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更新 更新:2021.05.28

2021年度の税制改正の適用はいつから?これだけは見ておきたい2つのポイント!

2021年度の税制改正の適用はいつから?これだけは見ておきたい2つのポイント!

2021年4月から税制改正がされるのはご存じでしょうか?

この記事では、2021年4月から施行される税制改正に伴う変更点を「個人所得税に関わる改正」と「資産所得税に関わる改正」と大きく2つに分けて、財務省の「令和3年度税制改正」のパンフレットを参考にしながら解説します。

ご自身やご家族に関わる改正もあるかもしれませんので、しっかりと理解していきましょう。

税制改正って?いつから変わるの?

2021年4月1日、令和3年度の税制改正が施行されました

今回の改正内容を見てみると、2020年前半から猛威を奮っている新型コロナウイルスの影響を受けた生活面を考慮した改正が多い印象を受けます

たとえば、最も身近な改正内容といえば税務関係書類への押印が不要になったことが挙げられるでしょう。

税制改正の流れ

税制改正の流れ

税制改正は年に1回のペースで毎年行われており、以下のようなスケジュールで実施されます。

税制改正のスケジュール
時期 内容 説明
8月 税制改正の要望 各省庁からの税制改正に対する要望が財務省に提出される
提出された要望は財務省のホームページ上にアップされ資料を確認することができる
その後、各種の新聞や雑誌等でも税制改正の概要が掲載され始める
12月 税制改正の大綱 各省庁から提出された要望を審議した上で最終的な改正案としての「税制改正の大綱」が閣議に提出される
閣議決定後、税制改正の大綱に沿って財務省や総務省が改正法案を作成し国会へ提出する
2月 税制改正の法案 国会に提出された改正法案について財務金融委員会(衆議院)または財政金融委員会(参議院)または総務委員会での審議を経て本会議に付される
可決されるともう一方の議員に送付され、同様の審議を経て可決されることによって改正法案が成立する
4月〜 税制改正の施行 法改正に定められた日時から改正法案が施行される
項目ごとに施行日が異なるケースが一般的

各省庁で作成された「税制改正の要望」は、その年の8月末日までに財務省へ提出されます。

提出された要望を元に審議が行われ、12月頃になると最終的な改正案として審議にかけられる「税制改正の大綱」が閣議に提出されます。

8月末日までに提出される税制改正の要望はあくまで「要望」なので、実際には審議されないような案も含まれています。

ですが、税制改正の大綱は財務省によって審議が行われた上で閣議に提出された「改正案の原本」ともいえるものなので、その年の税制改正でどういった施策が行われるかを確認するには「税制改正の大綱」をチェックするのが良いでしょう

その後は各委員会による審議を経て本会議に託され、そこで可決されることでようやく改正法案が成立します。

要望を集めてから実際に法改正が行われるまでにはおおよそ半年以上の期間を要し、実際に改正法案が施行されるのは大綱が公表された翌年1月以降からとなります。

税制改正の流れを理解したところで、2021年4月から施行される税制改正の内容について確認していきましょう

個人所得税に関わる改正

個人所得税に関わる改正内容は以下の通りです。

それぞれの内容について解説していきます。

住宅ローン控除の特例延長

住宅ローン控除の特例延長の要件

  • 住宅ローン減税の特例措置が通常より3年長く適用されるようになった(2022年12月末まで延長)
  • 対象物件の床面積要件は、世帯所得合計1,000万円以下の人において50㎡→40㎡へと緩和された

住宅ローン減税における控除期間の特例措置が、2022年12月末まで延長なりました

ただし、上記はあくまで入居期限であり、注文住宅の場合は2021年9月、分譲住宅の場合は2021年11月までに契約しておく必要があります

上記とは別に、合計所得金額 が1,000 万円以下の人については、住宅ローン減税の対象物件の床面積要件が50 ㎡以上→40 ㎡以上へと緩和されています。

セルフメディケーション税制の見直し

セルフメディケーション税制の見直し要件

  • セルフメディケーション税制の利用者にとってメリットのある見直しが行われた
  • 市販薬の購入費用が年間1.2万円を超過した場合に利用できる所得控除制度
  • 適用可能な期限が2021年12月から5年間延長され、2026年12月まで利用できるようになった
  • これまで必要だった健康診断の受診結果を提出する必要がなくなり、税務署に求められるまで自宅で保管しておくだけで良くなった

特定の医薬品を購入した場合に適用可能な「セルフメディケーション税制」についても見直しが行われています。

セルフメディケーション税制は、市販薬の購入費用が年間で1.2万円を超過した場合に課税対象の所得からその金額を差し引く制度です

この制度が利用できる期限はもともと2021年12月までと定められていましたが、期限が5年間延長されて2026年12月まで利用できるようになっています

また、これまでは申請をする際に健康診断の受診結果などの書類を添付する必要がありましたが、2021年4月以降は自宅で保管しておいて税務署に提出を求められた場合に提出すれば良くなるなど、手続きが簡略化されました。

エコカー減税・環境性能割の延長

2021年4月からの税制改正に伴い、エコカー減税や環境性能割の軽減措置期限が延長となりました。

それぞれの詳細について解説します。

エコカー減税

エコカー減税の見直し要件

  • 2021年4月末までから2年延長
  • クリーンディーゼル車はハイブリット車より燃費が劣るので対象外に

エコカー減税は、国土交通省が定める環境基準を満たす自動車の購入者に対して、環境性能割と自動車重量税が減税されるという制度です。

もともとは2021年4月末で終了する予定だった制度ですが、昨今の情勢を鑑みて適用期限が2年間延長されました

また、クリーンディーゼル車のうち、現在の燃費基準を達成している車種に限っては2年間の免税が継続されます。

基準を達成していない車種は1年間だけの免税継続となり、再度施行される燃費測定試験の基準をクリアすることができればさらにもう1年の免税継続となります。

環境性能割

環境性能割は、自動車取得税の代わりに導入された課税制度のことです。

燃費のいい車ほど税率が軽減される仕組みで、電気自動車については非課税になるなどの特徴があります。

元々は2021年3月末で終了予定の制度でしたが、今回の税制改正に伴い2021年12月末まで期限が延長となりました

国や地方自治体が関わる助成金への非課税

国や地方自治体が関わる助成金への非課税要件

  • ベビーシッターや認可外保育園利用料金に対する助成が非課税に
  • 一時預かり・病児保育などの子を預ける施設の利用料に対する助成が非課税に

2021年4月の税制改正で、国や地方自治体からの子育てにかかる助成が非課税となりました

ベビーシッターや認可外保育所、一時預かり、病児保育などの子を預ける施設の利用料に対する助成に対して課税されなくなったので、子育て世代の経済的負担の緩和が期待できます。

地方自治体によって実施されている取り組みや助成内容は異なるので、詳細についてはお住いの市区町村のホームページにてご確認ください。

退職所得税の適正化

退職所得税の適正化の要件

  • 勤続年数5年以下の従業員の退職金について、所得控除額を控除した残額のうち300万円を超える部分について、1/2課税の適応対象から除外される。
  • 実際に適用されるのは2022年(令和4年)以降の所得税から

退職金を受け取った時の課税対象となる「退職所得金額」は以下の計算式で算出されます。

退職所得金額の計算式

  • (退職金額-退職所得控除額)×1/2=退職所得金額
  • 退職所得控除
  • 勤続年数20年以下:40万円×勤続年数
  • 勤続年数20年超:800万円+70万円×(勤続年数-20年)

今回の税制改正に伴い、勤続年数5年以下の従業員の退職金について1/2課税の適応対象から除外されます

たとえば、5年勤務し退職金として1,000万円を受け取る場合、税制の改正前では退職所得金額が400万円であるのに対し、改正後は650万円となります。

具体的な計算例

  • 改正前:(退職金1,000万円-退職所得控除額200万円)×1/2=400万円
  • 改正後:退職金1,000万円-退職所得控除額200万円=800万円
    (300万円×1/2)+500万円=650万円
    ※300万円に対しては1/2課税となるが、500万円に対しては1/2課税とならない。

これらを元にして所得税額を計算すると、改正前では約38万円であるのに対し、改正後では約89万円と2倍以上の差が出ることになります。

ただし、退職所得控除後の残額300万円以下についてはこれまでと同様で1/2が課税されます。

資産所得税に関わる改正

続いて、資産所得税に関わる改正内容は以下の通りです。

大きく2通りに分けられますが、細かく更に項目分けされての改正となります。

それぞれについてわかりやすく解説していきます。

贈与税の非課税措置

2021年4月の税制改正に伴って、贈与税における非課税措置についても変更がなされました。

教育資金の一括贈与

教育資金の一括贈与の要件

  • 2013年施行、2021年3月末までから2年延長
  • 29歳以下の子や孫を対象に、1人当たり1,500万円まで非課税で贈与できる制度
  • 適用条件は厳しくなる

教育資金としての一括贈与における非課税制度は、29歳以下の子や孫に対してひとりあたり1,500万円までを非課税で贈与できる制度です。

2013年に施行され、2021年3月末までの贈与期限が設けられていましたが、今回の税制改正で贈与期限が2年間延長され、2023年3月まで教育資金の一括贈与を非課税で行えるようになりました

改正前は贈与を受けてから3年以内に贈与者が死亡した場合に、贈与をうけた金額の残額に対して一定割合が相続財産として課税されていましたが、改正後は贈与を受けてから3年以上経過したものについても、贈与者が死亡した際の残額が相続財産に加算するように変更されています。

教育資金の一括贈与を受けた対象の子や孫が23歳になるまでの間に使い切ってしまえば問題ありませんが、これまでに比べると適用条件がやや厳しくなったものと言えるでしょう

結婚・子育て資金の一括贈与

結婚・子育て資金の一括贈与の要件

  • 2015年施行、2021年3月末までから2年延長
  • 0歳以上49歳以下の子や孫の挙式、出産費用などとして1人当たり1,000万円まで非課税で贈与できる制度
  • 適用条件はこれまでと同様

結婚・子育て資金の一括贈与は、0歳以上49歳以下の子や孫の挙式、出産費用としてのひとりあたり1,000万円までを非課税で贈与できる制度です。

2015年から施行された制度で、贈与期限が2021年3月末と定められていましたが2年間延長となりました

教育資金の一括贈与とは異なり、使いきれなかった分については相続財産へ加算されることとなっていたため、これまでと比較して適用条件に大きな差はありません。

住宅資金の頭金贈与の非課税措置

住宅取得等資金の贈与の非課税措置の要件

  • 直系尊属(親や祖父母など)から住宅資金における贈与を受ける場合、1,500万円(一定の条件を満たす場合の最高金額)までは贈与税がかからない
  • 2021年4月からは1,200万円に引き下げられる予定だったが1,500万円のまま2021年12月まで延長となった
  • 合計所得金額が1,000万円以下の人は住宅面積の下限要件が50㎡→40㎡以上に引き上げられた

住宅を購入するための頭金として両親や祖父母などの直系尊属から贈与を受ける場合、最大1,500万円までは非課税で贈与が可能です。

税制改正前は2021年4月に1,500万円から1,200万円までの引き下げが予定されていましたが、今回の改正に伴って1,500万円のまま贈与期限が2021年12月まで延長となりました

また、これまでは登記簿上の床面積において「50㎡以上240㎡以下」という規定が設けられていましたが、税制改正による見直しで40㎡以上240㎡以下と要件が緩和されています。

土地に係る固定資産税等の負担調整措置

土地に係る固定資産税等の負担調整措置の要件

  • すべての土地が対象
  • 2021年度から3年間は地価が上昇傾向にある指標に基づいて課税の予定だった
  • 課税額が2020年度を上回る場合は税額を据え置き、2020年度と同額
  • 地価の下落によって課税額が減る場合はそのまま課税額を引き下げる

2021年の税制改正に伴って、土地に係る固定資産税等の負担調整措置においても見直しがなされています。

通常、固定資産税は3年に1回の頻度で評価替えが行われますが、2021年度においては2020年度を上回る分の税額がこれまでと据え置きになるよう変更がされました

また、2021年度から3年間においては現行の負担調整措置の仕組みが継続されることが決定されており、新型コロナウイルスの影響を考慮して納税者の負担を緩和する措置が行われています。

まとめ

この記事では、2021年4月から実施される税制改正に伴う変更点を「個人所得税に関わる改正」と「資産所得税に関わる改正」の2つに分けて解説してきました。

所得控除の見直しが適用されたり、国や地方自治体が関わる助成金が非課税になったりなど、新型コロナウイルスの影響を受けた生活面を考慮した改正が多くなっています。

様々な面で軽減措置や減免制度が利用できるようになっているので、この記事を参考にして自身に関係がありそうな内容についてはさらに深堀して知識を深めていくようにしましょう。

中村 翔也
この記事の執筆者

中村 翔也

携帯代理店法人部門にて営業職として2年半勤務後、2017年12月よりwebライターとして独立。通信ジャンルをメインに金融系、保険記事を毎月30本以上執筆。
所有資格
ファイナンシャル・プランニング技能士3級
藤田 匡紀
この記事の監修者

藤田 匡紀

新卒で日本生命保険相互会社に入社し、販売企画・代理店営業など多様な業務に従事。13年間勤務した後「もっと多くの人に、保険の必要性を正しく理解してもらいたい」という思いを胸にエイチームフィナジーに入社、ナビナビ保険の運営に参画。金融機関における顧客向け相続セミナー・研修会の実績も多数あり。
所有資格
AFP資格、証券外務員Ⅱ種
ナビナビ保険編集部
この記事の編集者

ナビナビ保険編集部

ナビナビ保険編集部は「どこよりも分かりやすい保険情報を届けること」をコンセプトにコンテンツの配信を行っています。

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