遺留分とは?
遺留分とは、民法によって定められた「一部の相続人が最低限の遺産を受け取るための権利」のことです。
通常、遺産相続が発生した場合には法定相続人がそれぞれの法定相続分の遺産を相続することになります。
しかし、近年では遺言書を作成する人が増加しており、被相続人(相続する遺産の持ち主)が自身の財産の扱い方を自由に決めることができます。
ですが、相続する財産には「相続人の生活を保障する意義」や、少なからず相続人が貢献したことでその遺産が存在するという「潜在的持分」の2点が含まれていることから、強行規定として相続人に対しても「必要最低限の財産を請求する権利」が認められています。
この「必要最低限の財産」のことを『遺留分』と呼び、遺留分を「請求する権利」のことを『遺留分侵害額(減殺)請求』と呼びます。
簡単にいえば、遺留分とは「遺言書の内容に従うよりも前に、家族に対して最低限の財産を相続する権利がある」ということです。
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遺留分侵害額(減殺)請求ができる人
遺留分侵害額(減殺)請求ができる人は、以下のとおりです。
遺留分侵害額(減殺)請求ができる人
- 配偶者
- 直系卑属(子供・孫)
- 直系尊属(両親・祖父母)
- 「遺留分侵害額(減殺)請求」とは?
- 遺留分侵害額請求は「遺留分を侵害された人」が「遺産を相続した人」に対して、民法によって定められた遺留分の割合に則した金銭を請求できる権利のこと
元々は「遺留分減殺請求」という名称でしたが、2019年7月1日に施行された法改正により「遺留分侵害額請求」と名称が変更されました。
遺留分を請求できる人は、配偶者や被相続人の子供、両親などが該当します。
代襲相続人として孫や祖父母も遺留分を請求できる人に該当しますが、被相続人の兄弟・姉妹は遺留分の請求ができない点には気をつけましょう。
遺留分は遺言でも侵害できない
遺留分は、民法第1028条によって定められた相続人が財産を受け取ることができる権利です。
民法902条1項では、遺言によって相続人の相続割合を自由に決められることが明記されていますが、但し書きで「遺留分に関する規定に違反することができない」とも明示されています。
したがって、遺言書でも遺留分を侵害することはできません。
ただし、これは遺留分を侵害する内容の遺言書を作成してはいけないという訳ではないという点を覚えておきましょう。
遺留分は相続人に認められた「財産を最低限受け取れる権利」であり、相続人が遺留分を請求しない場合は遺留分を侵害するような内容の遺言書であっても有効となります。
たとえば、遺言書に「愛人へ全財産を相続する」といった旨が書かれていたとしても、配偶者は遺留分として財産の半分を受け取る権利を持っています。
しかし、ここで配偶者が遺留分侵害額請求を行わなければ、遺言書の内容に従って全財産を愛人が相続できるようになります。
なお、上記の例で、愛人が全財産を受け取った後で配偶者が遺留分侵害額請求を行った場合には、遺留分の割合に従って愛人は受け取った分の財産の1/2を配偶者に対して支払わなければなりません。
遺留分は遺言でも侵害することはできませんが、相続人から請求されない限りは遺言書の内容に従って遺産を分配するということを覚えておいてください。
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遺留分が認められていない人
遺留分は相続人だけに認められた「財産を受け取るための権利」です。
以下に該当する人は、遺留分の権利者に含まれないので気をつけましょう。
兄弟姉妹
被相続人の兄弟・姉妹は、遺留分の権利者には含まれません。
その理由は大きく分けて2つあると考えられています。
相続関係が遠いため
通常、遺産を相続する際には相続人に優先順位が設けられています。
配偶者は常に相続の対象となり、続いて「直系卑属(子供や孫)」「直系尊属(父母または祖父母)」、そして最後に「兄弟・姉妹」の順に相続していくこととなります。
被相続人から見ると、兄弟・姉妹は相続関係が最も遠い位置に属するため、遺留分が認められていないものとされています。
代襲相続があるため
兄弟・姉妹には「代襲相続」が認められています。
- 「代襲相続」とは?
- 相続人となるべき人が「相続開始以前に死亡している」または「相続欠格・相続廃除によって相続権を失っている」といった場合に、その人の直系卑属(子供や孫)が代わりに相続をすること
代襲相続によって代わりに相続する権利が引き継がれますが、それと同様に「遺留分」の権利も引き継がれます。
もし仮に、兄弟・姉妹にも遺留分を認めてしまうと、被相続人から見て兄弟・姉妹の子供(甥姪)までもが代襲相続によって遺留分を認められることになり、被相続人の作成した遺言書の内容が反映される可能性が低くなってしまいます。
そうなってしまうと遺言書を作成した人にとっても酷であるいう理由から、兄弟・姉妹には遺留分が認められていないと言われています。
相続欠格になった人
以下に該当する人は「相続欠格」として、遺留分の請求が認められていません。
相続欠格者
- 相続人が被相続人や同順位以上の相続人を殺害して有罪となった場合
- 相続人が被相続人の殺害を知っても刑事告訴しなかった場合
- 相続人が被相続人に無理やり遺言を書かせた、または訂正させた場合
- 相続人が遺言を隠した、または処分した場合
上記は民法第891条によって明記されており、該当する場合は遺産の相続に一切の参加ができなくなります。
ただし、代襲相続は発生するので、相続欠格になった人の子供や孫に欠格事由がなければ遺留分の請求は認められます。
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相続を放棄した人
相続を放棄した人には遺留分が認められていません。
- 「相続放棄」とは?
- 一切の遺産相続をしないこと
遺産相続の権利を放棄することとも言い換えられるので、遺留分も認められなくなります。
また、相続放棄をすることで「最初から相続人ではなかった」ということになるので、代襲相続も発生しません。
この点は、相続欠格者との大きな違いといえます。
相続排除になった人
相続排除になった人に対しても遺留分は認められていません。
- 「相続排除」とは?
- 「被相続人に対して虐待行為や侮辱行為をした場合」または「推定相続人に対して著しい非行があった場合」に、該当の相続人から相続権の一切を剥奪すること
相続排除になった場合は一切の相続権がなくなるため、遺留分についても認められなくなります。
なお、相続排除をするためには家庭裁判所への申し立てが必要なので覚えておきましょう。
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遺留分の割合
遺留分には、被相続人と相続人との関係性によって財産を受け取れる割合が決められています。
遺留分の割合については以下の一覧表をご参照ください。
全員の遺留分合計 | 相続人の遺留分 | ||||
---|---|---|---|---|---|
配偶者 | 子供 (第1順位) |
父母 (第2順位) |
兄弟・姉妹 (第3順位) |
||
配偶者のみ | 1/2 | 1/2 | × | × | × |
配偶者と子供1人 | 1/2 | 1/2 | 1/4 | 1/4 | × |
配偶者と父母 | 1/2 | 1/2 | × | × | × |
配偶者と兄弟・姉妹 | 1/2 | 1/2 | × | × | × |
子供のみ | 1/2 | 1/2 | 1/2 | 1/2 | × |
父母のみ | 1/3 | 1/3 | × | × | × |
兄弟・姉妹のみ | × | × | × | × | × |
配偶者は常に遺留分の請求権利者に含まれており、それ以外に相続人がいる場合は、第1順位の子供から順番に遺留分の請求が可能となります。
たとえば、配偶者と子供1人がいる場合、遺留分侵害額請求をすることで被相続人の全財産の1/4ずつを受け取ることができます。
配偶者を含む遺留分侵害額請求を行う場合は全財産の1/2を相続人で分け合うことになりますが、相続人が父母のみの場合は全体の1/3のみ、兄弟・姉妹の場合は遺留分の請求ができない点にご注意ください。
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遺留分の計算方法
遺留分の計算方法は以下の通りです。
遺留分の計算方法
- 生前贈与した財産を加えて相続財産を計算する
- 被相続人の債務(借金)は差し引く
- 遺留分割合をかける
上記の手順に従って計算をすることで遺留分を計算することができます。
相続財産には「死亡時から遡って1年以内の生前贈与」や「被相続人と贈与を受けた人の両方が遺留分を侵害することを知っていた場合の生前贈与」「相続開始前10年以内の相続人に対する特別受益」も含めて計算を行う点にご注意ください。
以下は「遺産総額が5,000万円、生前贈与2,000万円、債務1,000万円」の場合で、子供が二人いる時の遺留分の計算例です。
例:子供が二人で遺産総額5,000万円、生前贈与2,000万円、債務1,000万円の場合の遺留分計算
- 遺産総額(5,000万円)+ 生前贈与(2,000万円)- 債務(1,000万円)= 6,000万円
- 子供全員の遺留分 = 6,000万円 × 遺留分割合1/2 = 3,000万円
- 子供ひとりの遺留分 = 3,000万円 × 法定相続分割合1/2 = 1,500万円
全員の遺留分合計 | 相続人の遺留分 | ||||
---|---|---|---|---|---|
配偶者 | 子供 (第1順位) |
父母 (第2順位) |
兄弟・姉妹 (第3順位) |
||
配偶者のみ | 1/2 | 1/2 | × | × | × |
配偶者と子供1人 | 1/2 | 1/2 | 1/4 | 1/4 | × |
配偶者と父母 | 1/2 | 1/2 | × | × | × |
配偶者と兄弟・姉妹 | 1/2 | 1/2 | × | × | × |
子供のみ | 1/2 | 1/2 | 1/2 | 1/2 | × |
父母のみ | 1/3 | 1/3 | × | × | × |
兄弟・姉妹のみ | × | × | × | × | × |

- ナビナビ保険監修
- 公認会計士・税理士・AFP資格者
- 滝 文謙
遺留分の基礎に加算される生前贈与と、相続税の基礎に加算される生前贈与は範囲が異なります。
相続税は相続開始の3年前までの贈与分が相続税の計算の基礎に加算されるほか、相続時精算課税を適用していた人は適用後の贈与が全て加算されることになります。
遺留分の話と相続税の話を混同してしまい、3年前の贈与だから課税されないなど誤った計算とならない様にどの話をしているかをしっかり理解する必要があります。
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遺留分侵害額(減殺)請求の方法
遺留分侵害額(減殺)請求を行うためには、以下の手順に従って請求手続きを行う必要があります。
遺留分侵害額(減殺)請求の方法
それぞれの手順について解説していきます。
1.内容証明郵便を送付
遺留分侵害額請求を行うには、財産を受け取った人に対して「内容証明郵便」によって遺留分請求を行う旨の通知書を送付します。
遺留分侵害額請求には、相続開始と遺留分侵害の財産相続があったことを知った日から数えて1年間という時効期間が定められています。
この期間内に確実に遺留分侵害額請求を行ったという証明をするため、内容証明郵便にて通知を送る必要があります。
2.直接交渉を行う
相手に内容証明郵便による通知が届いたら、遺留分をどのようにして返還すべきかを話し合うことになります。
遺留分は、原則として分与された遺産そのものを返還することになりますが、相続された遺産が不動産の場合は金銭による賠償が行われることが一般的です。
不動産はその価値を正確に分配することが難しく、遺留分による返還の際には共有状態にすべきだと考えられています。
しかし、実際には請求する側と請求される側とで感情的な対立が発生するケースが多いことから、共有状態による問題の解決が行われる可能性は低いです。
話し合いによってお互いの合意が得られれば、その内容で遺留分の返還を行って遺留分侵害額請求の手続きは終了となります。
ただし、内容証明郵便で通知を行った時点で相手が遺留分侵害額請求に応じないケースも珍しくないため、その時は家庭裁判所で遺留分減殺調停を行う必要があります。

- ナビナビ保険監修
- 公認会計士・税理士・AFP資格者
- 滝 文謙
遺留分侵害請求を受けて支払いをする際に、手元の現金が少ないために現金以外のもので精算する時は注意が必要です。
例えば、土地を渡すことで遺留分侵害請求の精算しようと思った場合、税金の計算上は一度その土地を売ったと仮定して計算します。
そのため、その売却益に対して予期せぬ多額の所得税を将来的に納税する必要が出てくることもあります。このようなケースにならない様に支払方法について留意しましょう。
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3.家庭裁判所で遺留分侵害額の請求調停(遺留分減殺調停)を行う
遺留分侵害額請求に相手が応じない場合や、話し合いで合意が得られなかった場合は、家庭裁判所で遺留分減殺調停を行うことになります。
簡単にいえば、家庭裁判所の調停委員を経由して三者間で話し合いを進める手続きのことで、請求する側に代わって調停委員が請求される側と交渉を行います。
遺留分侵害額の請求調停を行うためには、請求される側(遺留分侵害者)がその時点で居住する地域を管轄する家庭裁判所で調停の申立を行わなければなりません。
申立を行うための調停申立書を作成する際には、以下の書類が必要となります。
遺留分侵害額の請求調停申立書を作成するのに必要な書類
- 被相続人の戸籍謄本(出生から死亡までの連続したものに限る)
- 相続人全員分の戸籍謄本
- 遺言書がある場合はその写し、検認調書の写し等
- 収入印紙1,200円分
- 郵便切手(裁判所からの返送用)
遺留分侵害額の請求調停は複数回に渡って行われますが、それぞれにおいて調停委員を通じて話し合いを行うことになるので、トラブルとなった相手と顔を合わせることはありません。
1回の調停で2〜3時間程度の時間が必要となり、大抵の場合は平日の昼間に行われることが多いようです。
調停が無事に成立すると家庭裁判所にて「遺留分侵害額の請求調停調書」が作成されます。
調停調書を使うことで不動産を自分名義に登記変更することができたり、相手が支払いに応じなかった場合に財産を差し押さえたりすることが可能となります。
4.地方裁判所で遺留分侵害額請求訴訟(遺留分減殺請求訴訟)を起こす
家庭裁判所での調停を行ってもお互いに合意が得られなかった場合、地方裁判所で遺留分侵害額請求訴訟(遺留分減殺請求訴訟)を起こすことになります(遺留分が140万円以下の場合は簡易裁判所)。
訴訟を起こした場合、自分自身の遺留分と遺言などによって自身の遺留分が侵害されていることを主張して証拠を提出した上で立証しなければなりません。
ここまで来ると個人間でどうにかできる問題ではなくなっていることが想定されるため、基本的には弁護士に相談をした上で各種対応を行っていきます。
なお、裁判中に当事者同士が話し合いを行って「裁判上の和解」をすることもできます。
裁判上の和解を行った場合、「和解調書」が作成され、その内容に従って遺留分の請求手続きを行うことになります。
「調停調書」と同様、和解調書を使うことで不動産登記の変更や財産の差し押さえをすることが可能です。

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遺留分侵害請求が確定した場合、既に計算し終わっていた相続税額に変動が生じることになります。支払義務者は相続した財産が減少するので、申告納付した相続税が過大となります。
この場合は4ヶ月以内に更正の請求を提出することで税金を還付してもらえます。
一方、遺留分権利者は相続財産が増える、または新たに取得することになるので相続税の納付が不足しています。したがって、修正申告書、または期限後申告書を提出し納付をする必要があります。
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遺留分の時効
遺留分侵害額の請求手続きは、相続開始や遺留分が侵害されたことを知った日から数えて1年間という時効期間が定められています。
また、これらの事実を知らなかった場合でも相続開始の時点から数えて10年が経過すると遺留分の請求権は消滅してしまいます。
期限を過ぎてしまうと調停や訴訟を含む一切の請求手続きができなくなってしまうので気をつけましょう。
遺留分の請求手続きの方法は決められておらず、口頭でも請求手続自体は可能です。
ですが、口頭では期限内に請求を行ったという証拠が残らないので、必ず期限内に通知したことを証明できる「内容証明郵便」を使って請求手続きを行うようにしましょう。
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遺留分の放棄
遺留分の請求権をもっている人は、「遺留分の放棄」を行うことができます。
遺留分の放棄は、法律によって定められている最低限の財産を相続する権利を放棄することを意味します。
遺留分を放棄する際には、被相続人の生前か死後のどちらで行うかによって手続きの方法が異なります。
被相続人が生前の放棄
被相続人が生前の場合に遺留分を放棄するためには、家庭裁判所からの許可が必要です。
なぜ家庭裁判所からの許可が必要なのかというと、もともと民法によって定められている権利を簡単に放棄できるように認めてしまうと、無理やり放棄させるなどのトラブルが発生する可能性があるためです。
被相続人の生前に遺留分を放棄するには、以下の手順に従って手続きを行ってください。
被相続人が生前の場合に遺留分を放棄するための手順
- 家庭裁判所で「遺留分放棄許可の審判申し立て」を行う
- 申立が受理された後、審問(面談)の日程連絡が届く
- 審問実施
- 審問後、遺留分放棄の審判結果が通知される
また、「遺留分放棄許可の審判申し立て」の際に必要な書類は以下の通りです。
「遺留分放棄許可の審判申し立て」の際に必要な書類
- 申立書
- 被相続人の戸籍謄本
- 申立人の戸籍謄本
- 審理に必要な資料
- 収入印紙800円分
上記の手順に従って遺留分放棄の申立を行い、放棄が認められた場合に遺留分の放棄が完了となります。
遺留分の放棄は申立を行った本人にしか通知されません。
ですので、他の相続人に対して遺留分の放棄をしたことを証明するために、遺留分放棄の書類は必ず発行しましょう。
被相続人が死後の放棄
被相続人が死後の場合に遺留分を放棄する際には、家庭裁判所からの許可は必要ありません。
そもそも遺留分は、遺留分侵害額請求を行わなければ発生しません。
そのため、被相続人がすでに死亡しており相続が発生している場合は、遺留分侵害額請求をしなければ結果的に遺留分の放棄をしたことと同義になります。
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遺留分については弁護士に相談
遺留分の請求手続きは、当事者同士の話し合いだけでは済まないことの方が一般的です。
そのため、基本的には弁護士に相談をした上で遺留分侵害額請求を行うのが良いでしょう。
また、遺留分について弁護士に相談をすることで、以下のようなメリットがあります。
遺留分について弁護士に相談するメリット
メリット1.有利に交渉できる
弁護士に相談をすることで、遺留分についての交渉を有利に進められるようになります。
遺留分を請求するには、受け取った財産を正確に測った上で、自身の遺留分割合に基づいた金額を請求しなければなりません。
そうした場合の根拠となる判断は素人でできることではないので、弁護士に任せて有利に交渉できるように対処していくのが一番の方法です。
メリット2.感情的にならずに済む
遺留分の請求手続きがスムーズに解決しない理由のひとつに、お互いが感情的になってしまって話が進まないことが挙げられます。
お金にまつわる話はトラブルに発展しやすく、当事者同士で話し合いの場を設けても全く進展が見られないことも多いです。
そうした場合に、話は弁護士に任せておけば感情で冷静さを失わずに合理的な判断ができるようになります。
また、弁護士を通じて話し合いを行うことでトラブルとなった相手と顔を合わせることもなくなるので、精神的なストレスを緩和することにも繋がります。
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メリット3.早期解決に繋がる
遺留分の請求手続きを弁護士に一任してしまうことで、諸々の手続きをスムーズに進めることができます。
遺留分を請求するには生前贈与された財産などの調査を行う必要があったり、内容証明郵便の作成をしたりと何かと手間がかかります。
そうした手続きの一切を代わりに行ってくれるので、一刻も早く相続問題を解決したいと考えている場合には大きなメリットがあるといえます。
メリット4.万が一の訴訟時でも安心
交渉がうまくいかなかった場合、地方裁判所や簡易裁判所で遺留分侵害額請求訴訟(遺留分減殺請求訴訟)を起こすことになります。
訴訟を行う場合、自分自身の遺留分と遺言などによって自身の遺留分が侵害されていることを主張し、証拠を提出した上で立証しなければなりません。
また、法律に則した請求だとしても訴訟の進め方によって、自分にとって思いも寄らない不利益を被る可能性も考えられます。
判決が不利になる場合は「裁判上の和解」を行った方が良い場合もありますが、その判断を行うのは素人の知識では難しいでしょう。
そうした場合に弁護士が味方についていれば、訴訟の流れから今後の判決を見越した上で的確なアドバイスがもらえます。
訴訟を行う際の諸々の手続きも弁護士が代わりに行ってくれるので、体力面・精神面のどちらにおいてもストレスを貯めずに済みます。
弁護士費用はかかりますが、それ以上に大きなメリットがあるので、遺留分の請求手続きを行う際にはぜひとも弁護士に相談することをご検討ください。
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まとめ
遺留分とは、民法によって定められた「一部の相続人が最低限の遺産を受け取るための権利」のことです。
遺留分を請求できる人は以下に該当する人のみで、それぞれが受け取れる遺産の割合はあらかじめ決められています。
遺留分侵害額(減殺)請求ができる人
- 配偶者
- 直系卑属(子供・孫)
- 直系尊属(両親・祖父母)
全員の遺留分合計 | 相続人の遺留分 | ||||
---|---|---|---|---|---|
配偶者 | 子供 (第1順位) |
父母 (第2順位) |
兄弟・姉妹 (第3順位) |
||
配偶者のみ | 1/2 | 1/2 | × | × | × |
配偶者と子供1人 | 1/2 | 1/2 | 1/4 | 1/4 | × |
配偶者と父母 | 1/2 | 1/2 | × | × | × |
配偶者と兄弟・姉妹 | 1/2 | 1/2 | × | × | × |
子供のみ | 1/2 | 1/2 | 1/2 | 1/2 | × |
父母のみ | 1/3 | 1/3 | × | × | × |
兄弟・姉妹のみ | × | × | × | × | × |
遺留分が侵害されたことが判明した場合、財産を受け取った人に対して「遺留分侵害額請求」を行うことになります。
遺留分侵害額請求を行う際の手順は以下のとおりです。
遺留分侵害額(減殺)請求の方法
ただし、これらの手続きを自分で行うのは時間と手間がかかる上に、精神的にも大きなストレスになります。
そのため、遺留分に関する請求手続きは、基本的に弁護士に相談をして行うことをおすすめします。
弁護士に相談をすることで弁護士費用は必要ですが、それ以上に大きなメリットがあるので、遺留分に関してお悩みの方は弁護士に相談することをご検討ください。
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