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更新 更新:2022.06.24

災害に備えられる保険とは?種類や補償内容を解説

災害に備えられる保険とは?種類や補償内容を解説
執筆者

品木 彰

ファイナンシャルプランナー
所有資格
ファイナンシャル・プランニング技能士2級, 日商簿記検定3級
専門分野・得意分野
保険全般・不動産関連・税金・投資

洪水や強風、火災などの災害が発生すると、自宅や自家用車などが損害を負うことがあります。建物の建て替え費用や車の修理費用は高額になることがあるため、必要に応じて損害保険に加入して備えることが大切です。

災害の種類によって、選択すべき保険や補償内容が異なります。災害が発生して損害を負っても、加入する損害保険の補償が対応していなければ保険金は支払われません。そのため、備えたい災害に応じて、保険の種類や補償内容を適切に選ぶ必要があります。

本記事では、災害に備えられる保険の種類や補償内容を解説します。

災害によって補償内容は異なる

災害には、自然災害(天災)人的災害(人災)の2種類があります。それぞれに該当する災害の例は、以下の通りです。

自然災害と人的災害の例
自然災害 ・洪水・土砂崩れ
・強風・暴風・竜巻
・大雪・雪崩
・雹(ひょう)
・落雷
・地震・噴火・津波 など
人的災害 ・火災
・爆発
・事故(列車事故・航空事故・海難事故・交通事故など)
・有害物質の流出
・戦争・テロ など

災害による損害を補償する保険は「火災保険」「地震保険」「自動車保険(車両保険)」が代表的です。

火災保険は、火災や自然災害によって建物やその中の家財(家具・家電など)が損害を負ったときに保険金が支払われます。

車両保険は、補償の対象である車両が事故で負った損害を補償する保険です。 損害を幅広くカバーする「一般タイプ」と、補償範囲を限定する代わりに保険料を抑えた「エコノミータイプ」の2種類があります。

地震保険は、 地震や噴火、それらによる津波によって、建物やその中の家財だけが損害を負ったときに保険金が支払われます。単独では加入できず、必ず火災保険とセットで加入しなければなりません。

また、災害によってケガや後遺障害を負ったり、死亡したりしたときは「傷害保険」に加入していれば、保険金を支払ってもらえることがあります。

ここからは、災害の種類と対応する損害保険の補償を、自然災害と人的災害に分けて解説していきます。

自然災害の損害を補償する保険

洪水や土砂崩れ、強風などの自然災害による損害の補償は、以下の通りです。

自然災害の損害を補償する保険の範囲
火災保険 地震保険 自動車保険
(車両保険)
洪水・土砂崩れ ×
強風・暴風・竜巻 ×
大雪・雪崩 ×
雹(ひょう)・霰(あられ) ×
落雷 ×
地震・噴火・津波 ×

洪水・土砂崩れ

台風や集中豪雨などが原因で発生した洪水や土砂崩れなどは、火災保険の水災補償でカバーされます。

また、洪水で車が流されたり、土砂崩れで車が埋もれてしまったりしたときは、車両保険の補償が適用されます。

強風・暴風・竜巻

「台風による強風で自宅の窓ガラスが割れた」「暴風によってベランダが破損した」など、強風や暴風、竜巻による損害は、火災保険の風災補償の対象です。

強風や暴風などで飛んできたものによって車が傷ついたときや、車が煽られて横転したときなどは、車両保険の保険金を受け取れます。

大雪・雪崩

雪の重みで屋根が変形したときや、雪崩によって建物が傷ついたときなどは、火災保険の雪災補償が適用されます。

雪の重みによって車の屋根がへこんだときや、車が雪で潰れたカーポートの下敷きになったときは、車両保険の補償対象です。

雹(ひょう)・霰(あられ)

雹は、直径が5mm以上の氷の粒のことです。5ミリ未満のものは霰(あられ)といいます。雹や霰によって、自宅の窓が割れるなどの被害が生じたときは、火災保険の雹(ひょう)災補償の対象です。

また、雹や霰が車の窓ガラスを割ったり、車両本体を傷つけたりしたときは、車両保険の補償対象となります。

地震・噴火・津波

地震や噴火、津波による損害は、ほぼすべての損害保険で免責事項となっています。そのため、地震によって建物が壊れたときや、津波によって自宅やその中の家具が流されたときなどは、火災保険の補償は適用されません。

地震保険に加入していれば、地震や津波によって建物や家具、家電などが損害を負ったとき、保険金が支払われることがあります。

地震による地割れに車が巻き込まれて損害を負ったときや、津波によって車が水没したときなどは、車両保険の保険金は支払われません。

ただし、車両保険に地震・噴火・津波危険車両全損時一時金特約が付いていれば、車が地震や津波による損害にあったとき、最大50万円程度の一時金を支払ってもらえることがあります。

人的災害の損害を補償する保険

人的災害の種類はさまざまですが、ここでは「火災・爆発」「交通事故」「戦争・テロ」の補償をみていきましょう。

人的災害の損害を補償する保険
火災保険 地震保険 自動車保険
(車両保険)
火災・爆発
(地震が原因の火災のみ)
交通事故 × ×
戦争・テロ × × ×

火災・爆発

「隣の家からのもらい火によって自宅が全焼した」「ガス漏れによって爆発が起きて、建物が損傷した」など、火災や爆発による損害は、火災保険で補償されます。

また、車両保険に加入していれば、火災や爆発によって車が損害を負ったとき、修理費用や買替費用に対して保険金が支払われます。

ただし、地震が原因による火災では、保険金は支払われません。地震による火災を補償するためには、地震保険に加入する必要があります。

交通事故

「車同士で衝突して車が大破した」「電柱に激突して車の修理が必要になった」など、交通事故によって車が損害を負ったときは、車両保険の保険金が支払われます。

ただし、エコノミータイプの車両保険に加入していた場合、相手がいない事故(自損事故)については補償の対象外です。

また自動車保険は、以下の通り交通事故によるさまざまな損害を補償します。

  • 事故相手のけがや後遺障害、死亡:自賠責保険・対人賠償責任保険
  • 事故相手の車両やモノなどの損害:対物賠償責任保険
  • ドライバー・同乗者のけがや後遺障害、死亡:人身傷害保険・搭乗者傷害保険など

戦争・テロ

戦争やテロは、すべての損害保険で免責事項に指定されています。

そのため、 戦争やテロによって自宅や車が損害を負っても、保険金は支払われません。

災害によって損害を負ったときの公的支援

台風や地震などの災害によって自宅が損害を負ったときは、被災者生活再建支援制度や災害救助法を利用できることがあります。

被災者生活再建支援制度

被災者生活支援制度は、 自然災害によって住宅が損害を受けるなど、生活基盤に著しい損害を受けた世帯に対して支援金を支給してもらえる制度です。

被災者生活再建支援制度の支援金は「基礎支援金」と「加算支援金」に分かれています。

基礎支援金の支給額
住宅の被害程度 支給額
全壊(住宅が全壊した世帯) 100万円
解体(住宅が半壊または住宅の敷地に被害が生じその住宅をやむをえず解体した世帯 )
長期避難(災害による危険な状態が継続し、住宅に住居不能な状態が長期間継続している世帯)
大規模半壊(住宅が半壊し大規模な補修をしなければ居住が困難世帯) 50万円
加算支援金の支給額
住宅の再建方法 支給額
建設・購入 200万円
補修 100万円
賃借(公営住宅以外) 50万円

被災者生活再建支援制度を受け取れるのは、基礎支援金の支給額を決める要素でもある住宅の被害程度のいずれかに該当した世帯です。支援金額は、最大300万円です。

また地方自治体によっては、住宅の被害を受けた世帯に対して独自の支援金を支給する制度を実施している場合があります。

災害に備えるために、火災保険や地震保険への加入を検討するときは、お住まいの自治体が実施している支援制度についても確認してみましょう。

災害救助法

災害によって自宅の屋根や床、壁など、日常生活において必要不可欠な部分が損傷したときは、災害救助法によって応急修理に必要な費用を補助してもらえます。補助の限度額は、1世帯あたり547,000円です。

災害救助法の対象となる応急修理の範囲は、以下の通りです。

災害救助法の対象となる応急修理の範囲

  • 屋根、柱、床、外壁、基礎など
  • ドア、窓等の開口部
  • 上下水道、電気、ガス等の配管、配線
  • 衛生設備

※出典:内閣府防災情報「住宅の応急修理

住宅の応急修理ができるのは、災害救助法が適用された市町村で、以下の条件を満たす世帯です。

災害救助法で住宅の修理ができる要件

  • 災害により住宅が半壊または半焼した方
  • 応急仮設住宅等に入居していない方
  • 自ら修理する資力のない方

※大規模半壊以上の世帯については資力はとわない

自宅が半壊の場合は、前年の世帯収入が一定以下であれば、災害救助法で住宅の修理ができます。また、借家の場合は、大家さんが修理をしてくれないときに限り、災害救助法で住宅の応急修理費用を補助してもらえます。

災害の被害に遭ったときは確定申告で税金を優遇してもらえることがある

火災保険や地震保険、自動車保険などの保険金に税金は課せられません。そのため保険金を受け取っても、確定申告は不要です。

ただし「雑損控除」や「災害減免法による所得税の軽減免除」を受ける場合は、確定申告が必要です。

雑損控除

雑損控除は災害や盗難、横領によって対象となる資産が損害を受けたとき、一定の金額を所得から控除できる制度です。

所得から控除できる金額は、以下のうちいずれか低い金額です。

雑損控除の金額

  • (損害金額+災害等関連支出の金額-保険金等の額)-(総所得金額等)×10%
  • (災害関連支出の金額-保険金等の額)-5万円

※出典:国税庁「No.1110 災害や盗難などで資産に損害を受けたとき(雑損控除)」

損失額が大きく所得から控除しきれない場合は、最大で3年間繰り越せます。

災害減免法による所得税の軽減免除

災害減免法による所得税の軽減免除は、災害によって住宅や家財が一定の損害を負ったとき、所得税が軽減または免除される制度です。制度の対象となるのは、以下3点のすべてを満たした人です。

災害減免法による所得税の軽減免除の対象

  • 災害によって受けた住宅や家財の損害金額がその時価の2分の1以上
    ※保険金などにより補てんされる金額を除く
  • 災害にあった年の所得金額の合計額が1,000万円以下
  • その災害による損失額について雑損控除の適用を受けない

※出典:国税庁「No.1902 災害減免法による所得税の軽減免除」

軽減または免除される所得の額は、以下の通り所得金額の合計によって決まります。

所得金額の合計額 軽減または免除される所得の額
500万円以下 所得税の額の全額
500万円を超え750万円以下 所得税の額の2分の1
750万円を超え1,000万円以下 所得税の額の4分の1

※出典:国税庁「No.1902 災害減免法による所得税の軽減免除」

まとめ

災害は、洪水や強風などの「自然災害」と、事故や火災などの「人的災害」に分類されます。災害で自宅や所有する車が損害を負ったときは、火災保険や地震保険、自動車保険の補償を受けられることがあります。ただし、戦争やテロでの損害は補償されません。

また、自然災害によって自宅が損害を負った場合「被災者生活再建支援制度」や「災害救助法」など、公的な支援制度を利用できる場合があります。

備えたい災害を考え、万一のときに利用できる公的な制度も確認したうえで、加入する損害保険の種類や補償内容を選ぶと良いでしょう。

品木 彰

品木 彰

大手生命保険会社にて7年半勤務し、チームリーダーや管理職候補として個人営業、法人営業の両方を経験。その後、人材会社で転職コンサルタントとしての勤務を経て、2019年1月よりwebライター/監修者として独立。
所有資格
ファイナンシャル・プランニング技能士2級, 日商簿記検定3級
専門分野・得意分野
保険全般・不動産関連・税金・投資
ナビナビ保険編集部

ナビナビ保険編集部

ナビナビ保険編集部は「どこよりも分かりやすい保険情報を届けること」をコンセプトにコンテンツの配信を行っています。

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