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更新 更新:2022.08.01

自動車保険の新車特約とは?必要性や使えないケース、補償内容をわかりやすく解説

自動車保険の新車特約とは?必要性や使えないケース、補償内容をわかりやすく解説
監修者

前田 祐治

関西学院大学教授
所有資格
ARM(米国リスクマネジメント士資格)、CPCU(米国保険士資格)、PhD(博士)、MBA(経営学修士)
専門分野・得意分野
生命保険全般、リスクマネジメント、ファイナンス、経営学
執筆者

品木 彰

ファイナンシャルプランナー
所有資格
ファイナンシャル・プランニング技能士2級, 日商簿記検定3級
専門分野・得意分野
保険全般・不動産関連・税金・投資

新車を購入したから、万が一事故で大破したときに備えて車両保険に加入しておこう」と考える方は少なくないでしょう。

実は車両保険をつけていても、車の買い換え費用の全額をカバーできるとは限りません

新車の買い換え費用のすべてを補償してもらいたいのであれば、車両保険に「新車特約」を付けておくと安心です。

本記事では、新車特約の補償内容や必要かどうか判断するときのポイントなどをわかりやすく解説します。

新車特約とは事故時に新車の買い直し費用を補償する特約

新車特約(車両新価特約)とは、契約する自動車が事故によって所定の損害を負ったとき、再購入費用を補償してもらえる特約です。

事故にあったとき車両保険を使うと、車の時価相当額を限度に保険金が支払われます。時価相当額は、車の用途や車種、車名ごとに保険会社が設定しており、初度登録から経過した年数に応じて減少していきます。

そのため、事故にあったとき車両保険を使っても、買い換え費用のすべてを保険金で賄えるとはかぎりません

新車特約を付帯していれば新車価格相当額の保険金を受け取れるため、車を買い直す費用をカバーできます。
ただし、新車特約を付帯できるのは新車登録(初度登録)から一定期間内の車に限られます。

新車特約から支払われる保険金

新車特約を付けると、車を買い換える際に支払った以下の費用が補償されます。

新車特約の補償対象となる買い換え費用

  • 車両本体価格
  • 付属品
  • 消費税

新車特約の対象となるのは、事故によって車が一定以上の損害を負ったときです。
車の損害が基準を満たしていないと、新車特約は使えません

ここでは、新車特約が使える条件や対象外となるケース、保険金の支払われ方などを解説します。

新車特約の補償を受けられる条件

新車特約の補償を受けるためには、「車が事故によって全損」または「修理費が新車価格相当額の50%以上」のどちらかに該当する必要があります。

全損とは、車が修理不能な状態や、修理費が車両保険の保険金額を上回る状態などを指します。

全損でなくても、修理費が新車価格相当額の50%以上であれば、新車特約の補償対象です。
新車価格相当額は、自動車保険の補償対象となる車の新車販売価格に相当する額であり、保険会社が個別に決めています。

例えば、新車価格相当額が250万円、車の修理費用が200万円である場合、修理費が新車価格相当額の50%以上であるため新車特約の補償対象となります。

前田 祐治
ナビナビ保険監修
関西学院大学教授
前田 祐治

高価な新車を買った後、「全損」したときにその新車の買い替え費用を払ってくれるかというと、往々にしてそういうことにはなりません。車両価値の経年劣化は激しいので、1年もすれば20%もの価値が無くなると考えた方が良いでしょう。よって、補償金でまた同じ新車を買うことはほとんどのケースは無理だと考えた方が良いです。しかし、「新車特約」を付帯することでこういったリスクを軽減でき、新車に近い金額で補償されるのでおすすめです。

新車特約を使えないケース

一方で、新車特約の補償対象外となるケースは、主に以下の3点です。

新車特約の補償対象外となるケース

  • 車の損害が軽微である
  • 車が盗難にあった
  • 車両保険の補償が受けられない

車の損害が軽微である

車の修理費が新車価格相当額の50%未満であると、新車特約は補償対象となりません

例えば、新車価格相当額が250万円、修理費が100万円であると、修理費は新車価格相当額の40%であるため新車特約の補償対象外です。

また修理費が新車価格の50%以上であったとしても、損傷箇所が内外装外板部品のみである場合、新車特約は利用できません。
車体の本質的構造部分(エンジンやシャーシなど)に著しい損害が生じていなければ補償対象とならないためです。

保険会社によって、新車特約の補償対象となる条件が異なります。
新車特約を付けるときは、補償が受けられる条件をよく確認することが大切です。

車が盗難に遭った

車両保険の場合、盗難は全損扱いとなって保険金の全額が支払われます。
しかし新車特約では、車が盗難にあったときは補償の対象となりません

盗難された車を新たに買い直すときは、車両保険の保険金のみを請求することになるため自己負担が発生する可能性があります。
新車特約を付けていたとしても、入念な盗難対策は必須です。

一方で盗難後に発見され修理不可能な状態であったときや、修理費が車両保険の保険金額以上になったときなど、要件に該当すると新車特約の補償対象となります。

車両保険の補償が受けられない

車が事故によって全損したり新車価格の50%以上の修理費が発生する損害を負ったりしても、車両保険の補償対象にならなければ、新車特約も対象となりません

車両保険には、相手がいない事故も補償する「一般タイプ」と、自損事故や当て逃げが補償対象外となる「エコノミータイプ(車対車+A)」の2種類があります。それぞれの補償範囲は、以下の通りです。

車両保険の補償範囲
一般タイプ エコノミータイプ
他車との衝突・接触
盗難
落書きなどのいたずら
台風や洪水などの自然災害
火災・爆発
自損事故 〇  ×
当て逃げ ×

例えば、エコノミータイプの車両保険に加入している場合、電柱にぶつかって車が全損になっても車両保険金は支払われないため、新車特約も補償対象外です。

他にも以下のようなケースでは、車両保険および新車特約の補償対象外となります。

車両保険(新車特約)の補償対象外となる具体的なケース

  • 地震・噴火・津波による損害
  • 無免許運転や酒気帯び運転によって生じた損害
  • 欠陥や摩滅、腐しょく、さび、その他自然の消耗による損害
  • 法令で禁止された改造を行った部分品または付属品に生じた損害 など

前田 祐治
ナビナビ保険監修
関西学院大学教授
前田 祐治

自分の過失がゼロの場合、たとえば自分が止まっているときの追突事故の場合には、追突した相手の保険会社が対応することになります。自分の保険会社は表に出てくれません。なぜなら自分の過失がゼロなので、代理としての保険会社は交渉する責任がないのです。そこで、もし相手が不誠実で、悪くないといって保険会社が出てこない場合は、こちらが困ってしまうことになります。その時に「弁護士費用特約」が活躍します。この特約に入っていると、もらい事故の場合に自分の弁護士が表に出てくれ、相手と交渉してくれます。弁護士費用は無制限にはカバーされませんが、特約で補償されている費用で十分だと思います。

保険金の支払い例

新車特約を付けていると、事故によって車が所定の状態になったとき、契約時に設定された価格の保険金が支払われます。

例えば、300万円の新車を購入した2年後に事故で大破したとしましょう。
車両保険の保険金額(保険金の支払上限額)は、1年で20%ずつ減少するのが一般的です。
そのため、新車登録から2年が経過していると、車両保険の保険金額は190万円程度に減っていると想定されます。

修理費用が、新車価格の60%である180万円である場合、車両保険から180万円の保険金が支払われます。

しかし、300万円の新車を買い直すのであれば、残りの120万円は自己負担しなければなりません。

新車特約を付けており新車価格相当額が300万円に設定されていた場合、車両保険の保険金と合わせて合計300万円までの買い換え費用が補償されます

よって120万円の自己負担をせずに、車を買い換えられます。

保険会社によっては購入時の諸費用も補償

車を購入する際は、登録費用や自動車取得税重量税自賠責保険料などの諸費用も支払う必要があります。

保険会社によっては、新車特約を利用するとき所定の要件を満たすと、買い替え時の諸費用について一定の限度額まで補償してもらえます。

新車特約を検討するときは、どこまでの費用が補償の対象になるのかを確認すると良いでしょう。

新車特約を付帯できる条件

新車特約に加入できるのは、新車または初度登録からの経過期間が2年や3年など一定期間内の車です。

保険会社が定める期間内であれば、新古車や中古車であっても新車特約に加入できる場合があります。

保険会社によって取り扱いは異なり、初度登録から1年以内に限定しているところもあれば、登録から6年以内の車両も加入できるところもあります。

新車特約の必要性を考えるときのポイント

ここまで新車特約をつけると、どのような補償が受けられるのかを解説してきました。
では、新車特約はどのような方にとって必要なのでしょうか。

新車特約の必要性を考えるときのポイントは、以下の3点です。

新車特約の必要性を考えるときのポイント

初度登録からの期間

新車や初度登録からの期間が短い新古車・中古車を購入した人は、新車特約を検討すると良いでしょう。

新車を購入して間もないときに車が事故で大破すると「せっかく購入した新車なのだから買い直したい」と思うかもしれません。

しかし初度登録から1年や2年が経過していると、車両保険の保険金額は新車価格よりも基本的に低くなっているため、少なからず自己負担が発生します

新車特約を付帯していれば、新車が事故で大破したとしても、買い換え費用のすべてを保険金でカバーできます。

乗っている新車や新古車などが、万が一事故で大破したとき、同じ車種か同程度のグレードの車に買い替えたいのであれば新車特約をつけておくと安心です。

購入した車の価格

高級車のように価格が高い車を購入した人にとって、新車特約の必要性は高いと考えられます。

車両保険の保険金額は、一般的に1年ごとに20%ずつ低下していきます。
したがって価格が高い車は、初度登録から経過した期間に応じた価値の下落幅が大きくなるのです。

購入から2年後や3年後に買い直す場合、車両保険の保険金だけでは自己負担分が多くなるかもしれません。
新車特約を付けていると、事故によって車が全損になったとき、多額の自己負担をすることなく同じ価格帯の新車に買い換えられます。

一方で事故にあったとき、グレードが低い車に乗り換えると割り切れるのであれば、新車特約を付けないのも選択肢です。
また車両の本体価格が安く、自己負担分を貯蓄でカバーできる方にとって、新車特約の必要性は低いでしょう。

自動車ローンの有無

自動車ローンを組んで車を購入した人は、車両保険だけでなく新車特約の加入も検討すると良いでしょう。

事故によって車が全損になると、引き続きローンを返済しつつ、新車の買い換え費用を負担しなければなりません
車の本体価格や資産状況によっては、車両保険の保険金が支払われたとしても、買い換え費用の捻出が困難なケースがあります。

新車特約を付けていれば、新車価格と同額の保険金が支払われるためローンが残っていても買い換えやすくなります。

前田 祐治
ナビナビ保険監修
関西学院大学教授
前田 祐治

車両の価値は、10年経過でほぼゼロの価値とみなされます。そうすると、ゼロ価値の物損にあった場合には、ゼロ価値に対して保険金は支払われないのでは?と考えられます。そこで「超過費用特約」という特約があり、それに加入していると車両価値以上の修理費用が担保されます。以前は「超過費用特約」は自動付帯ではなかったので、特約として追加する必要がありました。しかし現在は、自動付帯されているケースが多々ありますので、事前に確認することをおすすめします。

新車特約を付帯する場合の注意点

新車特約は、以下の3点に注意して付けるかどうか検討しましょう。

保険料は高くなる

新車特約を付けるためには、追加で保険料を支払わなければなりません。
新車特約の保険金額が大きいほど、保険料は高くなります

保険会社によっては、初度登録から5年や6年が経過した車でも新車特約が付けられることがあります。
しかし初度登録からの年数が長いほど、保険料が高くなる傾向にあるため、付けるかどうかは慎重に判断しなければなりません。

補償額と保険料負担のバランスを考え、新車特約が自分自身にとって必要かどうか判断することが大切です。

補償を受けると3等級ダウンし事故有係数が適用される

自動車保険の保険料は、事故歴に応じた等級に応じて割増や割引が適用される仕組みです。
等級は、1〜20等級まであり、数値が高いほど保険料は安くなっていきます

新車特約を使うと、翌年は3等級ダウンして保険料が上昇します。
さらに事故有係数適用期間が3年加算されるため、事故の翌年から3年間の自動車保険料は事故をしていないときの同じ等級と比較して高くなってしまいます

新車特約を付けていると、買い替え費用のうち自己負担する金額を減らせます。
しかし、新車特約を使うと一定期間の保険料は高くなることを理解したうえで、必要かどうか考えましょう。

車の再購入費用が補償される特約である

新車特約の補償対象となるのは、車の購入費用(車両本体価格+付属品の価格+消費税)について実費を補償する特約です。

新車保険金額が300万円であっても、買い換え費用が200万円であれば補償額は200万円となります。
200万円の保険金を受け取って、残りの100万円をローンの返済に充てるといった使い方はできません。

新車特約は、新車保険金額と同額の保険金を受け取れる補償ではないことを理解したうえで加入することが大切です。

なお新車特約の保険金を請求する際は、再取得または修理をした事実や費用を、客観的に証明する書類(領収書など)を提出する必要があります。

まとめ

新車特約は、事故によって車が全損になったり、修理費が新車価格相当額の50%以上になったりしたときに買い換え費用を補償する特約です。

新車特約を付けていると、車両本体価格+付属品+消費税について、契約時に決めた新車価格相当額まで補償されます。買い替え費用が車両保険の保険金額を超えていても、新車特約を付けていれば自己負担せずに済む可能性があるのです。

また保険会社によっては、 登録費用や自動車取得税などの諸費用も補償される場合があります。新車・高級車に乗っている人や、自動車ローン返済中の方は、 車両保険と合わせて新車特約も検討してみてはいかがでしょうか。

前田 祐治

前田 祐治

インディアナ大学ビジネススクールにてMBA(ファイナンス)取得。その後、マーシュ株式会社、東京海上日動保険会社、滋賀大学国際センター特任准教授を経て、現在の関西学院大学 経営戦略研究科 教授に至る。
所有資格
ARM(米国リスクマネジメント士資格)、CPCU(米国保険士資格)、PhD(博士)、MBA(経営学修士)
専門分野・得意分野
生命保険全般、リスクマネジメント、ファイナンス、経営学
品木 彰

品木 彰

大手生命保険会社にて7年半勤務し、チームリーダーや管理職候補として個人営業、法人営業の両方を経験。その後、人材会社で転職コンサルタントとしての勤務を経て、2019年1月よりwebライター/監修者として独立。
所有資格
ファイナンシャル・プランニング技能士2級, 日商簿記検定3級
専門分野・得意分野
保険全般・不動産関連・税金・投資
ナビナビ保険編集部

ナビナビ保険編集部

ナビナビ保険編集部は「どこよりも分かりやすい保険情報を届けること」をコンセプトにコンテンツの配信を行っています。

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