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更新 更新:2022.06.08

自賠責保険とは?補償内容や任意保険との違いを簡単に解説

自賠責保険とは?補償内容や任意保険との違いを簡単に解説
監修者

前田 祐治

関西学院大学教授
所有資格
ARM(米国リスクマネジメント士資格)、CPCU(米国保険士資格)、PhD(博士)、MBA(経営学修士)
専門分野・得意分野
生命保険全般、リスクマネジメント、ファイナンス、経営学
監修者

藤田 匡紀

ファイナンシャルプランナー(CFP)
所有資格
CFP資格、証券外務員Ⅱ種
専門分野・得意分野
生命保険全般、資産運用
執筆者

品木 彰

ファイナンシャルプランナー
所有資格
ファイナンシャル・プランニング技能士2級, 日商簿記検定3級
専門分野・得意分野
保険全般・不動産関連・税金・投資
監修者

品木 彰

所有資格
ファイナンシャル・プランニング技能士2級、日商簿記検定3級
専門分野・得意分野
保険全般・不動産関連・税金・投資

自賠責保険という名前を聞いたことがあっても、具体的な補償内容についてご存じない方は多いのではないでしょうか。

自動車を運転するのであれば、必ず自賠責保険に加入しなければなりません
また、損害保険会社と任意加入の自動車保険を契約するときは、自賠責保険の理解が不可欠です。

本記事では、自賠責保険の補償内容や保険金額、保険料などをわかりやすく解説します。任意保険との違いも簡単に解説していますので、ぜひご一読ください。

自賠責保険とは法律で加入が義務付けられた自動車保険

自賠責保険は「自動車損害賠償責任保険」の略称であり、人身事故の被害者を救済するために加入が義務づけられている強制保険です。

自動車損害賠償保障法(自賠法)にもとづき、すべての自動車は自賠責保険に加入しなければなりません。

自賠責保険に加入しなかったときのペナルティ

自賠責保険に加入しないまま公道を走行したときのペナルティは「50万円以下の罰金または1年以下の懲役」「免許停止処分(違反点数6点)」の両方です。

また自賠責保険に加入していることを証明する「自動車損害賠償責任保険証明書(自賠責保険証)」を携行せずに走行すると、30万円以下の罰金が課せられます。

さらには、自賠責保険に加入していないと車検を受けられなくなります。
車検を通っていない車は、公道を走行できません。

自賠責保険の加入・更新手続きをする方法

自賠責保険は「損害保険会社(組合)の支店・営業点」「自動車やバイク、原動機付自転車の販売店」などで加入の手続きできます。

普通自動車や軽自動車は、新車購入時または車検更新時に自賠責保険の手続きをして保険料を納めるのが一般的です。

また、原動機付自転車(原付バイク)や軽二輪(125cc〜250ccのバイク)は、郵便局やインターネット、コンビニでも加入できます。

自賠責保険の補償内容と保険金の支払限度額

自賠責保険は自動車事故によって、相手をケガさせたり死亡させたりしたときに保険金が支払われます。保険金の支払上限額は、以下の通りです。

自賠責保険の保険金額(保険金の支払上限額)

  • 傷害による損害:最高120万円
  • 死亡による損害:最高3,000万円
  • 後遺障害による損害:後遺障害の程度に応じて最高75万〜最高4,000万円

後遺障害の場合は、程度に応じた第1〜第14級までの等級に応じて保険金の支払上限額が決まります。

また支払われる保険金は、以下をもとに算出されます。

保険金の算出基準
傷害による損害 ・治療費(応急手当や診察料、入院料など)
・交通事故証明書や印鑑証明書などの取得費用
・休業しより減少した収入(1日6,100円)
※収入減少が6,100円を超える場合は、19,000円を限度に実額を補償
・精神的・肉体的苦痛に対する慰謝料(1日4,300円)
後遺障害による損害 ・後遺障害を負ったことで得られなくなった収入
・精神的・肉体的苦痛に対する慰謝料
死亡による損害 ・葬儀・通夜などの費用(一律100万円)
・死亡により得られなくなった収入
・精神的・肉体的苦痛に対する慰謝料

なお単独事故や自損事故の場合、 ドライバー以外で契約車両に同乗していた人が死傷したときも自賠責保険から保険金が支払われることがあります

任意保険と補償範囲はどう違う?

任意保険は、その名の通り加入するかどうかが自動車を運転する人の意思に任されている自動車保険です。補償内容は、自由に決めることができます。

自賠責保険は、人身事故の被害者を救済するための保険であるため、補償範囲は事故相手のケガや死亡のみです。
一方で任意保険は、事故相手のケガ・死亡だけでなく、以下のように自動車事故による損害を幅広く補償します。

また自賠責保険は、相手のケガや死亡に対する損害賠償の補償に上限があるのに対し、任意保険については補償額を無制限にできます。

自賠責保険の保険料と保険期間

自賠責保険の保険料は、「自家用乗用自動車」や「営業用貨物自動車」など、車の用途と車種ごとに決められています。どこの保険会社で加入しても、保険料に違いはありません

2021年4月1日以降からの自賠責保険料は、以下の通りです。

自賠責保険の保険料
契約期間 12か月 24か月 36か月
自家用乗用自動車 12,700円 20,010円 27,180円
軽自動車
(検査対象車)
12,550円 19,730円 26,760円
小型二輪自動車
(251cc以上のバイク)
7,270円 9,270円 11,230円
原動機付自転車 7,070円 8,850円 10,590円

※損害保険料算出機構「自賠責保険基準料率表(2021年1月15日届け出)」をもとに作成※離島以外の地域(沖縄県を除く)

なお、自動車や250ccを超えるバイクなど車検が必要な車両の場合、保険期間(補償が有効である期間)は、車検の有効期間中に期限切れとならないように設定されます。

例えば、車検の有効期間が2年(24か月)である場合、自賠責保険の保険期間は24か月または25か月に設定されるのが一般的です。

自賠責保険の保険金を請求する方法

自賠責保険の保険金は、加害者と被害者のどちらからも請求が可能です。
また賠償額が確定するまで時間がかかる場合、事故の被害者は「仮渡金」を請求できます。

加害者と被害者の両方が請求できる

事故の加害者が自賠責保険の保険金を請求する場合、先に被害者に対して賠償金を支払わなければなりません

賠償金を支払ったあと、保険会社へ請求書類を提出すると、事故の発生状況や支払い対象となるかどうかが確認されたうえで保険金が支払われます。

また事故の被害者は、加害者から損害賠償を受けられないとき、加害者が加入する損害保険会社に対して損害賠償額を直接請求できます

事故の被害者は「仮渡金」を請求できる

自賠責保険の保険金を請求するためには、賠償額が確定しなければなりません。
加害者と被害者の示談交渉が難航し賠償額がなかなか決まらないと、保険金が支払われるタイミングも遅くなってしまいます。

治療費の支払いや収入の減少などでお金がすぐに必要になったとき、事故の被害者は損害保険会社に「仮渡金」を請求できます

仮渡金の支払額は、以下の通りです。

仮渡金の支払額

  • 死亡:290万円
  • 傷害:程度に応じて5万円、20万円、40万円

自賠責保険が切れていたときの対処法

自動車の場合、車検時に自賠責保険が更新されるため、期限切れになっているケースはあまりありません。

一方で車検がない排気量のバイクや原付については、長年乗っていないと自賠責保険の有効期限が切れていることがあります
有効期限が切れた状態で公道を走行するとペナルティを受けるため、必ず更新手続きをしましょう。

自賠責保険の更新手続きは、販売店や修理工場、損害保険会社の支店などで行えます。また250cc以下のバイクや原付であれば、コンビニでも手続きが可能です。

自賠責保険の変更手続き

車を手放すときや、引越しで住所が変わったときなどは自賠責保険の変更手続きをしなければなりません
自賠責保険の変更手続きをする際は、加入している損害保険会社に問い合わせることで、必要書類や手続き方法を案内してくれます

必要書類や手続きの方法は、保険会社や変更内容によって異なります。

車を他人に譲ったときの手続きをするときに必要となる書類の例は、以下の通りです。

  • 譲り渡した方と譲り受けた方の双方の印が押印された自賠責保険承認請求書
  • 自賠責保険証明書
  • 権利譲渡の意思が確認できる書類:印鑑証明書または譲渡人の本人確認書類(運転免許証・健康保険証など)
    ※保険会社によって請求書類は異なります。

自賠責保険承認請求書は、保険会社の営業店で入手できます。手続きの詳細については保険会社にお問い合わせください。

自賠責保険だけで補償は十分?

「自賠責保険に加入しているから任意保険は不要なのでは?」と考える方もいるかもしれません。

しかし、自賠責保険は人身事故の相手を救済するための保険であり、補償は最低限です。
自動車事故にしっかりと備えたいのであれば、自賠責保険の上乗せ補償である任意保険に加入することが大切です。

人身事故が発生すると、以下の通り億単位の損害賠償責任を負うことがあります。

例えば、自動車同士の接触事故を起こして相手が死亡し、2億円の損害賠償を請求されたとしましょう。
自賠責保険から支払われる保険金は、最高でも3,000万円であるため、任意保険に加入していなければ1億円以上の賠償金を負担することになります。

もし人身事故の損害賠償を無制限で補償する任意保険に加入していると、賠償額が億単位になっても保険金でカバーできるのです。

また任意保険に加入すると、自賠責保険では補償されない相手のモノや車を壊したときの損害賠償や、自分自身が負ったケガや後遺障害なども補償されます。

交通事故のリスクに備え、安心して自動車を運転するためには、任意保険は欠かせないといえます。

任意保険の補償範囲や保険料

任意保険に加入する際は、補償や保険金額、特約を保険会社が定める範囲で自由に設定できます。
また保険料は補償内容や保険会社、事故実績などさまざまな要素で決まります。

任意保険については、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご一読ください。

任意保険の補償範囲

任意保険の補償は、以下の通り「賠償責任保険」「傷害保険」「車両保険」の3種類に分けられます。

任意保険の補償
補償 補償内容
賠償責任保険 対人賠償責任保険 相手方のケガや死亡による損害賠償を補償
対物賠償責任保険 相手のモノを壊して負った損害賠償を補償
傷害保険 人身傷害保険 事故による運転者や同乗者のケガ・死亡を補償
搭乗者傷害保険 事故による運転者や同乗者のケガ・死亡を補償
自損事故保険 相手がいない事故による運転者や同乗者のケガ・死亡を補償
無保険者傷害保険 十分な賠償が受けられない相手との事故による運転者や同乗者のケガ・死亡を補償
車両保険 事故でバイクが損害を負ったときの補償

対人賠償責任保険は、ケガや死亡など相手の身体に与えた損害に対する補償であり、自賠責保険の保険金額の上限を超えた損害賠償を補償されます。
対人賠償責任保険は、相手のモノや車を壊したときの補償です。

傷害保険は、簡単にいえば交通事故によってドライバーや同乗していた人がケガをしたり亡くなったりしたときの補償です。

搭乗者傷害保険は、契約時に決めた金額の保険金が支払われるのに対し、人身傷害保険は治療費や休業損害などの損害額に応じた保険金が支払われます。

車両保険は、運転していた車が負った損害を補償する保険です。交通事故だけでなく、台風や洪水などの自然災害(地震・津波・噴火を除く)や物体の飛来、盗難なども補償してくれます。

任意保険の保険料

任意保険の保険料は、簡単にいえばドライバーの事故実績(保険金の請求実績)や車種・型式などで決まります。

事故の回数や保険金の支払い実績が少ないほど、任意保険の保険料は安くなっていく仕組みです。車種・型式の同じ車が起こした過去の事故発生状況が多いと、保険料は高くなります

また任意保険は、運転者の範囲を「本人」や「本人+配偶者」などに限定したり、運転者の年齢を「26歳以上」「30歳(35歳以上)」などに限定したりすると保険料が安くなります

任意保険の特約・サービス

任意保険は、特約を付帯することで補償やサポートを手厚くできます
付帯できる特約の例は、以下の通りです。

任意保険に付帯できる特約の例
特約 補償内容
ファミリーバイク特約 記名被保険者またはその家族が原付バイクを含む125cc 以下のミニバイクを運転するときの補償
弁護士費用特約 事故相手との交渉や訴訟をする際にかかる弁護士費用を補償する特約
他車運転危険特約 他人が所有する車を運転したときの自動車事故を補償する特約(対人賠償・対物賠償)
対物超過修理費用補償特約 損壊した自動車の時価相当額よりも多額の修理費用が発生した場合に補償する特約
個人賠償責任特約 交通事故以外の日常生活において、偶然の事故によって他人をケガさせたり他人の持ち物を壊したりして負った、 法律上の損害賠償責任を補償する特約
車両全損時諸費用特約 事故で車が全損したときの配車や買い替えにかかる諸費用を補償する特約
身の回り品補償特約 事故や盗難などで車内やトランクにあったカメラやバッグなどの身の回り品が受けた損害を補償する特約

また任意保険に加入すると、示談交渉サービスやロードサービスなどを受けられる場合があります。

任意保険のサービスの例
内容
示談交渉サービス 保険会社が事故相手との示談交渉を代行するサービス
ロードサービス 事故車両のレッカー移動やキー閉じ込み、パンク修理などに対応してくれるサービス

まとめ

自賠責保険は、法律によってすべての自動車に加入が義務付けられている自動車保険です。未加入の場合や保険証を持参せずに走行した場合は、罰則を受けることになるため、自動車を運転するのであれば自賠責保険には必ず加入しましょう。

自賠責保険に加入すると、事故相手がケガをしたり後遺障害を負ったり、亡くなったりしたときに所定の保険金が支払われます。また自賠責保険の保険金は、事故の被害者と加害者のどちらからも請求が可能です。

ただし、自賠責保険に加入しても、事故が発生したときの賠償金やご自身のケガの治療費など、すべての損害に対処できるわけではありません。

任意保険に加入すると、事故相手からの損害賠償を無制限で補償してくれるだけでなく、自分自身のケガや運転していた車両の損害も補償してくれます。自動車を運転するのであれば、自賠責保険の上乗せ補償である任意保険にも加入しましょう。

品木 彰

品木 彰

大手生命保険会社にて7年半勤務し、チームリーダーや管理職候補として個人営業、法人営業の両方を経験。その後、人材会社で転職コンサルタントとしての勤務を経て、2019年1月よりwebライター/監修者として独立。
所有資格
ファイナンシャル・プランニング技能士2級、日商簿記検定3級
専門分野・得意分野
保険全般・不動産関連・税金・投資
前田 祐治

前田 祐治

インディアナ大学ビジネススクールにてMBA(ファイナンス)取得。その後、マーシュ株式会社、東京海上日動保険会社、滋賀大学国際センター特任准教授を経て、現在の関西学院大学 経営戦略研究科 教授に至る。
所有資格
ARM(米国リスクマネジメント士資格)、CPCU(米国保険士資格)、PhD(博士)、MBA(経営学修士)
専門分野・得意分野
生命保険全般、リスクマネジメント、ファイナンス、経営学
藤田 匡紀

藤田 匡紀

新卒で日本生命保険相互会社に入社し、販売企画・代理店営業など多様な業務に従事。13年間勤務した後「もっと多くの人に、保険の必要性を正しく理解してもらいたい」という思いを胸にエイチームフィナジーに入社、ナビナビ保険の運営に参画。金融機関における顧客向け相続セミナー・研修会の実績も多数あり。
所有資格
CFP資格、証券外務員Ⅱ種
専門分野・得意分野
生命保険全般、資産運用
品木 彰

品木 彰

大手生命保険会社にて7年半勤務し、チームリーダーや管理職候補として個人営業、法人営業の両方を経験。その後、人材会社で転職コンサルタントとしての勤務を経て、2019年1月よりwebライター/監修者として独立。
所有資格
ファイナンシャル・プランニング技能士2級, 日商簿記検定3級
専門分野・得意分野
保険全般・不動産関連・税金・投資
ナビナビ保険編集部

ナビナビ保険編集部

ナビナビ保険編集部は「どこよりも分かりやすい保険情報を届けること」をコンセプトにコンテンツの配信を行っています。

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