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更新 更新:2021.02.04

資産寿命を延ばすコツは?老後のための考え方を分かりやすく解説します

資産寿命を延ばすコツは?老後のための考え方を分かりやすく解説します

資産寿命とは?

資産寿命とは、老後生活を送るにあたって、それまでに形成してきた資産が尽きるまでの期間のことを指します。

資産寿命が尽きた後は公的年金などのフロー収入をもって老後の生活を営んでいくこととなります。

令和となった現在では、平均寿命は男性が約81歳、女性は約87歳と過去に比べて右肩上がりで平均寿命の延伸化が進んでいます。

平均寿命の延伸化による長寿は非常に喜ばしいことである一方で、ライフスタイルの変化や高齢者の介護負担増、長寿化による生活資金の不足といった様々な問題が発生しているのが現状です。

また、近年の日本では「失われた20年」と呼ばれるように経済停滞の影響を強く受け、賃金の伸び悩みに伴い収入面が低下傾向にあるため、0から1を築き上げる「資産形成」を行うのも難しい状況にあります。

さらに、少子化の影響も相まって働き手は減少する一方で、高齢化に伴って税金や保険料の負担は大きく、現役世代の負担は増すばかりとなっています。

そうした中で重要とされるのが、今後の長寿化の進展や平均余命等を参考にしながら、自身の老後生活において「公的年金以外で賄わなければいけない金額」を把握し、現在の資産寿命を延ばすための策を講じることとされています。

老後の生活を営むのに必要な資金はどれくらい?

総務省が公表する「家計調査年報(家計収支編)2018年」によると、夫65歳以上・妻60歳以上の高齢夫婦無職世帯における実収入は「222,834円」であることがわかっています。

高齢夫婦無職世帯の家計収支(2018年)

さらに、実収入に対して支出額の合計金額は「264,707円」となっており、差額分の41,873円は貯蓄を取り崩して生活をしているという結果が出ています。

なお、上記の収入は公的年金や社会保障給付を含む金額で、支出面には介護費用や葬儀費用などは含まれていません。

また、生命保険文化センターが発表する「令和元年度 生活保障に関する調査」を参照すると、老後に旅行やレジャーなどを楽しむゆとりのある生活を送るための平均月額費用は36.1万円となっています。

これらを考慮すると、65歳以降の老後生活を営むために、公的年金等を除いた最低限必要な老後資金の概算は以下の通りになります。

高齢夫婦無職世帯に必要な老後資金

  • 生活費の赤字分:33,270円 × 240か月(20年)= 798.48万円
  • 介護費用:500万円 × 2人分 = 1,000万円
  • 葬儀費用:100万円 × 2人分 = 200万円
  • 合計金額:1,998.48万円 ≒ 2,000万円

つまり、公的年金や社会保障給付等を除いておおよそ2,000万円の老後資金を貯蓄しておく必要があるということがわかります。

この金額はあくまで平均額の不足分から算出した金額なので、実際の不足分は各世帯の家計状況やライフスタイル等によって大きく異なります。

当然ながら不足しないケースも考えられますが、平均寿命の延伸化が進んでいることを踏まえると、上記の金額よりもさらなる貯蓄を作るために資産寿命を延ばすことが必要といえるでしょう。

資産運用で資産寿命は延長する

ライフステージと資産推移のイメージ

資産寿命を延ばすためには「老後も働き続けて収入を得る」「無駄な支出を減らす」といった方法が挙げられます

ただし、60歳以上で働いたとしても賃金の伸び悩みといった問題は変わらず、高齢化に伴って働き口もごく限られたものしかないでしょう。

固定費を削減して支出を見直すことはぜひ実践していただきたいところですが、削減できる金額にも限度があります。

そうした中で有効とされるのが「長期・積立・分散」の3つを伴った資産運用です。

日本人は諸外国に比べて現金を保有する割合が高いとされていますが、昨今の低金利状態では現金を銀行に預け入れていてもほとんど利息は得られません。

生活資金を除いた余剰資金を資産運用に回すことで、一度に大きな金額とはならないものの、長期間に渡って少しずつ利益を得ることができ、結果として資産寿命を延ばすことにつながります。

たとえば、1年で100万円の利息を得るよりも10年間で11万円ずつの利息を得たほうが、20.315%の税率(2020年11月時点)を考慮したとしても手残りが多くなりますし、一度に100万円の利益を狙うよりも難易度は高くありません。

こうした考え方を持った上で資産運用を行い、資産寿命を延ばすために尽力することで安定した老後生活を送るための資金を貯蓄することが可能となります。

資産寿命のシミュレーション

この章では資産寿命のシミュレーション結果をご紹介していきます。

以下の前提条件をもとにして、資産運用を行った場合と行わなかった場合とで資産寿命の尽きる年齢を見てみましょう。

前提条件

  • 金融資産額:1,000万円
  • 取り崩しを始める年齢:60歳
  • 毎月の取り崩し金額:5万円
  • 想定利回り:2%

資産寿命の推移シュミレーション

金融資産1,000万円を60歳から毎月5万円ずつ取り崩した場合の資産寿命シミュレーション
資産運用を 年利 資産寿命 年齢
行わなかった場合 0% 16年8か月(200か月) 76歳8か月目
行った場合 2% 20年4か月(244か月) 80歳4か月目

ご覧の通り、金融資産1,000万円を60歳から毎月5万円ずつ取り崩していくケースでは、年利2%の資産運用を行うことで資産寿命を約4年間延ばすことができます

上記はあくまで一例であり、各世帯の家計状況やライフスタイル等によって実際の金額とは異なるため、ここでは資産運用を行った場合と行わなかった場合とで資産寿命がこれだけ変わるということを知ってもらえれば幸いです。

資産寿命を延ばすための具体的な運用方法

老後2,000万円問題の発端ともなった金融庁の「金融審議会市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」(令和元年6月3日)」では、“個人が資産形成を行うに際して制度的な環境が整いつつある”として「つみたてNISA」と「iDeCo」の2つを取り上げています。

つみたてNISAは年間40万円までの積立投資における運用益が全額非課税となる制度で、20歳以上の国内在住者であれば誰でも利用でき、いつでも資産の引き出しが可能です。

一方のiDeCoは掛け金の上限が定められており、原則として60歳になるまで資産を引き出すことができませんが、運用益に加えて掛金や受給額に対しても一定の控除が受けられるなどの税制上の優遇措置が認められています

つみたてNISAとiDeCoそれぞれの特徴
つみたてNISA iDeCo
年間投資上限額 最大40万円 14.4万円〜81.6万円
※保険者資格によって上限額が異なる
非課税期間 投資した年から最長20年間 加入から60歳になるまで
(最大10年まで延長が可能)
途中換金 可能
※ただし非課税枠の再利用は不可
不可
資金の引き出し 可能 原則60歳まで引き出しは不可
※重度の障害状態や死亡時には給付金として引き出しが可能
投資対象商品 長期の積立・分散投資に適した一定基準を満たした公募株式投資信託・ETFなど 定期預金・保険・投資信託など

これらの制度は、どちらか一方を選択するというより、両者を併用して子供の教育資金や住宅の購入費用などの「計画的な支出」と、病気やケガ、失業などの「突発的な支出」への備えをしながら老後資金の貯蓄をすることが望ましいとされています。

まとめ

資産寿命とは、老後生活を送るにあたって、それまでに形成してきた資産が尽きるまでの期間のことを指します。

あくまで2018年度における平均額ではありますが、65歳以上の高齢夫婦無職世帯の収支状況を鑑みると毎月約4万円の貯蓄を取り崩しながら生活を送っていることがわかりました。

これらには介護費用や葬儀費用は含まれておらず、平均寿命の85歳前後まで生活することを考えるとおおよそ2,000万円の資産を貯蓄しておく必要があり、資産寿命を延ばすことの重要性は非常に高い状況にあるといえます。

資産寿命を延ばすための具体的な方法として「つみたてNISA」や「iDeCo」が挙げられ、両者を併用することで計画的な支出や突発的な支出に備えながらも、効率よく老後資金の貯蓄を進めていくことができます。

平均寿命の延伸化が進んでいる日本において、資産運用はいつから始めても決して遅いといったことはありません。

この記事を読んだことをきっかけに、資産寿命を延ばすための資産運用に取り組んでいただければ幸いです。

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中村 翔也
この記事の執筆者

中村 翔也

携帯代理店法人部門にて営業職として2年半勤務後、2017年12月よりwebライターとして独立。通信ジャンルをメインに金融系、保険記事を毎月30本以上執筆。
所有資格
ファイナンシャル・プランニング技能士3級
ナビナビ保険編集部
この記事の執筆者

ナビナビ保険編集部

ナビナビ保険編集部は「どこよりも分かりやすい保険情報を届けること」をコンセプトにコンテンツの配信を行っています。
藤田 匡紀
この記事の監修者

藤田 匡紀

新卒で日本生命保険相互会社に入社し、販売企画・代理店営業など多様な業務に従事。13年間勤務した後「もっと多くの人に、保険の必要性を正しく理解してもらいたい」という思いを胸にエイチームフィナジーに入社、ナビナビ保険の運営に参画。金融機関における顧客向け相続セミナー・研修会の実績も多数あり。
所有資格
AFP資格、証券外務員Ⅱ種

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