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更新 更新:2021.02.26

法定相続人とは? 仕組み・範囲・優先順位を分かりやすく解説します

法定相続人とは? 仕組み・範囲・優先順位を分かりやすく解説します

法定相続人とは?

法定相続人とは、民法第886条から第895条で定められている「亡くなった人の遺産を相続する人」のことです。

被相続人が死亡した際に遺言書が見つかった場合は、基本的に遺言書の内容に従って遺産相続を行うことになるため、法定相続人以外に対しても遺産を相続させることができます。

一方、遺言書が見つからなかった場合やそもそも作成されていない場合は、法定相続人全員が話し合って遺産の相続割合を決めなくてはなりません

なお、相続人という名称は様々な形で使われていますが、それぞれで意味が異なるのでこれを機に覚えておきましょう。

相続人の意味

  • 被相続人:財産を遺して亡くなった人または失踪宣告、認定死亡となった人
  • 相続人:遺産を相続する人
  • 法定相続人:民法によって定められた「遺産を相続する人」

遺産を相続した場合、その法定相続人は遺産相続の手続きを行わなければなりません。

また、それとは別に被相続人が加入していた保険や年金についても変更を行うことになるので、相続手続きについても学んでおく必要があります。

遺産相続についての概要や行わなければならない手続き内容については、以下の記事をご覧ください。

法定相続人の範囲・優先順位

法廷相続人の範囲関係図と相続順位

法定相続人となれる人の範囲と優先順位については、民法によって以下の通りに定められています。

法定相続人の範囲と優先順位

  • 常に法定相続人:配偶者
  • 第1順位:子供(直系卑属)
    • 子供がすでに死亡している場合はその子供(被相続人から見て孫)が相続人となる
    • 子供も孫もいる場合は死亡した人により近い世代となる子供が優先される
  • 第2順位:親
    • 父母も祖父母もいる場合は死亡した人により近い世代である父母の方を優先する
    • 第2順位の人は第1順位の人がいない場合に相続人となる
  • 第3順位:兄弟姉妹
    • その兄弟姉妹がすでに死亡している場合はその人の子供が相続人となる
    • 第3順位の人は、第1順位・第2順位の人もいない場合に相続人となる

参照:相続人の範囲と法定相続分|国税庁

「直系尊属」とは?
父母、祖父母、曽祖父母、高祖父母など被相続人より前の世代で直接の親族関係がある人のこと
「直系卑属」とは?
子供、孫など被相続人より後の世代で直接の親族関係がある人のこと

一般的に、法定相続人になれるのは被相続人の配偶者や子供、親や兄弟姉妹ですが、被相続人との続柄によって優先的に遺産を相続できる人が異なります

ここで法定相続人の範囲と優先順位について確認していきましょう。

常に法定相続人:配偶者

被相続人の配偶者が生存している場合、その配偶者は常に法定相続人として優先されます

ただし、法定相続人となれるのは婚姻関係を結んでいる配偶者に限られており、内縁関係(事実婚など)にある配偶者は法定相続人になることができません

第1順位:子供(直系卑属)

遺産相続が発生した際、優先的に相続ができる第1順位の法定相続人となるのは「被相続人の子供(直系卑属)」です

配偶者と子供がいる場合は両方で遺産を相続することとなり、配偶者がおらず子供のみの場合は子供だけが法定相続人となります。

第1順位の人がいる場合、他の順位の人は遺産を相続することができません。

子供がいる場合は、遺言書がある場合を除き、第2順位の父母や第3順位にあたる被相続人の兄弟姉妹は遺産を相続することができないのでご注意ください

なお、実子と養子を問わず被相続人の子供であれば、第1順位の法定相続人となるので覚えておきましょう。

子供も既に亡くなっている場合は「代襲相続」になる

第1順位にあたる子供が死亡している場合、被相続人から見て孫にあたる子供がいる場合はその人が法定相続人の第1順位となります

たとえば、祖父が亡くなるよりも前に父が死亡してしまった場合、その子供(祖父から見て孫)が父に代わって祖父の相続人になるということです。

上記のように、被相続人よりも先に子供が死亡している場合、その子供の直系卑属が新しく相続人になることを「代襲相続」といいます。

なお、代襲相続を行う際に養子がいる場合には注意が必要です

被相続人が養子を迎えた場合、養子を迎えた後に生まれた養子の子供は被相続人の直系卑属に含まれます。

ですが、養子として迎える前に生まれた養子の子供は、被相続人の直系卑属に含まれないので代襲相続ができません。

実子と養子で法定相続人としての優先順位や相続できる割合に差はありませんが、養子となった時期と養子の子供が生まれた時期によっては代襲相続の可否が変わってくるのでご注意ください。

第2順位:親(直系尊属)

法定相続人の第1順位にあたる被相続人の子供や孫がいない場合、第2順位の「被相続人の父母や祖父母(直系尊属)」が相続人となります

父母と祖父母がともに存命の場合、被相続人により近い世代の父母が優先されます。

つまり、被相続人の父母がともに死亡しており、子供がいない場合に限り祖父母が被相続人の遺産を相続することになります

第3順位:兄弟姉妹

第1順位、第2順位にあたる人がいない場合、第3順位として法定相続人になるのは「被相続人の兄弟姉妹」です

兄弟姉妹がすでに死亡している場合、その子供(被相続人から見て甥姪)が代襲相続をすることになります

ただし、被相続人の相続が開始されるよりも前に兄弟姉妹、甥姪が死亡している場合、甥姪の子供は相続人に含まれません。

相続人とならないパターン

法定相続人の範囲内であっても、相続人とならないパターンがあります。

相続人とならないパターンは全部で4つが挙げられます。

それぞれの内容について説明していきます。

相続放棄

家庭裁判所に「相続放棄」の申立を行った人は、その遺産相続において「最初から相続人ではなかったもの」とみなされます

そのため、被相続人が死亡しても遺産を相続することができません。

相続財産には不動産や株式といったプラスの財産以外に、借金や負債といったマイナスの財産も含まれているため、場合によっては遺産を相続したくない人もいるでしょう。

また、遺産相続は親族間でトラブルの原因になりやすいことから面倒事が嫌で相続放棄を考える人も少なくありません。

相続放棄をすることで一切の相続問題に関わらずに済みますが、その一方で、相続放棄をした人の子供は代襲相続ができなくなるという問題が発生します

代襲相続は本来の相続人の代わりにその子供が相続をするという制度ですが、相続放棄をすると一切の相続権を手放すことになるため、代襲相続の仕組みそのものが成立しなくなるためです。

相続問題に煩わされることがなくなる相続放棄ですが、自身に子供がいる場合には万が一のことを考えて、よく吟味してから申し立てを行うようにしましょう。

欠格事由への該当(相続欠落)

民法第891条では「欠格事由に該当するものは相続人になることができない」と定めています。

第八百九十一条 次に掲げる者は、相続人となることができない。
一 故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者
二 被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者。ただし、その者に是非の弁別がないとき、又は殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族であったときは、この限りでない。
三 詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、又は変更することを妨げた者
四 詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、又は変更させた者
五 相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者

相続人の欠格事由 から引用

簡単に説明すると、被相続人に対して被害を与えた人やそれに該当する人は相続人になれないということです。

欠格事由5項に該当しながらも欠格者に当たらないとされた判決事例

民法第891条5項では、「相続に関する被相続人の遺言書を偽造、変造、破棄、隠匿した者は相続人になれない」と定められています。

ですが、過去の最高裁による判決で「相続人が遺言書を破棄または隠匿した場合において、その行為が相続人の不当な利益を目的とするものではないときには相続欠格者に当たらない」とした判決事例があります。

相続に関する不当な利益を目的としない遺言書の破棄隠匿行為と相続欠格事由

  • 相続人が相続に関する被相続人の遺言書を破棄又は隠匿した場合において、相続人の行為が相続に関して不当な利益を目的とするものでなかったときは、相続人は、民法八九一条五号所定の相続欠格者に当たらない。

引用:平成9年1月28日最高裁|裁判例結果詳細|裁判所

たとえば、妻と子供1人がいる夫からの遺言書に「全財産を妻に譲る」といった記述がある場合に、それを知った妻が遺言書を隠匿し、法定相続分に則って妻と子供とで遺産相続を行ったときなどが該当します。

上記はかなり極端な例ですが、不当な利益を目的としていない場合に遺言書を破棄または隠匿しても欠格事由には該当しないものとみなされる可能性が高いといえます。

推定相続人の廃除

民法第892条では、将来的に相続人になる人(推定相続人)が被相続人に対して虐待や重大な侮辱を加えた場合、または著しい非行が見られる場合、被相続人が家庭裁判所に「推定相続人の廃除」を請求できると定められています

推定相続人の廃除が認められた場合、相続人になることがないので遺産を相続できないことになります。

そもそも相続権がない人

以下に該当する人は、たとえ被相続人の親族や親密な関係であったとしても、そもそも相続権がないために相続人になることはできません。

相続権がない人

  • 内縁関係にある人
  • 離婚をした場合の元配偶者
  • 養子縁組よりも先に生まれた養子の連れ子
  • 被相続人の姻族(配偶者の父母や兄弟姉妹、子供の配偶者など)

上記に加えて、法定相続人の優先順位で上位に当たる人がいる場合、下位に当たる人にも相続権がありません。

たとえば、被相続人に第1順位の子供がいる場合、第2順位に当たる被相続人の父母などには相続権がないということになります。

ただし、被相続人が作成した遺言書の内容によっては、相続権がない人に対して遺産を相続させることが可能です

また、遺言書もなく相続人もいないような場合には、所定の手続きを行うことで上記のような相続権がない人であっても「特別縁故者」として遺産を相続できる場合があります。

さらに、2018年7月6日に成立した「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律」では、2019年7月1日以降においては相続人以外の被相続人の親族が無償で被相続人の療養看護等を行った場合、相続人に対して金銭の請求ができるようになりました。

たとえば、すでに死亡してしまった長男の嫁が父親の療養看護などを無償で行っている場合など、他の相続人に対して金銭の請求を行うことで実質的な公平が図られるようになっています。

参照:民法(相続法)改正遺言書保管法の制定〜高齢化の進展等に対する対応〜

法定相続人に関するよくある質問Q&A

最後に、法定相続人に関する「よくある質問」にお答えします。

Q. 相続人がいない場合は?

A. 相続人がいない場合、遺言書の有無によって手続き内容が異なります。

遺言書がある場合は被相続人の意志を尊重し、遺言書の内容に従って遺産相続を行います。

遺言書が見つからない場合、相続権がない人であっても所定の手続きを行うことで「特別縁故者」として遺産を相続できる場合があります。

特別縁故者になるためには、家庭裁判所に対して「相続財産管理人の選任」と「特別縁故者の申立」の2つの申立を行う必要があります。

Q. 相続人が未成年の場合は?

A. 相続人が未成年の場合は特別代理人を立てなければなりません。

未成年者は法律上、単独で法律行為を行うことが認められていないので、代わりに手続きを行う人が必要です。

通常であれば親権者が代理人となりますが、遺産相続においては親権者と子供の両方が法定相続人になるケースがあります。

その場合に親権者が子供の代理人となってしまうと、子供の利益を損なうことになる可能性があるため、第三者の特別代理人を選任して子供の代わりに遺産分割協議に参加することになります。

Q. 産まれる前の子供は相続人になれる?

A. 生まれる前の子供(胎児)も相続人に含まれます。

民法では、生まれる前の子供はすでに生まれたものとして扱うため、胎児であっても相続人となります。

ただし、胎児が相続人として含まれるのは「後日、無事に生まれた場合」に限られます。

もしも流産・死産・中絶などで子供が生まれなかった場合、最初からいないものと扱われ相続人には含まれません。

Q. 相続人が行方不明の場合は?

A. 相続人が行方不明でどうしても連絡がつかない場合に限り、家庭裁判所に申し立てを行うことになります。

相続が発生して相続人を確定させた際、行方知れずの相続人が現れる場合があります。

そうした場合、まずは相続人の戸籍附票などから住所を探し出し、手紙を送るか直接訪問をするかで連絡が取れるように計らうことが大切です。

それでも連絡が取れなかった場合は、家庭裁判所に「不在者財産管理人選任の申立」を行います

不在者財産管理人が選任された後は、その人が行方不明の人の代わりに遺産分割協議に参加することとなります。

まとめ

法定相続人とは、民法第886条から第895条で定められている「亡くなった人の遺産を相続する人」のことです。

法定相続人になれるのは配偶者や子供、直系尊属や直系卑属に限られており、その中でも遺産を相続する際の優先順位が定められています。

法定相続人の範囲と優先順位

  • 常に法定相続人:配偶者
  • 第1順位:子供(直系卑属)
    • 子供がすでに死亡している場合はその子供(被相続人から見て孫)が相続人となる
    • 子供も孫もいる場合は死亡した人により近い世代となる子供が優先される
  • 第2順位:親
    • 父母も祖父母もいる場合は死亡した人により近い世代である父母の方を優先する
    • 第2順位の人は第1順位の人がいない場合に相続人となる
  • 第3順位:兄弟姉妹
    • その兄弟姉妹がすでに死亡している場合はその人の子供が相続人となる
    • 第3順位の人は、第1順位・第2順位の人もいない場合に相続人となる

参照:相続人の範囲と法定相続分|国税庁

配偶者がいる場合は常に法定相続人となりますが、それ以外の法定相続人がいる場合は優先順位が高い人だけが遺産を相続することになります。

たとえば、第1順位の子供がいる場合には、第2順位の父母や祖父母、第3順位の兄弟姉妹は被相続人の遺産を相続できません。

上記以外にも相続人となれないパターンがあるので、この記事を参考にして勉強しておきましょう。

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中村 翔也
この記事の執筆者

中村 翔也

携帯代理店法人部門にて営業職として2年半勤務後、2017年12月よりwebライターとして独立。通信ジャンルをメインに金融系、保険記事を毎月30本以上執筆。
所有資格
ファイナンシャル・プランニング技能士3級
藤田 匡紀
この記事の監修者

藤田 匡紀

新卒で日本生命保険相互会社に入社し、販売企画・代理店営業など多様な業務に従事。13年間勤務した後「もっと多くの人に、保険の必要性を正しく理解してもらいたい」という思いを胸にエイチームフィナジーに入社、ナビナビ保険の運営に参画。金融機関における顧客向け相続セミナー・研修会の実績も多数あり。
所有資格
AFP資格、証券外務員Ⅱ種
ナビナビ保険編集部
この記事の編集者

ナビナビ保険編集部

ナビナビ保険編集部は「どこよりも分かりやすい保険情報を届けること」をコンセプトにコンテンツの配信を行っています。

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