1. ナビナビ保険 /
  2. 社会保障制度 /
  3. 労災保険
更新 更新:2021.03.26

労災保険とは?仕組み・手続きの流れを分かりやすく解説します

労災保険とは?仕組み・手続きの流れを分かりやすく解説します

労災保険とは?

「労災保険」とは、仕事中または通勤途中に負ったケガや病気・障害あるいは死亡した場合に給付が行われる制度で、日本の5つある社会保険の一つとなります。

日本の社会保険

  1. 健康保険
  2. 年金保険
  3. 介護保険
  4. 雇用保険
  5. 労災保険

対象となるのは、会社に雇われている正社員からパートアルバイトに至るすべてが対象者となり、働く人が安心して労働できる環境づくりの一環で発足されました。

ただし、国家公務員や地方公務員は「国家公務員災害補償法」や「地方公務員災害補償法」が適用されますので、労災保険の適用はありません。

加入は事業主の義務となっており、労働者を一人でも雇用する会社は手続きを行わなくてはいけません。

また労災保険の保険料は事業主負担となりますので、対象者が払う必要はありません。

では早速どんな場合に給付されるのか確認していきましょう。

労災保険はどんな場合に給付されるのか?

労災保険

労災保険は、

が、主な保険給付の対象となります。

業務災害

 業務災害とは業務中に労働者がケガをしたり、疾病や後遺障害の発生また死亡した場合を指しますが、業務と災害発生による死傷病の因果関係が認められてはじめて業務災害として認定されます。

その因果関係を判断するためには、「業務遂行性」が前提の条件となり「業務起因性」が認められる必要があります。

  • 業務中に発生したケガや病気なのか?を判断する「業務遂行性
  • 業務がケガや病気の原因になったかのか?を判断する「業務起因性

業務災害として認められる主なケースは以下の通りです。

業務災害として認められる主なケース

  • 工場内で作業中、ベルトコンベアーなどの機材によりケガを負った場合
  • 業務中にトイレへ向かう途中で事故に巻き込まれてケガを負った場合
  • 出張中、社用での外出などの理由から事業場施設以外でケガを負った場合

簡単にまとめると、「勤務時間内で業務に携わっていた場合に発生した病気やケガに対して保険金が支払われる」ということです。

ただし、労働者が就業中に私的行為を行ったり、個人的な恨みから第三者による暴行を受けたり、台風や地震などの天災が原因となる場合は業務災害として認められません

対象外となるケース

  • 業務中に業務とは関係のない私的行為を行い、その結果、ケガを負った場合
  • 業務中に個人的な恨みから第三者による暴行を受けた場合
  • 台風や地震などの天災によってケガをした場合

通勤災害

通勤災害とは、労働者が通勤途中に発生したケガや病気、死亡等を指します

通勤災害として認められるためには、業務に携わるために自宅と勤務先を移動中に発生した事故が原因であることを証明する必要があります。

通勤時のみではなく、退勤時においても対象に含まれますが、仕事終わりに食事や飲みに行くなどの寄り道をした場合や、通勤とは一切関係のない移動中における災害においては補償の対象外となります。

通勤災害の対象外となるケース

  • 業務終了後に業務とは関係のない食事や旅行に行き、その途中で事故にあった場合

精神疾患

昨今ではパワハラやセクハラといった社内問題が話題となることが多いですが、これらが原因で精神疾患を患った場合も労災保険の対象に含まれる可能性があります。

具体的には以下の3つの要件を満たしている場合に労災認定が下ります。

精神障害の労災認定要件

  1. 認定基準の対象となる精神障害を発病していること
  2. 認定基準の対象となる精神障害の発病前おおむね6か月の間に、業務による強い心理的負荷が認められること
  3. 業務以外の心理的負荷や個体側要因により発病したとは認められないこと

参照:精神障害の労災認定|厚生労働省

全国労働衛生団体連合会が公表する「精神障害等の労災補償状況」によると、平成30年度(2018年)の精神障害による労災認定率は31.8%と全体の3割程度です。

では次に労働保険の補償内容について確認していきましょう。

労災保険の補償内容

これまで、労災保険の概要について解説してきましたが、ここからは具体的な給付内容について確認していきましょう。

労災保険の補償内容は、大きく分けると8項目になります。

  1. ① 療養補償給付
療養補償給付とは、労働者が業務上でまたは通勤途中で負傷したり、病気にかかって療養を必要する場合の給付で「療養の給付」と「療養の費用の支給」があります。
  1. ② 障害補償給付
業務災害や通勤災害の治療をした後で障害が残った場合、障害の等級によって「障害補償年金」か「障害補償一時金」が支給されます。
  1. ③ 休業補償給付
休業補償給付とは、ケガや病気の療養のために労働ができず賃金を受け取れていない場合、第4日目から賃金の補償として給付されます。
  1. ④ 遺族補償給付
遺族補償給とは、業務または通勤が原因で死亡した労働者の遺族に対して支給されます
  1. ⑤ 葬祭料
死亡した人の葬儀式典を行う際に葬祭を執り行う人に対して給付されます。
  1. ⑥ 傷病補償年金
傷病補償年金とは、業務または通勤が原因となった負傷や疾病の療養開始から1年6か月が経過した日、またはその日以後において以下の要件を満たす場合に支給される年金を指します。
  1. ⑦ 介護補償給付
介護補償給付とは、障害補償年金または傷病補償年金の受給者のうち、障害等級・傷病等級が第1級の人と第2級の「精神神経・胸腹部臓器の障害」を有している人が、実際に介護を受けている場合に支給される給付金です。
  1. ⑧ 二次健康診断等給付
二次健康診断等給付とは、職場の定期健康診断等で異常と認められた場合に、脳血管・心臓の状態を把握するための二次健康診断及び脳・心臓疾患の発症の予防を図るための特定保健指導を1年度内に1回、無料で受診できる制度のことです。

1. 療養補償給付

療養補償給付とは、労働者が業務上でまたは通勤途中で負傷したり、病気にかかって療養を必要する場合に給付が行われます。

療養給付には、「療養の給付」と「療養の費用の支給」があります。

療養の給付
労災病院や労災保険指定の医療機関・薬局にて、無料で治療や薬剤の支給が受けられます。
療養の費用の支給
近くに労災病院や指定医療機関がないなどの理由で、指定医療機関以外の医療機関で療養を受けた場合にその療養にかかった費用を支給する現物給付が受けられます。

給付の対象となる療養の範囲や期間は「療養の給付」「療養の費用の支給」どちらも同じです。

どちらも治療費・入院料・移送費など通常療養のために必要なものが含まれ、傷病が治癒するまで給付されます。

ただし、指定の医療機関以外で治療を受けた場合は、一度立て替えて支払いをした後に労働基準監督署へ書類を提出して現金の支給を受けます。

治療内容によっては高額になるケースもありますので、なるべく指定医療機関で治療を行う方が手続きや金銭面の観点からおすすめでしょう。

「労災保険の治癒」とは?
労災保険における治癒とは、身体の諸器官・組織が健康時の状態に完全に回復した状態のみをいうものではなく、傷病の症状が安定し、医学上一般に認められた医療を行ってもその医療効果が期待できなくなった状態(「症状固定」の状態)を言います。

ただし、後遺症として障害状態が残った場合は次に解説します「障害補償給付」へと切り替わります。

2. 障害補償給付

業務災害や通勤災害の治療をした後で障害が残った場合、障害の等級によって「障害補償年金」か「障害補償一時金」が支給されます。

  • 障害等級第1級から第7級に該当する後遺障害があらわれた場合は障害の等級に応じて障害補償年金(障害年金)
  • 障害等級第8級から第14級に該当する後遺障害があらわれた場合には障害の等級に応じて障害補償一時金(障害一時金)
障害補償年金
障害等級 給付基礎日額
第1級 313日分
第2級 277日分
第3級 245日分
第4級 213日分
第5級 184日分
第6級 156日分
第7級 131日分
障害補償一時金
障害等級 給付基礎日額
第8級 503日分
第9級 391日分
第10級 302日分
第11級 223日分
第12級 156日分
第13級 101日分
第14級 56日分

3. 休業補償給付

休業補償給付とは、ケガや病気の療養のために労働ができず賃金を受け取れていない場合、第4日目から賃金の補償として給付されます。

3日目までの期間は待期期間となり、休業補償給付の対象期間外となります。

ですがこの待期期間については事業主が補償し、平均賃金の60%の支払い責任があります。

また、待期期間は必ずしも連続している必要はなく、通算して3日間でもよいこととなっています。

さらに「待期期間」の初日の考え方ですが、所定労働時間内に業務災害が発生し、労働不能となった場合には、その日が「待期期間」の初日となりますが、残業中に業務災害で労働不能となった場合には、翌日が、「待期期間」の初日になります。

休業補償給付より支給される金額は、1日につき給付基礎日額の60%です。

それにプラスして労災保険の社会復帰促進事業から休業補償給付(休業給付)にあわせて1日あたり給付基礎日額の20%が休業特別支援金として支給されます。

休業補償給付で支給される金額

  • 休業補償給付 =(給付基礎日額の60%)× 休業日数
  • 休業特別支給金 =(給付基礎日額の20%)× 休業日数
    ※給付基礎日額は、労働基準法の平均賃金に相当する額を指します

参照:休業(補償)給付 傷病(補償)年金の請求手続|厚生労働省

4. 遺族補償給付

遺族補償給とは、業務または通勤が原因で死亡した労働者の遺族に対して支給されます。

給付の種類は「遺族補償年金」と、遺族補償年金の受給資格者がいない場合び支給される「遺族補償一時金」の2種類があります。

遺族補償年金

遺族補償年金は、受給資格者のうち最優先順位者に対して支給されます。

遺族補償年金の受給資格者 順位表

  1. 妻または60歳以上か一定障害の夫
  2. 18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるか一定障害の子
  3. 60歳以上か一定障害の父母
  4. 18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるか一定障害の孫
  5. 60歳以上か一定障害の祖父母
  6. 18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるか60歳以上または一定障害の兄弟姉妹
  7. 55歳以上60歳未満の夫
  8. 55歳以上60歳未満の父母
  9. 55歳以上60歳未満の祖父母
  10. 55歳以上60歳未満の兄弟姉妹
    ※「一定の障害」とは、障害等級第5級以上の身体障害をいいます

給付内容は、遺族数などに応じて「遺族補償年金」「遺族特別支給金」「遺族特別年金」が支給されます。

遺族数 遺族補償年金 遺族特別支給金 遺族特別年金
1人 給付基礎日額の153日分※1 300万円 算定基礎日額の153日分※2
2人 給付基礎日額の201日分 算定基礎日額の201日分
3人 給付基礎日額の223日分 算定基礎日額の223日分
4人以上 給付基礎日額の245日分 算定基礎日額の245日分

参照:遺族(補償)給付 葬祭料(葬祭給付)の請求手続|厚生労働省
※1:但しその遺族が55歳以上の妻または一定の障害状態にある妻の場合は給付基礎日額の175日分
※2:但しその遺族が55歳以上の妻または一定の障害状態にある妻の場合は算定基礎日額の175日分

遺族補償一時金

遺族補償一時金とは、上記の遺族補償年金を受ける遺族がいない場合に支給されます。

遺族補償一時金 遺族特別支給金 遺族特別一時金
給付基礎日額の1000日分 300万円 算定基礎日額の1000日分

5. 葬祭料

労災保険における葬祭料とは、死亡した人の葬儀式典を行う際に葬祭を執り行う人に対して支給される給付金を指します

葬祭料として支給される金額は、315,000円に給付基礎日額の30日分を加えた金額です。

もしこの金額が給付基礎日額の60日分に満たない場合は、給付基礎日額の60日分が支給額となります。

参照:葬祭料(葬祭給付)について|厚生労働省

6. 傷病補償年金

傷病補償年金とは、業務または通勤が原因となった負傷や疾病の療養開始から1年6か月が経過した日、またはその日以後において以下の要件を満たす場合に支給される年金を指します

傷病補償年金の支払要件

  • その負傷または疾病が治っていないこと
  • その負傷または疾病による障害の程度が傷病等級表の傷病等級に該当すること
障害等級表
第1級
給付内容 当該障害の状態が継続している期間1年につき給付基礎日額の313日分
障害の状態
  1. 神経系統の機能又は精神に著しい障害を有し、常に介護を要するもの
  2. 胸腹部臓器の機能に著しい障害を有し、常に介護を要するもの
  3. 両眼が失明しているもの
  4. そしゃく及び言語の機能を廃しているもの
  5. 両上肢を肘関節以上で失ったもの
  6. 両上肢の用を全廃しているもの
  7. 両下肢を膝関節以上で失ったもの
  8. 両下肢の用を全廃しているもの
  9. 前各号に定めるものと同程度以上の障害の状態にあるもの
第2級
給付内容 同期間につき給付基礎日額の277日分
障害の状態
  1. 神経系統の機能又は精神に著しい障害を有し、随時介護を要するもの
  2. 胸腹部臓器の機能に著しい障害を有し、随時介護を要するもの
  3. 両眼の視力が0.02以下になっているもの
  4. 両上肢を腕関節以上で失ったもの
  5. 両下肢を足関節以上で失ったもの
  6. 前各号に定めるものと同程度以上の障害の状態にあるもの
第3級
給付内容 同期間につき給付基礎日額の245日分
障害の状態
  1. 神経系統の機能又は精神に著しい障害を有し、常に労務に服することができないもの
  2. 胸腹部臓器の機能に著しい障害を有し、常に労務に服することができないもの
  3. 一眼が失明し、他眼の視力が0.06以下になっているもの
  4. そしゃく又は言語の機能を廃しているもの
  5. 両手の手指の全部を失ったもの
  6. 第1号及び第2号に定めるもののほか、常に労務に服することができないものその他前各号に定めるものと同程度以上の障害の状態にあるもの

参照:傷病(補償)年金について|厚生労働省

7. 介護補償給付

介護補償給付とは、障害補償年金または傷病補償年金の受給者のうち、障害等級・傷病等級が第1級の人と第2級の「精神神経・胸腹部臓器の障害」を有している人が、実際に介護を受けている場合に支給される給付金です

介護補償給付が支給される要件は以下の通りです。

介護補償給付の支給要件

  • 常時介護・随時介護の状態に該当すること
    • (ア)常時介護:精神神経・胸腹部臓器に障害を残し常時介護を要する状態、両眼が失明・両上肢および両下肢が亡失又は用廃状態にある
    • (イ)随時介護:精神神経・胸腹部臓器に障害を残し随時介護を要する状態、障害等級第1級または傷病等級第1級に該当し常時介護を要する状態ではない
  • 現に介護を受けていること
  • 病院または診療所に入院していないこと
  • 介護老人保健施設、介護医療院、障害者支援施設、特別養護老人ホームまたは原子爆弾被爆者特別養護ホームに入所していないこと

参照:介護(補償)給付の請求手続|厚生労働省

介護を受けていれば給付を受けられますが、病院または診療所に入院している場合や介護施設などに入所している場合は給付を受けられないので注意しましょう。

8. 二次健康診断等給付

二次健康診断等給付とは、職場の定期健康診断等で異常と認められた場合に、脳血管・心臓の状態を把握するための二次健康診断及び脳・心臓疾患の発症の予防を図るための特定保健指導を1年度内に1回、無料で受診できる制度のことです

給付の要件は以下の通りです。

二次健康診断等給付の給付要件

  1. 一次健康診断の結果、異常の所見が認められること
    1. 血圧検査
    2. 血中脂質検査
    3. 血糖審査
    4. 腹囲の検査またはBMI(肥満度)の測定
  2. 脳・心臓疾患の症状を有していないこと
  3. 労災保険の特別加入者でないこと

参照:労災保険二次健康診断等給付|厚生労働省

では、次にどのように手続きをすればいいのかを確認していきましょう。

労災保険の申請手順

労災保険を受けるためには、勤務先から管轄の労働基準監督署への届け出が必要となります。

そのため、必ず労働災害が発生したことを報告してから労災保険の申請手続きを行いましょう。

1. 労災保険指定医療機関、または最寄りの取り扱い病院で診察を受ける

労災保険が対象の病気やケガが発生したら、労災保険指定医療機関または最寄りの取り扱い病院で診察を受けましょう。

この時、労災保険指定医療機関で治療を受ける場合には医療費が一切かかりません

また、労災保険の手続きがスムーズに済ませられるので、労働災害が発生した場合は会社に報告を行い、どの病院を受診すればよいかを確認しましょう。
労災保険指定機関で治療を受けた場合の給付申請の流れ

もし、労災保険指定医療機関以外で治療を受けたとしても、自己負担で精算した後で請求手続きを行えば、負担した医療費の全額が支給されます

その際、労災申請用の請求書を提出する必要があるので、病院にかかる際に労働災害であることを伝えるようにしましょう。
労災保険指定機関以外で治療を受けた場合の給付申請の流れ

2. 補償の種類に応じた請求書をダウンロードする

基本的に、労災の手続きは会社が行います

ですが、もし会社が手続きを行ってくれない場合には自分自身で労働基準監督署に請求書を提出する必要があります。

労災申請を行う際の請求書は、厚生労働省の公式ホームページからダウンロードできるほか、労働基準監督署にも設置されています。

厚生労働省の公式ホームページからダウンロードする場合、注意事項を確認しなければダウンロードページにアクセスできないので気をつけましょう。

また、補償の種類に応じた請求書を使う必要があるので、間違った請求書を使わないようにご注意ください。

3. 必要事項を記入する

請求書を入手したら必要事項を記入します。

なお、請求書の記入項目には、事業主からの労働災害であることを証明するための署名欄が設けられています。

署名欄へのサインは必須項目となっているので、忘れずに勤務先に届け出て署名をもらってください

万が一、勤務先が署名をしてくれない場合は管轄の労働基準監督署に相談するか、会社が署名を提出しない旨を記載した「署名拒否理由書」を準備して労働基準監督署に提出しましょう。

4. 請求書・添付書類を労働基準監督署に提出

請求書が無事に完成したら、申請する補償の種類に応じた添付書類を準備して、労働基準監督署に提出します。

請求書の提出後、労働基準監督署から勤務先や受診した医療機関への調査が行われ、本当に労働災害に該当する事案であるかが判断されます。

なお、労災申請をする際には補償ごとの手続き期限がある点にご注意ください。

補償ごとの手続き期限
補償の種類 手続き期限
療養補償給付
休業補償給付
葬祭給付
介護補償給付
二次健康診断等給付
2年
障害補償給付
遺贈補償給付
5年

労災保険指定医療機関で受診していればそのまま手続きを行ってくれますが、それ以外の医療機関で治療を受けていた場合、労災申請に慣れておらず手続きを進めてもらえない場合があります。

その場合は自分自身で期限内に手続きを行う必要があるので、労災申請をする際に何をすればよいかを確認しておきましょう。

労災保険に関するよくある質問 Q&A

Q. 労災保険の保険料はどうやって計算されて誰が負担するの?

A. 労災保険の保険料は、勤務先の会社が全額負担することになっています

保険料の計算方法は以下の通りです。

労災保険料の計算方法

  • 労災保険料 = 全従業員の年度内の賃金総額 × 労災保険率

「全従業員の年度内の賃金総額」は、賃金総額に含まれるものと含まれないものを一覧にしてまとめた以下の一覧表をご参照ください。

賃金総額に含まれるものと含まれないもの
含まれるもの 含まれないもの
  • 基本給
  • 賞与
  • 通勤手当
  • 定期券(回数券含む)
  • 各種手当(残業手当、休日手当、扶養手当、家族手当、役職手当等)
  • 役員報酬
  • お祝い金などの一時金
  • 出張費・宿泊費
  • 休業補償費、傷病手当金
  • 会社が全額負担する生命保険料

労災保険率」は、勤務先の事業種別ごとに利率が決められています。

事業種別ごとで業務内容が異なり、労災の対象となる可能性が変わってくるためです。

Q. 労災保険に未加入だと給付は受けられない?

A. 労災保険は従業員を雇用する全事業主に対して加入が義務付けられているものの、労災保険に加入していない事業者が一定数存在します

仮に労災保険に加入してない会社で働いている場合、または後から労災保険に未加入であることが発覚した場合は、労働基準監督署に相談をして、所定の手続きを行うことで労災保険が適用されます

なお、労災保険に加入していない事業主に対しては、労働基準監督署による調査が行われ、納めていなかった労災保険料の追加徴収や労基法違反による重い処分が下されることになります。

Q. フリーランスは労災保険に加入できない?

A. フリーランスとして働いている人は原則、労災保険の対象には含まれません

ただし、業務内容などから鑑みて、労働者と同様に保護するのが妥当と判断される職業である場合には「特別加入制度」によって労災保険への任意加入が認められています

たとえば、個人タクシーや個人運送業、大工や鳶職人などの建設業、漁船による漁業者、林業などの職業に就いている人が該当します。

業務中や通勤中に万が一のことがあった場合の備えとして非常に重要な役割を持つ保険なので、上記に該当する場合は加入することをおすすめします。

Q. 会社の役員は労災保険に加入できますか?

A. 基本的に会社の経営者や役員は労災保険の適用対象外となります

労災保険は「労働災害補償保険」という正式名称で、労働者が被った災害に対して補償を行う保険です。

経営者や役員などの使用者は労働者に該当しないため、労災保険を利用することができません

しかし、会社の経営者や役員であっても「業務の実情、災害の発生状況などからみて、特に労働者に準じて保護することが適当」と認められた場合には労災保険特別加入制度が利用できます

基本的には労働保険事務組合を通じて手続きを行うことになるので、詳細については委託先の労働保険事務組合までお問い合わせください。

まとめ

労災保険は、労働者を保護する目的で発足された制度です。

この記事で労災保険の理解を深め、有事の際に必要な知識としてご活用ください。

また、もしも労災の対象にもかかわらず労災保険を拒否された場合は、その事業所を管轄する労働基準監督署までお問い合わせください。

開催中のキャンペーン🎉

プレゼントキャンペーン
お申込期間
2021/4/1~2021/5/31
初回ご面談実施期間
2021/4/1~2021/7/31
キャンペーン対象
期間中に当サイトから無料保険相談にお申込みいただき、FPと初回のご面談を完了された方
商品
タリーズデジタルギフト(1,000円)

※詳細はナビナビ保険プレゼントキャンペーンをご確認ください

中村 翔也
この記事の執筆者

中村 翔也

携帯代理店法人部門にて営業職として2年半勤務後、2017年12月よりwebライターとして独立。通信ジャンルをメインに金融系、保険記事を毎月30本以上執筆。
所有資格
ファイナンシャル・プランニング技能士3級
藤田 匡紀
この記事の監修者

藤田 匡紀

新卒で日本生命保険相互会社に入社し、販売企画・代理店営業など多様な業務に従事。13年間勤務した後「もっと多くの人に、保険の必要性を正しく理解してもらいたい」という思いを胸にエイチームフィナジーに入社、ナビナビ保険の運営に参画。金融機関における顧客向け相続セミナー・研修会の実績も多数あり。
所有資格
AFP資格、証券外務員Ⅱ種
ナビナビ保険編集部
この記事の編集者

ナビナビ保険編集部

ナビナビ保険編集部は「どこよりも分かりやすい保険情報を届けること」をコンセプトにコンテンツの配信を行っています。