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更新 更新:2021.01.04

障害年金とは?仕組み・要件と手続きの流れを分かりやすく解説します

障害年金とは?仕組み・要件と手続きの流れを分かりやすく解説します

障害年金とは?

障害年金は、病気やケガなどによって一定の障害状態となった場合に年金が受け取れるようになる制度のことです。

国民年金・厚生年金・共済年金の加入者全員がもれなく支給対象となっており、先天性や後天性を問わず障害状態と認められた場合に申請を行うことで年金が受け取れます

障害年金は加入している年金制度によって種類が異なり、障害状態と認められた人がもれなく受け取れる「障害基礎年金」や会社員が障害状態となった場合に受け取れる「障害厚生年金」などがあります。

障害年金の支給対象となる「障害の状態」とは

障害年金が支給されるのは、原則として1級〜3級までの障害等級のいずれかに該当する人です

障害の程度については、国民年金法施行令および厚生年金保険法施行令によって以下のように定義されています。

障害等級と定義
障害等級 法律による定義 具体的な内容
1級 身体機能の障害または長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの 他人の介助を受けなければ日常生活のことがほとんどできないほどの障害の状態です。身の回りのことはかろうじてできるものの、それ以上の活動はできない方(または行うことを制限されている方)、入院や在宅介護を必要とし、活動の範囲がベッドの周辺に限られるような方が、1級に相当します。
2級 身体の機能の障害または長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活が著しい制限を受けるかまたは日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの 必ずしも他人の助けを借りる必要はなくても、日常生活は極めて困難で、労働によって収入を得ることができないほどの障害です。例えば、家庭内で軽食をつくるなどの軽い活動はできてもそれ以上重い活動はできない方(または行うことを制限されている方)、入院や在宅で、活動の範囲が病院内・家屋内に限られるような方が2級に相当します。
3級 傷病が治らないで、労働が著しい制限を受けるか、または労働に制限を加えることを必要とする程度のもの 労働が著しい制限を受ける、または、労働に制限を加えることを必要とするような状態です。日常生活には、ほとんど支障はないが労働については制限がある方が3級に相当します。
障害手当金
※障害等級3級よりも軽い症状の障害の場合
傷病が治ったもので、労働が制限を受けるか、労働に制限を加えることを必要とする程度のもの

引用:障害年金が支給される「障害の状態」とは|政府広報オンライン

障害年金の請求は、上記の障害等級に該当し、障害状態であると認められる日(障害認定日)となります。

あらゆる病気やケガも障害年金の対象になる

障害年金は障害状態と認められた場合以外にも、あらゆる病気やケガも障害年金の支給対象となります。

以下でまとめた傷病名はほんの一部に過ぎませんが、障害年金を申請する際の参考としてください。

障害年金の支給対象となる傷病名(一部)
傷病名
目の障害
  • 白内障
  • 緑内障
  • 網膜色素変性症
  • 糖尿病性網膜症
  • ぶどう膜炎 など
聴覚・鼻腔機能・平衡機能・咀嚼・嚥下機能・音声又は言語機能の障害
  • 突発性難聴
  • メニエール病
  • 真珠腫性中耳炎
  • 音響外傷
  • 内耳障害
  • 失語症
  • 咽頭腫瘍
  • 舌がん
  • 外傷性鼻科疾患
  • 脳梗塞による言語機能の消失 など
肢体の障害
  • 上肢・下肢障害
  • 脳梗塞・脳出血後遺症
  • 脳血管疾患
  • 脳腫瘍、脳挫傷
  • 頸髄損傷
  • パーキンソン病
  • ヘルニア
  • 慢性関節リウマチ、悪性関節リウマチ
  • 人工関節、人工骨頭
  • 脳性麻痺、頚椎性麻痺
  • 糖尿病性神経障害
  • 線維筋痛症
  • アルコール性末梢神経障害
  • 骨肉腫 など
精神の障害
  • うつ病
  • 双極性障害(躁うつ病)
  • 統合失調症、気分障害
  • 発達障害
    学習障害、アスペルガー症候群、注意欠陥多動性障害(ADHD)、自閉症スペクトラムなど
  • アルコール依存症
  • ダウン症
  • てんかん
  • 若年性アルツハイマー
  • 認知症 など
血液・造血器・その他の障害
  • 悪性新生物(がん)
    立腺がん、胃がん、大腸がん、直腸がん、乳がん、子宮体がん、卵巣がん、肛門がん、悪性リンパ腫など)
  • 脳腫瘍
  • HIV(エイズ)
  • ヒト免疫不全ウイルス感染症
  • 白血病
  • 多発性骨髄腫
  • バセドウ病
  • ギラン・バレー症候群
  • 慢性疲労症候群(筋痛性脳脊髄炎)
  • 慢性群発頭痛 など

参照:障害年金の対象となる傷病名(一部)|NPO法人障害年金支援ネットワーク

障害年金の種類

障害年金には全部で3つの種類があります。

加入している公的年金の種類、言い換えれば「自営業や会社員などの働き方」によって対象となる障害年金の種類が異なるので、それぞれの特徴や条件について確認しておきましょう。

1. 障害基礎年金

障害基礎年金は国民年金加入者が受け取れる障害年金です。

日本では国民皆年金制度が導入されていることから、20歳以上60歳未満の人は必ず国民年金に加入しています。

そのため、基本的には全日本国民が障害基礎年金を受け取れるということになります

障害基礎年金の詳細な支給要件は以下のとおりです。

障害基礎年金の支給要件
支給要件
  1. 国民年金に加入している間に、障害の原因となった病気やケガについて初めて医師または歯科医師の診療を受けた日(初診日)があること
  2. 一定の障害の状態にあること
  3. 初診日の前日において、次のいずれかの要件を満たしていることが必要です。ただし、20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、納付要件はありません。
(1) 初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付または免除されていること(2) 初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと※20歳前や、60歳以上65歳未満(年金制度に加入していない期間)で、日本国内に住んでいる間に初診日があるときも含みます。
障害認定時 初診日から1年6ヶ月を経過した日(その間に治った場合は治った日)または20歳に達した日に障害の状態にあるか、または65歳に達する日の前日までの間に障害の状態となった場合。
※例えば、初めて医師の診療を受けた日から1年6ヶ月以内に、次の1.~8.に該当する日があるときは、その日が「障害認定日」となります。
  1. 人工透析療法を行っている場合は、透析を初めて受けた日から起算して3ヶ月を経過した日
  2. 人工骨頭又は人工関節をそう入置換した場合は、そう入置換した日
  3. 心臓ペースメーカー、植え込み型除細動器(ICD)又は人工弁を装着した場合は、装着した日
  4. 人工肛門の造設、尿路変更術を施術した場合は、造設又は手術を施した日から起算して6ヶ月を経過した日
  5. 新膀胱を造設した場合は、造設した日
  6. 切断又は離断による肢体の障害は、原則として切断又は離断した日(障害手当金又は旧法の場合は、創面が治癒した日)
  7. 喉頭全摘出の場合は、全摘出した日
  8. 在宅酸素療法を行っている場合は、在宅酸素療法を開始した日

参照:障害基礎年金の受給要件・支給開始時期・計算方法|日本年金機構

様々な要件がありますが、簡単にまとめると「障害や病気において初めて診療を受けた日(初診日)に国民年金に加入している人が受給できる障害年金」と覚えてもらえれば問題ありません。

なお、20歳未満の人や60歳以上65歳未満の人は国民年金に加入していませんが、国内在住の期間中に初診日を迎えた場合は障害基礎年金の支給対象に含まれます。

ただし、障害等級3級やそれに満たない軽微な症状の場合は、障害基礎年金を受け取ることができないので覚えておきましょう

2. 障害厚生年金

障害厚生年金は、厚生年金加入者が受け取れる障害年金です

会社員や公務員は勤務先の厚生年金制度に加入していますが、厚生年金は国民年金に上乗せして年金が受け取れる制度です。

障害厚生年金も同様で、障害基礎年金に上乗せした金額が受け取れることから自営業者よりも多額の年金が支給されます。

障害厚生年金の支給要件
支給要件
  1. 厚生年金に加入している間に、障害の原因となった病気やケガについて初めて医師または歯科医師の診療を受けた日(これを「初診日」といいます。)があること
  2. 一定の障害の状態にあること
  3. 初診日の前日において、次のいずれかの保険料納付要件を満たしていることが必要です。
(1) 初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付または免除されていること
(2) 初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと
障害認定時 初診日から1年6ヶ月を経過した日(その間に治った場合は治った日)に障害の状態にあるか、または65歳に達する日の前日までの間に障害の状態となった場合。
※例えば、初めて医師の診療を受けた日から1年6ヶ月以内に、次の1.~8.に該当する日があるときは、その日が「障害認定日」となります。
  1. 人工透析療法を行っている場合は、透析を初めて受けた日から起算して3ヶ月を経過した日
  2. 人工骨頭又は人工関節をそう入置換した場合は、そう入置換した日
  3. 心臓ペースメーカー、植え込み型除細動器(ICD)又は人工弁を装着した場合は、装着した日
  4. 人工肛門の造設、尿路変更術を施術した場合は、造設又は手術を施した日から起算して6ヶ月を経過した日
  5. 新膀胱を造設した場合は、造設した日
  6. 切断又は離断による肢体の障害は、原則として切断又は離断した日(障害手当金又は旧法の場合は、創面が治癒した日)
  7. 喉頭全摘出の場合は、全摘出した日
  8. 在宅酸素療法を行っている場合は、在宅酸素療法を開始した日

参照:障害厚生年金の受給要件・支給開始時期・計算方法|日本年金機構

障害厚生年金として支給される年金は、障害等級1級〜3級の度合いに応じて金額が変動します。

障害状態であっても非常に軽い症状の場合は、障害厚生年金の代わりに「障害手当金」という一時金が支給されます。

障害手当金とは

障害手当金とは、障害等級3級に満たない軽微な症状の障害に該当する厚生年金加入者が受け取れる一時金のことです。

厚生年金に加入している必要があるため、国民年金に加入している自営業者やフリーランスの人は障害手当金を受け取れません。

詳細な支給要件については以下をご参照ください。

障害手当金

  1. 厚生年金保険の被保険者である間に、障害の原因となった病気やケガの初診日があること
  2. 障害の状態が次の条件全てに該当していること
    (ア) 初診日から5年以内に治っている、または症状が固定していること
    (イ) 治った日に障害厚生年金を受け取ることができる状態よりも軽いこと
    (ウ) 障害等級表に定める障害の状態であること
  3. 保険料の納付要件を満たしていること
    ※ただし国民年金や厚生年金、共済年金を受給している人を除く

参照:障害年金ガイド(令和2年度版)|日本年金機構

3. 特別障害年金

特別障害年金は、任意加入制度の対象者だった人が公的年金制度に加入していない期間に障害状態となった場合に年金が受け取れる制度です。

支給対象となる人は以下の通りで、支給額もあらかじめ決められています。

特別障害給付金
支給対象
  1. 1991年(平成3年)3月以前に国民年金任意加入対象であった学生
    (ア) 次の①又は②の昼間部在学していた学生(定時制、夜間部、通信を除く。)
    ① 大学(大学院)、短大、高等学校および高等専門学校
    ② また、昭和61年4月から平成3年3月までは、上記①に加え、専修学校及び一部の各種学校
  2. 1986年(昭和61年)3月以前に国民年金任意加入対象であった被用者等の配偶者であって、当時、任意加入していなかった期間内に初診日(障害の原因となる傷病について初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日)があり、現在、障害基礎年金の1級、2級相当の障害状態にある方が対象となります。ただし、65歳に達する日の前日までに当該障害状態に該当された方に限られます。
    (ア) 被用者等の配偶者とは以下の場合となります。
    ① 被用者年金制度(厚生年金保険、共済組合等)の加入者の配偶者
    ② 上記①の老齢給付受給権者及び受給資格期間満了者(通算老齢・通算退職年金を除く)の配偶者
    ③ 上記①の障害年金受給者の配偶者
    ④ 国会議員の配偶者
    ⑤ 地方議会議員の配偶者(ただし、昭和37年12月以降)
支給額
  • 障害基礎年金1級相当に該当する方:令和2年度基本月額52,450円(2級の1.25倍)
  • 障害基礎年金2級相当に該当する方:令和2年度基本月額41,960円
※特別障害給付金の月額は、前年の消費者物価指数の上昇下降に合わせて毎年度自動的に見直しされます。※老齢年金、遺族年金、労災補償等を受給されている場合には、その受給額分を差し引いた額を支給いたします。(老齢年金等の額が特別障害給付金の額を上回る場合は、特別障害給付金は支給されません。)

参照:特別障害給付金制度|日本年金機構

なお、特別障害給付金には所得による支給制限があり、受給者本人の前年所得が462.1万円を超える場合は全額が支給停止、360.4万円を超える場合は2分の1が支給停止となります。

支給停止となる期間は8月分から翌年7月分までの1年間となるので、上記の支給対象に該当する人はご注意ください

障害年金をもらうための要件

障害年金を受け取るためには、以下でまとめた基本要件を満たしている必要があります。

初診日要件

障害年金を受け取るためには「初診日要件」を満たしていなければなりません

初診日要件とは、障害の原因となった病気やケガについて医師または歯科医師の診療を初めて受けた日のことです。

初診日を迎える際に国民年金に加入していると「障害基礎年金」、厚生年金に加入していると「障害厚生年金」が受け取れるようになります。

なお、初診日となるのは障害状態や病気について初めて診療を受けた日のことであり、傷病名が確定した日ではありません。

たとえば、最初の病院で躁うつ病と診断されたのち、別の病院で発達障害と診断された場合の初診日は、躁うつ病と診断された最初の病院を受診した日が初診日となります。

初診日を把握していないと障害年金の受給が難しくなってしまうのでご注意ください。

保険料が納付されている

初診日を迎えるにあたり、保険料納付要件として以下の2つの条件を満たしている必要があります。

保険料納付要件

  1. 年金保険の加入期間のうち、3分の2以上の保険料を納めていること
  2. 上記を満たさない場合、直近1年間で保険料の滞納期間がないこと

障害年金を受け取るためには、初診日の属する月の前々月までの被保険者期間において保険料納付期間が加入期間の3分の2以上でなければなりません

仮に3分の2以上の保険料納付期間がなくても、初診日の属する月の前々月までの過去1年以内に保険料の滞納期間がなければ受給要件を満たすことができます。

その場合は「65歳以上でないこと」「2026年4月1日よりも前に初診日があること」の2つの条件が追加されます。

なお、20歳よりも前に初診日を迎えている人については保険料納付要件を満たす必要はありません(国民年金に加入できる年齢が20歳からであるため)。

また、保険料の免除期間がある場合、その期間についても保険料を払い込んだものと認められているので保険料納付要件を満たしていることになります。

一定の障害状態に該当している

障害年金は一定の障害状態(障害等級)に該当していなければ受け取ることができません。

障害等級は「国民年金法施行令」と「厚生年金保険法施行令」によって1級・2級・3級と3段階で定められています。

また、「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」によって、体の部位ごとで障害と認められる状態が明確に定義されているため、症状によっては障害年金を受け取ることができない場合もあるのでご注意ください

なお、障害等級によって受給できる障害年金の種類は以下のように異なります。

障害等級によって受給できる障害年金の種類
障害等級 受給できる障害年金の種類
1級 障害基礎年金、障害厚生年金
2級 障害基礎年金、障害厚生年金
3級 障害厚生年金
3級に満たない障害状態 障害手当金(厚生年金加入者のみ)

※共済年金は平成27年に厚生年金へと統合されました

障害年金と障害者手帳は別物

なお、障害年金における障害等級は、一般的に用いられる「身体障害者手帳の等級」とは別種の等級表となっています。

そのため、身体障害者手帳を持っていなくても障害年金の請求手続きを行うことは可能です。

ただし、すでに身体障害者手帳を持っている人であっても、障害年金の障害等級を満たしていなければ障害年金を受給することができないいのでご注意ください。

障害年金の金額(令和2年度)

障害年金は毎年6回、偶数月の15日に前月と前々月の2ヶ月分が振り込まれます

  • 例:2020年12月15日に振り込まれる障害年金=2020年10月分と11月分

なお、支給日となる15日が土日祝の場合は直前の平日に振り込まれます。

障害年金は非課税で支給額は年度ごとで変わりますが、毎年4月15日に振り込まれるのは2月と3月分の前年度の金額となるのでご注意ください。

障害基礎年金の金額

障害基礎年金の支給額は、以下の計算式で算出されます。

障害基礎年金の計算式(令和2年度)

  • 障害等級1級:781,700円×1.25+子の加算
  • 障害等級2級:781,700円+子の加算
  • 子の加算:18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない又は20歳未満で障害等級1級か2級の障害者
    1. 第1子・第2子:各224,900円
    2. 第3子以降:各75,000円

参照:障害基礎年金の受給要件・支給開始時期・計算方法|日本年金機構

以下で障害基礎年金を受け取る場合の支給額シミュレーションをまとめているので参考にしてください。

なお、障害基礎年金の場合は配偶者の有無によって金額が変動することはありません。

子なし 子1人 子2人 子3人
障害等級1級 781,700円×1.25=977,125円
(月額81,427円)
781,700円×1.25+224,900円=1,202,025円
(月額100,168円)
781,700円×1.25+224,900円+224,900円=1,426,925円
(月額118,910円)
781,700円×1.25+224,900円+224,900円+75,000円=1,501,925円
(月額125,160円)
障害等級2級 781,700円
(月額65,141円)
781,700円+224,900円=1,006,600円
(月額83,883円)
781,700円+224,900円+224,900円=1,231,500円
(月額102,625円)
781,700円+224,900円+224,900円+75,000円=1,306,500円
(月額108,875円)

障害厚生年金の金額

障害厚生年金の支給額は、以下の計算式で算出されます。

障害厚生年金の計算式(令和2年度)

  • 障害等級1級:報酬比例の年金額×1.25+配偶者加給年金224,900円+障害基礎年金
  • 障害等級2級:報酬比例の年金額+配偶者加給年金224,900円+障害基礎年金
  • 障害等級3級:報酬比例の年金額(最低保障額586,300円)
  • 報酬比例の年金額:以下の2つを合算した金額
    1. 平均標準報酬月額×(7.125/1,000)×2003年までの被保険者期間の月数
    2. 平均標準報酬額×(5.481/1,000)×2003年4月以後の被保険者期間の月数
    ※平均標準報酬月額とは、平成15年3月までの被保険者期間の計算の基礎となる各月の標準報酬月額の総額を、平成15年3月までの被保険者期間の月数で除して得た額です※平均標準報酬額とは、平成15年4月以後の被保険者期間の計算の基礎となる各月の標準報酬月額と標準賞与額の総額を、平成15年4月以後の被保険者期間の月数で除して得た額(賞与を含めた平均月収)です※被保険者期間の月数が300に満たない場合は300として計算を行います

参照:障害厚生年金の受給要件・支給開始時期・計算方法|日本年金機構

障害厚生年金の計算式は、平均標準報酬月額と平均標準報酬額の2つを用いることから非常に複雑な内容となっています

これらは勤務先から受け取る給与や厚生年金の加入期間によって変動するため、受け取れる金額は人によって異なります。

以下では障害厚生年金として受け取れる年金額の目安をまとめていますが、実際の受給額は人によって大きく異なるのであくまで参考程度に留めておくようにしてください。

障害厚生年金の支給額シミュレーション
独身 配偶者あり
配偶者との2人世帯 配偶者と子2人の4人世帯
障害等級1級 約144万〜180万円
(月額約12万〜15万円)
約168万〜204万円
(月額約14万〜17万円)
約204万〜252万円
(月額17万〜21万円)
障害等級2級 約120万〜144万円
(月額約10万〜12万円)
約144万〜180万円
(月額約12万〜15万円)
約180万〜216万円
(月額15〜18万円)
障害等級3級 約60万〜72万円
(月額約5万〜6万円

参照:年金制度基礎調査(障害年金受給者実態調査)平成26年|e-Stat

障害厚生年金は、配偶者の有無によって支給される年金額が異なります

また、障害等級3級に該当する場合は障害年金の支給額に最低保障額が定められており、最低でも586,300円(月額48,858円)の障害厚生年金を受け取れます。

障害手当金の金額

障害手当金の金額は以下のとおりです。

障害手当金の計算式

  • 報酬比例の年金額の2年分(最低保障額1,172,600円)
  • 報酬比例の年金額:以下の2つを合算した金額
  • 平均標準報酬月額×(7.125/1,000)×2003年までの被保険者期間の月数
  • 平均標準報酬額×(5.481/1,000)×2003年4月以後の被保険者期間の月数
    ※平均標準報酬月額とは、平成15年3月までの被保険者期間の計算の基礎となる各月の標準報酬月額の総額を、平成15年3月までの被保険者期間の月数で除して得た額です※平均標準報酬額とは、平成15年4月以後の被保険者期間の計算の基礎となる各月の標準報酬月額と標準賞与額の総額を、平成15年4月以後の被保険者期間の月数で除して得た額(賞与を含めた平均月収)です※被保険者期間の月数が300に満たない場合は300として計算を行います※障害手当金は一時金として支給されます

障害手当金は障害等級3級に満たない軽微な症状の場合に支給される一時金で、障害厚生年金と同様で人によって受け取れる金額に差があります。

ただし、保険期間がどれだけ少なくても最低1,172,600円の一時金を受け取ることができるように最低保障額が定められていることが特徴です。

障害年金の申請手続きの進め方

障害年金を受け取るためには、以下の手順で申請手続きを進める必要があります。

障害年金の申請手続きの進め方

  1. 初診日を調べる
  2. 診断書を作成する
  3. 病歴・就労状況等申立書を作成する
  4. 各年金の種類に応じて市区町村窓口・年金事務所または年金相談センターで手続き

また、請求方法には「障害認定請求日」と「事後重症請求」の2種類があり、それぞれで準備することになる書類や受給できる金額、始めの受給時期が異なります

それぞれの方法についてわかりやすくご説明します。

障害認定日請求

障害認定日請求の例

障害認定日請求とは、初診日から1年6ヶ月が経過した時点(障害認定日)の翌月分から障害年金を受け取る方法です。

請求のためには「障害認定日から3か月以内の症状が記載されている診断書」が必要となり、障害認定日から1年以内に請求するのが原則です。

障害認定日から1年を過ぎても請求することができますが、受給できるのは過去5年分までの障害年金となります。

遡って請求する場合は、障害認定日時点の診断書と請求日から3か月以内の診断書の計2枚が必要です。

ちなみに、初診日が20歳より前の人の場合は障害認定日前後3か月以内の症状が記載されている診断書を準備することで障害年金の請求が可能となります。

事後重症請求

事後重症請求の例

事後重症請求とは、障害認定日以降に障害状態が悪化した65歳未満の人が障害年金を受け取れる方法です。

事後重症請求を行うためには「請求日の前3か月以内の診断書」が必要となり、過去分の受給はできません。

ただし、事後重症請求を行った場合は請求日の翌月分から受給できるようになるという特徴があります

2種類の請求方法で共通する必要書類

障害認定日請求、並びに事後重症請求を行うためには、以下の共通した書類が必要です。

障害年金を請求する際に必要な書類
障害年金 障害基礎年金 障害厚生年金
必要書類
  • 年金請求書
  • 年金手帳
  • 戸籍謄本、戸籍抄本、戸籍の記載事項証明、住民票、住民票の記載事項証明書のいずれか
  • 医師の診断書(障害認定日より3か月以内の現症のもの)
  • 受診状況等証明書
  • 病歴・就労状況等申立書
  • 受け通り先金融機関の通帳等(本人名義)
  • 印鑑
18歳到達年度末までの子供または20歳未満の障害がある子供がいる場合
  • 戸籍謄本(記載事項証明書)
  • 世帯全員の住民票の写し(マイナンバー記入で省略可能)
  • 子の収入が確認できる書類(マイナンバー記入で省略可能)
  • 医師または歯科医師の診断書(20歳未満で障害の状態にある子供がいる場合のみ必要)
  • 戸籍謄本(記載事項証明書)
  • 世帯全員の住民票の写し(マイナンバー記入で省略可能)
  • 配偶者の収入が確認できる書類(マイナンバー記入で省略可能)
  • 子の収入が確認できる書類(マイナンバー記入で省略可能)
  • 医師または歯科医師の診断書(20歳未満で障害の状態にある子供がいる場合のみ必要)
提出先 現住所のある市区町村役場
※初診日が国民年金第3号被保険者期間中の場合は年金事務所または年金相談センター
年金事務所または年金相談センター

参照:障害基礎年金を受けられるとき|日本年金機構参照:障害厚生年金を受けられるとき|日本年金機構

年金請求書は、日本年金機構の公式ホームページからダウンロードができるほか、全国の年金事務所または年金相談センターに備え付けられています。

公式ホームページや各窓口に記載例が掲載されているので、そちらを参照しながら必要項目を埋めて書類を完成させましょう。

障害状態に備える保険は?

障害年金は公的年金(国民年金または厚生年金)に加入している人が障害状態となった場合や病気を発症した場合に受け取ることができる年金です

公的年金とは別に、民間の保険会社が販売する保険商品にも障害状態に備えられるものがあります。

生命保険の高度障害保険金

生命保険の高度障害保険金は、保険商品の約款で定められた障害状態となった場合に保険金が支払われます

ただし、高度障害状態(完全な失明状態や上肢・下肢の喪失など)となった場合に保険金が支払われることから、障害年金の受給要件よりも条件が厳しめに設定されています。

具体的には終身保険や定期保険などに付いている機能ですが、障害年金とは全く異なる支給要件が設けられている点には注意が必要です。

また、高度障害保険金を受け取るとその時点で保険契約が消滅となってしまうので、死亡保険金は受け取れなくなってしまう点にもご注意ください。

就業不能保険

就業不能保険とは、長期間の入院や在宅療養などによって働けない状態となった場合の収入減少に備えるための保険です。

医療保険ではカバーされない収入の減少を賄うことができ、年金形式で給付金を受け取れることから万が一の障害状態となった場合でも安心です。

ただし、保険会社や保険商品によって保障内容が大きく異なり、精神疾患や一部の症状では保障が適用されないケースがあるので気をつけましょう。

障害年金についてのよくある質問Q&A

最後に、障害年金について聞かれることが多い「よくある質問」にお答えします。

Q. 障害年金はいつまで支給されますか?

A. 障害年金を受け取るためには障害認定を受けなければなりません。

障害認定には「永久認定」と「有期認定」の2種類があり、どちらに該当するかによって障害年金が支給される期間が異なります。

障害認定ごとの支給期間

  • 永久認定:原則として死亡するまで障害年金を受け取れる
  • 有期認定:1〜5年ごとに更新を行い、障害状態が軽くなった場合には等級の下降または障害年金の支給停止を行う

永久認定の場合は原則として永久に障害年金が支給されますが、有期認定の場合は障害状態によっては障害年金の支給額が減額または支給停止となります。

有期認定の場合は更新時期になると「障害状態確認届」が送付され、この書類を返送しないと障害年金の支給が停止されてしまうのでご注意ください

Q. 障害年金を受け取った場合、所得税や住民税はかかりますか?

A. 障害年金は非課税であるため、所得税や住民税は発生しません。

また、老齢年金のように控除されることもありません。

Q. 労災関係の給付が受け取れる場合、障害年金も受け取れますか?

A. 特定の病気やケガで労災関係の給付が受けられる場合であっても、所定の要件を満たしていれば障害年金も受け取ることができます。

ただし、両方を受け取る場合は障害年金の種類に応じて、労災関係の給付額が73〜88%ほど減額されます。

なお、20歳未満での障害による障害基礎年金がある場合には、障害年金が全額支給停止となり、労災関係の給付額が全額支給されることになります。

Q. 受給資格を失う(失権する)場合、再び障害年金を受け取ることはできますか?

A. 以下の事由に該当する場合、障害年金の受給資格を失う(失権する)ことになります。

障害年金の失権事由

  1. 受給者が死亡した場合
  2. 障害等級に該当しなくなったまま65歳に達した又は障害状態に該当しなくなってから3年を経過したときのどちらか遅い方
  3. 障害年金受給者に新たな障害が発生して併合認定された場合(それまでの障害年金のみ失権)

支給停止となった場合は再支給される可能性がありますが、受給資格を失権した場合は改めて障害状態と認定されない限りは再び障害年金を受け取ることはできません。

まとめ

障害年金とは、病気やケガなどによって一定の障害状態となった場合に年金が受け取れるようになる制度のことです。

自営業者は国民年金に加入していることから「障害基礎年金」のみ、会社員や公務員の場合は厚生年金に加入しているため、障害基礎年金に上乗せする形で「障害厚生年金」が受け取れます。

障害基礎年金は現住所の市区町村役場、障害厚生年金は最寄りの年金事務所または年金相談センターで申請手続きを行うことになるのでぜひ覚えておいてください。

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中村 翔也
この記事の執筆者

中村 翔也

携帯代理店法人部門にて営業職として2年半勤務後、2017年12月よりwebライターとして独立。通信ジャンルをメインに金融系、保険記事を毎月30本以上執筆。
所有資格
ファイナンシャル・プランニング技能士3級
藤田 匡紀
この記事の監修者

藤田 匡紀

新卒で日本生命保険相互会社に入社し、販売企画・代理店営業など多様な業務に従事。13年間勤務した後「もっと多くの人に、保険の必要性を正しく理解してもらいたい」という思いを胸にエイチームフィナジーに入社、ナビナビ保険の運営に参画。金融機関における顧客向け相続セミナー・研修会の実績も多数あり。
所有資格
AFP資格、証券外務員Ⅱ種
ナビナビ保険編集部
この記事の編集者

ナビナビ保険編集部

ナビナビ保険編集部は「どこよりも分かりやすい保険情報を届けること」をコンセプトにコンテンツの配信を行っています。