的と種類を分かりやすく解説

死亡保険(生命保険)の選び方、加入目的と種類を分かりやすく解説

死亡保険とは

死亡保険とは、生命保険の中で保険の対象となる人(被保険者)が亡くなった場合や、高度障害状態になった際に保険金が支払われる保険のことです。

遺された家族の生活費保障が主な加入目的ですが、死亡保険は種類が多く、家族構成やライフステージによって選ぶべき保険が大きく変わることもあり、自分に合った保険の選び方が分からなくなりがちです。

死亡保険の基本的な仕組みから、種類、ご自身に合った保険を選ぶためのポイントについて分かりやすく紹介します。

死亡保険の種類と目的

死亡保険は、大きく分けて以下の5種類があります。

死亡保険の主な種類と特徴
名称 特徴 注意点 おすすめする人
定期保険
  • 一定期間内に亡くなった場合、保険金が支払われる
  • 基本的に保険料は掛け捨て
  • 高額な保険金を準備したい
  • 保険料はなるべく抑えたい
終身保険
  • 一生涯にわたって死亡保障が得られる
  • 貯蓄性がある
  • 数年以内に途中解約すると元本割れのリスクがある
  • 葬儀費用・身辺整理代・相続対策のお金を一生涯にわたって準備しておきたい
定期保険特約付き終身保険
  • 終身保険を主契約に、定期保険を特約で付加できる
  • 死亡保障以外に、医療保障や病気に対する保障も選択できる
  • 特約部分は同額更新するたびに保険料が上がる
  • 特約を付加しすぎると、保障内容が複雑になる
  • 一生涯・一定期間、両方で保障がほしい
収入保障保険
  • 亡くなった際に、毎月一定額の保険金を受け取れる
  • 定期保険より保険料が割安
  • 基本的に保険料は掛け捨て
  • 遺された家族が安定して生活を送る資金を準備したい
養老保険
  • 保険期間内に亡くなった場合は死亡保険金を受け取れる
  • 満期まで生存していた場合は満期保険金を受け取れる
  • 場合によって満期保険金の金額が、払い込み保険料の総額より低くなる場合がある
  • 掛け捨て型保険に加入したくない

定期保険

定期保険の仕組み

定期保険は、保険期間が一定期間の死亡保険のことで、保険期間には「年満了(ねんまんりょう)」と「歳満了(さいまんりょう)」の2つのタイプがあります。

年満了と歳満了の違い

  • 年満了 … 10年・20年など、年数で保険期間が決まる
  • 歳満了 … 60歳まで、など一定の年齢に達すると保険期間が終了する

年満了の場合は、保険期間が終了しても更新することで保障の継続が可能ですが、更新した時点の年齢で保険料が再計算されるため、保険料負担は増える場合が多いです。

定期保険は基本的に掛け捨てですので、保険料は割安に設定されています。

手ごろな保険料で大きな死亡保障を得て、万が一の際に遺された家族の生活費や子供の教育費に備えたい人におすすめです。

一方で、解約しても返戻金がないため、貯蓄の手段としては利用できません。

終身保険

終身保険の仕組み

終身保険とは、一生涯の死亡保障がある生命保険のことで、死亡または高度障害状態になった場合に死亡保険金が支払われる保険です。

保険料の支払い方法は、以下の3種類の中から選ぶことができます。

終身保険の保険料支払い方法

  • 有期払い … 60歳や65歳など、特定の年齢に払い込みを終える方法
  • 終身払い … 一生涯にわたり、保険料を払い続ける方法
  • 一時払い … 契約時に保険料を一括で払い込む方法

終身保険では保険料の一部が積み立てられるため、途中解約した場合は所定の解約返戻金を受け取ることができ、貯蓄性もあります。

また、保険期間中に更新がなく、加入時の保険料が継続されるのが大きな特徴です。

ただ、契約後に短期間で解約してしまうと、解約返戻金の金額が払い込んだ保険料の総額を下回る元本割れが発生する場合があります。

契約時に、解約返戻金の金額や元本割れしなくなるタイミングを確認しておきましょう。

定期保険特約付終身保険

定期保険特約付終身保険の仕組み

定期保険特約付終身保険は、終身保険に定期保険を特約として付加できる保険のことです。

特約は死亡保障以外にも、医療保障やがんといった幅広いリスクに備えることが可能で、かつ自分の希望に合わせた保障内容を設定できます。

ひとつの保険に保障をまとめてしまいたいという人や、死亡保障だけでなく医療保障も充実させたいという人に合った保険です。

しかしながら、基本的に特約部分は掛け捨ての更新型が基本となるため、更新時に死亡保険金額を同額更新した場合は、保険料負担が増えます。

また、特約を付加しすぎると保障内容が複雑になり、把握が難しくなりますので、よく考えて選択するようにしましょう。

収入保障保険

収入保障保険の仕組み

収入保障保険とは、被保険者が亡くなった際に、保険金受取人に対して毎月一定額の保険金が保険期間の満了まで支払われる保険です。

基本的に掛け捨て型であるため、解約返戻金や満期保険金などはなく、貯蓄には向いていません。

定期保険と似ていますが、時間の経過とともに少しずつ受け取れる保険金の総額が減っていく仕組みのため、保険料は割安なのが大きな特徴です。

被保険者に万が一のことがあった際、遺された家族はその時点から満期まで毎月一定の保険金をお給料のように受け取ることができます。

養老保険

養老保険の仕組み

養老保険とは、保険期間中に被保険者が亡くなった場合は死亡保険金を、生存して満期を迎えた場合は、死亡保険金と同額の満期保険金を受け取れる保険で、生死混合保険とも言われます。

一定期間の死亡保障と将来のための貯蓄という二面性を持つ保険で、万が一のリスクに備えつつ老後資金を準備することが可能です。

定期保険と同じく商品は「年満了」と「歳満了」の2タイプがありますが、養老保険は解約返戻率が高い分、定期保険などの掛け捨て型の保険や終身保険と比較すると保険料は割高です。

早期で途中解約してしまうと元本割れのリスクがありますので、加入を検討する際は、保険料を無理のない範囲で払っていけるかを十分に確認しましょう。

また、バブル期など金利が高かった時代と比較すると、現在は低金利時代が続いていることもあり、養老保険をはじめ円建て保険の予定利率は非常に低くなっています。

よって、養老保険以上の利回りを求めるなら他の資産運用を検討しましょう。

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死亡保険の選び方

死亡保険の選び方は、ライフステージや家族構成によって変わりますが「得られる収入から想定される支出を差し引いて、マイナスとなる部分を死亡保険金で補填する」のが一般的です。

必要な死亡保険金額(必要保障額)を計算する

下記は死亡保険金額(必要保障額)の算出方法の大まかな流れを図にしたものです。

必要な死亡保険金額(必要保障額)の計算式

基本的に、遺された家族が安定した生活が送れるよう、ひと月あたりの支出を算出し、その後、支出を補う手段と金額を算出し、不足している金額がいくらなのかを把握していきます。

配偶者は平均寿命の年齢(男性81歳、女性87歳 ※平成30年簡易生命表の概況より抜粋)まで、子供がいる場合は独立するまで(19歳か23歳)を目途に、生涯にわたり必要となる金額を算出します。

この際、住居が賃貸であれば家賃を、持ち家の場合は住宅ローンの返済額(※団体信用生命保険に加入されている場合は不要です)、子供の教育資金についても合わせて計算し、最後に葬儀費用(一般的には200万円前後)と、必要であれば身辺整理代も計算に入れておきましょう。

この際、金額はきっちり計算しようと思っても難しいと思いますので、おおまかに準備しておくべき金額が分かればそれで構いません。

必要な死亡保険金額(必要保障額)の考え方

ひと月あたりの支出を算出できたら、次に支出を補う手段を考えていきます。

身内に不幸があった際は、国民年金・厚生年金をはじめとする公的年金から、ご家族に対して遺族年金が給付されますが、結論から言うと遺族年金のみでその後の生活を賄っていくのは金額的に難しいと言わざるを得ません。

遺族年金の基本的な仕組み
死亡した人の職業 自営業者・専業主婦など
(国民年金)
会社員・公務員など
(厚生年金)
遺族年金の給付対象
  1. 子供がいる妻・夫
  2. 子供

※子供のいない妻・夫は受け取れない。子供がいる場合も、18歳到達年度の末日を迎えると受け取れない

  1. 妻、夫、子供
  2. 父母
  3. 祖父母
年金の種類
  1. 遺族基礎年金
  1. 遺族基礎年金
  2. 遺族厚生年金
妻が受け取る場合の例
  • 遺族となった妻に子供がいる場合、受け取れる
  • 遺族基礎年金の受給は左記と同じ
  • 遺族厚生年金は、子供の有無にかかわらず妻は一生涯受け取れる

※子供のいない30歳未満の妻は5年間の有期年金となる

子供のいる妻の場合 子供2人の期間 1,229,100円/年額

1,743,355円/年額(遺族基礎年金を含む)

子供1人の期間 1,004,600円/年額 1,518,855円/年額(遺族基礎年金を含む)
子供が全員18歳到達年度の末日を迎えた妻は、子供のいない妻と同様の水準となる
子供がいない妻の場合 夫死亡時に、妻が40歳未満 なし※ 514,255円/年額
夫死亡時に、妻が40歳~64歳 なし※

1,099,355円/年額(※中高齢寡加算を含む)

妻が65歳以降の期間 なし(老齢基礎年金は780,100円/年額) 1,294,355円/年額(※妻の老齢基礎年金を含む)
  1. 死亡した会社員・公務員などの平均標準報酬額は41.7万円(平均年収500万円÷12月)、加入期間25年として計算。賞与を含まない総報酬導入前(平成15年3月まで)は、平均標準報酬額32.1万円で計算(賞与分は全月額の30%として除外)
  2. 妻は40年間国民年金に加入し、老齢基礎年金を満額受給するものとして計算。
  3. 経過的寡婦加算は含まない。
2019年度の年金額で計算、子供は18歳到達年度の末日までの子供の他、20歳未満で1級・2級の障害状態にある子供を含む。

上記は遺族年金の基本的な仕組みです。給付される金額は上記の条件の場合で、最高1,229,100円です。

ひと月あたり102,425円で子供2人を含め暮らしていかなければならず、不足分は他の方法で補填する必要があります。会社によっては死亡退職金などの弔慰金制度のある企業もあります。

支出を補う手段の金額を合計したものをひと月あたりの支出と比較した際、それでも出てしまう不足額に対し、あらかじめ保険で備えておくことが重要になります。

遺族年金についてさらに詳しく知りたい方は、以下のコンテンツをぜひ合わせて参考にしてください。

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必要な死亡保障額は年々変わっていく

必要な死亡保障額は、計算時の金額が一生涯必要になるわけではなく、ライフスタイルの変化によって、年々少しずつ変わっていきます。

特にお子様がいらっしゃる家庭の場合、お子様の独立まで(一般的には19歳、または23歳)は教育資金を準備する必要がありますが、お子様が0歳の時と20歳の時とでは、お子様分の保障の考え方は大きく変わります。

子供の成長に伴った必要死亡保障額の変化の考え方

掛け捨て型と貯蓄型の比較

貯蓄型保険と掛け捨て型保険の違い

必要な死亡保険金額(必要保障額)が大まかに分かったら、掛け捨て型・貯蓄型のどちらの保険が自分に合っているかを考えます。

まず、それぞれの保険の加入率は以下のとおりです。

平成25年以降に新規加入した保険のうち、掛け捨て型と貯蓄型の割合

  • 掛け捨て型:9.2%
  • 貯蓄型:41.9%

出典:生命保険文化センター「平成30年度 生命保険に関する全国実態調査

(掛け捨て型は定期保険の数値 、貯蓄型は終身保険、利率変動型積立終身保険、養老保険、変額保険の合計数値)

多くの方が貯蓄型の死亡保険に加入していることが分かりますが、貯蓄型保険がすべての人におすすめというわけではなく、メリット・デメリットを比較してご自身にあった方を選択することが重要です。

掛け捨てと貯蓄型の比較
メリット デメリット
掛け捨て
  • 毎月の保険料が貯蓄型に比べて割安
  • 高額な死亡保障が準備しやすい
  • 満期まで生存しても満期金や解約返戻金はない場合が多い
  • 一定期間しか保障が受けられない場合が多い
貯蓄型
  • 資産形成の手段のひとつとして積立ができる
  • 途中で解約しても解約返戻金が受け取れる
  • 毎月の保険料が掛け捨てに比べて割高
  • 短期解約すると解約返戻金が少ない、もしくは受け取れない場合がある

掛け捨て保険

掛け捨て型保険は、支払った保険料が返ってこない保険の総称で、保険期間も一定の定期タイプが主です。

一般的に、一定期間だけ保障が必要な際に加入し、保険料は保障の費用のみになるため保険料は貯蓄型保険に比べて割安です。

貯蓄型保険

貯蓄型保険は、万が一の場合に備えつつ将来の貯蓄ができる保険商品で、掛け捨てと比較すると保険料が割高な場合が多いです。

終身保険など保障期間が一生涯にわたるものもあり、亡くなった際や高度障害状態になった際の保障はもちろん、保険料の払い込みが終わり満期となった場合や、解約時に満期保険金、解約返戻金を受け取ることができ、貯蓄になるという側面があります。

保険料の相場

死亡保険の保険料の相場を以下のデータにまとめましたので確認しましょう。ご紹介するデータは、すべて生命保険文化センターの「平成30年度 生命保険に関する全国実態調査」から引用し、加工しています。

データから見る死亡保険の保険料相場

  • 年齢ごとの受け取り保険金額
  • 性別ごとの平均保険金額
  • 保険金の設定額

年齢ごとの受け取り保険金額

年齢ごとの受け取り平均保険金額のグラフ

育児をされている方が多いと想定される35歳~39歳がもっとも保険金額が高くなっています。

反対に、育児が終了していると想定できる60歳以降は保険金額が少なくなり、65歳以降になると平均で1,000万円を切っています。

性別ごとの平均保険金額

性別ごとの平均保険金額のグラフ

性別ごとの平均受け取り保険金額は、男性の方が世帯主になる割合が多いこともあり、平均値が高くなっています。

保険金の設定額

保険金設定額の相場

保険金の設定金額の平均値は1,405.6万円ですが、全体的にバラつきが大きく、人によって設定額が大きく異なることが分かります。

保険金の額が不明という方を除けば、500万~1,000万円未満に設定している人が15.0%と最も多く、5,000万円以上に設定している人は、全体の3.4%しかいません。

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死亡保険に関するよくある質問

死亡保険に関して、特にユーザー様からの問い合わせが多いよくある質問をQ&A形式でまとめました。

Q. 死亡保険金は、相続放棄した場合も受け取れる?

A. 死亡保険金は保険金受取人の固有財産となるため、相続人が相続放棄した場合でも受け取ることができます。

ただし、死亡保険金は税制上「みなし相続財産」になるため、相続税の課税対象となります。

Q. 死亡保険金の受取人、契約者の名義変更は後から変更できる?

A. 受取人や契約者の名義は後からでも変更できます。

ただし、死亡保険金は、契約者(保険料負担者)と受取人の関係によって相続税・所得税・贈与税のいずれかの課税対象となります。受取人を変更することで、税金の種類が変わる可能性がある点は覚えておきましょう。

保険金受取りの際にかかる税金の種類

※(契約者) … 保険会社に保険料を支払う義務がある人 (被保険者) … 保険の対象となる人のこと (受取人) … 保険金を受け取れる人のこと

保険金の受取人は、犯罪や事件を防ぐために、保険会社によって配偶者や2親等以内の親族に限定される場合がほとんどです。

名義変更による影響を考慮した上で行うようにしましょう。

まとめ

まず、死亡保険とは、生命保険の中で保険の対象となる人(被保険者)が亡くなった場合や、高度障害状態になった際に保険金が支払われる保険のことです。

主な加入目的は遺された家族の生活費保障ですが、種類が多く、自分に合った保険の選び方が分からなくなりがちです。

死亡保険の選び方は、ライフステージや家族構成によって変わりますが「得られる収入から想定される支出を差し引いて、マイナスとなる部分を死亡保険金で補填する」のが一般的です。

また、必要な死亡保障金額(必要保障額)は、ライフスタイルの変化などに応じて年々少しずつ変わっていく、ということも合わせて覚えておきましょう。

死亡保険には、掛け捨て型保険と貯蓄型保険があり、それぞれでメリット・デメリットがありますので、自分に合った保険がどちらなのか、事前に把握しておくことも大切です。

種類が多く、分かりづらい部分も多いですが、ちゃんと理解して加入することで万が一の際の大きな保障になります。

これまで解説してきた内容を読んでいただき、それでもよく分からない……という方もいるかもしれません。そのような方は、ぜひファイナンシャルプランナーへの無料相談を検討してみて下さい。

あなたに合った保険や資産運用について、お金のプロであるファイナンシャルプランナーがサポートさせていただきます。

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この記事の執筆者
品木 彰
所有資格
ファイナンシャル・プランニング技能士2級, 日商簿記検定3級
大手生命保険会社にて7年半勤務し、チームリーダーや管理職候補として個人営業、法人営業の両方を経験。その後、人材会社で転職コンサルタントとしての勤務を経て、2019年1月よりwebライターとして独立。
この記事の監修者
石田 直樹
所有資格
AFP資格、TLC(生保協会認定FP)資格
ソニー生命、東京海上日動あんしん生命保険、保険代理店等、保険業界を28年間勤務。支社長や管理職を経験、200回以上のセミナーや研修講師の登壇経験あり。その知識を活かし、もっと多くの人に保険の必要性を正しく理解してもらいたい!という思いを胸に、ナビナビ保険の事業立ち上げメンバーとして異業種のIT企業に転職し、現在に至る。
この記事の編集者
ナビナビ保険編集部
ナビナビ保険編集部は「どこよりも分かりやすい保険情報を届けること」をコンセプトにコンテンツの配信を行っています。

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