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保険を知る

更新:2020.10.22 公開:2020.10.14

契約者貸付制度とは?メリット・デメリットを分かりやすく解説します

契約者貸付制度とは?メリット・デメリットを分かりやすく解説します

契約者貸付制度とは?

契約者貸付制度のイメージ

契約者貸付制度は、契約している生命保険の解約返戻金の一定割合の範囲内で保険会社からお金を借りられる制度です。

現行の保険契約を解約することなくまとまったお金が用意できるので、保険による保障を残しつつも事故によるケガや病気の治療費、子供の学費などの大きな出費があるときに活用できます

契約者貸付制度の利用方法は様々で、ネットで申し込むと最短当日〜2営業日ほどで借入金が口座に振り込まれ、専用のカードを使えば銀行やコンビニのATMからいつでも借り入れができるなど、とにかく時間がかからないことが特徴です。

借入額の上限はその時点における解約返戻金の7〜9割で、その範囲内であれば何度でも借り入れができて、利用目的が問われることもなく保証人も不要なので気軽に利用することができます。

ただし、一般的なカードローンやキャッシングと同様で、借入金に対して金利(複利)が発生します

借入期間が長くなればなるほど借入金に対する利息が雪だるま式に増えていくので、契約者貸付制度を利用する場合は事前に返済計画を立てておくことが大切です。

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利用条件

契約者貸付制度の利用条件は、解約返戻金がある保険を契約していることが大前提です。

「解約返戻金」とは?
保険商品を解約する際に支払われるお金のこと。解約までに払い込んだ保険料に所定の解約返戻率を掛けて算出される。

早期解約における解約返戻金と保障の関係

一般的には「貯蓄型保険」とよばれ、保障を備えながら毎月の保険料を積み立てていくことができ、将来に向けた貯金ができる保険商品といえます。

ただし、毎月の保険料が割安な「掛け捨て型保険」には解約返戻金がないため、契約者貸付制度を利用することができません

また、解約返戻金がある保険商品であっても契約内容によっては利用できないケースもあるので、契約者貸付制度を利用したい場合は契約中の保険会社に問い合わせをして詳細確認をしましょう。

利用方法

契約者貸付制度の利用方法は保険会社によって様々ですが、主に以下の5パターンが挙げられます。

契約者貸付制度の利用パターン

  1. 保険会社の店頭窓口で申し込む
  2. 保険の担当者やコールセンターに問い合わせをする
  3. 保険会社が用意する契約者貸付制度専用ダイヤルに電話をする
  4. 保険会社のホームページから申請手続きを行う
  5. 専用カードを使って銀行や郵便局、コンビニのATMから借り入れを行う

これらの中で最も手軽に利用できるのは「インターネット」からの申し込み方法です

保険会社の公式ホームページ、または契約者専用ページから契約者貸付制度の申請手続きを行うことで、最短当日〜2営業便程度で借入金が口座に振り込まれます

借り入れできる金額は保険会社によって異なりますが、5,000円以上100円単位で利用できるケースが多いようです。

保険会社によっては契約者貸付制度専用のキャッシュカードを準備していることもあり、専用のカードを使えば全国の銀行やコンビニのATMからいつでも借り入れができます。

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契約者貸付制度・カードローン・キャッシングの比較

まとまったお金を用意する方法としてカードローンやキャッシングなどの方法があります。

契約者貸付制度は、これらの方法に比べて金利が低めに設定されているほか、様々な観点において制約がゆるめに設定されていることが特徴です。

契約者貸付制度、カードローン、キャッシングの違いについてまとめたので、以下の比較表をご覧ください。

契約者貸付制度・カードローン・キャッシングの比較
契約者貸付制度 カードローン キャッシング
担保 不要 原則不要 原則不要
審査の有無 なし あり あり
信用情報機関への登録の有無 なし あり あり
金利 3%〜8%
※保険会社や契約時期で異なる
3%〜18%程度
※借入時の条件次第
15%〜18%程度
※借入時の条件次第
融資限度額 生命保険の解約返戻金の7〜9割程度 10万〜1,000万円程度
※借入時の条件次第
10万〜100万円程度
※借入時の条件次第
申し込み方法 インターネット、電話、窓口、郵送での手続きなど インターネットが基本 インターネットが基本
融資までの時間 インターネットで当日〜2営業日程度
郵送で約1週間程度
 最短で即日融資が可能
※借入時の条件次第
最短で即日融資が可能
※借入時の条件次第
返済が遅れた時の督促の有無 なし
※元金と利息が解約返戻金の上限を超えた後も返済されない場合は保険契約が失効する可能性がある
あり
※遅延損害金が発生する可能性がある
あり
※遅延損害金が発生する可能性がある

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契約者貸付制度のメリット

契約者貸付制度を利用するメリットは以下のとおりです。

カードローンやキャッシングなどには見られない契約者貸付制度だけのメリットがあるので、利用しようと考えている人は事前に確認しておきましょう。

メリット1.生命保険を解約せずにお金を借りられる

通常、解約返戻金を受け取るためには生命保険を解約しなければなりません。

保険料の払込期間が満了を迎える間に解約をすると、払い込んだ保険料が元金割れを起こしてしまい、まとまったお金を準備できるとはいえ結果的に損をすることになります。

また、生命保険を解約してしまえば保障が受けられない状態となるので、万一のことを考えると不安が残ります。

さらに、生命保険の保険料は加入時の年齢に応じて高くなっていくのが一般的なので、再加入する際の条件が厳しくなってしまうのが欠点です。

ですが、契約者貸付制度であれば現行の生命保険を解約する必要がないので、いざというときの保障を残しながらも大きな金額を用意できることがメリットです。

メリット2.カードローンと比較して金利が低い

契約者貸付制度の金利は、一般的に3%〜8%に設定されていることが多いです。

カードローンやキャッシングなどは10%を超える金利であることも多いので、それらに比べて低い金利で借り入れができるのは大きなメリットといえます。

ただし、契約者貸付制度は生命保険の解約返戻金を元手にして借り入れを行うという性質上、保険に加入したばかりで元本となる積立金が少ないと利用できない場合があるので気をつけましょう

メリット3.審査がなく、信用情報機関に記録されない

カードローンを利用する場合、事前に審査が行われ信用情報機関に記録がなされます。

「信用情報」とは?
これまでの割賦契約(スマートフォンの分割購入など)や様々なローン契約、クレジットカードでの支払状況といった客観的な取引事実を登録した個人情報のこと

クレジット会社は信用情報機関の記録を参考資料として顧客の信用を判断していますが、返済が滞っていたり借入額が多すぎたりすると、それ以降の借り入れができなくなってしまいます。

ですが、契約者貸付制度はそれまでに払い込んだ保険料(積立金)をもとにして保険会社からお金を借りる制度なので、信用情報機関に記録されることはありません

審査や保証人も不要なので、カードローンに比べて利用しやすいことがメリットの一つです。

メリット4.返済方法が自由で期日が決まっていない

契約者貸付制度で借りたお金は、一括や分割、あるいは不定期で返済するなど、返済方法を自由に決められるのが特徴です。

また、返済期日が設けられていないことも多いので、その時々の家計の状況に合わせて返済していくことができます。

カードローンやキャッシングの場合、毎月の返済日に少しずつ返済してくのが一般的で、返済できない場合は督促状が届いたり遅延損害金が発生したりする可能性があります。

契約者貸付制度なら督促を受けることもないので、比較的ゆるい条件のもとでお金を借りられるのがメリットです。

ただし、借入金に対して複利で金利が付く場合、雪だるま式に利息分が増えてしまうのでなるべく早いうちに返済するようにしてください

なお、保険会社によっては返済期日が設けられていることもあるので、事前に確認しておきましょう。

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契約者貸付制度のデメリット

契約者貸付制度のデメリットは以下のとおりです。

非常に優れたメリットがある一方で、利用する前にかならず確認しておかなければならないデメリットもあります。

これらのポイントを確認してから利用申込みをするようにしてください。

デメリット1.保険失効・解除のリスクがある

契約者貸付制度は、借入金に利息を加えた金額が解約返戻金を上回った状態になると保険契約が失効または解除されてしまう可能性があります(オーバーローン失効)。

特に注意したいのは複利で金利が発生するタイプの契約者貸付制度です。

返済期間が長引けば長引くほど利息が増えていくので、借入金+利息の合計金額が解約返戻金を上回るリスクが高くなります。

借入金の利息について

契約者貸付制度は「保険会社からの借金」なので、借入金に対して一定割合の金利(複利)がついていきます

金利には大きく分けて2つの種類があり、それぞれで計算方法が異なります。

金利の種類
内容 計算例
年数 計算式 返済額合計

単利

最初の借入金に対して所定の金利がつくタイプ 1年目 100万円×5%=5万円 100万円+5万円=105万円
2年目 100万円×5%=5万円 100万円+5万円=105万円
3年目 100万円×5%=5万円 100万円+5万円=105万円
複利 借入金に対して所定の金利がつき、翌年以降は金利込みの借入額に対してさらに金利がつくタイプ 1年目 100万円×5%=5万円 100万円+5万円=105万円
2年目 105万円×5%=5.25万円 105万円+5.25万円=110.25万円
3年目 110.25万円×5%=5.5125万円 110.25万円+5.5125万円=115.7625万円

複利での利子計算の仕組み
単利は最初の借入金に対して所定の金利がつくタイプで、返済期間が長引いた場合でも金利が変わらなければ利息は常に一定です。

一方の複利は、金利を加えた金額に対してさらに金利が発生するタイプで、返済期間が長引けば長引くほど利息分の返済額も増えていきます

上記の計算例の通り、同じ金額・同じ金利・同じ返済期間であっても、単利と複利の違いによって返済額は大きく変わります。

契約者貸付制度は返済期間が設けられていないことも特徴の1つですが、借入額に対する金利が複利のパターンが多いようです。

複利の場合は返済が長引くほど利息がどんどん増えていくので、返済計画をしっかり立ててから契約者貸付制度を利用するようにしましょう

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デメリット2.未返済の貸付金・利息はお祝い金・満期保険金から差し引かれる

未返済の貸付金や利息分がある場合、保険金の支払事由に該当してお祝い金や満期保険金が支払われるときに返済分が差し引かれます

貯蓄性のある生命保険を契約する目的として、突然の病気やケガの高額な医療費に備えるため、子供の教育資金を貯蓄するためといった理由が挙げられます。

未返済分が残っていると、いざ必要となった場合に十分な保障が受けられなくなる可能性が高いので、返済期間が設けられていないとはいえ、なるべく早いうちに返済を終えるようにしてください。

デメリット3.お宝保険(予定利率が高い時期に契約した保険)は貸付時の金利が高い

バブル期などの景気が良い頃は、契約者への還元率をあらわす「予定利率」が5%以上に設定されている生命保険が数多く登場しました。

予定利率が高ければ高いほど契約者へのリターンが大きくなるため、俗に「お宝保険」と呼ばれています。

金利が高いほど契約者にとってはメリットが大きくなりますが、契約者貸付制度を利用するにあたっては大きなデメリットとなります

契約者貸付制度の利率は「保険加入時の利率」をベースに計算するため、利率が高ければ高いほど返済額に上乗せされる利息も増えてしまうのです。

一般的には複利で金利がついていくので返済額が大きくなりやすく、返済ができなくなってしまうと最悪の場合は保険契約が失効または解除となってしまうかもしれません。

お宝保険を契約している人で契約者貸付制度を利用する場合は、早々に返済を終わらせられるような返済計画を立ててからご利用ください

ちなみに、昨今では金利低下の影響を受けて予定利率が1%を下回る生命保険も増えており、そこまで大きなリターンは期待できない状況となっています。

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契約者貸付制度に関するよくある質問Q&A

契約者貸付制度に関する「よくある質問」にお答えして終わります。

Q.契約者貸付制度の借入金を返済するにはどうすればよいですか?

A.契約者貸付制度の借入金を返済する方法は、インターネット決済やATMへの入金、指定口座への振り込みなど様々です

保険会社によって返済方法が異なるので、契約者貸付制度の利用手続きを行う際に合わせて確認するようにしましょう。

Q.外貨建て保険の場合の返済方法はどうなりますか?

A.外貨建て保険で契約者貸付制度を利用する場合、換算基準日における所定の円換算レートで算出された金額を払い込むことになります

換算基準日は、「日本円→指定通貨」または「指定通過→日本円」に換算する基準となる日のことを指し、保険会社によって円換算レートが異なります。

算出された金額の払込方法は通常の生命保険における契約者貸付制度と同様です。

Q.申込時に送付した保険証券は返却されますか?

A.はい、されます

契約者貸付制度を申し込む際に送付した保険証券は、手続き完了後に送付される「契約者貸付支払手続き完了のお知らせ」とともに返却されます。

Q.未返済分が残っている状態で保険契約を解約することはできますか?

A.未返済分が残っている状態でも保険の解約は可能です

その際に支払われる解約返戻金から未返済分が差し引かれ、残った分が契約者に支払われることになるので返済手続きを行う必要はありません。

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まとめ

契約者貸付制度は、生命保険の解約返戻金の一定割合の範囲内で保険会社からお金を借りられる制度です。

保険契約を残した状態で大きな金額を用意できるので、突然のケガや病気で高額な医療費が発生したときや子供の教育資金が必要となったときでも安心です。

また、借入金は返済期日が設けられていないケースが多く、借り入れの際に審査や保証人が不要なので一般的なカードローンやキャッシングよりもゆるい条件で利用できます。

ただし、借入金に対して複利で金利がつくのが基本なので、返済期間が長引くほど利息が雪だるま式に増えていき、返済額が高額になってしまう恐れがあります。

気軽に利用できることが特徴の制度ですが、必ず返済計画を立ててから利用するように心がけましょう。

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この記事の執筆者

中村 翔也

携帯代理店法人部門にて営業職として2年半勤務後、2017年12月よりwebライターとして独立。通信ジャンルをメインに金融系、保険記事を毎月30本以上執筆。
この記事の監修者

藤田 匡紀

新卒で日本生命保険相互会社に入社し、販売企画・代理店営業など多様な業務に従事。13年間勤務した後「もっと多くの人に、保険の必要性を正しく理解してもらいたい」という思いを胸にエイチームフィナジーに入社、ナビナビ保険の運営に参画。金融機関における顧客向け相続セミナー・研修会の実績も多数あり。
所有資格
AFP資格、証券外務員Ⅱ種
この記事の編集者

ナビナビ保険編集部

ナビナビ保険編集部は「どこよりも分かりやすい保険情報を届けること」をコンセプトにコンテンツの配信を行っています。

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