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更新 更新:2022.10.31

人生100年時代に資産寿命を延ばすコツは?シミュレーション結果も紹介!

人生100年時代に資産寿命を延ばすコツは?シミュレーション結果も紹介!
監修者

清水 克俊

名古屋大学教授
所有資格
博士(経営学)
専門分野・得意分野
金融経済学、金融政策、コーポレートファイナンス
監修者

藤田 匡紀

所有資格
AFP資格、証券外務員Ⅱ種
専門分野・得意分野
生命保険全般、資産運用
執筆者

中村 翔也

ファイナンシャルプランナー
所有資格
ファイナンシャル・プランニング技能士3級
専門分野・得意分野
保険全般・金融全般・通信全般

資産寿命とは?

資産寿命とは、老後生活を送るにあたって、それまでに形成してきた資産が尽きるまでの期間のことを指します。

資産寿命が尽きた後は公的年金などのフロー収入をもって老後の生活を営んでいくこととなります。

令和となった現在では、平均寿命は男性が約81歳、女性は約87歳と過去に比べて右肩上がりで平均寿命の延伸化が進んでいます。

平均寿命の延伸化による長寿は非常に喜ばしいことである一方で、ライフスタイルの変化や高齢者の介護負担増、長寿化による生活資金の不足といった様々な問題が発生しているのが現状です。

また、近年の日本では「失われた20年」と呼ばれるように経済停滞の影響を強く受け、賃金の伸び悩みに伴い収入面が低下傾向にあるため、0から1を築き上げる「資産形成」を行うのも難しい状況にあります。

さらに、少子化の影響も相まって働き手は減少する一方で、高齢化に伴って税金や保険料の負担は大きく、現役世代の負担は増すばかりとなっています。

そうした中で重要とされるのが、今後の長寿化の進展や平均余命等を参考にしながら、自身の老後生活において「公的年金以外で賄わなければいけない金額」を把握し、現在の資産寿命を延ばすための策を講じることとされています。

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老後の生活を営むのに必要な資金はどれくらい?

総務省が公表する「家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)」によると、夫65歳以上・妻60歳以上の高齢夫婦無職世帯における実収入は「236,576円」であることがわかっています。

さらに、実収入に対して支出額の合計金額は「255,100円」となっており、差額分の18,525円は貯蓄を取り崩して生活をしているという結果が出ています。

なお、上記の収入は公的年金や社会保障給付を含む金額で、支出面には介護費用や葬儀費用などは含まれていません。

生命保険文化センターの調査の調査によると、介護費用の平均は以下の通りです。

  • 毎月の介護費用(介護サービスの利用料など):平均8.3万円
  • 一時的な介護費用(住宅の改修費用や介護ベッドの購入費用など):74万円

同調査によると、平均的な介護期間は61.1か月であるため、単純計算で8.3万円×61.1か月+74万円=約581.1万円の介護費用がかかることになります。
※生命保険文化センター「2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査

また、株式会社鎌倉新書の調査によると、葬儀費用とお墓の購入費用それぞれの平均を合計すると、約353万円でした。
※株式会社鎌倉新書「第4回お葬式に関する全国調査」「お葬式に関する全国調査(2013-2020年)

加えて、生命保険文化センターが発表する「令和4年度 生活保障に関する調査」を参照すると、老後に旅行やレジャーなどを楽しむゆとりのある生活を送るための平均月額費用は37.9万円となっています。

これらを考慮すると、65歳以降の老後生活を営むために、公的年金等を除いた最低限必要な老後資金の概算は以下の通りになります。

高齢夫婦無職世帯に必要な老後資金

  • 生活費の赤字分:18,525円 × 240か月(20年)= 4,446,000円
  • 介護費用:600万円 × 2人分 = 1,200万円
  • 葬儀費用:100万円 × 2人分 = 200万円
  • 合計金額:1,844.6万円

ゆとりのある老後生活を送ることを考えると、公的年金や社会保障給付等を除いておおよそ2,000万円の老後資金を貯蓄しておく必要があるということがわかります。

この金額はあくまで平均額の不足分から算出した金額なので、実際の不足分は各世帯の家計状況やライフスタイル等によって大きく異なります。

また毎月の不足額は、総務省が調査した年によって異なります。2018年の調査では、高齢夫婦無職世帯の収支は毎月約41,873円の赤字でしたが、2020年の調査では、毎月1,111円の黒字となっています。

2020年度高齢夫婦無職世帯の収支

※総務省「家計調査年報(家計収支編)2020年

当然ながら不足しないケースも考えられますが、平均寿命の延伸化が進んでいることを踏まえると、上記の金額よりもさらなる貯蓄を作るために資産寿命を延ばすことが必要といえるでしょう。

清水 克俊
ナビナビ保険監修
名古屋大学教授
清水 克俊

老後の生活費は年金を主として、就労所得や資産取崩(退職金や資産運用益を含む)によって賄われています。公的年金には受給期限はありませんので、何歳以降はもらえなくなるということはありません。これは、若い世代が支えてくれるからです。
しかし、個人の金融資産は、毎年取り崩していけばいつかはなくなってしまいます。これを資産寿命と言っています。現在、日本の男性の半数は84才まで生存し、女性の半数が90才まで生存できるので、自分の余命に合わせて資産寿命を伸ばすことを考えていくことが重要であると言えます。

資産運用で資産寿命は延長する

ライフステージと資産推移のイメージ

資産寿命を延ばすためには「老後も働き続けて収入を得る」「無駄な支出を減らす」といった方法が挙げられます

ただし、60歳以上で働いたとしても賃金の伸び悩みといった問題は変わらず、高齢化に伴って働き口もごく限られたものしかないでしょう。

固定費を削減して支出を見直すことはぜひ実践していただきたいところですが、削減できる金額にも限度があります。

そうした中で有効とされるのが「長期・積立・分散」の3つを伴った資産運用です。

日本人は諸外国に比べて現金を保有する割合が高いとされていますが、昨今の低金利状態では現金を銀行に預け入れていてもほとんど利息は得られません。

生活資金を除いた余剰資金を資産運用に回すことで、一度に大きな金額とはならないものの、長期間に渡って少しずつ利益を得ることができ、結果として資産寿命を延ばすことにつながります。

たとえば、1年で100万円の利息を得るよりも10年間で11万円ずつの利息を得たほうが、20.315%の税率(2020年11月時点)を考慮したとしても手残りが多くなりますし、一度に100万円の利益を狙うよりも難易度は高くありません。

こうした考え方を持った上で資産運用を行い、資産寿命を延ばすために尽力することで安定した老後生活を送るための資金を貯蓄することが可能となります。

資産寿命のシミュレーション

この章では資産寿命のシミュレーション結果をご紹介していきます。

以下の前提条件をもとにして、資産運用を行った場合と行わなかった場合とで資産寿命の尽きる年齢を見てみましょう。

前提条件

  • 金融資産額:1,000万円
  • 取り崩しを始める年齢:60歳
  • 毎月の取り崩し金額:5万円
  • 想定利回り:2%

資産寿命の推移シュミレーション

金融資産1,000万円を60歳から毎月5万円ずつ取り崩した場合の資産寿命シミュレーション
資産運用を 年利 資産寿命 年齢
行わなかった場合 0% 16年8か月(200か月) 76歳8か月目
行った場合 2% 20年4か月(244か月) 80歳4か月目

ご覧の通り、金融資産1,000万円を60歳から毎月5万円ずつ取り崩していくケースでは、年利2%の資産運用を行うことで資産寿命を約4年間延ばすことができます

上記はあくまで一例であり、各世帯の家計状況やライフスタイル等によって実際の金額とは異なるため、ここでは資産運用を行った場合と行わなかった場合とで資産寿命がこれだけ変わるということを知ってもらえれば幸いです。

清水 克俊
ナビナビ保険監修
名古屋大学教授
清水 克俊

簡単な資産寿命の計算式は、「資産寿命」=「リタイヤ時金融資産額」÷「リタイヤ後の年間取り崩し額」です。
「リタイヤ時年齢」+「資産寿命」が資産が0になる年齢となります。資産運用収益が高くなるほど、また、リタイヤ時年齢が高くなるほど、さらに、リタイヤ後の年間取り崩し額が少なくなるほど、資産寿命は長くなります。半数の女性が余命を迎える90才を目標とすれば「リタイヤ時の金融資産額の目標値」は(90ーリタイヤ時年齢)×「リタイヤ後の年間取り崩し額」で計算できます。

資産寿命を延ばすための具体的な運用方法

老後2,000万円問題の発端ともなった金融庁の「金融審議会市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」(令和元年6月3日)」では、“個人が資産形成を行うに際して制度的な環境が整いつつある”として「つみたてNISA」と「iDeCo」の2つを取り上げています。

つみたてNISAは年間40万円までの積立投資における運用益が全額非課税となる制度で、20歳以上の国内在住者であれば誰でも利用でき、いつでも資産の引き出しが可能です。

一方のiDeCoは掛け金の上限が定められており、原則として60歳になるまで資産を引き出すことができませんが、運用益に加えて掛金や受給額に対しても一定の控除が受けられるなどの税制上の優遇措置が認められています

つみたてNISAとiDeCoそれぞれの特徴
つみたてNISA iDeCo
年間投資上限額 最大40万円 14.4万円〜81.6万円
※保険者資格によって上限額が異なる
※企業型確定拠出年金(企業型DC)と併用する場合は月額5.5万円(年額66万円)が上限
非課税期間 投資した年から最長25年間
※制度改正前は最長20年間
加入から65歳になるまで
(最大10年まで延長が可能)
※制度改正前は60歳になるまで
途中換金 可能
※ただし非課税枠の再利用は不可
不可
資金の引き出し 可能 原則60歳まで引き出しは不可
※重度の障害状態や死亡時には給付金として引き出しが可能
※特定の要件を見たした場合に「脱退一時金」の受給が可能
投資対象商品 長期の積立・分散投資に適した一定基準を満たした公募株式投資信託・ETFなど 定期預金・保険・投資信託など

これらの制度は、どちらか一方を選択するというより、両者を併用して子供の教育資金や住宅の購入費用などの「計画的な支出」と、病気やケガ、失業などの「突発的な支出」への備えをしながら老後資金の貯蓄をすることが望ましいとされています。

なお、iDeCoを始めるには金融機関を選ぶ必要がありますが、ネット証券で国内株取引シェアが最も多く、商品のラインナップも充実している「SBI証券」がおすすめです。

手数料の安さや取引の際にTポイントが貯まることもおすすめ理由の1つですが、もちろん注意点等も存在しますので、以下ページをしっかりと読んで理解してから申し込むようにしましょう

清水 克俊
ナビナビ保険監修
名古屋大学教授
清水 克俊

若い世代の人は、資産寿命を考慮に入れて資産形成の目標値を設定するとよいでしょう。50代から60代の人で、これまで資産寿命を考えたことがなかった人は、この機会にぜひ計算してみてください。また、退職金や公的年金についても確認し、老後の生活費をどのように賄うかを考えてみてください。急激な生活の変化を避けるためには、早めに方策を立てることが重要です。例えば、現在の家計簿(収入・支出)の見直し、資産形成方法の見直し、就労環境の見直しなどが考えられます。

まとめ

資産寿命とは、老後生活を送るにあたって、それまでに形成してきた資産が尽きるまでの期間のことを指します。

あくまで2018年度における平均額ではありますが、65歳以上の高齢夫婦無職世帯の収支状況を鑑みると毎月約4万円の貯蓄を取り崩しながら生活を送っていることがわかりました。

これらには介護費用や葬儀費用は含まれておらず、平均寿命の85歳前後まで生活することを考えるとおおよそ2,000万円の資産を貯蓄しておく必要があり、資産寿命を延ばすことの重要性は非常に高い状況にあるといえます。

資産寿命を延ばすための具体的な方法として「つみたてNISA」や「iDeCo」が挙げられ、両者を併用することで計画的な支出や突発的な支出に備えながらも、効率よく老後資金の貯蓄を進めていくことができます。

平均寿命の延伸化が進んでいる日本において、資産運用はいつから始めても決して遅いといったことはありません。

この記事を読んだことをきっかけに、資産寿命を延ばすための資産運用に取り組んでいただければ幸いです。

マンガ・イラスト付き

保険は本当に不要なの??

パンフレット その保健不要論本当に正しいですか?
清水 克俊

清水 克俊

東京大学経済学部経済学科卒業後、同大学院経済学研究科に進学。同大学院経済学研究科第二種博士課程満期単位取得退学後、同研究科より博士(経済学)を取得。東京大学社会科学研究所助手、青山学院大学経済学部専任講師、同助教授、名古屋大学大学院経済学研究科准教授を経て、現在は同研究科教授。専門分野は金融経済学であり、特に銀行やコーポレートファイナンス、金融政策の分野を研究している。
所有資格
博士(経営学)
専門分野・得意分野
金融経済学、金融政策、コーポレートファイナンス
藤田 匡紀

藤田 匡紀

新卒で日本生命保険相互会社に入社し、販売企画・代理店営業など多様な業務に従事。13年間勤務した後「もっと多くの人に、保険の必要性を正しく理解してもらいたい」という思いを胸にエイチームフィナジーに入社、ナビナビ保険の運営に参画。金融機関における顧客向け相続セミナー・研修会の実績も多数あり。
所有資格
AFP資格、証券外務員Ⅱ種
専門分野・得意分野
生命保険全般、資産運用
中村 翔也

中村 翔也

携帯代理店法人部門にて営業職として2年半勤務後、2017年12月よりwebライターとして独立。通信ジャンルをメインに金融系、保険記事を毎月30本以上執筆。
所有資格
ファイナンシャル・プランニング技能士3級
専門分野・得意分野
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ナビナビ保険編集部

ナビナビ保険編集部

ナビナビ保険編集部は「どこよりも分かりやすい保険情報を届けること」をコンセプトにコンテンツの配信を行っています。

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