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更新 更新:2021.06.17

【最新】教育資金の一括贈与を解説!改正された「非課税措置」の期間や要件

【最新】教育資金の一括贈与を解説!改正された「非課税措置」の期間や要件

子供の進学費用は非常に高額です。親や祖父母から資金提供を受けて、大学や専門学校に進学される方も珍しくありません。

しかし、教育資金の贈与方法を誤ると、高額な贈与税が課税される恐れがあります

余分な税負担を抑えて資金を贈与したい場合は、贈与税が発生する条件や非課税となる制度の把握が大切です。

この記事では、 教育資金の贈与方法について分かりやすく解説します。

教育資金の贈与

子供や孫に、まとまった教育資金を提供しようと考えている方は、非課税措置を活用することで贈与税や相続税の負担を抑えられます。

親や祖父母から、子や孫に対して資金提供が行われる理由の多くは、この相続税の負担を抑えるためです。

遺産が多くなると、それに比例して相続税が高額になります。生前に子や孫に教育資金として財産を贈与することで、相続する財産が減り、相続税の負担を抑えられます

しかし、親族からの提供であっても、受贈者(贈与を受け取った人)1人あたりの贈与額が年間110万円を超えると贈与税が発生します。

1,000万円など、まとまった金額を贈与すると、資金提供を受けた子や孫が贈与税を納めなければならなくなるのです。

そこで、教育資金を贈与する場合は、後述する「教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置(以下、教育資金の一括贈与の非課税措置)」を活用することで、最大で1,500万円までの贈与が非課税となります。

また、上記の制度を利用しない場合でも、贈与税の課税対象外となる場合があるため、状況に応じた手段を選択することが大切です。

教育資金を都度贈与するのであれば非課税

教育資金を必要なタイミングで贈与するのであれば、そもそも贈与税はかかりません。

例えば「孫が大学に進学するため、入学資金として200万円渡した」「孫が小学校に進学したので、ランドセルを買ってあげた」などのケースでは、贈与税は発生しません

ただし、非課税となるのは、教育資金が必要なタイミングで贈与した場合のみです。

「将来、孫が進学する時のために、あらかじめ200万円を渡す」といったケースでは、必要なタイミングで教育資金を贈与していないため、贈与税の課税対象です。

また、教育資金を都度贈与する場合、贈与した資金が教育費に充てられたことを証明できなければ、贈与税の課税対象となる可能性があります。

教育資金を必要なタイミングで贈与するときは、資金を提供する人が学校や塾に直接お金を払い込んだり、教育資金専用の口座を開設したりすると良いでしょう。

教育資金の一括贈与の非課税措置とは

平成25年度税制改正により、「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度」が新設されました。

この制度は、直系尊属である父母や祖父母などから子や孫などに対して、教育又は結婚・子育てに使途を限定した資金を一括贈与することにつき、贈与税が非課税となる制度です。

教育資金の一括贈与の非課税措置を利用すると、贈与された人(受贈者)1人に対して1,500万円までの教育資金が非課税となります

非課税措置の対象は、30歳未満の子供や孫です。

教育資金の一括贈与の非課税措置を利用するには、銀行や信託銀行、証券会社に「教育資金非課税申告書」を提出して専用口座を開設する必要があり、教育資金口座は、受贈者1人につき1口座しか開設できません。

複数の金融機関で、教育資金口座を開設できない点に注意しましょう

教育資金の一括贈与の特例(非課税措置)
  • 期間:令和5年3月31日まで
  • 非課税限度額:受贈者1人につき1,500万円
  • 贈与者の要件:受贈者の直系尊属であること
手続きの流れ
  1. 教育資金管理契約を締結
  2. 教育資金非課税申告書を金融機関を経由して税務署へ提出

参照:No.4512 直系尊属から教育資金及び結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税制度の主な相違点_国税庁

教育資金の範囲

教育資金の一括贈与の非課税措置は、贈与した金銭が所定の教育費の支払いに充てられなければ非課税とはなりません

非課税措置の対象となる教育資金の定義は、以下の2つです。

教育資金の一括贈与の非課税措置の対象となる教育資金

  1. 学校等に対して直接支払われる金銭
  2. 学校等以外の者に対して直接支払われる金銭で、教育を受けるために支払われるものとして社会通念上相当と認められるもの

非課税措置で非課税となるのは、1と2を合わせて1,500万円までですが、2については最大500万円となる点に注意が必要です。

1と2の例については、以下をご確認ください。


区分 教育資金に該当する例 支払先
1 ① 入学金・授業料・入園料・保育料・施設設備費又は入学(園)試験の検定料など
② 学用品費・修学旅行費・学校給食費など、学校等における教育に伴って必要な費用など
学校等
2 ③ 教育(学習塾・そろばんなど)に関する役務の提供の対価や施設の使用料など
④ スポーツ(水泳・野球など)又は文化芸術に関する活動(ピアノ・絵画など)その他
教養の向上のための活動に係る指導への対価など
⑤、③または④の指導で使用する物品の購入に要する金銭 
役務提供または指導を行う者
⑥、②に充てるための金銭であって,学校等が必要と認めたもの
⑦ 通学定期券代
⑧ 留学渡航費・学校等に入学・転入学・編入学するために必要となった転居の際の交通費 
物品販売店のような業者

文部科学省「教育資金の一括贈与の非課税措置について」をもとに作成

上記のうち、学校等に分類されるのは、学校教育法で定められている以下のような教育機関です。

学校等に分類される教育機関の例

  • 幼稚園
  • 認定こども園
  • 保育所
  • 小・中学校
  • 高等学校
  • 特別支援学校
  • 高等専門学校
  • 大学
  • 大学院
  • 専修学校
  • 外国の教育施設等
  • インターナショナルスクール など

文部科学省「教育資金の一括贈与の非課税措置について」をもとに作成

上記の表の1や2に当てはまらない教育資金は、非課税措置の対象外です。

例えば「留学時のホームステイ代」を教育資金口座から引き出して支払った場合、贈与税の課税対象となってしまいます。

教育資金の一括贈与の非課税措置の対象外となる教育資金の例

  • 留学時のホームステイ代
  • 諸般の事情により別経路で通学した際の切符代や、定期券の有効期間を過ぎた際に購入した切符代
  • 交通系電子マネーのチャージ料
  • 学食や購買部に支払う費用
  • 自転車通学の際の、自転車購入費用や駐輪場代
  • 自分で筋トレをするためだけに通うスポーツジム代 など

また23歳以降の人は、学校ではない趣味や習い事の費用が、教育資金の一括贈与の非課税措置の対象外です。

例えば、社会人である24歳の人がスイミング教室に通った場合、教育資金の一括贈与の非課税措置は適用されません。

非課税措置で利用できる対象となる教育資金は、文科省のQ&Aで確認できますので併せてご確認ください。

教育資金の贈与に関する注意点

教育資金の一括贈与の非課税措置を利用する際は、以下の4点です。

注意点1. 贈与を受ける孫・子の所得が1,000万以上の場合は利用できない

教育資金の一括贈与の非課税措置には所得要件があり、孫や子の所得が1,000万円を超えている場合は利用できません

非課税措置に所得要件ができたのは、令和元年度の税制改正時です。平成31年4月1日以降に贈与を受ける場合、その前年の所得金額が1,000万円を超えると、非課税措置は利用できません。

平成31年3月31日以前に贈与を受けた人は所得要件は適用されませんが、平成31年4月1日以降に追加で贈与を受けた場合は適用されます。

注意点2. 使い切れなかった財産には贈与税がかかる

教育資金の一括贈与の非課税措置は、基本的に受贈者が30歳となったときに終了し、口座に残高がある場合は贈与税が課せられます

仮に、教育資金口座の契約が終了した時点で残高が400万円あった場合、33.5万円の贈与税が発生します。

また、教育資金以外に使った金銭については、非課税措置の口座契約が終了する時にまとめて贈与税の課税対象となる点に注意が必要です。

例えば、口座契約が終了する前の3年間に、毎年50万円ずつ教育資金以外に使っていた場合、契約終了時に150万円に対してまとめて贈与税が課せられます。資金を使った年に、贈与税が課税されるわけではない点に注意しましょう。

ただし、受贈者が30歳になった時点で大学に在学している場合や、教育訓練給付金の対象である教育訓練を受けていた場合は、教育資金口座に残高があっても贈与税は課税されません。

学校を卒業したり、教育訓練が終わったりしたときの残高に対して、贈与税が課税される仕組みです。

滝 文謙
ナビナビ保険監修
公認会計士・税理士・AFP資格者
滝 文謙

税制改正により令和3年4月1日以後の口座に関しては、例えば23歳以上で学校に在学していなかったり、同じく23歳以上で教育訓練給付金の対象となる教育訓練を受けていない状況で、贈与した人が死亡した場合は、その死亡した日時点の口座の未使用の金額は相続税の対象となります。条件に該当しそうな方や、受贈者の年齢がある程度高く、贈与者が非常に高齢の場合には注意しましょう。

注意点3. 金融機関に領収書の提出が必要

教育資金口座からお金を引き出すには、領収書をはじめとする、教育資金として使ったことを証明する書類を、金融機関への提出が必要となる場合があります。

金融機関によっては、以下のようなサービスを実施しています。教育資金口座を開設する金融機関選びの参考にしてください。

金融機関ごとのサービス

  • スマートフォンアプリで領収書を提出できる
  • 教育資金を立て替える必要がない
  • インターネットバンキングで払い出しが可能

注意点4. 教育資金口座を1度開設すると解約できない

教育資金の一括贈与の非課税措置は、金融機関で1度口座を開設すると解約できません。

例えば、「贈与しすぎたから口座を解約したい」と金融機関に申し出ても、解約できないのです。

教育資金の一括贈与の非課税措置を利用する際は、制度の利用や贈与する金額を慎重に判断する必要があります

滝 文謙
ナビナビ保険監修
公認会計士・税理士・AFP資格者
滝 文謙

この教育資金口座は最初に一回拠出したら、追加で拠出することはできないかという質問を受けますが、追加で拠出は可能です。
例えば最初に1,000万円拠出して、明らかに足りないということが分かったので、追加で700万円拠出しようと思ったとします。しかし、非課税枠は1,500万円ですので、追加で200万円までは非課税で拠出できるということになります。超えた金額はただ単に普通の贈与をしたことになり、贈与税の対象となるので注意が必要です。

暦年贈与の方がよい場合も

暦年贈与とは、贈与税の非課税枠である110万円の範囲内で毎年贈与することです。

贈与税額は、年間(1月1日〜12月31日)で贈与された金額から基礎控除を差し引いた価格に、税率を掛けて計算します。

基礎控除110万円の範囲内で資金を贈与すると、贈与税が課税されません

教育資金の一括贈与の非課税措置には、資金用途が限定されているだけでなく、受贈者となる子供や孫が口座を管理しなければなりません。

そのため、教育資金の一括贈与の非課税措置は、人によっては使いにくい場合があるのです。

教育資金をまとめて贈与する必要がないのであれば、暦年贈与で教育資金を子や孫に贈与するのもひとつの方法です。

ただし、毎年110万円以内で財産を贈与しても、最初から一括で資金を渡す契約であったとみなされると、贈与税が課税される場合があります

例えば、毎年90万円ずつ10年間にわたって贈与したとしましょう。場合によっては、最初から900万円を渡す予定であったとみなされて、贈与税が課せられる可能性があるのです。

まとめ

最後に、教育資金の贈与に関する大切なポイントをまとめます。

教育資金の一括贈与の非課税措置

  • 相続税対策として、教育資金を子や孫に贈与するケースがある
  • 贈与された財産額が年間110万円を超えると、贈与税の負担が発生する
  • 教育資金を必要なタイミングで都度贈与した場合、贈与税がかからない
  • 教育資金の一括贈与の非課税措置を利用すると、1,500万円までの贈与に対して贈与税がかからない
  • 非課税措置の対象となるのは、贈与された資金が所定の教育費用の支払いに充てられた場合
  • 教育資金の一括贈与の非課税措置を利用するには、銀行や信託銀行などの金融機関で教育資金口座を開設する必要がある

教育資金の一括贈与の非課税措置の注意点

  • 平成31年4月1日以降は、教育資金の一括贈与の非課税措置に所得要件が加わり、子や孫の所得が1,000万円を超えていると非課税措置を利用できない
  • 非課税措置の資金口座は一度開設すると解約できない
  • 教育資金の一括贈与の非課税措置は原則として受贈者が30歳となった時点で終了する
  • 口座契約が終了した時点で、残高がある場合は贈与税の課税対象となる
  • 贈与された資金のうち教育資金以外の支払いに充てられた場合、口座契約終了時にまとめて贈与税の課税対象となる
  • 教育資金口座は、受贈者が管理しなければならない
  • 教育資金の一括贈与の非課税措置よりも、毎年110万円以内の金額を贈与する「暦年贈与」の方が効果的な場合がある

教育資金の一括贈与の非課税措置では、まとまった資金を子供や孫に贈与できます。

しかし、教育資金口座は受贈者が管理する必要があり、契約の終了日実は残高に対して贈与税が課税されます。

場合によっては、教育資金を都度贈与したり暦年贈与をしたりする方が、効果的かもしれません。

ご自身にとって効果的な贈与方法が分からない場合は、ファイナンシャルプランナーや税理士をはじめとする、有資格者への相談も検討しましょう。

品木 彰
この記事の執筆者

品木 彰

大手生命保険会社にて7年半勤務し、チームリーダーや管理職候補として個人営業、法人営業の両方を経験。その後、人材会社で転職コンサルタントとしての勤務を経て、2019年1月よりwebライター/監修者として独立。
所有資格
ファイナンシャル・プランニング技能士2級, 日商簿記検定3級
藤田 匡紀
この記事の監修者

藤田 匡紀

新卒で日本生命保険相互会社に入社し、販売企画・代理店営業など多様な業務に従事。13年間勤務した後「もっと多くの人に、保険の必要性を正しく理解してもらいたい」という思いを胸にエイチームフィナジーに入社、ナビナビ保険の運営に参画。金融機関における顧客向け相続セミナー・研修会の実績も多数あり。
所有資格
AFP資格、証券外務員Ⅱ種
ナビナビ保険編集部
この記事の編集者

ナビナビ保険編集部

ナビナビ保険編集部は「どこよりも分かりやすい保険情報を届けること」をコンセプトにコンテンツの配信を行っています。

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