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更新:2020.11.27

暦年課税(暦年贈与)とは? 相続時精算課税との比較・手続き・注意点を解説します

暦年課税(暦年贈与)とは? 相続時精算課税との比較・手続き・注意点を解説します

暦年課税(暦年贈与)とは?

暦年課税とは、ある年の1月1日から12月31日までの1年(=暦年)の間に受けた贈与に対して課税する制度のことです。

財産の贈与を受けた場合、譲り受けた財産の合計金額から基礎控除額の110万円を差し引いた金額に対して贈与税が発生します。

このとき、毎年110万円以下の基礎控除枠を利用して自分の財産を他者に贈与することを「暦年贈与」とよびます

暦年贈与を利用して生前から自身の財産を贈与しておくことで、相続税の課税対象となる財産を減らすことができ、結果として相続税の税負担を軽減することが可能です。

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暦年課税と相続時精算課税制度の比較

贈与税の課税方式には、暦年課税のほかに「相続時精算課税制度」があります。

贈与を受けた場合には「暦年課税」か「相続時精算課税制度」のどちらかを必ず選ばなければならないので、両者の違いについても理解しておきましょう。

暦年課税と相続時精算課税制度の違い
暦年課税(暦年贈与) 相続時精算課税制度
条件 なし
第三者への贈与に対しても適用可能
60歳以上の父母または祖父母から、20歳以上の子供または孫に対して財産を贈与する場合のみ適用可能
非課税限度額 受贈者1人につき1年間で最大110万円まで
※贈与税が0円の場合は申告が不要
贈与者1人につき最大2,500万円まで
※贈与税が0円の場合でも申告が必要
贈与税 (1年間のうちに贈与を受けた財産の合計金額-基礎控除110万円)×贈与税率
※110万円を超過した財産については金額ごとに設定される贈与税率と控除額を計算した税金が発生するということ
※贈与税率と控除額については速算表を参照
(贈与を受けた財産の合計金額-特別控除枠2,500万円)×一律20%
※2,500万円を超過した財産については一律20%の贈与税が発生するということ
特徴
  • 年間110万円までの贈与に対しては贈与税が発生しない
  • 基本的に相続時の加算はないが、受贈者が相続人である場合は相続開始前3年以内の贈与財産は相続財産に加算される
  • 贈与税が0円になる場合は税務署への申告が不要
  • 生前贈与した財産が110万円以下なら贈与税も相続税も発生しない
  • 利用回数に限度がないため、しっかりとした手続きを踏むことで相続税の大きな軽減効果が期待できる
  • 2,500万円までの贈与に対しては贈与税が発生しない
  • 贈与税が発生しない代わりに相続時に相続税が発生
  • 贈与税が0円だとしても税務署への申告が必要
  • 価値の上昇が見込める不動産などの財産を贈与しておくことで相続税対策になる
  • 不動産の贈与には不動産取得税と登録免許税などの税金が発生する
  • 利用できる人が直系卑属(子供や孫)への贈与に限られる

 相続時精算課税制度は、生前贈与された財産の合計額が2,500万円以下であれば贈与税が一時的に非課税となる制度のことです。

ただし、被相続人が亡くなって遺産相続が発生した際には、相続時精算課税制度で贈与税を非課税とした財産を、相続財産に加えた上で相続税を計算しなければなりません。

相続財産に対しては相続税が加算されることになるので、相続時精算課税制度を簡単にまとめると「生前贈与を受けた時の税金を相続発生時に先送りにする制度」と言い換えることができます。

価額が高い不動産などの財産を生前贈与する場合は非課税限度額が大きい「相続時精算課税制度」、それ以外の財産や第三者への贈与があるような場合には「暦年課税(暦年贈与)」を利用するのが良いでしょう

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暦年課税のメリット・デメリット

暦年課税を利用するメリットとデメリットは以下のとおりです。

暦年課税のメリット

  • 何度でも贈与できる
  • 受贈者1人につき110万円までが非課税
  • 少しずつだが確実に相続財産が減らせる

暦年課税のデメリット

  • 非課税額が1年間に110万円のみ
  • 多額の財産を贈与する場合は何度も暦年贈与の手続きを行う必要がある

暦年課税(暦年贈与)は、贈与税における110万円の基礎控除額を利用して生前贈与を行う相続税対策のことです。

毎年110万円ずつしか非課税で贈与できないことが欠点ですが、利用回数に制限はないため、時間をかければ少額ずつではあるものの確実に相続財産の税負担を軽減することができます

また、受贈者1人につき110万円までが非課税となるので、配偶者と子供が2人いる場合には最大330万円(110万円×3人)が非課税となります。

ただし、贈与税の基礎控除額を利用した相続税対策は、ちゃんとした手続きを行わないと後々になって高額な贈与税を納めることになりかねません。

暦年贈与を行うたびに手続きを行わなければならないので、時間と手間がかかることがデメリットといえます。

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暦年課税の贈与税の計算方法

暦年課税の贈与額の計算方法

暦年課税制度の贈与税の計算方法は以下のとおりです。

贈与税の計算方法

  1. 贈与を受けた財産の合計金額から基礎控除110万円を差し引く(=課税価格)
  2. 課税価格の金額と、国税庁が公表する「贈与税率の速算表」を見比べて贈与税を計算する

贈与税率の速算表は以下の通りですが、「基礎控除を差し引いた後の金額」や「誰から誰に対して贈与されたか」によって贈与税率は変わってきます。

直系尊属(父母・祖父母)から直系卑属(20歳以上の子供や孫)への贈与は「特例贈与財産用の贈与税率」、それ以外の場合(配偶者の父母からの贈与や他人から財産を受け取った場合など)は「一般贈与財産用の贈与税率」を参照してください。

特例贈与財産用(特例税率)の贈与税の速算表:直系尊属から直系卑属への贈与が対象
基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10% -
400万円以下 15% 10万円
600万円以下 20% 30万円
1,000万円以下 30% 90万円
1,500万円以下 40% 190万円
3,000万円以下 45% 265万円
4,500万円以下 50% 415万円
4,500万円超 55% 640万円

参照:贈与税の計算と税率(暦年課税)

一般贈与財産用(一般税率)の贈与税の速算表:上記以外の贈与が対象
基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10% -
300万円以下 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円
600万円以下 30% 65万円
1,000万円以下 40% 125万円
1,500万円以下 45% 175万円
3,000万円以下 50% 250万円
3,000万円超 55% 400万円

参照:贈与税の計算と税率(暦年課税)

たとえば、父から子供へ贈与された財産の合計金額が1,610万円だった場合の贈与税の計算式は以下のとおりです。

例:父から子供へ贈与された財産の合計金額が1,610万円だった場合の贈与税

  • 贈与財産1,610万円-基礎控除110万円=課税財産1,500万円
  • 課税財産1,500万円×特例税率40%-190万円=贈与税410万円

贈与された金額が同じ1,610万円であっても、配偶者の父からの贈与の場合は納めることになる贈与税は以下のように変動します。

例:配偶者の父から贈与された財産の合計金額が1,610万円だった場合の贈与税

  • 贈与財産1,610万円-基礎控除110万円=課税財産1,500万円
  • 課税財産1,500万円×一般税率45%-175万円=贈与税500万円

このように、「基礎控除を差し引いた後の金額」と「誰から誰に対しての贈与であるか」によって、贈与税額が変わるということを覚えておいてください。

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暦年課税の贈与税申告手続きの流れ

暦年課税における贈与は、年間110万円までは基礎控除によって贈与税が発生しないため、申告する必要はありません。

ただし、年間で110万円を超える贈与があった場合には、翌年の3月15日までに税務署にて贈与税の申告手続きを行う必要があります

贈与税の申告をするにあたって必要な書類はさまざまですが、基本的に贈与税の申告だけをする場合に必要な書類は「贈与税申告書第一表」と「マイナンバー(カードまたは通知カード)」の2種類のみです。

「住宅取得等資金の非課税の適用」を受ける場合や、暦年課税ではなく「相続時精算課税制度」を利用する人は上記とは別の申告書類を作成して提出しなければなりません。

「住宅取得等資金の非課税の適用」とは?
父母・祖父母などの直系尊属から資金提供を受けて住宅を購入する場合、一定額まで贈与しても贈与税が発生しないという特例

贈与税の申告における必要書類

  • 第一表(兼贈与税の額の計算明細書):贈与税を申告する人全員が提出
  • 第一表の二(住宅取得等資金の非課税の計算明細書):住宅取得等資金の非課税の適用を受ける人のみ提出
  • 第二表(相続時非課税制度の計算明細書):相続時精算課税制度の適用を受ける人のみ提出

必要書類を準備できたら、以下の手順に従って贈与税の申告手続きを進めてください。

暦年課税(暦年贈与)における贈与税申告手続きの流れ

  1. 誰に・何を・どんな目的で贈与するのかを決める
  2. 贈与税の課税方式を決める(暦年課税・相続時精算課税)
  3. 贈与契約書を作成する(いつ・誰に・なにを・どんな目的で贈与したかを明記する)
  4. 贈与を行う(財産の受け渡し)
  5. 贈与税の申告手続きを行う(贈与のあった年の翌年3月15日まで)

なお、暦年課税で贈与税の申告をする必要があるのは贈与を受けた人(受贈者)です。

財産を受け取った場合、翌年の3月15日までに現住所を管轄する税務署に出向いて贈与税の申告手続きを行ってください。

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暦年課税の注意点

年間110万円までなら贈与税が発生しない「暦年課税(暦年贈与)」ですが、利用する前に注意点しておきたい点が3点あります。

それぞれの注意点について解説していきます。

1. 定期贈与と見なされないように記録を残す

定期贈与とは、一定期間ごとに贈与を行うことをいいます。

暦年課税を利用して数年にわたって贈与を行った場合、税務署によっては定期贈与と判断され、贈与した合計金額に対して発生する贈与税を納めることになってしまいます。

たとえば、毎年110万円の贈与を10年間行った場合、最初から1,100万円の贈与を行う予定の定期贈与とみなされ、1,100万円から基礎控除110万円を差し引いた990万円に対する贈与税が発生してしまうのです。

定期贈与と判断されないためには、暦年課税を利用して贈与を行うたびに「贈与契約書」を締結し、なおかつ現金による手渡しではなく履歴が残る銀行振込で贈与を行い、通帳で記録を録っておくことが必要となります。

後から高額な贈与税が発生してしまう可能性があるので、面倒に感じられても必ず贈与契約書を作成するように心がけましょう。

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2. 贈与者が贈与後3年以内に亡くなると再計算が必要

生前贈与を行ってから3年以内に贈与者が亡くなった場合、生前贈与によって相続人が受け取った財産は贈与者(=被相続人)のほかの相続財産に加算されることになります。(相続人以外が受け取った場合は、加算の対象外。)

生前贈与で受け取った財産の合計金額を加算した上で相続税の計算を行うことになるので、暦年課税を利用したとしても税金が発生する可能性があるということを覚えておきましょう

3. 暦年課税と相続時精算課税は併用できない

贈与税の課税方式は「暦年課税」と「相続時精算課税制度」のどちらか一方を選択することになります

これらの制度は同じ贈与者からの贈与に対しては併用することができないので注意が必要です。

なお、複数人から贈与を受けた場合は、それぞれの贈与に対して「暦年課税」か「相続時精算課税制度」を選ぶことができます。

贈与される財産の種類によってはどちらの制度にもメリット・デメリットがあるので、これらの違いをしっかりと理解した上で、どちらを選ぶべきか吟味するようにしましょう。

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まとめ

暦年課税とは、1月1日から12月31日までの間に行われた贈与に対して税金が発生する制度のことです。

贈与税は1年間のうちに最大110万円の基礎控除が受けられるので、毎年110万円までなら贈与税を納めることなく生前贈与をすることができます。

生前贈与を行うことで個人の相続財産を減らすことができ、結果として納めることになる相続税も負担を軽減することが可能となります。

ただし、暦年課税を利用して贈与を行う場合は、贈与を行うたびに「贈与契約書」を作成し、やり取りの履歴が残る「銀行振込」かつ通帳で記録を録っておくことが大切です。

有効に活用すれば大きな金額の税負担の軽減につながるので、この記事を参考にして将来的な財産の分け方について検討されてみてはいかがでしょうか。

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公開:2020.11.20
この記事の執筆者

中村 翔也

携帯代理店法人部門にて営業職として2年半勤務後、2017年12月よりwebライターとして独立。通信ジャンルをメインに金融系、保険記事を毎月30本以上執筆。
所有資格
ファイナンシャル・プランニング技能士3級
この記事の監修者

藤田 匡紀

新卒で日本生命保険相互会社に入社し、販売企画・代理店営業など多様な業務に従事。13年間勤務した後「もっと多くの人に、保険の必要性を正しく理解してもらいたい」という思いを胸にエイチームフィナジーに入社、ナビナビ保険の運営に参画。金融機関における顧客向け相続セミナー・研修会の実績も多数あり。
所有資格
AFP資格、証券外務員Ⅱ種
この記事の編集者

ナビナビ保険編集部

ナビナビ保険編集部は「どこよりも分かりやすい保険情報を届けること」をコンセプトにコンテンツの配信を行っています。

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