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更新:2020.11.27

養子縁組とは?普通・特別の違いと相続税対策の注意点を分かりやすく解説します

養子縁組とは?普通・特別の違いと相続税対策の注意点を分かりやすく解説します

養子縁組とは?

養子縁組とは、血縁関係にない人同士が法律上の親子関係を結ぶための制度のことをいいます。

日本では古くから、子宝に恵まれなかったときの家系の存続や跡取りを設けるために広く行われてきました。

大きく分けると養子縁組には2つの種類があり、それぞれで意味合いが大きく異なります。

養子縁組の種類

    • 普通養子縁組:一般的な意味で使われる養子縁組。実親と養親の2組と親子関係にある状態
    • 特別養子縁組:実親との親子関係を断絶し、養親との親子関係のみにある状態

養子縁組をすることで養子(養女)と正式な親子関係が結ばれることになるので、養子は実子と同様に「扶養を受ける権利」を持つことになります。

また、養子縁組をすると法定相続人になる予定の人(推定相続人)が増えるため、基礎控除額が大きくなることから相続税対策としても有効です。

ただし、普通養子縁組と特別養子縁組では認められるための条件が大きく異なり、相続税対策として用いる場合には覚えておくべき注意点も存在します

そこでこの記事で、普通養子縁組と特別養子縁組の違いや、養子縁組による相続税の軽減効果について解説していきます。

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普通養子縁組と特別養子縁組の違い

普通養子縁組と特別養子縁組の違い

普通養子縁組と特別養子縁組は、冒頭でお伝えしたように「実親との親子関係の継続有無」といった違いがあります。

それ以外にも多くの異なる点が存在するので、まずは両者の違いから確認していきましょう。

普通養子縁組と特別養子縁組の違いについて
普通養子縁組 特別養子縁組
目的 主に家系の存続や親のため 子供の福祉、利益を図るため
縁組の成立 養親と養子の同意により成立 養親の請求に対し家庭裁判所の決定と実父母からの同意により成立
※ただし実父母が意思を表示できない場合または虐待など養子となる者の利益を著しく害する理由がある場合は除く
要件 養親:成年に達した者
養子:尊属または養親より年長でない者
養親:原則25歳以上で配偶者がある者(どちらか一方が25歳以上ならもう一方は20歳以上で可)
養子:原則、15歳に達していない者かつ子の利益のために特に必要があるときに成立
実父母との親族関係 実父母との親族関係は継続 実父母との親族関係が終了
監護期間 特になし 6か月以上の監護期間を考慮して縁組
離縁 原則、養親および養子の同意により可能 養子の利益のため特に必要があるときに養子、実親、検察官の請求により離縁
戸籍上の表記 実親の名前が記載され、養子の続柄は「養子(養女)」となる 実親の名前が記載されず、養子の続柄は「長男(長女)」等となる

参照:普通養子縁組と特別養子縁組について|厚生労働省

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普通養子縁組

普通養子縁組は、実親との親子関係を維持したまま、養親との間に法律上の親子関係を結ぶ養子縁組のことを指します

普通養子縁組で養子となった人は2組の親を持つこととなり、それぞれに対して「扶養を受ける権利」や「相続する権利」を有することが特徴です。

基本的に特別養子縁組よりも条件がゆるめに設定されており、成年に達していて養親となる意思がある人かつ養子からの同意が得られれば誰でも養親になることができます。

ただし、養子となる人は養親や尊属よりも年少でなければならないので、養親となる人の年齢によっては養子を迎えることができない場合も考えられます

なお、旧民法における婿養子や再婚相手の連れ子、相続税対策として自身の孫を養子にするといった場合は普通養子縁組にて行われます。

特別養子縁組

特別養子縁組は、実親との親子関係を解消し、養親との間に法律上の親子関係を結ぶ養子縁組のことをいいます。

実親との親子関係を断絶することから、養子となった子は実親に対する「扶養を受ける権利」や「相続する権利」を一切有しなくなることが特徴です。

実親との親子関係を解消したほうが良いケースとしては、実親が育児放棄をした、虐待をしている、経済的な困窮によって育児ができないなどの理由が挙げられます。

上記のような理由に該当する場合、児童相談所や養子縁組斡旋事業者からの斡旋を受け、養親と養子が同意することに加えて実父母からの同意と家庭裁判所による決定を経て特別養子縁組が成立します。

特別養子縁組は「子供の福祉の増進を図ること」を目的としているため、養親や実親の都合ではなく、養子となる子にとってどの選択が最適であるかを考慮する必要があるということを覚えておきましょう

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養子縁組が認められる条件

養子縁組が認められる条件は、普通養子縁組・特別養子縁組それぞれで大きく異なります。

すでにご紹介した通り、実親との親子関係を断絶する「特別養子縁組」の方が厳しい要件となっています。

養子縁組を検討中の人は、それぞれの要件をしっかりと理解した上で手続きを行うようにしてください。

普通養子縁組の場合

普通養子縁組を行う場合の要件は以下のとおりです。

普通養子縁組を行う場合の要件

  • 養親が成年者であること
  • 20歳以上もしくは結婚歴のある人
  • 養子が養親や尊属よりも年長者でないこと
  • 養親・養子ともに養親・養子となる意思を持っていること
  • 養子となる人が15歳未満の場合は法定代理人が代わりに承諾を行う
  • 養親・養子ともに結婚している場合は配偶者の同意を得ていること
  • 養子となる人が未成年者の場合は家庭裁判所の許可を得ていること
  • 後見人が被後見人を養子にする場合は家庭裁判所の許可を得ていること
  • 婚姻関係にある夫婦が未成年者を養子にする場合、夫婦ともに養親になること
  • 養親または養子の本籍地か住所地を管轄する市区町村役場に養子縁組の届出をしていること

普通養子縁組の要件として重要なポイントは「養親が成年者であること・養子となる人が養親または尊属よりも年少であること・養親養子ともに養親養子となる意思を持っていること」の3点です。

これらの3点を満たした上で、養親または養子の本籍地か住所地を管轄する市区町村役場で養子縁組の届出を行えば普通養子縁組をすることができます。

なお、養子となる人が未成年者の場合は家庭裁判所からの許可を得る必要があるので覚えておきましょう。

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特別養子縁組の場合

一方、特別養子縁組を行う場合の要件は以下のとおりです。

特別養子縁組を行う場合の要件

  • 夫婦ともに養親になること
  • 一方の連れ子を養子にする場合は養親となるのはもう一方のみ
  • 養親となる夫婦のどちらか一方が25歳以上、もう一方が20歳以上であること
  • 養子となる人の年齢が原則として15歳未満であること
  • 例外として以下の3つを満たす場合に15〜17歳の人も可
  • 本人の同意があり、15歳未満から養父母が養育していて、やむを得ない事情で15歳までに申し立てができなかった場合
  • 実親からの同意を得ていること
  • 意思表示が難しい場合や、虐待などの理由で養子となる人の利益を著しく害する事由がある場合は不要
  • 父母による、養子となる者の監護が著しく困難または不適当であること、その他特別の事情がある場合において、子の利益のため特に必要とされること
  • 特別養子縁組を請求してから6か月間監護した状況を考慮して家庭裁判所から認可を得ていること

上記を見ると、普通養子縁組よりも要件が厳しくなっていることがおわかりいただけるかと思います。

これらの中でも特に難しい要件が、その特別養子縁組が「子の利益のため特に必要とされること」と認められるかどうかという点です。

児童相談所や養子縁組斡旋事業者からの斡旋を受けた場合であれば問題ありませんが、家庭裁判所の判断によっては特別養子縁組が必要と認められない可能性もあるので注意が必要です。

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養子縁組による相続税負担の軽減

養子縁組を行うと、迎え入れた養子は実子と同様に扱われ、法定相続人の1人に加えられます

法定相続人が増えると相続税を計算する際の基礎控除額が増えるため、相続税による負担を軽減することができます。

相続税の基礎控除

相続税における基礎控除額は以下のとおりです。

相続税の基礎控除額

  • 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人

つまり、法定相続人が1人増えると基礎控除額が600万円も増える計算となります

相続税は、相続財産の価額から基礎控除額を差し引いた金額に所定の税率をかけた金額となるため、基礎控除額が増えればその分に応じて相続税負担の軽減につながります。

生命保険金等の非課税枠

被相続人に生命保険をかけていた場合、死亡した際に支払われる死亡保険金は「500万円×法定相続人」を超過した分に対して税金が発生します。

つまり、養子縁組を行って法定相続人が増えると、相続税の基礎控除が増えることに加えて生命保険金等の非課税枠も大きくなります。

生命保険における相続税対策については、以下の記事もあわせてご参照ください。

死亡退職金等の非課税枠

被相続人が会社員の場合、死亡した際に退職金が支払われます。

このときに支払われる死亡退職金についても「500万円×法定相続人」の控除が受けられるので、養子縁組によって法定相続人が1人増えると500万円の非課税枠が増えることとなります

法定相続人の数に含められる養子の数

養子縁組をすることで相続時の法定相続人が増やせるので、結果として相続税の負担が軽減できます。

ただし、法定相続人に加えられる養子の数には上限が設けられています。

法定相続人の数に含められる養子の数

  • 養親に実子がいる場合:法定相続人に含められる養子の数は「1人」まで
  • 養親に実子がいない場合:法定相続人に含められる養子の数は「2人」まで

養子縁組によって負担を軽減できる相続税は、最大でも2人分の養子までなので気をつけましょう

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養子縁組で相続税対策を行う時の注意点

養子縁組をすることで相続税対策としてのメリットがありますが、その一方でデメリットもあります。

養子縁組で相続税対策を行う時には以下の注意点に気をつけましょう。

養子縁組で孫を養子にした場合は相続税の2割加算の対象となる

養子縁組で孫を養子にした場合、相続税の2割加算の対象となるため、通常よりも多くの相続税を納めることになります。

孫が遺産を相続するためには本来2回の相続が必要(被相続人→子→孫)ですが、ここで孫を養子にすると一度の相続で済みます。

そうなると他の人との間で不公平となってしまうことから、平成15年度の法改正によって孫が相続を受ける際には相続税額が2割加算されることとなったのです。
なお、孫が代襲相続人となった場合には2割加算の対象とはなりません

養子となる人に子供がいた場合、養子縁組前に生まれた子は代襲相続の対象外となる

養子となる人に子供がいた場合、養子となる人と養子縁組を行う前に生まれた子供は代襲相続の対象外となります。

「代襲相続」とは?
被相続人の死亡以前に、被相続人の子や兄弟姉妹が死亡などにより相続権を失っていた場合に孫や甥、姪が相続財産を受け継ぐこと

養子縁組をすることで法律上の親子関係を結ぶことができますが、養子縁組を行う前に生まれた養子の子供は血縁関係が認められないためです。

そのため、養親よりも先に養子が亡くなった場合、養子縁組を行うよりも前に生まれた養子の子供は代襲相続の対象外となり、法定相続人としての権利を引き継ぐことができません。

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子供の配偶者を養子にした場合は後々に家族トラブルへと発展する可能性がある

子供の配偶者を養子にした場合、後々になって家族トラブルへと発展する可能性があります。

養子縁組を行って養子を迎え入れると、その養子は実子と同じ権利を持つ法定相続人となります。

このとき、長男の配偶者を養子に迎え入れると他の実子が相続する分の財産が減ってしまうので、家族トラブルの原因となりやすいのです。

「普段から面倒を見てくれる長男の配偶者を養子に迎え入れて財産を相続させたい」と考える人は少なくありませんが、実子が複数人いる場合には事前に話し合った上で養子縁組を行うようにしましょう。

税務調査によって節税目的の養子縁組と判断された場合は法定相続人と認められない可能性がある

税務調査が行われる際、明らかに節税目的で養子縁組を行ったと判断された場合、迎え入れられた養子は法定相続人と認められない可能性があります。

養子縁組の目的が明確になっている必要があるので気をつけましょう。

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養子縁組に関するよくある質問Q&A

最後に、養子縁組に関する「よくある質問」にお答えします。

Q. 独身でも養子縁組はできる?

A. 普通養子縁組の場合は独身者でも問題ありません。

特別養子縁組の場合は配偶者がいないと養子縁組を行うことができません。

Q. 共働きでも養子縁組はできる?

A. 法律上は、養親となる要件に共働きについての記述はありません。

そのため、共働きであっても養子縁組を行うことができます。

Q. 養親になるための収入要件はある?

A. 収入に関する要件は明記されていないため、他の要件を満たしていれば誰でも養親になることができます。

ただし、特別養子縁組は「子供の福祉の増進を図ること」を目的としていることから、経済的に不安がある世帯においては家庭裁判所による許可が得られない可能性があります。

Q. 養親・養子となるのに年齢制限はある?

A. 普通養子縁組、特別養子縁組で養親・養子となれる人の年齢は以下のとおりです。

養親・養子の年齢について
普通養子縁組 特別養子縁組
養親 20歳以上 夫婦の一方が25歳以上、もう一方は20歳以上
養子 養親または尊属より年少であること 原則として15歳まで(例外として15〜17歳でも可)

普通養子縁組の場合は、基本的に養子となる人の年齢が養親よりも下であれば誰でも養子縁組が行なえます。

特別養子縁組の場合は養親・養子それぞれに年齢制限が設けられているので注意しましょう。

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まとめ

養子縁組とは、血縁関係にない人同士が法律上の親子関係を結ぶための制度のことをいいます。

大きく分けると「普通養子縁組」と「特別養子縁組」の2種類に分けることができ、それぞれには以下のような違いがあります。

普通養子縁組と特別養子縁組の違いについて
普通養子縁組 特別養子縁組
目的 主に家系の存続や親のため 子供の福祉、利益を図るため
縁組の成立 養親と養子の同意により成立 養親の請求に対し家庭裁判所の決定と実父母からの同意により成立
※ただし実父母が意思を表示できない場合または虐待など養子となる者の利益を著しく害する理由がある場合は除く
要件 養親:成年に達した者
養子:尊属または養親より年長でない者
養親:原則25歳以上で配偶者がある者(どちらか一方が25歳以上ならもう一方は20歳以上で可)
養子:原則、15歳に達していない者かつ子の利益のために特に必要があるときに成立
実父母との親族関係 実父母との親族関係は継続 実父母との親族関係が終了
監護期間 特になし 6か月以上の監護期間を考慮して縁組
離縁 原則、養親および養子の同意により可能 養子の利益のため特に必要があるときに養子、実親、検察官の請求により離縁
戸籍上の表記 実親の名前が記載され、養子の続柄は「養子(養女)」となる 実親の名前が記載されず、養子の続柄は「長男(長女)」等となる

普通養子縁組と特別養子縁組では、それぞれで成立要件が異なります。

養子縁組を検討中の人は、要件をしっかりと確認した上で手続きを行うようにしてください。

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公開:2020.11.20
この記事の執筆者

中村 翔也

携帯代理店法人部門にて営業職として2年半勤務後、2017年12月よりwebライターとして独立。通信ジャンルをメインに金融系、保険記事を毎月30本以上執筆。
所有資格
ファイナンシャル・プランニング技能士3級
この記事の監修者

藤田 匡紀

新卒で日本生命保険相互会社に入社し、販売企画・代理店営業など多様な業務に従事。13年間勤務した後「もっと多くの人に、保険の必要性を正しく理解してもらいたい」という思いを胸にエイチームフィナジーに入社、ナビナビ保険の運営に参画。金融機関における顧客向け相続セミナー・研修会の実績も多数あり。
所有資格
AFP資格、証券外務員Ⅱ種
この記事の編集者

ナビナビ保険編集部

ナビナビ保険編集部は「どこよりも分かりやすい保険情報を届けること」をコンセプトにコンテンツの配信を行っています。

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